新型コロナに喘ぐ人々に伝えたい、「やること計画」の作り方

さまざまな業界に大きな影響をもたらし続けている、新型コロナウイルスによる感染症の拡大。多くの社が、事業計画の変更を余儀なくされています。そんな困難に直面している企業に救いの手を差し伸べるのは、経営コンサルタントの梅本泰則さん。梅本さんは今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』で、各セクションにおけるアクションプランの具体的な立て方をレクチャーしています。

「やること計画」を立てる

経営計画書や事業計画書を立てても、なかなか実行できない企業もあります。それは、綿密なアクションプランが立てられていないからかもしれません。そこで、今回はアクションプランの話です。

やること計画

あなたも、コロナの影響で販売計画を修正されていることでしょう。計画数値の修正をするだけではいけません。同時に「やること計画」を見直すことが必要です。「やること計画」って、何ともベタな名前ですね。実は、この言葉は、ある経営コンサルタントから教えてもらったものです。しかし、実に大切な計画だと思っています。

この「やること計画」のことを知ったのは、私が会社勤めをしている時のことです。その会社は、当然のことですが年間と毎月の売上計画、利益計画を立てていました。その売上・利益計画は、全社はもとより、部門別、エリア別、課別、商品別、顧客別、担当者別に細かく分けられています。その計画をもとに、毎月、部門別や課別の会議で実績値との違いを検証し、対策を検討するのが通例でした。

会社の業績が好調な時は、それでも大丈夫です。ところが、だんだんと業績の伸びが鈍くなっていきました。すると、社内の雰囲気がぎくしゃくし始め、なんとも嫌な感じです。そこで、経営者は経営コンサルタントを入れることにしました。経営計画の練り直しです。

その経営コンサルタントは、売上・利益計画書を眺めながら、この計画書には「やること計画」がない、と指摘をします。いわゆる「アクションプラン」のことです。しかし、横文字で言うより、「やること計画」といった方がピンときます。当時の私にとって、この経営コンサルタントの指摘は衝撃でした。

この「やること計画」には、必ず数値目標と実行期限が設けられます。つまり、「やること計画」とは、誰が、いつまでに、どれくらい、どんな方法で、ということを盛り込んだものです。売上や利益の数字を追いかけるだけでなく、行動の目標を決めなくてはなりません。それまで、この会社ではそんなことを真剣に考える習慣がなく、計画を作り直すのに大変な思いをしました。

そして、社会が変化をしている今、「やること計画」を練り直すことが必要ではないでしょうか。そこで、簡単に「やること計画」の作り方を説明します。

営業部門の「やること計画」

まず、営業部門の3つの計画、

  • 商品別計画
  • 顧客別計画
  • 担当者別計画

についての「やること計画」です。例えば、「商品A」の今年の売上目標が1,000万円だとします。どんなことをすれば、この目標が達成できるでしょうか。いろいろとアイデアが出てきます。そのうちの3つを大きな目標に絞り込みました。

  • 新規顧客の開拓を積極的に行う
  • メーカーと協力して当社独自の商品を開発する
  • 既存取引先には「新製品」の販売に力を入れる

次に、このそれぞれの目標に、時期、回数、数量、金額などを書き入れていきます。例えば、

  • 「新規顧客」の項目には、1か月後10社、2か月後20社
  • 「独自商品」の項目には、5か月後100万円、10か月後300万円
  • 「新製品」の項目には、2か月後200万円、6か月後400万円

といった感じです。そして、この計画をもとに、各担当者はそれぞれの「やること計画」を立てていきます。もちろん、時期、回数、数量、金額といった数値目標もです。実際に行うことと期限や数値を決めることで、計画の途中で経過がチェックできます。

「顧客別計画」も同じです。例えば、顧客B社について、

  • 毎月の訪問回数を増やす
  • B社に対して商品研修を行う
  • 市場情報の提供をする

が、「やること計画」だったとします。その次に

  • 「訪問回数」は毎月4回
  • 「商品研修」は年間6回
  • 「情報提供」は毎月1回

というように決めれば良いです。

自分に非がないトラブルをどこで「手放す」かで店の評価が決まる

どんな仕事でもミスはつきもの。例えば自店でお買い上げいただいた商品を発送した際、宅配業者のミスがありお客様からクレームが入るなど、自分たちに非がなくても起きてしまうトラブルは少なからずあるものです。そんな事態に遭遇した時、どう対処すべきなのでしょうか。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、「トラブルを手放すタイミング」についてレクチャーしています。

