元国税調査官が暴く、宗教団体「税制優遇」の実態と“政治の結びつき”

安倍晋三元首相が命を落としたことにより、にわかに注目される政治と宗教の結びつきの問題。宗教団体が政治に大きく関与できるのは、強固な組織力ゆえですが、組織を成立させるための資金を簡単に生み出せるのはなぜなのでしょうか。今回のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では、元国税調査官の大村さんが、高額なツボの売上も墓の土地代も巨大施設などの固定資産も非課税という一般企業ではあり得ないような税制優遇の実態を紹介。オウム事件後に問題視されたもののほとんど手がつけられていないのも政治との結びつきゆえと伝えています。

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宗教と政治の問題

筆者は、安倍元首相の死去については非常に心を痛めています。このメルマガにも書いたことがあるかと思いますが、筆者はアベノミクスついては評価できる部分もある思っています。

安倍元首相は、旧民主党が決めた消費税の増税を2回も引き延ばすなど、決して財務省の言いなりにはなりませんでした。財界に賃金アップを働きかけるなどもしており、これまでの政権とは明らかに違い、国民生活を本当に向上させようとした姿勢もありました。またアメリカ、中国、ロシアといずれも良好な関係を築くなどの外交手腕も評価されるべきだと思います。安倍元首相の国葬が行われることには、筆者はまったく批判はありません。

が、その一方で今回の安倍元首相銃撃事件において投げかけられた「宗教と政治の問題」「宗教と金の問題」についても、我々は直視しなくてはならないはずです。

「安倍元首相は旧統一教会とは無関係なのに逆恨みされた」という論調のメディアもありますが、これは正しくないと言えます。安倍元首相は、旧統一教会の総会にビデオメッセージを送っています。これは教団にとって何よりの宣伝材料となったはずです。「あの安倍元首相もメッセージを送ってくれるのだよ、この教団は素晴らしいんだよ」ということが言えますから。

また今回の参議院選挙でも旧統一教会に支持された安倍派の議員が当選しており「安倍元首相が旧統一教会とまったく無関係だった」とは絶対に言えないのです。もちろん、だから銃撃されていいというわけでは決してありません。しかし罪は罪として償ってもらうけれど、我々は犯人の言い分にも耳を傾ける必要があると思われるのです。

筆者は旧統一教会のことは詳しくは知りませんが、宗教団体というものが、政治的に非常に優遇されてきていることは嫌というほど知っています。今回はそのことをお話したいと思います。

宗教団体の巨額な資産

宗教法人というのは、驚くほど金を持っています。あまり名前の知られていない宗教法人が、巨大な施設を建てているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか?またオウム真理教が事件を起こした時、その莫大な資金力に驚いた人も多いはずです。

日本全体の宗教法人の総収入は2兆円を超えるとされており、金融資産は20兆円~30兆円と推定されています。これは不動産を含めない額であり、不動産を含めると、その資産力は計り知れないといえます。

なぜ宗教法人はこれほどお金を持っているのでしょうか?まず宗教団体というのは、非常に税金で優遇されています。宗教法人が「宗教活動」で得たお金というのは、原則として税金はかかりません。お布施や寄付には一切、税金がかからないのです。そのため、宗教法人は、ちょっと信者を集めるだけで、莫大な資金を持つことができます。

信者一人一人の寄付は少なくても、多大な金額になります。たとえば、1万人の信者が年間1万円ずつ寄付をしたとしても、それだけで1億円になるのです。しかもその1億円には、一般の企業のように「仕入れ経費」などはないので1億円が丸々、収益になるのです。

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凶刃に倒れた浅沼稲次郎氏が62年前のあの日聴衆に訴えたかったこと

元首相が白昼、凶弾に倒れました。政治家が直接有権者にその考えを訴える選挙演説の場では、これまでも度々凶行が起きてきました。そうした事件の一つ、1960年に起こった日本社会党委員長浅沼稲次郎刺殺事件を振り返るのは、評論家の佐高信さん。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、事件がなければ続けられるはずだった演説の結びと、その後の社会党葬で朗読された追悼詩を紹介しています。

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テロの先例

1960年10月12日、日本社会党委員長の浅沼稲次郎は日比谷公会堂の壇上で演説中に17歳の少年に刺殺された。選挙を目前にした3党首立会演説会でテレビで放映していたため、その瞬間も“実況中継”のようになった。

