日本の難民認定「1000人に3人」の衝撃。人権感覚ゼロで“厄介者扱い”の現実

戦火のウクライナを脱出した難民たちを受け入れると表明した日本政府。これまでの難民に対する扱いを考えれば驚きの措置ですが、あくまで特例で、難民としての認定でもありません。日本の難民認定は2020年までの約40年間でわずか0.3%、1000人に3人しか認めていないのが現実です。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』で評論家の佐高信さんは、作家の中島京子さんの小説『やさしい猫』に登場する弁護士の嘆きの言葉や、昨年名古屋入管で起こった痛ましい死亡事件などの例をあげ、「この国は難民に対する人権感覚が完全にゼロ」と厳しく非難しています。

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日本の難民認定は0.3%

社民党の福島みずほの後援会長をしていてトクになることはほとんどないが、先日の総決起集会で作家の中島京子と一緒になったのは幸いだった。彼女もトクになることはないだろうに、出て来てスピーチしてくれたのである。

それで私は『俳句界』の対談に登場してもらうように頼み、準備として彼女の新作『やさしい猫』(中央公論新社)を読んだ。難民問題がテーマの話題作である。

ウクライナからの難民を突然受け容れて、日本は最初から理解があるようなフリをしているが、遅れていること甚だしい。たとえばカナダでは難民認定率が67%だが、日本は0.3%である。作中で弁護士がこう語る。

「難民ですから、この国に居させてくださいっていう申請をする100人のうち、(カナダでは)67人が、いいですよって言ってもらえる」

ところが日本は1,000人が来たうちの3人となる。カナダは1,000人来たら670人である。それでも日本に難民申請を求める人は毎年1万人くらいいる。とすると認定されるのはおよそ30人。それに携わってきた弁護士が嘆く。

「日本では、現地の新聞に大きく顔写真付きで載ってる反政府運動のリーダーかなんかじゃないと、ほっとんど難民認定されない。しかも、そういう証拠を自分で集めて持ってきて提出しないと認められない」

また、入国管理局、通称・入管の扱いがとてつもなくひどい。その収容所に収容中の女性が病気になったのにろくに治療もさせないで死なせた事件は記憶に新しいだろう。

この国は国民に対しても人権感覚がないに等しいと思うが、難民に対しては完全にゼロで、厄介者扱いなのである。

チェスの世界チャンピオン、ボビー・フィッシャーが牛久の入管にいたことがある。1990年代にソ連(現ロシア)の王者スパイスキーを破ってアメリカの伝説的英雄となった彼はその後いなくなり、90年代になって突如出てきてユーゴスラビアでスパイスキーと再現試合をした。

アメリカがユーゴに対して経済制裁をしていた最中だったので、怒ったアメリカ政府は国籍を剥奪した。無国籍となった彼は、しかし、ある時期から日本とフィリピンを行ったり来たりする。その間のパスポートチェックがどうなっていたかはわからない。そして、2004年に成田空港で捕まってしまった。入管法違反容疑である。

アメリカは引き渡しを要求したが、ボビーは政治的迫害だと主張して日本で難民申請をする。しかし、却下された。スパイスキーは当時のアメリカ大統領のブッシュに手紙を書いた。

「もしフィッシャー氏が罪に問われるなら自分も同罪です、どうぞ私も刑務所に。そのときは彼と同房にして、チェス盤を差し入れてくださいね」。

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尹錫悦はどこまでやれる?自ら言及した日本との歴史問題で試される本気度

日本との関係改善を以前から語っている尹錫悦大統領。こじれにこじれた過去史問題についてもとうとう語ることとなりました。今回のメルマガ『キムチパワー』では、韓国在住歴30年を超える日本人著者が、直近の懇談会で語られた内容を一問一答形式で掲載。そのなかで日本との歴史問題についても触れています。

尹錫悦よ、どこまでやれる

尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は7月1日、「韓日両国が未来のために協力できるなら、過去史問題も十分に解決していく」と述べた。

NATO(北大西洋条約機構)首脳会議に出席するためスペイン・マドリードを訪問した尹大統領は同日、帰国途中の大統領専用機(空軍1号機)で機内懇談会を開き、このように述べた。