どこで手放すか

あるお店での事例です。

その店で買い物をされたお客様が、配送をお願いされていたのですが、予定していた日にちよりも1日前に商品が届いたそうです。その商品はプレゼント用だったのですが、プレゼントを贈る相手の方に、予定よりも1日早く届いてしまったのですね。

お客様はご希望があってのことだったので、当然クレームになりました。お店にお怒りの電話が入ったのです。

しかし実は、店側の不備ではなくて、配送業者の不備だったことがわかります。店側はちゃんと予定通りに配送手配をしていて、配送業者が間違ってしまって、1日早く着いてしまったということです。

もちろん店側は悪くない話なのですが、しかしここでさらなる問題が起こります。電話を受けた販売員の方が、「業者に確認してください」と手放してしまったのです。お客様は一度は電話を切られたというものの、「なぜ自分が?」と違和感を感じて、結局また店に電話をし、クレームの火種が大きくなってしまいました。

さて、あなたがこの販売員だったとしたら、どうすべきだと考えるでしょうか?

この事例の場合、お客様はすでに残念な思いをされています。プレゼントをする予定日よりも早くついてしまったことで、予定していたことができなくなったのかもしれません。ですが、配送業者のミスでもあり、店側としての不手際でもありません。

ただ、やはりこの場合は、お客様ではなく、店側が配送業者に確認をすることが望ましかったように思います。その上で、なぜそんなトラブルが発生したのかお客様に伝える、もしくは配送業者からお客様に連絡をしてもらい謝罪を入れてもらうという流れができたはずです。そうすることで、すでに残念な思いをしてしまっているお客様に、さらに余計な手間をかけさせる必要も無くなります。

何が言いたいかというと、つまりは、手放すタイミングが違っていたのではないかということです。

販売員(というかお店)は、お客様と接する中でどうしてもトラブルが発生してしまいます。それはいくら自分たちが気をつけていても、何かしらの要因で起こってしまうことです。

そのトラブルを未然に防ぐことも当然大事なことではありますが、起こってしまったことにどう対応していくかも求められます。その時、もし自分たちに非がなかったとしてもお客様に面倒や手間をかけさせてしまうようなことをしていると、お客様はさらに残念な思いをしてしまうこともままあります。そうしないためには、どのタイミングで手放すべきかの判断がとても重要なわけです。

自らに非がないことでトラブルが発生したら、どのタイミングでどう手放すべきなのか。こうした事例から学んで、実際に何かが起こった時に間違わないようにしたいものです。

今日の質問です。

  • 自分たちに非のないトラブルが発生したことはありますか?
  • そのトラブルをどのタイミングで手放せばお客様は余計な手間や思いをしなくて済みますか?

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【書評】なぜ田中角栄の為なら死ねるという警察官が多かったのか

戦後最大の人気を誇る総理大臣とも言われる、田中角栄氏。その伝説・名言・逸話は数多く語り継がれていますが、いったいなぜここまで彼は愛されるのでしょうか。その秘密が記された一冊を紹介しているのが、無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』の著者で編集長の柴田忠男さん。自身も角栄が大好きという柴田さんが、彼の魅力を余すことなく紹介しています。角栄さんが生きていたら、今の政治に何て言うのでしょうか?

偏屈BOOK案内:小林吉弥『復刻 田中角栄の知恵を盗め』

81h702Jb0xL復刻 田中角栄の知恵を盗め
小林吉弥 著/主婦の友社

著者は昭和4412月、田中角栄が自民党幹事長として300議席を獲得、圧勝した総選挙から、平成512月に死去するまでの23年間、田中を取材し続けた。この本は約30年前に出版されたものに手を加えたものだが、今でも充分通用する「人間学ノート」である。男というものは、自分を仕事上生かしきってくれた者を慕う。わたしにそんな上司はいなかった。そんな上司にはなれなかった。

田中が人を魅了した大きな武器は天性のとてつもない「記憶力」である。小学校の恩師、青年時代に同じ職場にいた同僚など関わりあった人のフルネームなどはもちろん、上京した日時、訪問先の住所など正確に思い出す。田中は芸事百般で、持ち歌1,000曲、歌詞の3番まで完璧。地元の道路、橋、トンネルなどの竣工日時、予算などもすべて記憶していた。とくに数字には抜群に強かった。

幹事長時代、日経新聞に「私の履歴書」を連載していたが、出てくる数十年間の日時は日記に頼ることなく、すべてそらで綴られた。各地の影響力のある人物の経歴、選挙区事情は完璧に把握していた。冠婚葬祭に関しては熱心で、総理の激務の最中でもこれを果たし、無役になっても葬式には必ず参列した。