「問答無用」のシンボルともいうべき61歳の浅沼の巨体を「問答無用」のナイフが斃し、その命を奪ったのである。

「ああいう奴が左翼にいるっていうのは口惜しいことですね」

浅沼を殺した山口二矢は、浅沼について、こう語ったという。その魅力を認めてである。

「人間機関車」と綽名された浅沼は、東京は深川のアパートに住み、部屋の窓から、表の紙芝居を近所の子どもと一緒に見ながら、「翻訳社会主義では労働者は動かないよ」と言って、全国をかけめぐった。

テロが起こった時は、社民党現党首の福島瑞穂は4歳だったが、のちに、社会党支持者の両親から、その事件のことを聞かされる。「アカの手先」「バカヤロー」と浅沼を罵る右翼の声はすさまじく、演説の声も聞こえないほどだった。

山口は最初、テロの対象として、浅沼の他に当時の日教組委員長の小林武、共産党議長の野坂参三、社会党左派の松本治一郎、自民党「容共派」の石橋湛山と河野一郎の5人をリストアップし、最後に浅沼に絞った。

テロによって中断されたが、浅沼は演説をこう結ぶはずだった。

「どんな無茶なことでも国会の多数にものを言わせて押し通すというのでは、いったい何のために選挙をやり、何のために国会があるのか、わかりません。これでは多数派の政党みずから議会政治の墓穴を掘ることになります」

「政府みずからが憲法を無視してどしどし再軍備を進め、最近では核弾頭も一緒に使用できる兵器まで入れようとしておるのに、国民に対しては法律を守れと言って、税金だけはどしどし取り立ててゆく。これまでは国民はいつまでも黙ってはいられないと思います」

同年10月20日に同じ日比谷公会堂で開かれた社会党葬では、次の草野心平の追悼詩が朗読された。

死んだ沼さん
途方もなく善意の人だった沼さん。
あなたは死にきれない。
死にきれない思いで息をひきとった沼さん。
死ぬまぎわにも死ぬことを意識しなかっただろう沼さん。
あなたはもう永久に
夢みることすら出来なくなりました。
けれども けれども然し
その全生涯を行動してきたあなたの正義の夢は
沼さん、断じて死なない。
その夢を生かせ。
その夢をたちきったものを そのすべてをあばけ。
日本の現在をたちきったものを そのすべてをあばけ。
日本の現在のために、未来のために。
これから 生まれる新しい歴史のために。

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中朝の暴走でにわかに注目。世界は「日韓関係」をどう見ているのか?

文在寅氏が政権を担っていた5年間で、国交正常化以降もっとも冷え込んでしまった日韓関係。そんな両国の関係性に今、世界の注目が集まっていることをご存知でしょうか。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤先生が、権威ある外交・国際政治の専門誌の電子版に掲載された日韓関係を考察する論文を紹介しつつ、その背景を解説。さらに今こそ日本が従軍慰安婦に関する正確な情報を発信するタイミングであり、適切なメッセージを出せれば世界の誤解を解くことができるとしています。

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米国外交専門誌の論ずる日韓関係

『フォーリン・アフェアーズ』(Foreign Affairs)は、アメリカの外交問題評議会(CFR)が発行する外交・国際政治の専門誌です。大きな権威があります。そのオンライン版に7月14日に日韓関係についての論文がでました。

日韓関係、世界的にはそれほど注目を浴びていませんでした。しかし、今は非常に注目されています。なぜなのでしょう?論文を抜粋、編集してご紹介しましょう。

日本、韓国、米国は安全保障上の脅威を共有している。その最たるものが北朝鮮である。北朝鮮は過去5年間で軍事力を大きく向上させた。最高指導者である金正恩のもと、北朝鮮はソウルへの脅威を意図した数十回の兵器実験を行い、日本の標的を攻撃可能な中距離弾道ミサイルを発射している。

 

そして、脅威にさらされているのは北朝鮮の近隣諸国だけではない。金正恩は、米国やその他の地域に到達する大陸間弾道ミサイルの発射実験を行っている。

 

同時に、中国は史上最大の軍事的近代化努力を加速させている。人民解放軍は、戦略ロケット部隊と宇宙・サイバー能力をアップグレードした。東シナ海や南シナ海で領土や海洋権益をめぐって係争中の日本やその他の国々に対して政治的・軍事的圧力をかけ、ヒマラヤでインドと国境戦争を起こし、台湾で軍事的緊張を高め、香港に残る自治権を実質的に打ち砕いてきた。

 