尹大統領は「過去史問題が両国間の進展がなければ懸案と未来問題についても議論できないという考え方は避けなければならない」とも強調した。さらに北朝鮮の核・ミサイル脅威について、「非常に強硬な対応が必要だという各国首脳の立場を確認することができた」と述べた。

次は一問一答。

――岸田日本首相に対して「両国間の関係を発展させるパートナーになる」と言及したが、日本はまだ残っている過去史問題に対して韓国に一方的に解決策を要求している。これを解決していく腹案があるのか気になる。今回できなかった韓日首脳会談は今後どのように推進するのか。

「私が政治宣言をしてちょうど1年と1日が過ぎた。政治宣言の時も、選挙過程でも国民に申し上げたが、過去史問題と両国の未来問題はすべて同じテーブルに置いて一緒に解決していかなければならない問題だ。過去史問題解決に、両国間の進展がなければ懸案と未来問題も論議できないという考え方は避けなければならない。全部一緒に議論できる。韓日両国が未来のために協力できるなら、歴史問題も十分に解決していくという信頼を持っている」

――今回の歴訪の中で最も印象的な日程は何か。

「韓日米首脳3者会談が最も意味があった。NATO首脳会議の本会議に出席し、各国首脳から安保懸案に対する立場を聴取したことが、第二に意味があった。そして韓国とともに参加した日本、オーストラリア、ニュージーランドなどAP4首脳会議(=NATOアジア太平洋パートナー首脳会合)もかなり意味があったと評価したい」。

急激な円安で大儲け。今さら聞けぬ「FX長者」続出のカラクリと“落とし穴”

エネルギー価格、原材料価格の高騰に加えて、急激な円安が進行したことでさまざまな物の値段が上がって苦しむ国民が多くいる一方で、その円安によって大儲けしている人たちがいるのだとか。今回のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では、元国税調査官の大村さんが、いまさら聞けない「FX」で利益があがる仕組み、「レバレッジ」と「スワップポイント」について解説。大きく儲かる可能性がある裏返しとして、落とし穴があることも伝えています。

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今、FX長者が続出しているカラクリ

昨今、急激な円安が進んでいますね。年初と比べると20%近くも円安が進んでおり、その影響で物価が上がっています。生活が苦しくなっている人も多いかと思います。

その一方で、この円安により大儲けしている人もいます。それはFX投資をしている人たちです。

金融投資には、FXというものもあります。少し前にブームになったので、FXという言葉自体はご存じの方が多いでしょう。最近は一時のブームは去り、あまりFXについては聞かれなくなりましたが、現在は歴史的な円安により、ひそかに大儲け状態となっているのです。

なぜ円安になればFXで大儲けできるのか?そもそもFXとは何なのか?そういう「今さら聞けないFXに対する疑問」に今回はお答えしようと思います。

FX取引というのは、ざっくり言えば、外貨を売買する取引のことです。たとえば、円でドルを買うというようなことです。以前に円が高くドルが安かった時に、円でドルを買っていれば今はドルが上がっているので、単純に利益が出ています。

しかし、FXで儲ける仕組みというのは、それだけではありません。 FXにはある仕掛けがあるのです。というのもFXは、レバレッジを利用することで、自分の持ち金の何十倍、何百倍の取引ができるようになっています。

レバレッジというのは、証拠金を預託し、その証拠金の何十倍、何百倍の取引をするものです。もしその証拠金分の損失が出た場合は、その時点で取引がストップしてしまいます。つまり、自分の元手の数倍、数十倍の取引をすることができるということです。

もちろん、儲けは大きくなるが、損失もその分大きいのです。典型的なハイリスク、ハイリターンです。たとえば、10万円を証拠金として預託し、10倍のレバレッジを利用したとします。すると10万円の10倍の取引、つまり100万円の取引ができるわけです。

●FXのスワップポイントとは?

FXにはもう一つ「スワップポイント」という儲けの仕組みがあります。スワップポイントというのは、金利の安い通貨で金利の高い通貨を購入した場合、その金利の差額を毎年受け取れるというものです。

たとえば、日本円でメキシコのペソを買った場合。日本は現在、ほとんど金利がゼロの状態が続いています。一方、メキシコは7%程度の金利があります。この差額、つまり7%の金利を毎年、スワップポイントとしてもらえるというわけです。

なぜこういうことが生じているかというと、FXの取り扱い会社は、顧客が購入したメキシコ・リラを現金で保管しているわけではなく、メキシコの銀行などに預金しています。そのため、金利が発生し、それを顧客に還元するというわけです。

このスワップポイントは、厳密に通貨の金利差ではなく、FX運用会社によって違ってきます。

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米国と中国の対立に利用されるだけの台湾・日本は「明日のウクライナ」か?

