なぜ習近平はここまで焦っているのか?新総統就任の台湾を脅し続ける中国の“大国”らしからぬ振る舞い

習近平政権が「独立派」とみなす頼清徳氏の総統就任以来、台湾に対してさまざまな威嚇を仕掛ける中国。ついに先日、独立勢力に勝手に死刑を宣告する法律を制定する暴挙に出たことが国内外のメディアで大きく報じられています。今回、台湾出身の評論家・黄文雄さんが主宰するメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、このニュースを詳しく取り上げるとともに、台湾サイドの反応を紹介。中国に対して一歩も引くことなく、かつスマートに牽制する新総統への大きな期待を記しています。

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※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:【台湾】期待される頼清徳総統の活躍

焦る中国。期待される台湾・頼清徳新総統の活躍

中国 「台湾独立派」の国家分裂行為 処罰指針発表 死刑も

中国は一体なぜこれほど焦っているのでしょうか。頼総統が就任してからの中国は、恥も外聞もなく台湾をあの手この手で脅し続けています。軍事的な威嚇はいつものことですが、今度は「台湾独立勢力には死刑を言い渡すことができることを、中国の最高裁判所にあたる最高人民法院や検察など5つの司法部門が発表したというニュースです。まずは、その内容を以下、報道を引用して確認しましょう。

中国政府は21日、「台湾独立派」の国家の分裂行為などを処罰する指針を発表しました。この指針は、国家と国民に著しい危害を及ぼした場合、死刑を言い渡すことができると定めていて「1つの中国」の原則を認めない台湾の頼清徳政権への圧力をさらに強めようとしています。

この指針は先月26日付けで、中国の最高裁判所にあたる「最高人民法院」や検察など、5つの司法部門が21日発表しました。

この中では、極めて少数のかたくなな「台湾独立」勢力を司法部門が総力をあげて処罰し、「国家主権と領土の一体性を断固守っていく」としています。

そして、台湾を中国から分裂させる目的で組織を立ち上げたり、組織を指導して国家の統一活動を破壊したりする行為を処罰するとしています。

さらに、台湾に関する規定の改正や住民投票などを通して、「台湾は中国の一部だ」という地位を変えようとした場合や、主権国家に限られる国際機関への台湾の加入を推進したり、他国と公式に往来したりして「2つの中国」をつくり出そうとした場合も処罰するとしています。

そのうえで、こうした活動を主導し国家と国民に著しい危害を及ぼした場合は死刑を言い渡すことができると定めています。

また被告が国外にいる場合でも、条件がそろえば、裁判を開くことができるとしています。

今回の指針が処罰の対象とした行為は、その多くが「1つの中国」の原則を認めない台湾の頼清徳政権が進める政策と一致しており、中国当局は、先月の頼総統の就任後に行った大規模な軍事演習に続いて、さらに圧力を強めようとしています。

中国 「台湾独立派」の国家分裂行為 処罰指針発表 死刑も

この記事の著者・黄文雄さんのメルマガ

双極性障害の患者は「アルコール使用で病状が悪化する」という研究結果

一般的に「躁うつ病」といわれる双極性障害。その経過中にアルコール使用が重なることで、症状の悪化が見られる可能性があるという研究結果を、今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』で紹介しています。

双極性障害におけるアルコールと病状悪化

◎要約:『双極性障害の経過中に、アルコール使用の問題が重なると、その後の気分変動の悪化や社会的機能の低下につながる可能性がある』

今回は、双極性障害(躁うつ病)において、アルコール使用が病状にどのような影響をあたえるのかを調べた研究をご紹介します。

双極性障害におけるアルコール使用と気分、機能との相互関係

Longitudinal Interplay Between Alcohol Use, Mood, and Functioning in Bipolar Spectrum Disorders

複数の医療機関から募集された双極性障害(1型、2型を含む)の患者584人(平均40歳、66.1%女性)が対象となりました。

1型が76.2%、2型が23.8%で、アルコール使用症の診断のある場合とない場合を含み、平均観察期間は9年間でした。

結果として、以下の内容が示されました。

・アルコール使用の問題が多いほど、その後の6か月でうつ/躁症状の悪化、職場の機能低下が生じていました。

・気分の症状が悪化しても、その後のアルコール使用の問題には明らかな違いが生じていませんでした。

双極性障害では、不眠や気分変動に対する自己治療としてアルコールの使用を認めることもありますが、全体としてはむしろ病状を悪化させる傾向があるようです。

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「ノベルティをプレゼント!」と言われて買いに来る客は本当にいるのか?

