韓国が狙うサウジアラビアのオイルマネー。未来都市で繰り広げられる受注合戦

サウジアラビアが未来都市「ネオムシティ」プロジェクトを立ち上げ、その入札や受注で韓国が落ち着かない様子を見せているようです。そこで今回のメルマガ『キムチパワー』では、韓国在住歴30年を超える日本人著者が、そのネオムシティ事業の秘密裏に行われている受注戦について語っています。

サウジの「ネオシティ」事業

総事業費が5,000億ドル(約640兆ウォン=約64兆円)にのぼる世界最大規模のインフラ受注合戦が始まった。サウジアラビア北西部紅海付近の2万6,500平方キロメートルの敷地にソウルの44倍の面積未来都市を建てる「ネオム(NEOM)シティ」プロジェクトだ。

韓国の今年の予算(607兆ウォン)を上回る巨大な事業だが、入札は徹底した非公開で進められている。国内ではサムソン・現代自動車グループが事業受注戦に参入し、大規模受注に成功した場合、「第2の中東ブーム」が期待できるという見通しまで出ている。

ネオムシティはサウジ実権者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子が主導するもので、石油に依存してきた経済を先端製造業中心に転換するための「サウジビジョン2030」の核心プロジェクトだ。

ネオムシティは長さ170キロメートルに達する自給自足型直線都市「ザ・ライン」、海の上に浮かんでいる八角形先端産業団地「オクサゴン」、大規模な環境にやさしい山岳観光団地「トロゼナ」で構成される。

高さ500メートルに、世界最大幅の双子ビルも建設される計画だ。1次完工目標は2025年で都市に必要な住宅・港湾・鉄道・エネルギー施設など大規模インフラ入札が現在進行中だ。

ギリシャ語とアラビア語で「新しい未来」という意味のネオムシティ事業はサウジが徹底的に非公開で入札を進めている。国内では大規模インフラ事業能力を保有している三星グループと現代自動車グループ程度が受注戦に参加する。

なぜ、仮に物価が5%上がっても年金はそこまで上がることがないのか

物価が上がれば生活が苦しくなります。しかし、年金は次の年に同じだけ上がるかといえば、そうではありません。これはなぜなのでしょうか?今回は、メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』の著者で年金アドバイザーのhirokiさんがその疑問に答えています。

物価による年金額の変動と少子高齢化に伴う年金額の抑制

公的年金ですべての人が将来は受給する事になるのが、国民年金から支給される老齢基礎年金です。

国民年金は20歳になると強制加入となり、60歳前月までの480ヶ月間加入して保険料を支払う義務が課されています。
(厚生年金は20歳前から加入可能であり、最大70歳まで加入できる)

とはいえ40年もの期間なので、途中に保険料が支払えるのが困難になる事もあります。失業とか病気、災害などですね。

そのような時は保険料を支払うどころではないので、申請により国民年金保険料を免除してもらう事が出来ます。

上記のような人生の一大事ではなくても一定の所得以下の場合は、免除の申請をする事で保険料を免除する事が出来ます。

免除は市役所や年金事務所で申請する必要があります(厚生年金は免除できません)。

なお、免除にするという事はそれだけ保険料を支払っていない事になるので、将来貰う老齢基礎年金額が低下する事にはなります。

少しでも老後資金を増やすためにも、免除した期間は後で保険料を追納する事が出来るので、追納して年金を増やしておく事をおススメします。追納は過去10年以内の免除期間において可能です。

欧米が吹聴する「すべてプーチンが悪い」の大ウソ。“複合”戦争で勝利する中露

今や全西側諸国とロシアとの激突となったウクライナ戦争。しかしその決着はすでにつきつつあるようです。今回の無料メルマガ『田中宇の国際ニュース解説』では著者で国際情勢解説者の田中宇(たなか さかい)さんが、この戦争を従来型のものとは異なる「複合戦争」とした上で、ロシアが勝者となる可能性が高い根拠を解説。さらに米中衝突においてもアメリカが敗北を喫することは必至であり、そのような結果に終わるにわかに信じ難い理由を明かしています。