そしてロシアによる2月のウクライナ侵攻である。中国は欧米の制裁を発動させないよう、モスクワへの政治的支援を慎重に調整しているように見える。しかし、ロシアと中国の連携は、既存の国際秩序とそれを支える国際法、ルール、規範の枠組みを明らかに脅かすものである。岸田氏が繰り返し警告しているように、”今日のウクライナは明日の東アジア“になるかもしれない。

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違和感しかない。メディアから聞こえぬ安倍晋三氏「真の友」たちの声

9月27日に行われる方向で最終調整が進む、安倍元首相の国葬。事件以降、メディアには安倍氏の死を悼む各界著名人の声が溢れていますが、違和感を覚える方も少なくないようです。今回のメルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』では、第1次安倍内閣が瓦解に向かう様を描いた『官邸崩壊』の著者でもある上杉さんが、自身の取材メモに記されている「安倍氏の真の友」のリストを公開。さらに今現在繰り広げられている、リストに名のない人間たちによる安倍氏追悼の「マウント合戦」への不快感を綴っています。

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安倍元首相の「真の友」リスト

メディアでは連日、銃殺された安倍元首相への追悼のことばが飛び交っている。橋下徹さん、松本人志さん、三浦瑠麗さん、古市憲寿さん…。誰もが安倍元首相との深い交友関係を語り、哀しみを表明し続けている。

真の友とは真に苦しい時の友である。輝いている時、力を持っている時に擦り寄ってくるのは真の友ではない。10年以上もメディアから黙殺されている私からすると、そのあたりのことはとても敏感になる(笑)。

テレビやネットのニュースを眺めていて、違和感をぬぐえないのは安倍さんの真の友たちの声が聞こえてこないからだ。あの15年前、安倍首相のもっとも苦しかった時に支えた人たちは、いまけっして饒舌ではない。マウント合戦に加わらず、静かに弔っている。

2007年の夏、安倍首相退陣時、『官邸崩壊』の著者であった私のもとには多くの祝福と労いのことばが届いた。驚いたのはそれまで安倍首相の側近と思っていた人の何人かが手のひらを返して、私に甘言を弄してきたことだ。

もちろん、政治の世界に長くいた私からすれば、そのような「裏切り」や「変節」は少なくないし、珍しいことではなかった。だが、今回の暗殺後のニュースを見ていると、改めて人間の浅はかさと無情さが見えて、やるせない気持ちになる。

一方で、あの冬の時代にあっても、安倍さんを支持し続けたひともいる。そうしたひとには、意見は違うものの尊敬の念を持たざるを得ない。そして、そうした人々こそ、今回の安倍さんの死を心から悼んでいるのだと考えるようにしている。

当時の私の取材メモを繰ると、忠誠心SランクとAランクの人物として氏名が記されている(家族と秘書は除く)。

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スシロー、今度は『生ビール半額』品切れ続出で炎上。「開店直後なのにない」「着席して知らされる」杜撰な運営に批判殺到

先月9日、消費者庁から景品表示法違反で再発防止を命じられたばかりの回転寿司チェーン「スシロー」。今度は「生ビール何杯飲んでも半額」キャンペーンでの失態が明らかになった。品切れで注文できなかったとの報告が相次ぎ、運営会社が事実を認めて謝罪する事態となっている。

「生ビール半額」品切れ続出に募る不信感

回転ずし大手の「スシロー」が今月13日からスタートした「生ビール半額」キャンペーン。税込み528円の生ビールが何杯飲んでも半額になるということで、3連休には多くの客が殺到した。

のぼりやPOPなどでは堂々と「生ビール半額」とうたっている。これをお目当てに来店した客は多かったに違いない。

しかし、実際には注文する際にタッチパネルで「品切れ中」と表示されているのを見て、初めてその事実を知ることになる。せめて入口で生ビールが品切れであることがわかれば、日を改める客もいたはずだ。スシロー側の配慮が足りなかったことは否めない。

スシローの運営会社は全国の少なくとも17の店舗で品切れがあったと認めて謝罪したとTBSは伝えている。

「コロナ禍前の夏の生ビール需要実績を踏まえ、その2倍近くの量を準備したが、想定を上回る注文があった」と説明。今後は最善を尽くすとしたうえで、キャンペーンは今月28日の期間終了まで続けるという。

しかし、結果的に「ないものをある」として集客したことはおとり広告と言われても仕方がない。キャンペーン終了まで商品を欠品させないことがスシローの信頼回復の唯一の策となるだろう。

