マスク氏のTwitter買収理由を「不明」と報じる日本メディアの“節穴”ぶり

イーロン・マスク氏が米Twitterを買収することで合意。その狙いについて、日本の一部メディアで「明確ではない」とのコメントがなされていることに驚くのは、「Windows95を設計した日本人」として知られる世界的エンジニアの中島聡さん。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では、Twitterが他のSNSとは違う点を指摘し、非上場化してマスク氏が守ろうとしているものはただ1つと明言。そのうえで、マスク氏が変えていくTwitterの今後について、懸念と可能性を伝えています。

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Twitterの将来

Elon MuskがTwitterの買収を宣言したことが、大きな注目を集めており、日本のメディアでも報道されているのを見ましたが、「理由がまだ明確ではない」のコメントがされており少々驚いています。

買収の理由に関しては、Elon Musk自身が再三「表現の自由を守るため」と宣言しており、それ以上でも以下でもないのです。

特に問題となっているのは、Twitterによるトランプ氏のアカウントの永久凍結です。2021年の1月6日に起こったトランプ・サポーターたちによるアメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件は、米国の歴史上の最大の汚点の一つだし、それを扇動する発言をしたのがトランプ氏自身であったのも事実です。

あれ以上の混乱を避けるために一時的にアカウントをフリーズすることは必要だったとは思いますが、トランプ氏が大嫌いな私でも、永久凍結が適切な判断だったとは思えないし、Elon Muskも同様に考えているのです。

Twitterと他のSNSの大きな違いは、Twitterがよりインフラに近いコミュニケーション・ツールである点です。Facebook、Instagram、WhatsApp、TikTokなどが流行り廃りに大きく影響される「社交」ツールであるのに対し、Twitterの本質は「公に対するメッセージを発信する」ツールなのです。

その観点からすると、トランプ氏のアカウントの永久凍結は、表現の自由を奪う「検閲行為」であり、そんなことは社会のためにやるべきではないし、同時に、Twitter社の価値を下げる行為だとMusk氏は主張しているのです。

Musk氏は、Twitterが検閲行為に走ったのは、ウォール・ストリートからの圧力の結果であり、上場企業である限りは、そこから逃れることは難しく、買収→非上場化により、Twitterをより公平な、インターネット上のプロトコルに近いような存在にしたいと考えているのです。

ちなみに、非上場化したTwitterのビジネスをElon Musk氏がどう立て直すかもとても重要なトピックです。

Elon Musk氏は、経営陣の給料をゼロにし、不要な「検閲部門」を大幅に縮小することによりコストを減らすと主張していますが、ストックオプションの魅力がない非上場の会社で、優秀な人を雇い続けるためには、魅力的な給料を払うしかなく、トータルでコストが下げられるかどうかに関しては疑問です。

 

どうして?ゼレンスキー大統領の懐が侵攻後も膨らみ続けている謎

世界各国の議会に対して演説を繰り返し、ヒーローのような扱いとなっているウクライナのゼレンスキー大統領。ロシア侵攻前は政治生命の危機だったことで知られていますが、支持率が30%しかなかった彼にはある問題があったようです。そこで今回は国際政治経済学者の浜田和幸さんが自身のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』の中で、 ゼレンスキー大統領の“懐”について迫っています。

 

ゼレンスキー大統領のアキレス腱

ぶっちゃけ、ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアによる軍事侵攻によって政治生命を救われ、一躍ヒーローの座を射止めたようです。

アメリカからは「ロシアによる暗殺の恐れ」から「国外脱出」を勧められたとのことですが、自身のSNSを通じて、「ウクライナの自由を守るためにキーウに残る」と宣言。

人気コメディアンとしての巧みな話術やパフォーマンスを武器に、あれよあれよという間に大統領になったゼレンスキー氏です。

しかし、主役を演じたテレビドラマで見せたような腐敗政治の撲滅は「絵に描いた餅」でしかなく、国民の期待に応えることは叶わない状況でした。

それどころか、昨年公表された「パンドラペーパーズ」によって、ゼレンスキー氏は大統領に就任した後の2年間で8億5000万ドルもの蓄財をなしたことが暴露されたのです。