そして演技ではなく人の不幸に一緒になって涙する人物だった。予備調査で故人のデータを頭に入れているから、田中の挨拶で同じものは一つもない。相手の身分、地位に一切関係なく対応する天性の人たらしだった。相手の奥さんを攻略する手際もあざやか。また、下の者ほど、「落ち目の相手」ほど大事にした。だから誰もが「オヤジさんのためならなんでも」と思うのは当然だ。

警視庁麹町署の大きな任務が首相官邸の警護。署員は歴代の首相に仕えてきたが、田中の人気が一番で、「田中さんのためなら、何かあったときにはいつでも命を投げ出せる」と言っていた署員は決して少なくはなかった。伝統ある料亭関係者の間では、戦後の政治家の中で一番歓迎されたのは角さんだ。芸者はもとより、玄関番に至るまでもれなく感謝の言葉と「心づけ」を渡していた。

田中には「10倍の哲学」といわれるものがあった。同じカネを使うにも、常識をはるかに超えたカネを積んでみせた。年間数千万円の大臣機密費(交際費)を、自分のためには一切手をつけず、すべてを次官以下に任せて自由に使わせた。身銭も切る。盆暮れに「私的ボーナス」を次官、局長から課長クラスまで包んだ。カネを渡すことで一切の見返りを要求しない。こんな上司欲しかった。

田中の演説、スピーチは老若男女、誰にもわかるようにできている。「一体感の構築」に集約される。スピーチの書き起こしが掲載されているが、じつにわかりやすい。田中は一切の悪口というものを嫌った。忌むがごとく嫌った。田中番の記者が万博の日本館がお粗末だと口にしたとき、血相を変えてその記者を一喝した。「自分の国の悪口を言うな。そういうやつはオレは大嫌いだッ」。

田中は44歳で大蔵大臣に就任した。大蔵省の役人は舐めてかかった。田中は猛勉強で、大蔵官僚が一週間かかって読む財政資料をたった一晩で読み切った。田中は天才だから財政、予算編成をすべて理解した。結局、田中を恐れるアメリカと、嫉妬に狂った日本の政治家、官僚によって潰されてしまうのだから、この本は総理になる前までの話。わたしは田中角栄が大好きである。

編集長 柴田忠男

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リッツカールトン伝説のホテルマンが語る従業員育成の「合言葉」

高いホスピタリティを提供することで有名な「ザ・リッツカールトンホテル」。そこで働く従業員たちの教育は他の業種であっても参考になることが多いのかもしれません。そこで、今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、リッツカールトンを日本に根付かせたホテルマンである高野登氏のインタビューから人材育成の秘密について紹介しています。

サービスを提供する側も紳士淑女たれ

「ザ・リッツカールトンホテル」を日本に根づかせた伝説のホテルマン・高野登さん。いまから十数年前、リッツカールトンホテル東京が開業する直前に行われた貴重なインタビューの内容をご紹介します。

■高野登(ザ・リッツカールトン・ホテル日本支社長)

「リッツ・カールトンでの高野さんの仕事って何ですか」とよく聞かれます。もちろん営業やマーケティング、プランニングなどいろいろやっているわけですが、私はそのDNAをつないでいく伝道者になっていくということしか頭の中にないんですね。

大阪が開業した時も人材戦略だとか、いろいろ細かい部分に関わりましたが、最終的に何をしているかというと、リッツ・カールトンのDNAをきちんとした形で進化させる伝道者としての活動です。これが私の中で一番大事な心の立ち位置ですね。来年(※当時)4月に東京が開業しますが、そこでの私が関わるとすれば、再びリッツ・カールトンのDNAを形として表すことだと思っているんです。

コミュニケーションを通してお客様のことを知る、お客様に自分たちのことを伝えるという行為は、アメリカですら多くなかったはずです。

日本もそうでしょうが、サービス業の世界は、お金を払う側と払っていただく側、奉仕される側と奉仕する側の斜めの目線なんですね。携わる者が召し使い的な感覚でいる以上、どうしても本当のコミュニケーションは生まれません。

ところが、「サービスを提供する側も紳士淑女」と言われた場合、この意味を勘違いしてしまう従業員もいるんですね。ただ単に対等に口を利いてもいいんだと。これは大いなる誤解です。なぜかというと、お客様のほうが圧倒的に経験が豊富だし経済的にも豊かで社会的地位も高いわけです。

お客様の価値観が3メートルの物差しだとすると、従業員のそれは30センチの物差しかもしれないのです。この言葉の意味するところは、たとえいまは従業員の物差しが30センチでも、努力をすることによってお客様が3メートルの物差しで感じることを感じ取れるようにならなくてはならないということなのです。