NATOから「アジア太平洋パートナー国」として招待を受け、スペインで行われた首脳会合に出席した岸田首相。同会合では「戦略概念」に初めて対中政策を含めるなど、NATOとして中国への牽制姿勢を鮮明にしましたが、日本が米国を追従しその流れに乗り続けることは、はたして国益にかなう選択と言えるのでしょうか。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、著者で多くの中国関連書籍を執筆している拓殖大学教授の富坂聰さんが、日本が米中対立のコマとしてアメリカに利用される可能性を指摘。さらにどちらの大国が勝ちを収めるにせよ我が国が無傷でいられるはずはなく、今まさに日本は歴史の転換点に立たされているとの見方を示しています。

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日本が本当に「明日のウクライナ」にならないために

この1週間を振り返って思うのは、国際情勢がまた大きく動いたということだ。影響を及ぼしたのはドイツで開かれたG7エルマウ・サミット(6月26日から28日)とその直後に開催された北大西洋条約機構(NATO)首脳会合。そして二つの会議に対抗するかのように行われたロシアとカスピ海沿岸国との首脳会議だ。

G7とNATO首脳会合の主題がウクライナ問題であったことは疑いない。しかし同床異夢の一面も晒した。アメリカと日本はNATOとアジアの同盟国をまとめ上げ、中国に対抗しようと動いていた。あからさまな対中包囲網形成の動きに、さすがに習近平政権も神経質を尖らせ始めたようだ。

直前(6月23日)にオンライン形式で開催された第14回BRICS首脳会議では、議長を務めた習近平国家主席が講演。「国連を中心とした国際体系と国際法を基礎とした国際秩序を守り、冷戦思考と集団的対立を捨て、一方的制裁と制裁の乱用に反対し、人類運命共同体の『大きなファミリー』によって覇権主義の『小集団』を超越する必要がある」と述べた。

あらためて言うまでもないが、「国連中心」の強調は、世界を対ロ経済制裁に巻き込もうとするアメリカへの批判だ。冷戦思考の「小集団」はNATOを筆頭に日本、アメリカ、オーストラリア、インドの四カ国の枠組み・クワッド(=QUAD)や英豪の新たな安全保障の枠組み・AUKUS。そしてインド太平洋経済枠組み(IPEF)などを指す。

日米が中国排除のために掲げる旗印は反権威主義国家だ。それを意識して習近平は「我々は開放・包摂的、協力・ウィンウィンというBRICS精神」だと強調する。

アメリカが次々に繰り出す仕掛けに、中国が防戦に躍起になっているというのがこれまでの印象だ。NATOの「戦略概念」でも、初めて中国について明記された。包囲網は明らかに一歩ずつ形成されているようだ。

だが、ロシアがウクライナを侵攻した直後に欧州の国々がNATOの重要性を再認識し団結を確認したのをマックスと考えれば、今回のG7からNATO首脳会合までへの流れは、むしろ思惑の違いが浮き立ったとの見方もできるのではないだろうか。

例えば、G7にはインド、南アフリカ、インドネシア、セネガル、アルゼンチンといった国も招かれていたが、彼らがG7との結束に動いたかといえば、決してそうではなかった。ドイツのテレビ局(ZDF)のインタビューに応じた南アフリカのナレディ・パンドール外務大臣は、「ウクライナ問題は10年前からグローバルな議論のテーマでした。しかし我々はこう言った席に一度も招かれていません。だから突然、この問題でこちらの方向性とか別の方向性で、などと言われる筋合いはない」と正論を口にし印象的だった。

G7出席に先立ち、アルゼンチンが「BRICSへの加盟を望んでいる」との情報が駆け巡り、会議に水を差すことになった。

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中国の過酷な受験戦争。なぜ「高考」が人生の成否を左右するのか?