複合大戦で露中非米側が米国側に勝つ

最近、ウクライナ戦争に関して複合戦争(Hybrid War)という言葉をよく目にする。複合戦争は、兵器を使って殺人や破壊をする従来型の戦争と、それ以外の分野の作戦が複合されて勝ち負けが決まっていく戦争、という意味らしい。従来型以外の分野は多種多様で、ひと括りにできない。複合戦争は曖昧な概念だ。そもそも従来型の戦争自体、諜報や傍受、撹乱、プロパガンダなど裾野が広いし、軍事と隣接して外交の分野があるので複合的である。細かい定義は重要でない。今回のウクライナ戦争がとくに複合的かつ世界的な「複合大戦」であるのは、米国と同盟諸国(米国側)がロシアを徹底的に経済制裁し、対抗してロシアが中国やインドなど非米諸国を引っ張り込んで米国側vs.非米側の経済対立・世界経済の分裂になっているからだ。

Escobar: Russia Rewrites The Art Of (Hybrid) War

米国側がロシアをドル決済(SWIFT)から追放し、対抗してロシアは米国側にルーブルで石油ガス代金を払えと要求して対立し、結局ロシアが勝っている。EUは先日、加盟国がロシアにルーブルで払っても対露制裁違反でないと決めた。これまで、ルーブル払いがEUの対露制裁に違反しているのかどうか不透明だった。EU上層部が「違反です」と言った後、イタリアのドラギ首相が「違反じゃない(ようだ)」と宣言する展開もあった。結局EUは、違反でないと決めた。EUの対露制裁は無意味になり、ロシアはEUを打ち負かした。これは今回の複合戦争の一部だ。ロシアのラブロフ外相が5月14日に「米欧(米国側)がロシアに対し、経済制裁など全面的な複合戦争を仕掛けてきている。ロシアは中国やインドと協力してこれを乗り越える」と表明した。露政府は最近、複合戦争という言葉をよく使う。

EU Gives OK To Pay For Russian Gas In Rubles
Russia Forges New Partnerships in Face of West’s ‘Total Hybrid War’ – Lavrov

そもそもEUはロシアの石油ガスに依存しており、その輸入を短期間で止めることは不可能だと開戦前からわかっていた。EUの親分である米国は、2014年から8年もかけて今回のウクライナ戦争の準備をしてロシアに侵攻させたのだから、米国がEUに石油ガスの輸入先をロシア以外に変えさせる戦争準備の時間はたくさんあった。開戦前にたっぷり備蓄することもできた。しかし実際は何の準備も行われず、ドイツは最後までノルドストリーム2を予定通り稼働させようと米国に頼み続けていた。開戦前のEUの石油ガス備蓄の増加も行われず、開戦時の欧州全体の天然ガスの備蓄量は、備蓄可能総量の5%しかなかった(開戦前から米国側に敵視されたガスプロムが欧州への送付を減らし続けたので)。欧州はロシアとの複合戦争において、戦う前から負けていた。米国は、NATOを通じて欧州と戦略を共有し、欧州に戦争準備をさせるべきだったのに、何もしなかった。米NATOの(意図的な)作戦負けである。

Europe has next to no gas left – Gazprom
ロシアを制裁できない欧米

ウクライナ開戦で決定的になった米国側と非米側の対立において、世界の石油ガス鉱物や穀物など資源類の多くは非米側が持っている。米国側はカネだけ持っているが、このカネは大膨張した金融バブルであり、そのバブルはウクライナ戦争と並行して進んでいる米連銀のQE終了・QT(過剰造幣事業の収縮)によってバブル崩壊を引き起こすことが必至になっている。QE終了・QTによって、米国覇権の根幹にあったドルのバブルがこれから劇的に崩壊していくことが予測されたので、プーチンは勝てると気づいてウクライナに侵攻した。プーチンのウクライナ侵攻は最初から世界金融システムの大転換と連動しており、その意味で複合戦争だった。金融面のウクライナ複合戦争は、ロシアが勝つというより、米国側がQE終了・QTによって自滅的に金融崩壊して負けていく。