お客様の生活は見ることができないし、体験することもできないのだけれども、コミュニケーションを通じてその思いや価値観を自分の物差しでつかむ努力をしていく。

これが「自分たちも紳士淑女」と言い切った一番大きな目的です。

例えば、入社してすぐに2日間のオリエンテーションがあるんですが、この2日間で、これまでの業種の中で経験できなかったリッツ・カールトン独特の価値観を教えます。かといって、その人が培ってきた価値観を捨てるわけではない。新しい価値観にバージョンアップするわけです。

またこのオリエンテーションは、採用が決まったスタッフを、いかに温かく迎え入れるかという2日間でもあるんです。新しい職場での緊張感と不安感を取り除き、早くリッツ・カールトンの一員として馴染ませてあげると同時に、そのホスピタリティーを肌で体感してもらうねらいもあります。

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千代田区民に12万円給付で波紋。区長虚偽発言の「疑惑隠し」か

東京都千代田区は新型コロナウイルス対策として、全区民に一律12万円の支援金を区独自に給付する方針を固めた。しかし、22日付の東京新聞は、「区議からは『疑惑隠しのためのばらまきではないか』と疑念の声が上がる」と報じていて、今後波紋を呼びそうだ。

12万円給付は疑惑隠しのばらまきか?

皇居や国会議事堂、日本を代表する大企業の本社が立ち並ぶ千代田区は、まさに東京のど真ん中に位置している。昼間の人口は約85万人だが、全区民は約6万6000人と23区の中で最も少ない。しかし、区民全員に12万円を給付するとなると、事業規模は85億円ほどになるという。

区の貯金に当たる「財政調整基金」を財源に充てるといい、週明けにも臨時区議会を開き、関連の補正予算案を提出する。給付は10月にも始めるとしている。

石川区長にまつわる疑惑

千代田区民が喜ぶ中、東京新聞が報じたばらまき疑惑。同紙によると、「提案者の石川雅己区長は、百条委員会で虚偽の発言をしたとして、区議会が刑事告発をする見通し」となっているという。

これは石川区長がその地位を利用して区内のタワーマンションを購入したというもので、地権者が優先的に購入できる部屋にもかかわらず、地権者でない区長が購入していた疑いを持たれている。この問題において、石川区長が虚偽の発言をしたのではないかと、区議会から追及を受けている。

もしこの疑惑から区民の目をそらすために、大切な財政調整基金をばらまくようであれば、とんでもないことだ。果たして真相はどこにあるのか。

小池都知事の側近・石川雅己区長

2001年に千代田区長選挙で当選した石川雅己区長は現在5期目。もともとは東京都庁の職員だった。小池百合子都知事の側近として知られている。

というのも、4期連続当選を狙った2017年の千代田区長選挙で、小池都知事が支援する石川氏に、都議会自民党・東京都連は対立候補を擁立。小池都知事と当時都議会のドンと呼ばれていた内田茂氏との代理戦争といわれた選挙に石川氏が勝利したことで、絆を深めたとされている。

そんな小池百合子都知事の側近として知られる石川区長。今回の12万円給付は区民のためなのか、それとも自らの保身のためなのか、真相究明が待たれる。 

このまま行けば日本は終了。コロナ危機を脱する対策なら2つある

メディア各社は先日、政府がインバウンドについて「ポストコロナ時代においても大きな可能性がある」として、コロナ以前と同様に取り組むことを閣議決定したと伝えました。しかし、今この時点で適切な手を打たなければ、我が国の経済は「ポストコロナ時代」に辿り着くことすら困難とするのは、米国在住作家の冷泉彰彦さん。冷泉さんは今回、自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で、現在日本が襲われている未曾有とも言える「コロナ危機」はまだ続くとした上で、そこから脱するために考えられる2つの対策を提示しています。

コロナ危機の経済をどう乗り切ったら良いのか?