来店してくれたらノベルティをプレゼント、というキャンペーンがありますが、ノベルティが欲しくてそのお店に足を運んだことはありますか?無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんは、“本当の集客”というものについて語っています。

本当の集客

ちょっと前に地元の友人からこんな連絡がありました。

「部活をしている子供の部が全国大会に進むことになった。予算がないので、みんなに協力を募っている」というような内容でした。

よくある募金活動なのだと思いますが、その部はどうやらお金を募るためにグッズを作ったようなのです。

注文ができる紙カタログのようなものがあって、その写真を見てみると、チームのネームが入ったタオルやらトートバッグやらが並んでいます。

さらには地元の協賛なのか何なのか、そうめんやカレーなども。

それぞれに値段がついていて、利益分から大会出場にかかる費用を捻出するようです。

僕はそれを見た時に、「お金は出すけどグッズとかはいらない」と友人に伝えました。

そうめんもカレーも部活には何も関係が無さそうで意味不明でしたし、グッズをもらっても困ります。

こういうことを言うのは申し訳ないとは思いますが、そんなグッズを作るコストがかかるくらいなら、普通に寄付を募ってくれた方がいいのになという感じでした。

でもたぶん、こういうことって各学校で起こっているんだろうなとも思います。

この件があってパッと頭に浮かんだのが、ノベルティです。

ショップなんかだと、「来店してくれたらノベルティをプレゼント」「いくら以上買ってくれたらノベルティをプレゼント」みたいなことをよくやりますよね。

スタッフも何かイベントがあると、「ノベルティがあればお客様が来てくれる」と思っていることもあります。

しかし、そういうノベルティを喜んでくれるお客様って実はかなり限られています。

タダであげるようなノベルティは、ある程度予算も限られていますからたいしたクオリティでもありません。

下手したら、どこかで仕入れてきたものを適当にノベルティとして配っているだけの場合すらあります。(そうめんやカレーがまさにそれです)

そんなどこの何ともわからないものを配ったところで、自社ブランドの発展に寄与することなんて1ミリもありませんし、お客様もそれをもらったからと言って、「ここで買い物してよかった」とは思いません。

「あぁなんか付いてきたのね」くらいのものです。

65歳からの逆転人生。不屈の男、KFC創業者のカーネル・サンダースが起こした奇跡

前回の記事で、ケンタッキー・フライド・チキンの創業者カーネル・サンダースの半生について紹介した、時代小説の名手として知られ『歴史時代作家 早見俊の無料メルマガ」』の著者である作家の早見俊さん。なぜ、彼は次々と襲いかかる困難に対して諦めるということをしなかったのでしょうか?今回も、彼の人生を詳しく紹介します。

KFC創業者カーネル・サンダース波乱万丈の人生

カーネル・サンダースは客が求めているものは何かを貪欲に追及します。目をつけたのはフライドチキンでした。何度も試行錯誤を繰り返し、絶妙のスパイスとハーブの調合に辿り着き、最新式の圧力鍋で今日私たちが味わうケンタッキーフライドチキンを完成させます。「やったあ! 」と、喜んだのも束の間、何と火事で店は全焼、またも全てを失いました。

筆者なら茫然自失となった後に己が不運を嘆き、神仏をなじることでしょう。で、時が経てば、命が助かったのをせめてもの幸いだと自分を慰め、食っていかなければと、職を求めて求人広告を探します。

対して不屈の男サンダースは挫けません。サンダースのフライドチキンが食べさせたいという要望に励まされ、再建に動きます。幸い、ノースカロライナ州に所有していたモーテルがあり、それを売り、銀行から金を借りて、今度はレストランだけに絞り、営業を再開しました。

カーネル・サンダース五十一歳、再々起のスタートです。と、スタートしたのはいいのですが、サンダースの人生は波乱が付き物です。不屈の闘志を失わない彼でしたが、思いもかけない大切な人を失ってしまいます。五十七歳の時、長年連れ添ってきた妻が離婚を切り出したのです。サンダースは戸惑いながらも子供たちが成長したこともあって、離婚に応じます。妻にはきちんと慰謝料を払い暮らしに困らないよう配慮しました。

店を失っても挫けなかった彼でしたが、妻に去られた寂しさには耐えられなかったのか、二年後にレストランの従業員と再婚しました。彼女は従業員だっただけに、彼の仕事に理解が深く、夫婦追随でレストランの経営を行います。五十九歳で新妻を得たサンダースはレストラン経営に邁進します。