客が見放すのも時間の問題!?炎上が相次ぐスシロー

ここのところ、スシローを巡っては炎上騒ぎが多発している。

昨年9月から12月に期間限定で販売されていた「濃厚うに包み」や「冬の味覚!豪華かにづくし」などの3メニューでは、約600店舗のメニューの9割が提供できない期間があったにもかかわらず、同社はCMを続けていたとして批判が殺到。

また、今回騒動となっている「生ビール何杯飲んでも半額」もフライングで店外ののぼりや店内のPOPで告知したため客が勘違い。全額を支払されたとTwitterでは苦情が相次いだ。

スシローの運営会社はその都度謝罪や対応に追われているが、不安の種はつきない。というのも、現在行われている「スシロー100円祭」も似たような構図となっているからだ。

キャンペーンの告知サイトで、『「1日数量限定」商品の販売予定数はこちら』として紹介しているが、19日間の期間中、全国647店舗で供給される量として本当に適切なのだろうか。スシローの読みが問われることになりそうだ。

もちろん、数に限りがあることは仕方ない。問題は品切れになった際、きちんとした形で客にそのことを伝えられるかどうか。

CMを打ち続けたり、のぼりやPOPを継続していれば客が疑念を抱くこととなり、また炎上しかねない。全店舗で徹底できるかどうかが鍵となりそうだ。

尹錫悦、お前もか。結局韓国大統領は文在寅と同じ道を辿るのか

このままでは尹錫悦はやばいことになる─。就任から数ヶ月でそう思わせてしまうほど、韓国大統領の支持率が落ち込んでいます。今回のメルマガ『キムチパワー』では、韓国在住歴30年を超える日本人著者が、 その理由と今後の見解、対策を語っています。

尹錫悦の敵はユン・ソンニョルだ

このところ尹錫悦のやることがちょっとおかしい。自分の縁故を誰憚ることなく大統領室に採用したり、まるで文在寅政府をまた見ているような錯覚に陥るほどだ。このままでは尹錫悦はやばいことになる。文化日報にこれを警告するコラムが出ていた。以下がそれ。

そもそも世論は気まぐれだ。最近は世論調査の信頼性も墜落した。それでも世論調査は民心を読み取る便利で重要な尺度だ。尹錫悦大統領の国政遂行「肯定評価」が就任2か月ぶりに30%台に落ちたという調査が続く(連続して30%台だ)。

さらに注目されるのは、40%を上下する与党(国民の力党)支持率より低く出ている調査結果だ。もちろん世論調査は国政目的地ではなく当面の民心地形を示すため、一喜一憂したり左右される必要はない。世論の風向きに逆らわなければならない時もある。しかし、「念頭に置かない」という考えは間違っている。

尹大統領の支持度が「国民の力」より低いということは、保守性向国民の間で失望が大きくなったという意味だ。保守支持層は、「この5年間で崩れた法治の回復、断固たる自由民主主義守護措置を期待したが、あまり信頼できない」と背を向ける。

大統領室龍山移転と出勤途中の記者団との問答程度が目につくが、「ユンヘッカン(尹核幹=尹を慕う核心幹部たち)」のみっともない行動やキム・ゴンヒ女史の諸々の噂がそんなこともみな相殺してしまった。それでも尹大統領には不幸中の幸いだ。国政失敗ではなく、支持層の不満のため回復が可能だからだ。

初期の苦労は薬になることもある。世界の政治史を見ても、政権初期に困難を経験した偉大な指導者が多い。マーガレット・サッチャーは労働・財政改革を推進して支持率が18%まで下がった。フォークランド戦争がなかったら議院内閣制なので、すぐに追い出されたかもしれない。

なぜ、安倍元首相は銃殺されたのか。日本社会に蠢く抑圧された怒り

日本中を震撼させた安倍元首相を銃殺した事件。この衝撃的な事件と2008年に起きた「秋葉原通り魔事件」を重ね合わせるのは、メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』の著者で、健康社会学者の河合薫さん。河合さんは2つの事件の共通点は「抑圧された怒り」であるとし、現在の日本のあり方を改めて見直すべきだと語っています。

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日本社会に巣食う“抑圧された怒り“

安倍晋三元首相が銃撃され亡くなった事件から、2週間が経ちました。テレビメディアが決して取り上げない政治と宗教の関係、SNS上で飛び交うさまざまな情報やバッシングの数々・・・。私たちの社会に巣食う問題が、まるでパンドラの箱が開いたように次々と明らかになっているようで、なんとも言葉にしがたい薄気味悪さを感じずにはいられません。