日本のGo Toキャンペーンが迷走していますが、その説明としては、ちきりん女史の分析がかなり整理されているので、「Go Toキャンペーン大混乱について」の一読をお勧めします。

ちなみに、この論考では触れていませんが、本来であれば7月24日から開催されていたかもしれない、五輪関係の経済が「消滅」したことへの穴埋めという意味合いもあると思います。

キャンペーンを行わざるを得ないという事情については、山本一郎氏も「酷評『GoToトラベル』が投げかける『地方経済か感染症対策かのトロッコ問題』」という微妙な言い方で解説しつつ批判しています。参考になる観点と思います。

今後の「コロナ危機経済」の動向と、これに対してどういった政策が必要なのかという点について、こちらもそろそろ真剣な議論が必要と思います。

とりあえず、観光・運輸についてと、自動車産業について、非常な危機意識をもって見ていかないといけないと思います。

まず、今回の「Go To」キャンペーンについては、確かに地方の観光産業、とりわけホテル・旅館ビジネスが資金的に厳しくなっているという問題を抜きにしては語れません。また、企業規模は3桁ぐらい違いますが、メガキャリアの航空会社についても、国際線が90%以上減便されている中では、資金の流出が止まりません。

ところで、この観光産業について政府は「ポストコロナ時代においてもインバウンドは大きな可能性があり、2030年に6,000万人とする目標の達成に向けて、観光先進国を実現するために官民一丸となって取り組む」という「骨太の方針」をこの7月17日に閣議決定しています。

ちなみに、この「骨太」というのは、痛みを覚悟で構造改革と財政規律に向かうという小泉政権の方針で使われたニックネームですが、「非現実的だが政治的には強行」というニュアンスだけが残っていて本来の意味合いは失われているので、いい加減に言い方として止めていただきたいのですが、それはともかく、2030年に6,000万人という目標は取り下げないことのようです。

3つ問題があります。

1つは、「ポストコロナ」と言うのは簡単ですが、それまでの「冬の時代」をどう乗り切るかという点です。ワクチンと治療薬の整備によってコロナ危機が克服されて、満席の777や787が羽田・成田・関空にあふれるような状況に戻すには時間がかかります。現在のような「インバウンドは事実上ゼロ」で「東京発着もダメ、団体もダメ」という「観光冬の時代」がある程度続くことは覚悟しなくてはなりません。

例えば、今回の「Go To」が空振りに近い結果となり、9月以降に多くの観光宿泊施設が資金ショートに陥ったとします。その場合に、個々の法人について清算がされていくのはもう仕方がないと思います。

問題は、そうした破綻が増えることで、改めて地方の金融が深く傷つくことです。現在の地銀は、バブル崩壊の際とは異なり、バカみたいに不良化するような担保だけでカネを貸したりはしてません。そうなのですが、仮に全国で大規模な形でホテル旅館の清算が続くようですと、金融も持たないということが考えられます。そこをどう乗り切っていくのか、今から治療法を考えておかないと地方経済は本当に死んでしまいます。

「GoTo」強行という政府の愚行。コロナ禍に全国で響く弱者の悲鳴

新型コロナウイルスの感染者数が急増し、国内第2波到来とも言える様相を呈してきています。政府は賛否両論渦巻く中で「GoToキャンペーン」を強行しましたが、救いの手を差し伸べるべき先やそのタイミングは適切と言えるのでしょうか。今回のメルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』では著者でジャーナリストの内田誠さんが、各所で上がる窮状を訴える声をはじめ、新聞各紙が伝える新型コロナ感染拡大の影響を分析・解説しています。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を各紙はどう報じているか?

ラインナップ

◆1面トップの見出しから……。

《朝日》…米欧が巨費 ワクチン争奪戦
《読売》…衛星群 地上を丸裸に
《毎日》…消費者庁、コスモ調査
《東京》…「GoTo全面延期」62%

◆解説面の見出しから……。

《朝日》…ワクチン 自国優先という病
《読売》…支持回復 トランプ流不発
《毎日》…コロナ休業 フリーランス「綱渡り」
《東京》…脱東京一極集中「チャンス」

プロフィール

■公立病院の窮状■《朝日》

■低所得国の窮状■《読売》

■フリーと名ばかり個人事業主の窮状■《毎日》

■息を吹き返した首都機能分散論■《東京》

公立病院の窮状

【朝日】は公立病院の現状についてのリポート。3面に掲載されている。見出しから。

  • 公立病院 コロナで経営難
  • 患者受け入れの中核 収益部門削り治療
  • 再編論議に一石

新型コロナウイルス感染者を受け入れた922病院中約7割が、公立病院と日本赤十字のような公的病院で、それらが経営難に陥っているという。収益が見込める健康診断や救急外来を削って対応しているため。病床稼働率は下がり、外来患者も減っており、「現場では、地域の医療体制が崩壊しかねないとの懸念が広がる」という。

uttiiの眼

記事によれば、もともと「医師不足による人件費高騰など」で、公立病院の6割が赤字になっており、そこにコロナ禍が加わった形。

実例がいくつか挙げられている中で衝撃的だったのは、西日本唯一の特定感染症指定医療機関である、りんくう総合医療センターのケース。ここも4月以降の赤字が10億円を超える恐れがあり、救急の受け入れを一時、最も重い3次救急だけに絞ったことがあったという。医療崩壊はギリギリで起きていなかったとされるが、細かく検証していけばいくつもの綻びがあったのではないかと感じた。