来年までにドル崩壊
Morgan Stanley: We Are About To Find Out The Cost Of Remodeling A Global Economy
Five Warning Signs The End Of Dollar Hegemony Is Near

最速の梅雨明けで灼熱地獄。熱中症と冷房病どちらも防ぐ方法は?

6月27日、関東地方は観測史上最も早く梅雨が明け連日猛暑。気象庁の気温予想のマップはさながらRPG内の毒の沼のようになっています。この状況で最大限警戒が必要なのが熱中症です。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』著者で、気象予報士でもある健康社会学者の河合薫さんは、4年前に続き2度目となった6月梅雨明けの理由を解説。熱中症を避けるには冷房が必須も、設定温度を低くしすぎると厄介な「冷房病」の危険度も高まると注意を呼びかけています。

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灼熱地獄と熱中症と。

あっという間に梅雨が明けてしまいました。平年だとこれからが“梅雨本番”です。ところが、なんと関東では平年より22日も早く、雨の季節が終わってしまいました。

「6月に梅雨明けなんて信じられない!」という意見もSNSでは散見されますが、6月に梅雨明けしたのは、今回が2度目(1951年以降)。4年前の2018年の梅雨明けは6月29日です。

わずか4年で2回も6月中に明けたのは、温暖化の影響と言わざるをえません。地球は確実に暖まっていて、極端な気象現象が起こりやすくなっているのです。

特に、今年はインド気象局が、モンスーンが平年より1週間ほど早く北上していることを確認し、インドでは4月下旬から猛烈な熱波に襲われ、最高気温を更新していました。そもそも梅雨は日本だけの現象ではなく、中国では「梅雨(メイユー)」インドではモンスーン(雨季)と、広くアジアの現象です。すべて繋がっているのです。

その数千キロにもわたる梅雨前線をつくっているのが、チベット高原です。中国大陸や日本が位置する中緯度には、偏西風とよばれる強い西風がふいていますが、冬のあいだチベット高原の南まで南下していた偏西風は、春から夏にかけて暖かい空気に持ち上げられ少しずつ北上します。

この西風がチベット高原にぶつかる時期が6月頃。標高5000メートルもあるチベット高原で、偏西風は北と南の2つの流れに分離され、その2つの風が日本の東で、再び合流します。やがて7月になると、偏西風はさらに北上し、チベット高原の北に押し上げられると日本の梅雨は終わります。

今年はすでに6月下旬に、偏西風がチベット高原を越え、チベット高気圧を明瞭に確認できました。どこからどうみても「梅雨明け」なのです。

ちなみに2018年の夏は、記録的な猛暑。まさに灼熱地獄でした。気象庁の季節予報では、今年も平年より暑くなることが予想されていますので、“暑さとの戦いの夏”になりそうです。「災害級の夏」到来です。熱中症をいかに防ぐか?これが今後2ヶ月の最大の課題といえるでしょう。

熱中症は「私」たちが想像する以上に恐ろしい症状です。自覚できない状況で起る「足音なき症状」なので余計に怖い。

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閑散期でも赤字を出さない年商10億の飲食業が打った「驚異の販促策」

飲食業で悩みとなるのが季節による売上の変動。数店舗を経営していると、閑散期にいかに赤字にならないような施策を打つかが非常に重要になります。今回のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』では、船井総合研究所で史上最年少のフード部マネージャー職に就き、現在は京都で外食・中食業態を複数経営しつつ、多くの企業をサポートする堀部太一さんが、年商10億円の飲食業の企業が赤字を出さないために採用した販促策の実例を紹介。どういったロジックでその策にたどり着いたか、順を追ってレクチャーしています。