日本中が衝撃を受け、恐怖に包まれている「今」だからこそ、メディアには主体的にメディアとしての役割を全うしてほしいと、心から願います。

一方で、今回の事件の第一報が入ったときに、咄嗟に私が思い出したこと。それは2008年の「秋葉原通り魔事件」です。

当時25歳で派遣社員だった男は、「誰でもいいから殺したかった」という自己中心的な犯行動機のもと、秋葉原の交差点にトラックで突っ込み3人をはね、持っていたダガーナイフで無差別に歩行者を切りつけました。

メディアは連日、男のSNSでの書き込みを取り上げ、「派遣社員」という身分にスポットを当てた。番組のMCやコメンテーターたちは、負け組、 社会的孤立、学歴といった男を象徴する属性に、「誰かに認められたい」という欲望が満たされずに犯行に至ったのではないか、という議論を展開。リーマンショックで派遣切りが社会問題化していたことも重なり、「氷河期世代のテロ」とも言われました。

今回の事件とは状況も違うし、犯行動機の背後にある問題も全く違います。しかし、どちらも共通しているのは、彼らが「社会からの排除」を余儀なくされた存在であり、彼らが「抑圧された怒り(inhibited anger)」を抱えていたことです。

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【関連】自民圧勝だった参院選。女性候補者の多さに感じる「違和感」のワケ

絶賛とはならなかった『天気の子』はなぜここまで意見が割れたのか

新海誠氏が監督・脚本を務めた前作『君の名は。』の大ヒットから3年後に公開された『天気の子』。ドイツのNetflixでは同作が視聴可能になったといいます。そこで今回は、メルマガ『Taku Yamaneのイェーデン・ターク』の著者で長くドイツに暮らすTaku Yamaneさんが同作について考察。賛否両論分かれる理由を分析しています。

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賛否両論の真実――『天気の子』考察

いつもご愛読ありがとうございます。さて、今回はついにドイツのNetflixで視聴可能となった、映画『天気の子』について考察したいと思います。

自分は3年前に飛行機内で見て「おもんな」と思った人間なんですが、その後も作品自体は気になっていて、いろんな所で話の話題にしていたんですよね。

で、今回2回目を視聴して「結構面白いじゃん」と思ったと共に、賛否別れた理由も分かった気がします。で、解説をしていきましょう。(ネタバレ注意)

■以下あらすじ

舞台は雨の降り止まない異常気象に見舞われる現代東京。16歳の離島育ちのホダカは家出をして東京に出てきます。そこで自在に晴れ間を作れる“晴れ女”ことヒナと出会います。同年代のヒナと晴れ間を作るバイトをする内に、ホダカはヒナに恋心を抱くように。しかし、ヒナは異常気象を収める人柱となる運命にあり、ついにホダカの前から消えてしまいます。世界の天気を優先するか、ヒナへの恋心を取るか悩んだホダカは最終的にヒナを選び、それ以降3年間東京は雨の止まない都市となります。

■賛否両論の理由

まず、完全なハッピーエンドとならない所でしょう。子供向けアニメであるにも関わらず、結局主人公が独善的な幸せを取ったことに対して賛否両論が出るのは当然でしょう。とはいえ、僕はこのエンディング自体は嫌いではありません。むしろ子供騙しにならなくて良いと思っています。

しかし、自分の幸せと他者の幸せが二律背反の構図になるという流れは良かったと思う一方、この他者に“世界”をもってきてしまったのが、アンバランスさを招いたような気がしてなりません。

ホダカの真っすぐというか、出会って間もない少女に恋をして、周りが全く見えずに突き進んでしまう姿というのは納得がいきます。

自分も若い頃を思い出してグッと来るものがありました。

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安倍氏と統一教会は「ズブズブ」だったのか?元信者が自ら明かす“実態”

安倍元首相銃撃犯がその犯行動機として挙げている、旧統一教会への強い恨み。事件以降、安倍氏を含む複数の国会議員と統一教会との関係や、同団体の「実態」がスキャンダラスに報じられていますが、その真相はいかなるものなのでしょうか。今回、「元信者」として旧統一教会の真実を記しているのは、金沢大学法学類教授の仲正昌樹さん。仲正さんは東京大学在学中に入信し1992年に脱会する11年の間に知り得た、嘘偽りのない旧統一教会の内実を白日の下に晒すとともに、真実に基づかない誹謗中傷を問題視しています。