最後段は、公立病院の再編論議に関すること。政府は「地域医療構想」を掲げて、約440の公立・公的病院を再編統合の対象にしているが、そこに「感染症」の観点はなかったという。コロナ禍はこの計画に大きな変更をもたらす可能性がありそうだという。厚労省も「再編・統合対象も含め、公立病院のあり方を整理し直す必要がある」(地域医療計画課課長)としていると。

人口減少を理由にしつつ、これ以上削減したらどうなってしまうのかという状況でもなお遂行されようとしていた医療削減計画が、コロナのために頓挫した形。だからといって、地域医療がこれ以上の削減を免れると即断するのは危険だろう。人口減少の“大義名分”はまだ消えていない。

低所得国の窮状

【読売】は2面と4面に、コロナ禍で大きな影響を受けつつある国際金融の世界についての記事。見出しから。

2面

  • G20 政策総動員で一致
  • 共同声明 コロナで経済悪化
  • 財務相TV会議

4面

  • 低所得国は危機的水準
  • G20財務省・中銀総裁 債務猶予延長「検討」

2面は本記。コロナ禍で悪化した世界経済の不確実性が今後も高いとして、財政出動や金融緩和を含む「すべての利用可能な政策手段を引き続き用いる」ことで一致したというもの。

さらに、「低所得国へのG20各国による貸付の債務返済を今年末まで猶予する措置について「今年下半期に延長の可能性を検討する」ことを明記した」とする。

4面は、低所得国への債務返済猶予に関して敷衍。低所得国の状況は危機的で、「G20による債務返済の猶予」については42カ国が要請し、総額は5,700億円に上るとも。

uttiiの眼

債務返済の猶予措置がなければ、低所得国ではただでさえ脆弱な医療体制が一層脆弱となり、感染状況の把握も難しくなり、そうなれば、今度は先進国にもリスクが及んでくるという判断のようだ。ところが、「返済期限の延長」は「検討」するだけ。これは最も融資額が多いとみられる中国に対する牽制の意味がありそうで、融資による勢力拡大を「透明化」し各国で相互に監視しあう必要があるとの考えを麻生財務相が述べたようだ。

先進国も足もとが揺らいでおり、さらに言えば、支援する側も一枚岩ではない。とりわけGAFAへの課税を巡っては米国とそれ以外の国の対立が露呈していて、米国は国際課税ルール作り交渉の一時中断を提案した。

国際金融の世界の話も、「支援」というような美しい言葉で飾られているが、自国の利益増大を目指す各国の衝突の場だと捉えておくことが必要なのではないだろうか。

黒澤明監督作品から血の通った温かさを感じるようになった理由

この春から続く外出がままならない状況下の娯楽として、映画を観て過ごしている人は、そろそろ観たい作品もなくなっていないでしょうか。今回、メルマガ『8人ばなし』から紹介するお話は、著者の山崎勝義さんが黒澤明監督とその作品に抱く思いを決定的にした『素晴らしき日曜日』という作品にまつわるエピソードです。世界の映画人に影響を与えた黒澤映画、改めて一つ、いかがですか?

黒澤明のこと

最近、DVDで黒澤映画をよく観る。つい「最近」と言ってしまったが、実は20年くらい前に黒澤の全作品がDVD化されてからというもの毎日のように観ている。勿論、彼の映画はそのほとんどが長尺なので常に全篇観られるという訳ではないが、それでも飽きずに繰り返し観ている。

今さら黒澤作品の魅力やそれにまつわる諸伝説をここで並べてみても先人たちの轍をただただなぞり行くだけになってしまうので止めにして、少し違った方面から映画人黒澤明に近づく試みをしたいと思う。

以前、黒澤明展か何かに行った時のことだが、ある展示物から目が離せなくなったことがある。それは『素晴らしき日曜日』の黒澤明監督の撮影用台本だった。『素晴らしき日曜日』(1947年)は戦後焼け野原になってしまった東京での若い男女(男:雄造、女:昌子)の日曜日のデートの様子を描いたものである。黒澤映画には珍しく全篇ロケで当時の東京の在り様がよく分かって面白い。

勿論、デートといっても金の無い若いカップルのことだから行く先々で惨めな思いをする羽目になるのだが、中でも上野のシーンが特に可哀相で、雨の中雄造がチンピラに殴り倒されて濡れ鼠のようになってしまうところなど目も当てられない。