オランダの「民主主義フォーラム」では「なぜ、たった2年間でそれほどの資産を得ることができたのか」と情報公開を求めました。

残念ながら、ゼレンスキー大統領からは何ら回答はありません。

それどころか、ロシアの軍事侵攻が始まって以来、大統領の資産は毎月1億ドルのペースで膨れ上がっているとのこと。

しかも、ゼレンスキー大統領とその家族、そして彼が立ち上げたテレビ番組制作会社は英国領バージン諸島に設立した幽霊会社を通じて、資金運用を繰り返していることがオランダの「組織犯罪汚職報告書」によって明らかにされました。

 

公文と学研、結局どっちがいいのか。両方通わせてみて判ったこと

小学生のお子さんを持つ親御さんの間でしばしば話題となる、公文式と学研教室のどちらを選ぶべきかという問題。それぞれ一長一短あることは判っていても、より「有利」な方に通わせたいと思うのが当然の感情ですよね。そんな方のために、今回のメルマガ『発達障害改善への道』では、元軽度知的障害児で普通級に入学し現在小学校3年生の「トット君」の母であり元小説家の著者が、トット君を公文と学研の両方に通わせてみて判った両者のメリットとデメリットを紹介。極めてユースフルな「お子さんのタイプ別の選択法」をレクチャーしています。

 

公文vs学研 両方通ってみて分かったこと

小2の10月から始めた公文と、小2の2月から始めた学研。

公文と学研どちらに通う!?

なんてよく議論されているけれど、実際どうなのか。

我が子に合うのはどちらなのか。

それとも、トット君みたいに両方通っちゃうっていうのも手なのか!?

どちらも幼児から通える定番の習いごと。

公文と学研のメリットデメリットを私なりに調べて、そして体感したことを書いていくよ!

まずは公文から!!

公文といえば先取り学習。

公文に通えば先取りできて優秀児になれる!と思ったそこのあなた。

違うんだ、ごめん(←なぜ私が謝る)。

先取りできるのは、元々地頭がいい優秀層だけなんだ…。

小さい時から長く通っていたからってトロフィー(3学年先取りすると貰える)で表彰されるわけじゃないんだ…。

このことに関しては、おおたとしまささん著者の『なぜ東大生の3人に1人が公文式なのか』に書いてある。

公文の教材と指導方法は本当に独特で、プリントは同じことを永遠と繰り返すし、制限時間内に終わらせたりミスが少なくならないと先には進めない。

だから、人によって同じ単元でも1ヶ月で終わる子もいれば数ヶ月かかる子もいる。

処理能力やミスが少ない子はどんどん先に進めるけど、ダラダラやっていたりミスが多い子はそれだけ時間がかかる。

「もう理解しているのに、なんで進めないの!?」

なんてトラブルが出てくる。

しかしながら、この制限時間内で終わらせてミスの回数が少なくならないと進めないという鬼畜っぷりは、非常に素晴らしいと個人的には思っています。

低学年って集中力をつけたりミスを減らすことって、実はテストの点数よりも鍛えなければならない重点項目だと思うの。

だから「基礎力徹底」の意味を、「理解力」だけで見てしまうと公文の良さが分からない。

「できる・できない」よりも前に必要な脳トレをしていると思えばいい。

そして公文といえば算数。

算数といえば計算ばっかり、が公文の特徴なんだけれど、これも脳トレの要素が大きいかなと感じる。

暗算力を鍛えるってことはワーキングメモリーの訓練をしているってことだし、公文の先生も「脳を鍛えましょう」って言ってたし。

学校と違って、繰り上がり繰り下がりは書かせないの。

だから頭で記憶して三桁の計算を瞬時にできるように何度も何度も繰り返す。

繰り返していくと、慣れてきてサッとできるようになるんだよね。

お恥ずかしい話、私は算数が大の苦手で、二桁の計算を暗算でやるなんて絶対に無理!紙に書かせて!なんて言ってたんだけど、トット君の公文答え合わせをやってたらできるようになった。

公文、すげーって思った(笑)。

 

韓国の新大統領就任の辞に出てきた「反知性主義」とは何を指すのか?