プロフィール仲正昌樹なかまさまさき
金沢大学法学類教授。1963年広島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修了(学術博士)。専門は政治・法思想史、ドイツ思想史、ドイツ文学。著者に『今こそアーレントを読み直す』(講談社)『集中講義!日本の現代思想』(NHK出版)『カール・シュミット入門講義』(作品社)など。

統一教会問題を通して露わになる「反カルト」というカルトの問題

既に承知の人は多いと思うが、私は30年前に統一教会を脱会した。そのため、このたびの安倍首相殺害事件に関連して、いくつかのメディアで発言を求められた。統一教会に入信した経緯と辞めた経緯については、拙著『統一教会と私』(論創社)で詳しく述べたので、ここでは省略する。

統一教会に限らず、「脱会者」は、その組織での負の側面を(自分が直接経験していないことも含めて)誇張し、全否定するのが相場である。そうしないと、本当に“改心”したと認めてもらえないと不安になるからだ。私はそういう負の信仰告白のようなことが嫌なので、自分が経験したことをできるだけ正確に伝えるのを基本的スタンスにしている。そのせいでこれまでもしばしば、反トーイツを生きがいにしている連中から、「仲正はまだ洗脳が抜けてない(笑)」、などというような、根拠のない誹謗中傷を受けることがしばしばあった。

『羽鳥慎一モーニングショー』に出た時の、一部のツイッタラーたちの反応はかなり低レベルであった。「このしゃべり方はなんだ。洗脳解けてない(笑)」「この顔はまだ洗脳されている顔だ。俺には分かる」、などというのさえあった。この連中は、こういうのが統一教会批判になると思っているのだろうか。この反トーイツ・クラスターの連中の一連のツイートを見ると、どうも前日の放送で、自民党と統一教会の関係についてこれから詳しく伝えていく、と予告されたため、“アベとトーイツのおぞましい癒着の実体”が明らかにされていくと勝手に期待していたところ、元信者である私が、それと直接関係ない証言を中立的な感じて語り続けたので、八つ当たりしたくなったようだ。

この手の連中は、自分たちが思っているシナリオ通りに私が話さないと、すぐにヒステリックにわめき立てるので、何も言っても無駄だろうが、この際、多くの人が旧統一教会について抱いている誤解を解いておきたい。実体とかけ離れた“批判”は、ただの悪口である。

安倍氏と統一教会がズブズブの関係にあり、母親の入信のことで統一教会に恨みを抱いた容疑者が、安倍氏に怒りの矛先を向けたことをもって、安倍氏が統一教会とズブズブの関係にあるという人たちがいる。しかし、ズブズブとはどういうことなのか?

現実的にはあり得ない。日米の「台湾有事論」が根本的に誤っている理由

ロシアによるウクライナ侵攻以来、声高に主張される頻度が確実に増した台湾有事論。この先いつ起きたとしても不思議はないとするメディアも存在しますが、はたして緊張はそこまで高まっているのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、日本を代表する軍事専門誌に掲載された論考の内容を引きつつ、日米に流布する「台湾有事論」がいかに誤ったものであるかを解説。さらに論考の冷静な結論部分を紹介し、全面的な賛意を示しています。

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年7月18日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

間違いだらけの「台湾有事論」/『軍事研究』7月号の論文に注目

『軍事研究』という月刊誌は自衛隊寄り、軍事オタク寄りではあっても「右寄り」ではなく、それは同誌自身が「1966年の創刊以来いかなる政府・政治勢力、いかなる思想的立場からも中立」と謳っている通りで、軍事技術的な合理性を本旨としているが故に、時の政府の政策や安倍晋三的右翼の立場と矛盾したりそれを批判したりする場合も珍しくはない。同誌7月号に載った軍事ライターの文谷数重の論考『間違いだらけの台湾有事』もその一例で、「台湾有事は現実的にはあり得ない。日米の台湾有事論は誤っている。現状では、戦争事態が発生する危険性はむしろ少ない」と述べているが、これは私と同意見である。

彼は、21年3月に米上院の公聴会で米海軍大将が「中国による台湾回収は6年以内」と証言したことがきっかけで台湾有事論が一気に広まったが、この証言は取るに足らない内容で、まして「6年以内」と言うのはこの大将の「個人の勘」のようなものでまるで根拠がないと指摘。さらに「中国には侵略的傾向があるから台湾を侵略する」「日米同盟を強化し、防衛費を増やすべき」といった短絡した主張を繰り広げる「右派メディア、保守メディア」を、台湾有事の何たるかを知らずに騒いでいるだけとボロクソに批判するのである。

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