この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ

 

年商10億円企業が閑散期に赤字を出さない為に行った事

飲食業は規模のメリットは他の業種に比べると意外に小さいものです。結局、1店舗ずつの積み重ねでしかありません。大きな赤字のお店があれば複数店舗の黒字を簡単に吹っ飛ばしてしまいます。

だからこそ、赤字の店舗を無くしていき、1店舗の収益性を徐々に高めていく。このような戦い方が必要になってきます。

しかし。それでも飲食業は「季節指数」があります。そのため、大きな黒字を出す時もあれば、逆に赤字になってしまう時も。ここをどう対策するか?が今回のテーマになります。

赤字になるタイミング

一般的な飲食業の営業利益率は8%です。その時を「100%」とするならば赤字転落するのは売上が「85%」を下回ってきた時になります。

年商10億円ということは平月の売上が8,000万円。85%になる時なので月商6,800万円ですね。通常よりも「1,200万円」をどうするか。ここが一つのポイントになります。

既存業態で行うこと

  • 繁忙期:ニーズがある
  • 閑散期:ニーズがない

上記の前提で見るならば繁忙期は徹底してご新規様の獲得です。そして「名物」の組数対比での出数を注視し、ご新規様に徹底して優位性あるものを楽しんで頂く。

そして顧客基盤を活かして閑散期の再来店を狙っていく。このような戦い方になってきます。

そして閑散期は徹底して「有効顧客」となるお客様の来店頻度増です。このタイミングでは「えこひいき」が大切です。「えこひいき」の内容は業態別で適したもので良いです。

  • 限定の料理
  • 値引き

この辺りになってくると思います。ではこれをどうアプローチしていくか。

<有効顧客数は?>
上述の通りこちらの企業は年商10億円。客単価が4,000円程度になってくるため、年間の来店客数は25万人になります。

250,000人=10億円/4,000円

そしてこちらの企業の「年間平均利用回数」は「2.5回」程度になってきます。そのため、有効顧客は10万人となります。

100,000人=250,000人/2.5回

<アプローチできる顧客数は?>
10万人の有効顧客がいらっしゃいますが、その全員にアプローチできるなんてことはないですよね。せっかく有効顧客数が多くても、アプローチできる人がいない…そうならないために、

  • アプリ会員
  • LINE会員
  • メルマガ会員
  • キッズ会員

など業態に合わせて会員のお客様を増やし、閑散期にアプローチできる体制を作ろうとしてきた訳です。

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「底辺の職業ランキング」が大炎上。上から見下した差別に批判殺到、同種のサイトも次々と記事を削除

就活情報サイト「就活の教科書」が作成した「底辺の職業ランキング」に「職業差別だ!」「仕事をバカにしている」と批判が殺到し炎上している。運営会社は28日に記事を削除し、事実関係を確認すると表明しているが、ランキングを見た人たちの怒りの声はおさまりそうにない。

誰でもできると仕事と12業種を断定

「底辺の仕事ランキング」は「就活の教科書」上で2021年5月から公開されていた。

冒頭では「何を底辺職と思うかは人それぞれ」で、「底辺職と呼ばれている職業は社会を支えている人で、そのような人がいるからこそ、今の自分があるのだということに気がつきましょう」とエクスキューズした後に、ランキングを展開。下記の12種類の職業と1種類の例外を紹介した。

上から①土木・建設作業員、②警備スタッフ、③工場作業員、④倉庫作業員、⑤コンビニ店員、⑥清掃スタッフ、⑦トラック運転手、⑧ゴミ収集スタッフ、⑨飲食店スタッフ、⑩介護士、⑪保育士、⑫コールセンタースタッフ、(例外)株・FXトレーダーとなっている。いずれもエッセンシャルワーカーと呼ばれる生活に必要不可欠な職種ばかりだった。