今、改めてこの上野のシーンを観るとあることに気付く。雨なのに誰も傘をさしていないのである。前にも言ったようにこの映画は全篇ロケであるから、フィルムに映り込んでいるのは当時のリアルな上野の様子である。とすれば、戦争直後の一般庶民にとっては傘がないのは当たり前の状況だったということになる。

――その台本は表紙がめくられた状態で展示してあった。第一頁目に二人の主人公、雄造と昌子の名が書いてあり、それぞれに性格的な設定が三、四行に亘って書いてあった。そして、雄三と昌子の名前の上には大きな相合傘が書いてあったのである。この映画を観たものなら、あの上野のシーンを憶えているものなら、この相合傘を見てハッとした筈である。

雨の中、さす傘もなく惨めに濡れて歩く二人。そんな二人に黒澤明がそっとさし出す相合傘。何て素敵なんだろう。この映画人黒澤明の優しさに触れると、彼の全ての作品から何か血の通った温かさのようなものを感じずにはいられなくなる。

前にこのようなことを聞いたことがある。世界的な映画監督の名前を挙げてどの作品が一番好きか、というアンケートを映画人に実施したところ、ほとんどの監督の場合は作品の好き嫌いに極端な偏りが出たのに対し、黒澤明の作品には万遍なく票が入ったという。誰も皆、知らず知らずのうちに全ての黒澤作品に通底する人間的な温かさのようなものを感じていたのかもしれない。時折また、そんな発見があるから、ヘビーローテーションの日々が続くという訳である。

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今ある仕事の9割が消える未来に備えるべき子どもに必要な能力は

新型コロナウイルスの感染拡大により、さまざまなことがこれまで通りにはいかなくなりました。子育て中の親御さんのなかには、自分が信じてきた教育方針にも懐疑的な気持ちを抱く人もいるようです。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』著者の柳川由紀さんが、そんな親御さんに向けてアドバイス。これからの子どもたちには「考える力」のほかに「飽くなき探究心」を身につけさせたいと、その理由を解説します。

これからは探究心が必須

Question

shitumon

コロナ感染が再び拡大しました。想定外のことや予測がつかないことが起き、これだけ右往左往することになり驚いています。今後は、これまでの考え方や常識などは通用しなくなると思います。親として子どもに「予知能力」を持たせることができれば一番ですが、そんな魔法使いのようなことはできません。子どもに「考える力」をつけさせるだけで良いのでしょうか?(小学5年男子のお父様より)

柳川さんからの回答

これまでの価値観がひっくり返ることが将来起きる可能性は十分あります。今後は、それに柔軟に対応できるだけの課題解決能力が求められますから、考える力のほかにも「飽くなき探究心」が必要です。その理由をお伝えします。

1.普段からの「?」がアイディアを作る

「一体なぜこうなっているんだろう?」「どうしたらうまくできるだろう?」と、疑問に思ったことをそのままにする子どもと、答えを探求する子どもでは、どちらが課題解決能力があるか歴然です。

今回のコロナウイルス問題に直面して、わからないことやできないことを乗り切るためには、自分で一つ一つ考えないと乗り越えられない、という場面が幾つもあったのではないでしょうか?

自宅にオンライン設備がない子どもが、自分で友達の親に交渉しに行きました。自分がレインコートを着て、めがね、マスクをつけるから一緒に受けさせてくれ、と。そんなことを知らない子どもの親は、友達の親からの連絡で慌てましたが、お互いの家族が理解した上で一緒に授業を受けられました。「?」を探求することで課題を解決に導くことができるのです。

2.将来を案じるより過去を生かす

目標を定め、なりたいものを目指して頑張ることは素敵です。けれども、その「なりたいもの」が将来もあるとは限りません。イギリスのオックスフォード大学は、近い将来に、今ある仕事の9割はAIに置き換えられると公表しました。また野村総合研究所は、この先15年で今ある仕事のおよそ5割がなくなるというレポートを発表しています。

つまり、目標を決めてその道に邁進しても、その道自体がなくなってしまうこともあるのです。それならば、自分が何にでもなれるように、何にでも対応できるよう、普段の「?」を解決すべく考えながら過ごすことです。やがて、過去に自分が考えたこと、試したこと、実践したことなどの小さな「探求の積み重ね」が自分に自信を持たせてくれます。

家庭教育アドバイス…「物事を繋げられる考えを持つ」

一つのことに夢中になって取り組むことは良いことです。その道のスペシャリストになれるかもしれませんから。しかし、それよりももっと良いのは、一つのことを、あらゆる事柄と結びつけて考えられることです。こうしたことが、これから求められるでしょう。