すると、最早お定まりとなった困難が訪れます。レストランのある国道に迂回路が設けられことになりました。このため、店の前を通る車は激減します。客は減り、店の経営は悪化の一途を辿りました。

営業すればする程、赤字が膨らむとあっては店を畳むしかありません。この時、サンダースは六十五歳、残りの人生は年金生活でもいいかと弱気にもなりました。彼は店を売却、ところが目論んでいた売却費の半分にも満たない金額でした。税金、借金を返済したらほとんど残りませんでした。おまけに支給される年金はとても生活できるような金額ではありませんでした。

パリ五輪出場権を獲得!バレーボール女子日本代表「強さの秘密」

パリ五輪の出場権を手に入れた、バレーボール女子日本代表。監督の眞鍋政義氏が語った、選手たちの「能力の引き出し方」を無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』が紹介しています。

バレーボール女子日本代表 躍進の秘訣

パリ五輪の出場権が決定したバレーボール女子日本代表。代表監督の眞鍋政義氏はいかに個々の能力を最大限引き出しているのでしょうか。

2008年の代表監督就任から2012年のロンドンオリンピックで銅メダル獲得へと導いた歩みを振り返っていただき、世界の舞台で勝利を掴む人材・組織を育てる要諦を探ります。
※対談のお相手は、柔道全日本女子をメダルラッシュに導いた増地克之氏です。

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〈眞鍋〉
2008年の北京オリンピックでは、男子は11位、女子は5位という結果に終わりました。私は解説者をしていたのですが、もう居ても立ってもいられないといいますか、日本代表のプレーを見ながら自分ならどう戦うか、どんな指示を与えるか、自然と感情移入していました。

その中で北京オリンピック終了後、日本バレーボール協会が次のロンドンに向けて代表監督を公募することを知り、すぐ手を挙げたんです。そしてプレゼンテーションとコンペを経て、女子日本代表の監督に選んでいただきました。

当時、日本女子バレーは1984年のロサンゼルスオリンピック以来、20年以上メダルから遠ざかっていました。ですから、最初に「ロンドンオリンピックでメダルを獲る」という明確な目標を掲げました。ところが、バレーボール男子日本代表監督を務めた松平康隆さんに呼ばれた時に、目標はメダルを獲ることだとお伝えすると、こうおっしゃったんです。

「その目標を達成するのであれば、非常識を常識にするしかない」

〈増地〉
非常識を常識にする。

〈眞鍋〉
この言葉にはものすごく衝撃を受けました。

あとは、「5つの世界一をつくれ」「セッターの竹下佳江、エースの木村沙織のサーブは既に世界一、リベロの佐野優子は世界で3本の指に入るがまだ世界一とは言えない。残りは自分で考えろ」と。それで3か月くらいずっと戦略を考え、いろんな本も読みながら、サーブレシーブ、ディグ(スパイクレシーブ)、失点を少なくするディフェンスの強化など日本オリジナルのバレーを追求していったんです。

選挙イヤーの欧米で「関心事の変化」とプーチン大統領「北朝鮮訪問」の波紋

アメリカ大統領選挙の第1回テレビ討論会を間近に控え、アメリカの有権者の関心事は「民主主義」から「インフレ」へと移ったと話題になっているそうです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、多くの中国関連書を執筆している拓殖大学の富坂聰教授が、選挙が続く欧米で何が関心事となっているのか解説。外交面では、この1週間で最も注目されたプーチン大統領の北朝鮮訪問に触れ、両国間で結ばれた包括的戦略パートナーシップ条約に韓国が激しく反応した理由を伝えています。

激しい気候変動のなか、朝鮮半島とガザ、ASEANで展開された外交と変化を検証する

11月のアメリカ大統領選挙に向けたジョセフ・バイデン大統領とドナルド・トランプ前大統領の第1回のテレビ討論会まで1週間を切り、世界は「選挙イヤー」の熱気を否が応でも感じ始めた。欧州ではイギリスの選挙に続いてフランスの議会選挙も予定されている。

アメリカの有権者の最大関心事が「民主主義」から「インフレ」へと移ったことが多くのメディアで報じられ、欧州の選挙との共通点が注目された。

日本人が欧米の選挙を見ていてしっくりこないのは、経済への関心が同じように高くても「インフレ」とは「まだ無縁」だと多くの有権者が思っているからなのだろう。同じように欧米社会で関心の高い「移民・難民問題」や「気候変動問題」も、日本では馴染みのあるテーマとは言えない。日本のニュースのラインナップと欧米を比べたとき、圧倒的に頻度が低くなるのが移民と気候変動のニュースだからだ。