さらに底辺職の特徴として

  • 肉体労働である
  • 誰でもできる仕事である
  • 同じことの繰り返しである

と解説して、デメリットを平均年収が低く、結婚の時に苦労して、体力を消耗すると上げていた。

12種類の職業の人の神経をもっとも逆撫でしたのは、「誰でもできる」と断定したことだろう。どの職業も熟練と経験を積まなければ、一人前にはなれない。

記事は、底辺職にならないためには、転職したり、スキルや資格取得が必要だと結論づけた。

就活情報サイトは就活サイト、就活支援サービス、就活エージェントなどと提携しており、サイトを訪れた就活中の学生を提携先に誘導することで利益を得ている。

提携先に誘導する手段とはいえ、あまりにもエッセンシャルワーカーを下に見たこのランキングは、「職業差別を助長する」「就活生に差別意識を植え付ける」などと指摘され、記事は28日には削除されている。

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他にもある底辺職ランキングを書いたサイト

実は「底辺の仕事ランキング」について書いた記事は他にもたくさん存在している。いずれも就活情報サイトで、内容も似たりよったりだが、6月30日の日付で改訂されている。おそらく「就活の教科書」の炎上を受けて、エッセンシャルワーカーを蔑む言葉を削除したように思われる。

「底辺職」という言葉は就活ジャンルではよく検索されるパワーワードのようで、その中でもランキング記事は人気記事だった。

就活情報サイトはどれもキーワードで検索上位を狙って記事を作成する。そのためには「底辺職 ランキング」で表示される上位記事の情報を全て網羅する必要がある。

その結果、検索上位で表示される記事はどれも似たりよったりのものにならざるをえない。「就活の教科書」のランキング記事は皮肉にも検索上位になったがために、悪目立ちして炎上する事態になったようだ。

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このように検索上位狙いだけで作成すると、当事者への配慮が抜け落ちた記事が生まれることになる。Google検索結果だけを意識せず、読者の気分を害さない記事作りに注意する必要があるだろう。

北欧2国がNATO加盟へ。巧みな戦略でウクライナ戦争の勝者に躍り出たトルコ

北欧のフィンランドとスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)への加盟が実現する見通しとなりました。両国のNATO加盟に反対していたトルコが一転して支持を表明。トルコが提示していた要求をフィンランドとスウェーデンが応じた形となったようです。上手に立ち回った印象が強いトルコ。そこで今回は、大きな意味を持つことになったクルド人問題について解説していきます。

クルド人に関して

クルド人というのは、中東のトルコからシリア、イラク、イランにまたがった、山岳地帯に住むイラン系の民族のことを言います。

ご想像の通り、政治的には非常に不安定な地域で、人口は推定3000万人と言われながら、これ実はサウジアラビアと同じ規模ですが、同時に「国を持たない最大の民族」と言われています。

こうなった理由は、100年前の西欧の都合に端を発していて、1916年、第一次世界大戦末期に、当時の強国だったイギリスとフランスとロシアが、敗北国であるオスマン帝国をどう分割するか、という協定を結びました。

これはサイクス・ピコ協定と呼ばれていますが、これは当時の2大植民地大国であるイギリスとフランスが、戦後の自分達の権益を確保するために勝手に決めたもので、この時クルド人が無視され、クルド人が住むエリアの真ん中に線を引きました。

その後、列強の都合で、トルコの国境を決め、そしてイラクやシリア、ヨルダンなどの国を誕生させていったのですが、クルド人は最初の線引きが尾を引いたことと、トルコが必死に領土分割を防いだこともあり、民族として国を持てず、結局クルド人はトルコ、シリア、イラク、イランという4か国にそれぞれ分割されるという、日本人には想像できない不幸な形となりました。

その後、それぞれの国で、少数民族として扱われながら、独裁者や強権政権、過去はサダムフセインのイラクや、シリアのアサド政権、そして今はエルドアン大統領のトルコなどに対して分離や独立を求めていきます。