中国人の人生の成否は「高考」で決まると言われています。高考とは、中国の全国統一大学入試のことですが、その仕組みは日本の大学入試とは大きく異なっています。中国出身で日本在住の作家として活動する黄文葦さんは、メルマガ『黄文葦の日中楽話』の中で、高考について詳しく紹介し、なぜその制度が浸透し続けているのかについて語っています。

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「高考」は科挙制度の延長線上にある

6月、中国の「高考」の季節。「高考」とは中国の全国統一大学入試である。その仕組みとしては受験生が統一試験に参加、点数が公開された後、志望校を選ぶ。どんな大学に行けるかは得点で決まる。

一つの点数ですべてを決めるのは合理的ではないけれど。実際に中国は昔から「試験大国」であり続ける。「高考」は科挙制度の延長線上にあると考えられる。科挙(かきょ)とは、中国で598年-1905年、即ち隋から清の時代まで、約1,300年間にわたって行われた官僚登用試験である。

科挙制度は、その創設と発展の両面において、中国史上重要な人材選抜制度として、中国の封建的君主制の発展を示し、支配者が中央集権を強化し、政治的結束を固めるための強力かつ効果的な手段であったといえるだろう。

科挙制度は、古代中国で試験により官吏を選抜する制度である。名声と利益を追求した結果、すべてのものは劣るが、読書だけは優れているという信念が生まれた。学問と科挙を経て、やがて出世し、名声を得ていくのである。

科挙制度は一定の効果を発揮したものの、中国社会の進歩を妨げ、芽生えた資本主義の発展を阻害し、中国の政治、経済、文化の後進性に直結したことは否めない。

科挙の試験内容が現実の社会と著しく乖離していたため、文人は書物の知識のみに関心を持ち、社会の現実や政治・経済の発展を軽視し、さらに封建的な思考や文化、根深い封建的思想の蔓延を促した。

封建時代末期の科挙試験制度は、「四書五経」の追求と模倣に執着し、試験の内容や形式の硬直化は、「勉強オタク」の増加を招き、その後の社会変革に深刻な支障をきたし、人々の心の覚醒を促すことは困難であった。

昔から逃げ場のない貧しい人々が、良い暮らしをするために科挙で好成績を収め、官吏になる夢を叶えるために勉学に励むことが唯一の道であった。試験で他人と差をつけよう、出世しようという考えは今も続いている。

現在の中国の「高考」制度や公務員選抜試験制度は、社会全体で人材を選ぶ科挙制度をある程度参考にしているらしい。

「高考」で良い結果を出し、いい大学に入るために、親はできるだけ子供に様々な塾に通わせ、有名大学に入ることはエリート階級になることと同じである。「高考」の成績優秀者は、科挙と同じように「状元」と呼ばれる。貧しい家庭の子どもたちが、受験でよい結果を出すことで、地元を離れ、貧困から脱出すること。

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勿論、受験でうまくいかず、貧しい生活を続けなければならない学生もたくさんいる。また、家庭の経済的な事情で授業料が払えない、学校を休学せざるを得ない子どもたちもたくさんいる。大学受験は人生の唯一の出口ではないはずだが、貧しい家庭の人にとっては人生の唯一の出口となる。

先進国では最下位。女性候補初の30%超も改善されない日本のジェンダーギャップ

7月10日に投開票を迎える参院選には、過去最多を大きく上回る181人の女性が立候補をしました。全候補者545人に占める女性の割合は33.2%となり、3割を超えたのは初めて。こうした動きの背景にあるのは、男女格差の後進国とも揶揄されるジェンダーギャップです。渋沢栄一の子孫で、世界の金融の舞台で活躍する渋澤健さんは、公表されたジェンダーギャップ指数のデータを紐解きながら、日本の問題点を指摘していきます。

プロフィール:渋澤 健(しぶさわ・けん)
国際関係の財団法人から米国でMBAを得て金融業界へ転身。外資系金融機関で日本国債や為替オプションのディーリング、株式デリバティブのセールズ業務に携わり、米大手ヘッジファンドの日本代表を務める。2001年に独立。2007年にコモンズ(株)を設立し、2008年にコモンズ投信会長に着任。日本の資本主義の父・渋沢栄一5代目子孫。