韓国の尹錫悦新大統領が就任し、その就任の辞が大きく報道されました。そのなかで出てきた「反知性主義」という単語にひっかかる方もいたのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、奇跡の就任を果たした新大統領の就任の辞の内容を詳しく解説しています。

韓国の新大統領が就任。改めて考える「反知性主義」ということ

5月10日、尹錫悦が第20代の韓国大統領に就任し、その就任の辞をお伝えした。不思議なのは1年前の2021年5月の時点でみても彼が大統領になるなどと誰が思っていただろう。

本人をはじめ誰もそんなことを思った人はいなかった。1年後の2022年5月10日、彼は大統領になった。これが奇跡でなくてなんだろうか。

考えてもみてほしい。今のオレがいる。来年の今日、思ってもみない位置についている己の姿を。なかなかそんな奇跡は起きるもんじゃないから想像してみようとしても、たぶん難しい(筆者を筆頭に)。

10日の韓国はさらに奇跡のようなことがあった。いつもpm2.5で汚れている韓国の空がいつになくpm2.5がほぼゼロ。天気もよく日本語でいえばまさに五月晴れ。しかも就任式を執り行っている汝矣島(ヨイド)上空には「虹の雲」がでていた。

韓国の各地でこの虹の雲が確認されており、SNSで写真が出回っていた。天の祝福があるんだと思う。

今の時代、自分だけがよくて周りがダメということでは生きていくことはできない。個人もそうだし国となればもっとそうだ。韓国がうまくいくことは、即日本がまたうまくいくことである。

5年前民主党は「今後100年はわれわれの時代だ」(つまり左派、民主党の権力構造)とのぼせ上って言っていたことを思い出す。

あの傲慢が今のこの奴らの敗北を招来した。筆者は基本的に進歩だ保守だというものがない。

ただ、その時代に合った政治、思想、体制でやっていくべきものが政治だと思っている。

国民の力を応援するというんじゃなくて、尹錫悦という人間が、このもっとも重要な時代になるであろう2022年から2027年までの5年間を担当することになった。

激動の時代になることだけは間違いのないこの20代大統領を、金と傲慢にまみれた人間的な腐敗政治を脱却して、5月10日の汝矣島の空のように、澄み切った、なんのくもりもない堂々たる政治をやっていってほしい。そう思う。

そんな意味で、彼、尹錫悦を筆者は応援したいのである。

教職員23人が給与未払いでストライキ。和歌山南陵高校で授業拒否、補助金私的流用の疑いも?創立者はあの井脇ノブ子氏

和歌山県日高川町にある私立高校で、給料の未払いなどを理由に教職員が11日から3日間のストライキに入り、授業が行われない異例の事態となっている。少子化などの影響で私立高校が厳しい経営に立たされていることが背景にあるが、一方で不明瞭な学校経営が問題だと指摘する声もある。創立者は「やる気・元気・いわき」で知られる、元衆議院議員の井脇ノブ子氏だ。

給料の未払いだけじゃない、南陵高校疑惑の数々

5月11日和歌山県日高川町にある和歌山南陵高校によると、教職員約20人の4月分の給料が未払いとなり、経営側に説明を求めても解答が得られず、校長を除く全教職員23人が11日から3日間のストライキに入ったという。読売新聞などが報じた。

そのため、授業が行うことができず、生徒たちは午前を自習に、午後をクラブ活動に変更せざるをえない異常事態となったが、給料未払いなどについての説明を受けられる確約を経営側から得たとして、12日から授業は再開されているという。

南陵高校は4月にも高校への授業料を国が補助する「就学支援金」を法人側が受け取ったにも関わらず、本来保護者に返すべき授業料計2,000万円を支払っていないことがあきらかになり、和歌山県から指導を受けたばかり。