しかし、それぞれの国は自国の領土分割に繋がる話を認めませんし、一方でこのエリアには、今でも数億バレルの石油が埋蔵されると言われている大権益の眠るエリアのため、一部のイラク領土内にあるクルド人自治区を除けば、まだまだ独立には長い道のりが続くと見られています。

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トルコとクルド人

ここでトルコですが、トルコには最も多くのクルド人が住んでいて、その数は1500万人と言われています。これ人口比率でいうと20%近い割合ですが、トルコでは山岳トルコ人と呼ばれてクルド人としては認められず、しかもクルド人の若者の失業率も3人に2人だといい、社会問題としても大きいものとなっています。

そして今国際的に起こっている問題は、このトルコに住むクルド人の一部が1980年前後から過激武装化して、トルコ内でテロを含む武力闘争をしており、累計で4万人もの死者が出ている状況となっています。

彼らはクルド労働者党(PKK)と呼ばれている組織で、アメリカやEU、そして日本も、このPKKをテロ組織として指定しています。

エルドアン大統領としては、当然PKKを掃討すると言うことで、極端に言えば内戦状態となっており、PKKが逃げ込んでいるイラク北部に対し越境攻撃を加えている状況にあります。

実は今、この攻撃が激しさを増していて、5月には1年ぶりにトルコ軍の地上部隊をイラク北部に投入しました。これはれっきとした軍事行動ですが前回も述べた通り、エルドアン大統領としては国内のテロ組織を壊滅することによる「国民を守る強い大統領」というアピールもあると思います。

そして、北欧2か国のNATO加盟反対の理由が、このPKKと近い「クルド人民防衛隊」YPGと呼ばれる組織をスウェーデンが支持しているのでは、ということがエルドアン大統領の反対の口実ともなっています。

ここはロシアに恩を売り、国内支持へのアピールという政治的な部分が大きいと前回述べましたが、ただ、このYPGはIS、イスラム国掃討作戦の際に、アメリカもずっと支援してきた組織です。

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次回、アメリカのこれまでのこのエリアに対する大きな関与とその失敗の歴史について説明をしたいと思います。

出典:メルマガ【今アメリカで起こっている話題を紹介】欧米ビジネス政治経済研究所

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プーチン“余裕綽々”で次の一手。徴兵で市民を「ウクライナ送り」か?

誰しもが目を疑ったロシアによるウクライナ侵攻から4ヶ月あまり。依然激しい戦闘が続き両軍の消耗が伝えられますが、未だ停戦の道筋すら見えないのが現状です。そのような状況下で目にすることが多くなった「ウクライナ疲れ」なる言葉を取り上げているのは、ジャーナリストの内田誠さん。内田さんは自身のメルマガ『uttiiジャーナル』で今回、かような言葉が使われだしてしまった背景と、プーチン大統領の次なる動きを考察するとともに、新たな対立構造が出来上がりつつある世界の中で日本が進むべき道を探っています。

この記事の著者・内田誠さんのメルマガ

 

「ウクライナ疲れ」の中、どうやって戦争を終わらせられるか:「デモくらジオ」(6月24日)から

これは新語流行語大賞にはならないだろうと思いますが、変な言葉が使われるようになってきて。いわく「ウクライナ疲れ」。あまりにもウクライナ侵攻に関する情報が満ちあふれている。実際にはどうか分からないところもありますが、たくさん、量だけは出ている。

それによってウクライナやウクライナ侵攻に関わるニュースの、その時々のニュースを見たいか見たくないかという意味だけにおける「関心」。内容に対する関心とはまた違うと思いますが、そのニュースに対する関心が下がっていて、まあ、テレビ局がウクライナに関して追ったニュース、これのニュース番組例えば1時間とか30分とかの、何番目に持ってくるかという判断が次第に遅くなっていく。番組冒頭から取り上げるのではなくて、視聴率がちょっと落ちたあたりに持ってくる。ニュース番組というのは冒頭の視聴率が高く、そこから下がっていくというのが一般的な傾向かなと思いますが。まあ、3番目5番目という形になっていくと、そのニュースの価値が減っていくというか。まあ、それを「ウクライナ疲れ」というね。