これまでの社会は情報社会といわれ、情報を短期間に理解、再生、反復できることが良しとされてきました。これからの社会は、知識基盤社会といわれ、知識や柔軟な思考力をベースに、新しい価値を創造する能力が求められます。

そのためには、一つのことに精通しているだけではなく、関連しないように見える他の分野についても、関連づくかもしれない、と探求する姿勢が必要なのです。子どもには「広い視野と、深い思考で探求する」という姿勢を持たせましょう。

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人類こそ絶滅危惧種。他種他属の絶滅を防ぐことなどできないワケ

人間の活動により多くの生物が絶滅の危機に瀕していると言われ、「レッドデータブック」に記載されています。しかし、地球の歴史を見れば、ほとんどの生物が絶滅しており、人類こそ「絶滅寸前」とも言えると語るのは、CX系「ホンマでっか!?TV」でもお馴染み、メルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』著者の池田教授です。池田先生は、人類の関与の有無に関わらず絶滅は起こることを2属3種となった象を例に解説。人類も同じレールに乗っていると指摘しています。

絶滅について

現在生きているすべての生物は38億年前に地球上に誕生したバクテリアの子孫である。たとえば、私は、人間の個体として生まれてからはまだ67年しか経っていないが(もう67年も経ってしまったというべきかな)、生物として生まれてからは38億年の寿命を永らえているわけである。学生たちに、「君たちの本当の歳は38億20歳、僕は38億67歳。誤差の範囲だね。38億年も生きたんだからいつ死んでもしょうがないよね」と言っても、死ぬことなど、露ほども考えたことがない学生たちは屈託なく笑っている。

38億年の間には、おびただしい数の種や高次分類群が出現したが、99%は既に絶滅して久しい。現在、地球上では人間の活動により多くの野生の動植物が絶滅に瀕している、と言われている。これらの種は「レッドデータブック」(1966年に国際自然保護連合によって初めて作成され、以後、各国政府や自治体によってこれに準ずる地方版レッドデータブックが沢山作成されている)に記載されており、人類が環境を好適に保ったり、捕獲を制限したりすれば、絶滅を回避できるかのような意見がまかり通っているが、過去の歴史を振り返れば、ほんの僅かな種が新しい種の母種になる以外はすべての種はいずれ絶滅を免れないのは明らかである。

古生代の約3億年もの間、次々に新しい種を生み出しながら生存していた三葉虫は古生代の終わり(2億5000万年前)までには、新しい種を生み出すことができずに、完全に絶滅してしまった。あるいは、中生代の三畳紀(2億5000万年~2億年前)に出現した恐竜は、現在、鳥類と呼ばれている系統だけを残し、白亜紀(1億4500万年~6550万年前)の終わりに絶滅した。

絶滅の原因として一番わかり易いのは、環境が激変して、種の適応力を超えてしまうことだろうが(それについては次回で述べる)、環境がそれほど変わらなくても絶滅してしまう種もあるわけで、個々の種や系統の本当の絶滅原因はよくわからない。ただ、新しく生み出された系統は暫くすると沢山の種を生み出して(たくさんの種に分岐して)、多様化するが、さらに時間がたつと、歯が欠けるように、徐々に一部の種が絶滅していき、最後にはすべて絶滅するというのが、系統の絶滅の一般的なパターンであることは確かである。

たとえば、長鼻目(ゾウの仲間)は、現在、ゾウ科の2属3種(アジアゾウ Elephas maximus、アフリカゾウ Loxodonta africana、マルミミゾウL. cyclotis)のみを擁する小目だが、かつては沢山の種を含む大目であった。この目が出現したのは新生代初期の暁新世(6550万年~5580万年前)で、古第三紀(6550万年~2303万年前)にかけて徐々に多様化して、中新世(2303万年~533万年前)に最盛期を迎えた。現在までに出現した科の数は15近く、属の数は50近くに及ぶ。それが今では1科、2属、3種にまで減少した。

巷では、人類が手厚くゾウを保護すれば、絶滅を避けられるかのような言説が流行っているが、現生人類が出現する以前から長鼻目の衰退は始まっていたわけで、人類が関与しようとしまいと、いずれ絶滅は免れないだろう。

これは人類にも言えるわけで、現生人類(Homo sapiens)が属するヒト科の動物は700万年前に現れて、何種もの人類を生み出したが、現生人類を残して、すべて絶滅してしまった。ゾウの事例に鑑みれば、現生人類は個体数こそ多いが、もはや、絶滅寸前と考えたほうがいいのかもしれない。

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