改善されない日本のジェンダーギャップ

謹啓 ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

世界経済フォーラムは2006年から各国における男女格差を測るジェンダーギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)を発表しています。最新の2021年に公表されたレポートによると日本の総合スコアは0.656で、156か国中120位というかなりの下位でした。この総合スコアは、「経済」「政治」「教育」「健康」の4つの分野のデータから作成され、0が完全不平等で、1が完全平等を示しています。

ちなみに1位はアイスランド(同0.892)、2位はフィンランド(同0.861)、3位はノルウェー(同0.849)という北欧国でした。人口が少なく、人口密度も日本と異なり、社会、産業、文化の違いがあることが背景にあるかもしれません。

ただ確かに東アジアの総合スコアは低い傾向がありますが、102位の韓国(同0.687)、107位の中国(同0.652)と比べても日本の順位はかなり劣ります。日本の順位は119 位アンゴラ(0.657)と121位シエラレオネ(0.655)の間です。

日本と韓国の社会・文化は同じような男尊女卑的な傾向がありそうですが、当初の2006年に比べ現在の韓国の総合スコアは+0.016と若干改善。しかし日本は同期間で+0.003と改善がほぼ観測できません。

一方、上位のアイスランドの改善(同+0.111)は群を抜き、フィンランド(同+0.065)とノルウェー(同+0.050)も顕著に改善がみられます。(中国は同+0.006)

分類別に検証すると「経済」では、日本のスコアは0.604で117位であり、総合スコアとほぼ同水準です。安倍政権時代に女性活躍が政策方針として設けられ、多くの企業は管理職比率30%を目指す等の目標を掲げました。女性の社外取締役候補は引く手数多で、有望者が集中的に複数の企業の役員を務める事態になっています。こうした状況を背景に、2006年の「経済」スコアの0.545と比べると現在は+0.059改善しています。

しかし、2006年当時の日本の「経済」スコアのランキング83位でした。世界の「経済」分野におけるジェンダーギャップの改善の方が日本よりスピード感があったのです。ちなみに、韓国の「経済」スコアは、0.586の123位であり、2006年は0.481の96位なので、日本の方が勝ります。

しかし、スコアの改善ペースを比べると、このままでは日本が追い越されるのは時間の問題です。「経済」分野で1位は北欧国ではなく、ラオス(0.915)です。

一方、日本の「教育」の男女平等スコアは0.983であり、かなり優秀です。ただ、順位は92位に留まります。原因は「教育」スコアが1.00の国々が26か国もあるからです。米国、カナダ、フランスという先進国だけではなくアルゼンチン等も含まれます。英国(0.999)、ドイツ(0.997)、イタリア(0.997)と比べると、実はG7で日本は「教育」の分野で最下位です。

では、「健康」の分野はどうでしょうか。日本のスコアは0.973で65位です。1位のスコアは0.980ですが、ブラジル、ミャンマーなど新興国を含む29か国です。健康における男女不平等であり絶対的水準でないので、医療へのアクセスや平均寿命が日本より低い国であっても、ジェンダーギャップが生じていない国々が最上位に入っているのでしょう。

同じ先進国である米国(同0.970)87位や英国(同0.966)110位と比べると、やはり日本は絶対的な水準でも男女平等性においても健康大国であると誇れます。

このように、日本のジェンダーギャップは「経済」では改善が必要とされ、「教育」はまずまず、「健康」は優秀という実態が見えてきます。

ウクライナのルハンシク州を露軍が制圧。東部戦線異状ありで重大局面。ロシアの“泥棒船”を拿捕したトルコの思惑とは

ロシア国防省は3日、完全掌握を目指しているウクライナ東部2州のうち、ルハンシク州の全域を掌握したと発表した。当初はロシア軍の主張を否定していたウクライナ軍だが、参謀本部は「兵士の命を守るため撤退することを決めた」とし、撤退したことを認めた。ロシア軍が掌握を目指す東部2州の1つが陥落したことで、大きな局面を迎えることになりそうだ。

ロシアがルハンシク州制圧を宣言で重大局面

ルハンシク州の親ロシア派の武装勢力の指導者パセチニク氏は3日、SNSに「われわれの歴史に永遠に刻まれる日だ」などと投稿。ルハンシク州のウクライナ側最後の拠点とされていたリシチャンシクをロシア軍が支配下においたことをアピールした。NHKなどが報じた。