まあ、とにかくジャーナリストが処刑スタイルでロシア兵によって殺害されたのではないかという話が出てくるくらいですから、そう簡単に取材ができる場所ではない。そういうところにも命を張って、前線でヘルメットに防弾チョッキ姿で走り回っているジャーナリストも大勢いらっしゃるわけですが、安全な場所で取材する他のテーマとは大分違うわけですね。ところが観ている方は危険になれてしまって、なかなかそのことに驚かなくなってくるというね。

とにかく侵攻とか軍事作戦とか言いますけれど、砲弾や爆弾やミサイルを一般住民が暮らしているところに無差別に放りこんで、まるで解体仕事のような、町を解体する勢いで砲爆撃を浴びせ、そして前進すると。古今東西の戦争が常にそのような形で行われたのかというと、そうではないと思うのですが。戦争行為そのものがいずれも粗野な行為なわけですが、そのなかでも乱暴極まりないやり方。ウクライナ市民の犠牲者が4千数百人という数字がでていますけれど、そんなに少ないわけはありませんよね。ロシア兵の死者数もすごいですが。とにかく、酷いことが今も行われています。

で、このところメディアはどうやって戦争を終わらせられるか、どうやって終わっていくことが可能なのかというふうな話に少しずつ移ってきているようですね。それも当然で、4ヶ月、2月の24日からでしたからね、4ヶ月たって、国連の機能しないことはもう分かったわけですが、様々な国際会議の場でこの問題が扱われるようになってきている。その中に当事者の姿もある訳ですが。EUの首脳会議でウクライナがEU加盟候補国に選ばれたということがありました。これはまあ、EUって、財政の問題とか、非常に厳しいですので、この状況、戦争という状況があったとしても、じゃあウクライナに肩入れしてEUに入れられるかというと、多分、そう単純な話ではないのだと思いますね。

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ウクライナ支援に限界。欧米の領土妥協案に猛反発のゼレンスキー

どれだけ国際社会の批判を浴びようとも、ウクライナへの攻撃の手を緩めることのないプーチン大統領。長期化の様相を呈するこの紛争への支援の限界を感じ始めた欧米各国の間からは、ウクライナに対して妥協を促す声も上がっていると伝えられます。今回のメルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』では著者でジャーナリストの伊東森さんが、ロシアとウクライナの関係性を地域の歴史を紐解きつつ解説するとともに、現在一部から上がっているウクライナへの領土全面奪回の断念を求める声を紹介。ゼレンスキー大統領は猛反発するものの、イタリアが国連に提出した和平案に含まれる内容を鑑みると、実際に領土の割譲を迫られる可能性もあるとの見方を示しています。

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ウクライナとロシア 両国を分かち合い、そして隔てるもの 豊富な資源を持つウクライナ東部ドンバスをめぐり駆け引き

ロシア軍によるウクライナ侵攻から、まもなく4カ月が経過する。首都キーウでは、日常が戻りつつあるようだ。値段が上がっているもの、しかし食料品は豊富にあるという(*1)。

ただ、燃料不足が深刻。製油施設が攻撃を受けた影響で、多くのガソリンスタンドが営業を休止している。

侵攻直後、ロシア軍がキーウ近郊まで迫ってきたこともあり、いったんは多くの人が街から避難した。しかし、ロシア軍がキーウ近郊から撤退したことを受け、4月ごろから徐々に人々が戻りつつあるという。

だが、戦争は長期化しそうだ。NATO(北大西洋条約機構)のイエンス・ストルテンベルグ事務総長はドイツ紙のインタビューに対し、ウクライナにおける戦争は「数年続く」おそれがあると警告した(*2)。