また、9日にはガス料金が未払いのため、ガスの使用がストップするという、信じがたいことまで起きた。その後、ガス代は支払われ、再び使用できるようになったという。

教職員側はそれぞれの金銭問題に関して、保護者や教職員に向けて説明会を開くように、再三要求したものの、保護者側への説明会の日程を提示しなかったため、やむをえずストに踏み切った。

和歌山南陵高校はかねてから経営難に立たされており、3学年で360人の定員のところ、半分以下の167人しかいない。

静岡県にある姉妹校・菊川南陵高校は2020年の入学者が定員160人に対し、18人だったことが分かり、2021年の生徒募集停止を発表。同年4月1日に休校となり、在籍した生徒は和歌山南陵高校に籍を移している。

私立高校の教職員の給与は、生徒の授業料と生徒数に応じて、各都道府県が出す私学助成金から支給されており、収入に見合う人員配置をすれば、給料の未払いなどのトラブルは起きないはずだと言われている。

南陵高校の経営陣はかねてより補助金の私的流用の疑惑があり、2018年には菊川南陵高校の当時の校長が理事長・学園長の夫婦が経営母体の産業廃棄物会社の預金口座に約2,000万円を振り込んだと告発している。

のちに容疑が不十分であり不起訴となったものの、この告発がきっかけとなり、生徒数が激減したものと思われる。

ちなみに、南陵高校の前身は和歌山国際海洋高等学校で、「やる気・元気・いわき」で知られる、元衆議院議員の井脇ノブ子氏が創立者(2010年に理事長及び校長を退任)。

創立時に住宅金融公庫や日本私立学校振興・共済事業団などから約8億円以上の借り入れがありながら、生徒数の減少を理由に返済不能となり、数々の訴訟事件に発展している。

岐路に立つ私立高校の存在

平成31年度の日本私立学校振興・共済事業団の調査によると、入学定員未充足の私立高校の割合は71.6%で、年々定員割れが増加傾向にある。

南陵高校のように悪評によって極端に定員割れするケースは少ないだろうが、どの私立高校も経営難に陥っても不思議ではない現状がある。

生徒の数が少なくなると教職員の人数も減らさずを得なくなり、その負担は残った教職員にのしかかる。私立高校では教職員への賃金をカットするために、非常勤講師の採用を増やさざるをえなくなる。

しかし、非常勤講師の場合、授業1コマ単位での報酬となるケースが多く、授業の準備、生徒の提出物などのチェックなどコマ以外に使われる時間外労働は支払われない場合も多いとされる。その上、いつ雇い止めにあうか分からないのが実情だ。

少子化になり、生徒の絶対数が少ないのに、昔通りの運営の仕方をすれば、それは教職員の負担となり、果ては保護者や生徒の負担になっている。

高等高校の制度のあり方自体を見直す時期にきており、歪みは全国のあちらこちらで起きている。南陵高校のストライキは氷山の一角で、これからドミノのように各地で起こるかもしれない。

小林麻耶が市川海老蔵を襲撃!?歌舞伎公演中の義弟に“客を装い”奇襲計画か、どうしても公の前で謝罪させたいワケとは

4月21日、『週刊文春』の独占インタビューで小林麻耶(42)との騒動を釈明した、歌舞伎俳優の市川海老蔵(44)。対する小林は「謝罪はない」と、真っ向から海老蔵の言葉を否定するなど、意見は食い違う一方だ。そんな中、小林が驚くような次の一手を用意しているとの話が、関係者たちの間で広まっているという。果たしてそれはどんなことなのか?芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが解説します。

小林麻耶が画策する衝撃的な次の一手とは

先日、とある取材で外出していた私は、東京・銀座にある歌舞伎座の前で知り合いの週刊誌記者とバッタリ遭遇してしまいました。記者時代からの癖で、会った瞬間に時計を確認すると17時を少し回った頃でした。

色々な取材を記事にする上では、何日の何時に何処で…というディティールが大事になってきますので、どうやらその癖を数年経った今でも体が覚えているようです。

私は全くの別件での取材だったのですが、その知り合いの記者の目的はおおよそ予想がつきました。「鎌倉権五郎(『團菊祭』第2部『暫』での市川海老蔵の役どころ)? 」と牽制球を投げると、その記者は露骨に顔をしかめてみせます。