ここ数年、欧米の初夏のトップニュースといえば中国のお株を奪うように大雨と洪水が定番で、時折、干ばつと山火事の被害情報が入るというパターンが繰り返されてきた。

今週はフランスで大規模な洪水が起き、気候変動のせいなのか、長雨でミツバチが大量死したニュースも注目された。アメリカではヒートドームが中西部から北東部を覆い、高温への警戒が呼びかけられるなか、ニューメキシコで山火事が発生し、大規模災害の宣言も出された。南部ではハリケーンや竜巻の被害も続いている。

こうした被害がなぜ起きたのか。それが気候変動から説明されることによって大統領選挙での争点になるのである。つまり日本のメディアが高い頻度で取り上げる対中国をふくむ外交問題は、ひょっとするとインフレや移民、そして気候変動といった問題の次にくるテーマかもしれない。

その外交問題のなかでも、中国により強い関心が注がれているかといえば、必ずしもそうではない。恐らく、イスラエルとハマスの戦い(ガザ問題)や、ロシア・ウクライナ戦争(露烏戦争)と比べれば優先度はむしろ低いのではないだろうか。

というのも、どう中国と向き合うかという問題は、ガザ問題や露烏戦争とは違い、バイデン、トランプの間にそれほど大きな政策の違いはないからだ。トランプ大統領の再登板によってウクライナ支援が見直されたり、イスラエルのガザ攻撃がほぼ手放しで支援され続けるかも、といった激変がもたらされるわけではないのだ。

木村拓哉にザワつく芸能界。キムタクドラマが最終話だけ高視聴率なのはなぜなのか?「ありえない…あの内容で…」の声も

木村拓哉さん(51)主演の連続テレビドラマで「異常現象」が発生し、芸能関係者をざわつかせています。先日の『Believe-君にかける橋-』最終回視聴率は、それまでの9%台から13.2%にジャンプ。また2年前の『未来への10カウント』でも、9~11%台をウロウロしていた視聴率が最終回で突然13.1%になりました。なぜキムタクのドラマは「初回と最終回が高視聴率」になり、結果として平均視聴率二桁台をぎりぎりキープできてしまうのでしょうか?芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが、キムタクの不思議なパワーの謎に迫ります。

最終回にいきなり「高視聴率」木村拓哉が起こす奇跡

6月25日に発表された視聴率に、芸能関係者たちがザワザワしています。

それは、健闘したり大惨敗したりの4月期連続ドラマがあまたある中で、キムタク主演の『Believe-君にかける橋-』最終回視聴率が、いきなりのジャンプアップをみせたからです。

初回こそ11.7%と“高視聴率男・木村拓哉復活か!”と期待されたものの、第3話~第8話の視聴率は全て9%台というジリ貧状態だったドラマが、第9話の最終回はいきなりの13.2%…週刊視聴率ランキングでは堂々の第4位にも輝きました。

初回から大ラス前の平均視聴率は9.9%で、このままだとキムタク主演のドラマではとても不名誉な“平均視聴率一桁台”で終わる可能性もあったのですが、最終話の巻き返しにより、辛うじて二桁に乗せた10.3%で終わることができたのです。

この視聴率の推移で私の頭の中に浮かんだのは、2年前の『未来への10カウント』で憶えていた違和感でした。

このドラマも、初回視聴率は11.8%と期待されたわけですが、第2話以降は9~11%台をウロウロ…ところが第9話の最終回はいきなりの13.1%…平均視聴率は10.9%でした。

これがキムタクパワーなのか?通常では「ありえない…」の声も

私は、1話完結の連続ドラマ以外は、第2話以降視聴率が失速すればそのまま、第2話以降盛り上がりをみせれば最終話に向けて徐々に視聴率は上がっていくという認識を持っていたので、この“最終話だけいきなりジャンプアップする視聴率”に違和感を憶えたものでした。

私の周辺のドラマ好きな人物たちと話をしても、「今はネットの影響も大きいみたいだから、話題になったとしても1回観て、つまんねぇ~と思えば2度と観ることはないですよ…」という意見は昔から今も変わっていません。

また仕事仲間の芸能関係者たちに聞いても「確かに物語の肝の“未来への希望や再生”という終わり方でしたが、それまでの伏線回収ばかりで、特に目新しい展開もなかったことが若干の消化不良を残しました」という感想が聞かれました。