ロシア軍は、ウクライナ東部のルハンシク州の最後の拠点とされるセベロドネツクへの攻勢を強め、双方の攻防が激しくなっている。

よく、ウクライナとロシアとの関係を「兄弟のようだ」とする話が出てくる。

そもそもキエフを中心とした現在のウクライナ地域は、「ロシアの発祥の地」といっても過言ではない。ここで生まれた文化とこの地で受容されたキリスト教の正教会が、後にモスクワなど現在のロシアの地に広がっていったからだ。

 

日本に例えるなら、畿内に発祥した中央政権が、武士の世になり、政治的な拠点を関東に移していったことに似ている。

(山中俊之、2022年2月27日)

しかし、日本とは少し事情が異なるようだ。

日本では、畿内と関東で別の国家となったことはない。畿内と関東で同一民族という点でも異論はない(アイヌ民族など先住民・少数民族の存在は決して忘れてはならないが)。

 

一方、ロシアとウクライナはたもとを分かち、言語も文化も徐々に変わっていったのだ。そして、「弟分」のロシアが強大な帝国になり、「兄貴分」のウクライナを支配した。旧ソ連時代にも、連邦内の共和国として支配を続けた。

 

この点が、ウクライナから見ると、「弟分のくせに、偉そうに」となる。ロシアから見ると、「自分たちの源流であり、ロシアに近い存在」となる。

(山中俊之、2022年2月27日)

そもそも、国民国家とはベネディクト・アンダーソンによれば、「想像の共同体」に過ぎない。そうなれば、想像とは、いとも簡単に崩れ去る。国家の形など、脆弱だ。

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目次

  • ウクライナとは
  • ウクライナとロシアの関係
  • くすぶる、領土分割案 支援に限度 ゼレンスキー大統領は反発

この記事の著者・伊東森さんのメルマガ

 

誰もクビにせず給料もカットせず。立命館大学の学食運営企業が下した大きな決断

先日掲載の「アイディアが斬新。人気の学食運営会社が学生を経営参画させるワケ」では、「日本一の学食」として知られる東洋大学の学生食堂を手掛ける企業の取り組みを紹介した、フードフォーラム代表を務めるフードサービスジャーナリストの千葉哲幸さん。西日本に目を向けると、彼らとはまた一味違ったユニークな活動を展開する組織がありました。今回千葉さんは、立命館大学びわこ・くさつキャンパスの学食の運営受託を皮切りに、滋賀県で産学官交流のハブとして大きな役割を果たす、地域愛にあふれる会社の奮闘ぶりを紹介しています。

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プロフィール千葉哲幸ちばてつゆき
フードサービスジャーナリスト。『月刊食堂』(柴田書店)、『飲食店経営』(商業界、当時)両方の編集長を務めた後、2014年7月に独立。フードサービス業界記者歴三十数年。フードサービス業界の歴史に詳しい。「フードフォーラム」の屋号を掲げて、取材・執筆・書籍プロデュース、セミナー活動を行う。著書に『外食入門』(日本食糧新聞社発行、2017年)。

地元の大学の学食を運営受託、以来地元産学官の事業のオファーが増える

滋賀県長浜市に本拠を置く株式会社nadeshico(代表/細川雄也、以下ナデシコ)という外食企業がある。その同社が、立命館大学びわこ・くさつキャンパス(滋賀県草津市)の学生食堂の一つを運営受託することになり、昨年9月同キャンパスに「Forest Dining nadeshico」をオープンした。場所は正門から校舎群までをつなぐメインストリートに面し、大きな自然庭園を後背にしている。館内は150坪100席とゆったりとして、テラス席も充実している。フードメニューは約10品目で500円、600円が中心となっている。同キャンパスはJR南草津駅から約3㎞離れた場所にあり(バスで15分間)、理系の学部が中心となって構成され学生数は1万3,000人。ナデシコという会社が、いかにして学食「Forest Dining nadeshico」を開業することになり、どのように変化していったかを紹介しよう。