その表情は、私に“海老蔵に何かしらの動きがあるかもしれない…”とアピールしているようでした。

記者は、第3部の公演で出入りする人物の“入り”を確認していたのですが、その“何か”とは…。

歌舞伎座演者の“入り”を取材するのなら、昭和通り側の楽屋口に張り込むのがパターンです。

その日のスケジュールに合わせてベタ張りしていれば、おおよそその日の内情は理解できます。

何処の誰が誰宛てに差し入れや花を出したとか、演者の陣中見舞いに誰それが来たとか、歌舞伎俳優を巡る微妙な人間関係が透けて見えてくるというわけです。

ところがその日、記者は楽屋口ではなく、実に堂々と正面入り口近くにいたのです。

どんなに上手く観客や通行人に紛れていても、取材記者同士だとこの動きはすぐにわかるものです。

ジョーク半分で「広瀬すずでも来るの?」と遠回しに鎌をかけてみました。

というのは昨年3月の『桶狭間 OKEHAZAMA~織田信長覇王の誕生~』というドラマでふたりは共演しているからです。

この現場で海老蔵は、濃姫を演じた広瀬を絶賛していたと言われていましたから、全く有り得ない話ではないのです。

するとこの記者は、少々戸惑った末こんな衝撃的なことを口にしました。「未確認ですが、小林麻耶が来ると梨園関係者の間で噂されているんですョ…」

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人間性が欠けた独裁者。「プーチン帝国」ロシアを世界が見殺しにする日

プーチン大統領による一方的な軍事侵攻を受け、多くの国民が犠牲となっているウクライナですが、ロシアとの因縁は16世紀にまで遡るもので、今日に至るまで夥しい血が流されてきたという事実をご存知でしょうか。今回のメルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「虫の目、鳥の目、歴史の目」』では著者の嶌さんが、多くの日本人が知らないウクライナの国家成立と戦争の歴史を紹介。さらに終わりの見えないウクライナ紛争を俯瞰的に考察するとともに、自国の将来のため、今ロシアが何をなすべきかについての個人的な見解を記しています。

 

因縁のロシアとウクライナの対立 ─かつてウクライナは欧州最大の国家─

ウクライナは、現在のロシアとの激しい闘いが報道されるまで日本人にとって馴染みの薄い国だった。面積は日本の約1.6倍。人口は約5,000万人と東ヨーロッパではロシアに次ぐ大国である。首都はキーウ(キエフ)。

地理的には、東はロシア、西はポーランド、スロバキア、ハンガリー、南はルーマニア、モルドバ、北はベラルーシに面し、アゾフ海、黒海に沿った海岸線を持つ。森林や草原地帯が多く紀元前6000年時代から農業を始めていた。数万年前の旧石器時代の遺跡があり、さらに新石器時代の農耕集落跡は、東欧では最古といわれている。

当時の住民はスラブ系民族の先祖とみられ、紀元前8世紀から同3世紀にかけてはイラン系遊牧騎馬民族などを中心とする歴史のある遊牧民国家で、スキタイ人とも呼ばれていた。紀元前7世紀から同4世紀のウクライナにはスキタイの遺跡が残っている。遊牧民のほか農耕のスキタイ人もいて穀物、豆、粟、玉ネギなどを栽培していた。

紀元後に入ると、東スラブ民族の統一国家を成立させるが、モンゴルやコサックなども肥沃な黒土の農業地帯に参入し、様々な勢力が衝突した。ただ11世紀に成立していたウクライナの前身ともいえるキエフ大公国は150万平方キロメートルの広さを持つ欧州最大の国家だった。

ただ、14世紀以降はリトアニアやポーランドの支配下に入り、16世紀になるとロシア帝国がウクライナで版図を拡大した。さらに1667年になると、今度はロシアと新興のポーランドがウクライナの分割で合意したとされる。その後1917年のロシア革命後に、一時ウクライナが独立を宣言した。