どんでん返しやサプライズを期待した視聴者が“最終回に何かある!”とチャンネルを合わせたのでしょうか…それだけで4.1ポイントも数字がジャンプアップするものでしょうか…。

やりたい放題「カオス都知事選」に立命館大学教授が警鐘。NHK党の悪ノリも自民の裏金も日本国民の“写し鏡”だ

東京都知事選における「NHKから国民を守る党」や衆院東京15区補選の「つばさの党」などによる、選挙戦での目に余る悪ふざけや蛮行とも言えるパフォーマンス。あまりの酷さに公職選挙法の改正を訴える声も多く上がっていますが、法改正を「筋が悪い」とする見方もあるようです。政治学者で立命館大学政策科学部教授の上久保誠人さんは今回、国民の側が毅然たる態度で選挙に臨む姿勢を示さない限り政治家は変わらないと断言。その上で、何が上記2党のような団体が跋扈する政治現象を生み出したのかについて考察しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:脆弱さが露呈。立命館大学教授がカオス都知事選を機に考える選挙制度

プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)
立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。

NHK党も自民党も国民を見て行動。有権者が毅然と選挙に臨む姿勢を示さなければ政界の劣化は続く

東京都知事選に過去最多の56人が立候補した。選挙ポスター掲示板が波紋を広げている。ある候補者は、ほぼ全裸で局部をシールで隠しただけの女性の選挙ポスターを掲示した。

また、掲示板に候補者と直接関係のない同じ人物やデザインのポスターが多数張られた。掲示板には、さまざまな人物の画像とともに、デザインの同じピンク色のポスターがずらりと張られていた。

仕掛けたのは、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首だ。NHK党は24人の候補者を都知事選に擁立した。立花氏は、候補者を大量擁立して選挙ポスターの掲示板を占有し、党に寄付した人の主張をポスターに掲載するという、型破りの構想を打ち出した。

NHK党によれば、5月末日までは1カ所5,000円、6月1日~19日は1万円、20日以降は3万円を党に寄付すれば、都内約1万4,000カ所にあるポスター掲示板のうち1カ所で、独自に作成したポスターを最大で24枚貼れる。

ポスターのデザインや内容は、立候補者ではない寄付者が考えたもので、QRコードなどが掲載されることになる。読み込むと特定の交流サイト(SNS)の画面に誘導される。まるで、風俗の広告としか思えないようなポスターもある。

公職選挙法上、これらのポスターは規制ができないのだという。内容についての規制はないからだ。ほぼ全裸のポスターは、「東京都青少年の健全な育成に関する条例」に違反するとして、警視庁から警告を受けて、最終的に撤去した。また、掲示板に風俗店の店名などを記載したポスターを貼ったことについても、警視庁が風営法違反にあたる疑いがあるとして、政治団体の代表に対して警告を行った。警告の後、ポスターは政治団体によって貼り替えられたという。

だが、これはあくまで条例や風営法の違反であって、公職選挙法違反での摘発ではない。公職選挙法上、これらのポスターは規制ができない。内容についての規制はないからだ。

公職選挙法の改正など、今後どう規制していくかの議論は、すでに他の識者などによって行われている。候補に際して必要な「供託金」の金額を引き上げること、推薦人制度を導入すること、ポスターに関して本人の顔写真を加工無しで掲載することを条件とすること、などさまざまな案が出ている。筆者は、法改正が必要ならば、すればいいと思う。

ただ、私は政治に関して、法改正による「罰則」を強化するのは、筋が悪いだと思っている。政治家とは選ばれたすぐれた人、「選良」であるはずだからだ。「選良」は、政治活動をいちいち罰則で縛る必要はない人たちである。

基地建設予算の75%が本土のゼネコンに。「利権の問題なので止められない」元防衛相も認めた“辺野古移設利権”の現実

6月16日に県議会選挙が行われ、23日には「慰霊の日」を迎えた沖縄。名護市辺野古では米軍基地移設のための埋め立て作業が政府により進められていますが、本土に住む国民の関心は決して高いと言えないのが現状です。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、沖縄国際大教授が沖縄を巡るさまざまな問題を解説したラジオ番組の内容を文字起こしし掲載。私たちが知るべき「沖縄の今」を誌面で紹介しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:沖縄の今