一方、ウクライナ軍の参謀本部は3日のSNSの投稿で、ウクライナ軍が占領地と境界から撤退したことを認めた。ロシア軍に迫撃砲、軍用機、多連装ロケットシステム、弾薬、人員などで優位に立っており、ウクライナ兵の命を守るための決断だったことを記している。

その後、ウクライナのゼレンスキー大統領も動画を投稿し、「敵が火力で勝る地域において前線から兵士を引き揚げることはリシチャンシクにもあてはまる。われわれの戦術と近代的な兵器の供給の増加によって、われわれは戻ってくるだろう」とルハンシクの奪還を目指すとの考えを示した。

戦闘の舞台はドネツク州へ&トルコがロシア船を拿捕

ルハンシク州を制圧後、ロシア軍は隣りのドネツク州への攻撃を本格化するとみられている。

ウクライナメディアによると、ロシア軍によるスラビャンスクに対する3日の砲撃で少なくとも6人が死亡、15人が負傷したとしている。

スラビャンスクのリヤフ市長はSNSで「ここ最近でもっともひどい砲撃だ」と投稿し、市内では約15の火災が発生したようだ。また近接する都市クラマトルスクでも砲撃がありホテルなどが破壊されている。

ロシア軍はルハンシク州に続いて東部2州を早期に完全制圧し、徹底抗戦の姿勢を崩さないウクライナとの停戦交渉を有利に進めたい狙いがあるとみられる。

一方、アメリカ国防総省は1日、ウクライナに対し、新たに8億2000万ドル=約1,100億円の軍事支援を発表。

ホワイトハウスの防衛にも使われていると言われる地対空ミサイルシステム「ナサムズ」2基や、アメリカが既に供与してウクライナが既に実戦使用している高機動ロケット砲システム「ハイマース」の追加砲弾などが含まれている。ウクライナの装備も拡充されつつあり、さらに戦闘が激しさを増す可能性がある。

また、3日にはトルコ税関当局がウクライナのかねてからの要請を受け、ロシアの会社によって運行されていた貨物船を拿捕した。ウクライナ南東部ベルジャンシクから盗んだとされる穀物約4500トンが積み込まれていたという。

ロシアとウクライナに対して中立の立場だったトルコがウクライナ側に味方する行動をとったことで、今後の展開が変わる可能性も出てきた。膠着状態が続いていた戦争に大きな動きがあるかもしれない。

プーチンをクラスメイトに置き換えるとわかるG7参加者の酷い言動

ロシアのプーチン大統領は、いまやメディアの影響もあり、悪魔のようなイメージを持たれています。そして、それを批判してもよい、という空気も流れ始めているようです。メルマガ『石原加受子の実生活に使える「意識の世界」お話』の著者で「自分中心心理学」を提唱する石原加受子さんは、各国を代表するG7の参加者がプーチン大統領をからかうような言動を見せていることに懸念を覚えています。

この記事の著者・石原加受子さんのメルマガ

上半身裸で乗馬や釣りするプーチンをからかうG7参加者。些細な場面の言動に、真の姿が見える

6月に開催された先進国首脳会議G7で、各国の参加者が、上半身裸で乗馬をしたり魚を釣ったりするプーチンさんをからかった。

「BBC News」より。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2022年6月30日、自分のマッチョなイメージをからかった主要7カ国(G7)首脳について、彼らが上半身裸になったりしたら、それは「気持ちが悪い」と反撃した。さらに、G7首脳はアルコール摂取を控えて、もっとスポーツに励むべきだと応じた。

プーチン氏はかねて、上半身裸で乗馬をしたり魚を釣ったりする様子を国営メディアを通じて流すことが多く、6月26日にG7首脳会議がドイツ南部で始まった際には、ボリス・ジョンソン英首相らが「プーチンよりタフなところを見せつけよう」、「胸筋を見せてやらないと」などと冗談を飛ばしていた。カナダのジャスティン・トルドー首相も、自分たちも「胸を出して乗馬しようか」などと、プーチン氏をからかっていた。