その後、1920年の内戦でロシア軍が勝利し、ウクライナ社会主義共和国が成立。1922年にロシア、ベラルーシなどとソビエト連邦を結成した。そして1954年、クリミア半島がソ連邦からウクライナに編入された。しかしゴルバチョフ政権下のペレストロイカ改革の過程でウクライナの民主派勢力が多数の議席を獲得。1989年にさまざまな権利をソ連から取り戻し、1991年のソ連邦崩壊により再びウクライナが人民共和国として独立したのだ。

2004年のウクライナ・オレンジ革命で親欧米政権が発足した。しかし、2014年になると親ロシア派住民とプーチンのロシアがウクライナ南部のクリミア半島を一方的に併合して現在の対立に至っている。

 

ビジョン揺るがず。モスバーガーは予測困難なコロナ禍でも右往左往しない訳

多くの企業にビジネス方針の見直しを迫ることとなった、新型コロナウイルス感染症の大流行。そんな今なお続くコロナ禍にあって、大手外食チェーンのモスバーガーが好調な業績を上げています。かつてどん底を味わった同社復活の秘訣は、一体どこにあるのでしょうか。そのカギを探るのは、神戸大学大学院教授で日本マーケティング学会理事の栗木契さん。栗木さんは今回、モスバーガーがコロナ禍以前から取り組んでいた「舵の切り替え」を詳しく紹介するとともに、予測困難なこの状況下でも、同社がブレることなく市場の可能性を捉え続けられる理由を分析しています。

プロフィール栗木契くりきけい
神戸大学大学院経営学研究科教授。1966年、米・フィラデルフィア生まれ。97年神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。博士(商学)。2012年より神戸大学大学院経営学研究科教授。専門はマーケティング戦略。著書に『明日は、ビジョンで拓かれる』『マーケティング・リフレーミング』(ともに共編著)、『マーケティング・コンセプトを問い直す』などがある。

コロナ禍のなかでもモスバーガーは、なぜ元気に動けたか~脱戦略経営を短期の迷走に終わらせないカギ

コロナ禍のもとでは俊敏に動く必要があった

マーケティングは、市場の変化に向き合い続けなければならない。この命題の重みは新型コロナウィルスの感染拡大によって一段と増している。コロナ禍が私たちにもたらしたニュー・ノーマルとは、フタを開けてみれば、ひとつの定常状態ではなかった。予測や計画の前提が次々に置き換わっていく日々を私たちは体験してきた。マーケティングには俊敏さが一段と求められるようになっている。

変化が止まない状況のもとでは、当面できる新しい行動を見いだしては、素早く動く脱戦略計画型のマーケティングの有効性が増す。市場の反応は行動してみることで、より具体的につかめるようになるからである。過去の経験やデータの有効性が低下しているからこそ、新たな行動をはじめ、その結果からのフィードバックを得ることで、予測や計画の前提が次々に置き換わるなかでも、よりよい行動を続けていくことができる。

右往左往に陥らないために

とはいえ、この脱戦略計画型のアプローチには「不安を感じる」人たちも少なくないようだ。「行き当たりばったりのトライアルの繰り返しに陥るのではないか」というわけだ。

問題はこうした人たちが、精緻につくり込まれた計画にもとづくマーケティングに慣れ親しんでいることだけではない。脱戦略計画型のマーケティングを有効なものとするには、行動してみるだけではなく、各種のつながりや展開をにらんだマネジメントが必要となる。この用意がなければ、脱戦略計画型のマーケティングは、単なる右往左往となる恐れが大きいのである。

顧客や社会の目先の変化を追うだけではない

2020年にはじまるコロナ禍以降、日本国内の外食産業では、マクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンなどのファストフード・チェーンが健闘している。モスバーガーもこうした外食産業の好業績企業のひとつである。

モスバーガーはコロナ禍のもとでも、期間限定商品の「まるごと!レモンのジンジャーエール」「日本の生産地応援バーガー・真鯛カツ」の投入、モバイルオーダーの強化、ロボット配膳の試行など、新しい行動を次々と開始してきた。売上げは拡大基調を保っており、その実績はマックやKFSに劣らない水準にある。