沖縄慰霊の日、県議選の低投票率、辺野古の基地問題。私たちが知るべき「沖縄の今」

今週の「前口上」は、6月16日(日)に投開票が行なわれた沖縄県議選について書くと予告しましたが、すでに報道され尽くしている沖縄県議会でのパワーバランスの変化や、玉城デニー知事による今後の県政運営について、あたしが今さら書いたところで、この問題に興味のない人には読んでもらえないだろうし、興味がある人も食傷気味になると思いました。

それで、どんな切り口で書けば多くの人に興味を持ってもらえるかと考えていたら、6月21日(金)の文化放送『長野智子 アップデート』の「ニュース アップデート」のコーナーに、沖縄国際大学の前泊博盛(まえどまり ひろもり)教授が電話出演したのです。

沖縄県の宮古島に生まれ、琉球新報の記者として27年間を勤め上げた前泊教授は、外務省の機密文書をスクープして「日米地位協定」の不平等の源流を明らかにした記事で、早稲田ジャーナリズム大賞、日本ジャーナリスト会議大賞、日本新聞労働組合連合ジャーナリズム大賞特別賞を受賞するなど、他にも複数の受賞歴があります。

常にジャーナリストの目で「沖縄の今」を見つめて来た前泊教授は、今回「23日の沖縄慰霊の日について」「16日の沖縄県議選について」、そして「辺野古の基地問題について」と、今、あたしたちが知るべきことをとても分かりやすく、とても的確に解説してくださいました。長野智子さんと「びんさん」こと鈴木敏夫解説委員の質問も的を射ており、全編にわたって素晴らしい内容でした。

そこで今回は、前泊教授の発言をすべて文字起こししました。明日27日まではラジコのタイムフリーで聴くこともできますが、この素晴らしい内容はテキストとして残すべきだと思ったからです。それでは、あたしたちが知るべき「沖縄の今」を、どうぞ最後までお読みください。

この記事の著者・きっこさんのメルマガ

都知事選が分岐点に。NHK党の元幹事長が吐露、立花孝志氏を改心させられなかった忸怩たる思いと政治家としての賞味期限

法の不備をあざ笑うかのように、都知事選で選挙ポスタービジネスなるものを展開する「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。このような振る舞いを有権者はいつまで許すのでしょうか。今回のメルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』では、かつてNHK党の幹事長を務めた経験を持つジャーナリストの上杉さんが、同職を引き受けた理由を記すとともに立花氏や同党を「改心」させられなかった経緯を述懐。さらに今回の都知事選が、彼らを政治の世界から退場させる一つの分岐点になるとしています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:【教育係からの反省】5年前、なぜ立花孝志(執行猶予中)とNHK党(旧N国党)を改心できなかったのか?

【教育係からの反省】5年前、なぜ立花孝志(執行猶予中)とNHK党(旧N国党)を改心できなかったのか?

人生に失敗はつきものだ。失敗は誰でも嫌なものである。だが、その失敗が人間を豊かにし、また人生に色どりを付けてくれるのもまた確かだ。

私自身、社会的には失敗だらけの人生である。

「なんであんな人物に近づいたのだ?」「惜しいよね、メディアさえ敵に回さなければ、能力を活かせたのに」「16本のテレビレギュラーを降板?オワコン、残念すぎるね」

こんな言葉を何度投げかけられたことだろう。

『人生から失敗をゼロにする方法』(三笠書房)という本の著者なのに、失敗だらけというのは問題があるのだろうか?

いや、実は、私自身はそうした指摘の中のひとつたりとも失敗だとは思っていない。むしろ、私の失敗の概念というのは世間のそれとは違い、チャレンジの途中で、休止を余儀なくされた成功の過程だとみなしているほどだ。

確かに、救済を求められ、人助けのつもりで手伝うと、しまいには当の人物に逆恨みをされ、裏切られる。そのようなケースは枚挙にいとまない。それでも、私はチャレンジを続けて、いわゆる「失敗」を繰り返している。

そうした批判の中で、私自身、もっとも大きな失敗だと言われているのが、NHK党の立花孝志氏を手伝い、同党の幹事長に就任した件だ。

「なんであんなやつとつるんだのだ」「上杉さんを嫌いになったのはあんな政党の幹事長を引き受けたことだ」「最低の選択だったな」

こうした言葉はもっともだろう。昨今の立花氏とNHK党の目を覆いたくなるような蛮行の数々を考えれば、私自身でもそう思う。だが、私は幹事長になった自体は問題だとは思っていない。なぜか?それは、5年前の就任会見で私自身の語った5つの宣言を知ってもらえば、納得してもらえるところもあるのではないかと思う。

この記事の著者・上杉隆さんのメルマガ