訪問先のトルクメニスタンで報道陣を前にしたプーチン氏は、G7首脳らのこうした発言について質問されると、「ウエストまで脱ぎたかったのか、もっと下まで脱ぎたかったのか知らないが、どちらにしても気持ちが悪い光景のはずだ」と答えた。

さらに大統領は、19世紀のロシアの詩人アレクサンドル・プーシキンを念頭に、「人は賢い人間のまま、自分の爪の美しさに気を配ることもできる」と述べ、「私はこれに賛成だ。1人の人間の中で、心も体も、すべてが調和のとれた形で発達するようにするべきだ。しかし、何もかもが見事に調和するためには、酒の飲みすぎなど悪い習慣をやめて、運動して、スポーツに励む必要がある」と説いた。

「あなた方が話題にした同僚たちを、私は全員、個人的に知っている。お互いの関係において、今は最善の時期ではないので、これは理解できる。しかし、それでも彼らは全員リーダーなので、それぞれ気概の持ち主だということだ。なので、本人がその気になれば、望む改善をもちろん実現できるはずだ」

この記事の著者・石原加受子さんのメルマガ

ウクライナ戦争を利用する狡猾さ。国際社会の表舞台に復活した国の名前

ウクライナ戦争の停戦協議や北欧2国のNATO加入問題等で、その存在感を一気に高めたトルコ。紛争を巧みに利用した感も否めない中東の大国ですが、何が彼らにここまでの動きを取らせているのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では著者で元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、国際社会で主役の座を狙うトルコのエルドアン大統領の「魂胆」を解説。さらに各方面から多数寄せられているという、トルコと中国を巡る情報をリークしています。

この記事の著者・島田久仁彦さんのメルマガ

 

ロシアとウクライナをめぐる国際情勢が“復活”させたトルコ

「ここ数年、国際情勢において復活(Come back)を遂げた国を挙げるとしたら、どの国か?」

もしこのように尋ねられたら、皆さんならどの国とお答えになるでしょうか?

私はトルコと答えます。

クルド人勢力をターゲットにした度重なるトルコ・シリア国境付近(シリア北部)への越境攻撃の代償として、欧米諸国から制裁を課せられ、止まる気配がないインフレとトルコ・リラの価値の下落など、深刻な経済的スランプに陥り、“21世紀の経済成長のハブ”の一つとして数えられていた姿は見る影もないほどになっていました。

しかし、ロシア絡みの2つの案件がトルコを再び国際情勢のフロントラインに復帰させるきっかけとなりました。

一つ目は、2020年9月27日に勃発し、11月10日まで続いたナゴルノカラバフ紛争です。

事の仔細については以前書きましたのでここでは省略しますが、ロシアから欧州向けの天然ガスと原油が通るパイプライン2本が通るのがナゴルノカラバフ地方で、ここは地図上ではアゼルバイジャン領とされていますが、1988年以降、アルメニアに実効支配され、その後否決はされているものの、一時はアルメニア人による共和国が設立される直前まで来ました。

2020年の紛争では、これまでの劣勢を覆すために、トルコが同じトルコ系のアゼルバイジャンを全面的に支援し、形式上はナゴルノカラバフを取り返したという構図になっています。

この際、ウクライナ戦争にも投入されたトルコ製のドローン兵器が大きな役割を果たしています(逆にロシアが軍事同盟上、後ろ盾となっていたアルメニアは、ロシア製のドローン兵器が全く使い物にならなかったと言われています)。

この紛争は、トルコが中央アジア・コーカサスに勢力圏を拡大するきっかけを与え、11月10日以降の停戦合意後の平和維持活動にロシアと共に関わることで、国際案件でのフロントラインに戻ってくることにもつながりました。

そして、ドローン兵器の性能をアピールすることで、このあたりからトルコ製の軍備・兵器の売り上げが上がっています。

そして、ナゴルノカラバフ紛争を機に、ロシアとの距離感が近づき、かつロシアに対するトルコの発言力が増したことでしょう。

ロシアとしては裏庭ともいえ、かつ現在進行形のウクライナ戦争でも時折話題に上る中央アジア・コーカサス地域の各国に“他国”の影響が及ぶことを嫌うはずですが、同地域に対して影響力を拡大する中国への牽制、もしくはcounter-forceとしての役割も、トルコに期待したという算段があるのかもしれません。

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