しかし、この動きは市場や社会の目先の変化を追うだけのものではない。これらは、モスバーガーがコロナ禍以前から取り組んでいたマーケティングのアプローチの変革に沿った展開でもあったのである。

プーチンが見せた核戦争“3つの兆候”。もう「まさか」は通用しない

ウクライナ侵攻から2ヶ月半が経つものの、未だ思った通りの戦果を挙げられず苛立ちつばかりのプーチン大統領。かねてから口にしてきた戦術核の使用は、果たしてあり得るのでしょうか。今回のメルマガ『uttiiジャーナル』では著者でジャーナリストの内田誠さんが、ここに来てロシアが見せ始めた核兵器使用を前提とした3つの動きを紹介。さらに事態がここまでに至った背景を解説するとともに、今後の趨勢を占っています。

 

核戦争の危機につながる3つの出来事:「デモくらジオ」(5月6日)から

核戦争の危機につながる出来事でどんなことが起きているかというと、3つほどあります。

1つは先ほどのカリーニングラードで、実はイスカンデルという核弾頭搭載可能なミサイル、超高速で飛ぶ奴ですが、その模擬試射という、実際に撃つのではなく、撃つ形を実験としてやりました。

それから2つ目は5月9日の対独戦勝利パレードに、イリューシン80という飛行機を登場させる(編集部注:9日の本番は航空ショーが中止となりました)。これ、ロシアとして初めてのことでして、定評のある旅客機ですよ。これを改造して、大統領が乗って指揮をする、政治および軍事の指揮を行うための飛行機。4機あるということです。アメリカも同じようなものを当然持っていますが、核戦争でワシントンがやられた、ロシア側で言えばモスクワがやられたときに、政治の中枢に核が落とされて防げなかったということになると、一気に指揮命令系統が毀損されてしまう。それを避けるために空中に政府の最高意志決定部門が移動するということ。

これ、核戦争前提の装備なんですよ。政府専用機みたいな簡単な話ではなくて、軍事的な、つまり兵器の一種と言っていいので。つまり米ロ双方とも、お互いの国土の近いところの海底に原子力潜水艦を待機させていますので、その潜水艦に対して核ミサイル発射の指示を出すことができる飛行機。これが出てくるんですって、パレードに。これ凄いんですよ、「終末の日の飛行機」と言われている。つまり核戦争を前提とした装備です。イスカンデルも核弾頭搭載可能なミサイルです。

そして3つ目。これ一番新しい話ですけど、日本海で、今度は船から潜水艦を狙うミサイル、これの実験をして成功した。つまり船からボーンとミサイルを打ち上げ、それが海の中に入っていって、海中の標的を破壊する、届くという実験に成功したとロシアの国防省が発表しています。

これで3つそろいましたよね。いずも核戦争を前提とした話ですよ。SLBMで核ミサイルを撃つことの出来る原子力潜水艦、これが潜んでいるわけですけれど、それを見つけて破壊するという意味ですから。

つまりは抑制的な要素がどこにもない、むき出しの本格核戦争をイメージさせるようなことをロシアはやっています。で、こうしたことの背景として、これは大分前からずっと申し上げていましたけれど、大量の最新兵器というか、今のウクライナ軍に必要な兵器をいわゆる西側がポーランドあたりからウクライナに送り込んで最前線に届けていると。それによって戦況が大きく変わっていく可能性があるんですね。

既にキーウの包囲戦に失敗したロシア軍ですけれど、そのときは有名になったジャベリンとか、他の国にも色んな対戦車兵器があるのですが、対戦車兵器で一説には400輛とかの戦車が破壊されて、木っ端みじんにやられているんですね。そこで、残った兵をかき集めて、東部の、つまりなんとか戦争目的を(一部でも)達成できそうな、勝利宣言につながるような東部の支配を目指して、大戦車群で襲いかかると。それが今の状態。