アベノミクスは大失敗。それでも安倍氏「唯一のレガシー」サハリン権益を日本が守れた理由

アベノミクスをはじめ、毀誉褒貶の激しい安倍晋三元首相の政治実績。プーチン氏を相手としたロシアとの外交交渉についても厳しい評価が散見されますが、まったく別の見方も存在しているようです。立命館大学政策科学部教授で政治学者の上久保誠人さんは今回、安倍氏の対露外交こそが「真のレガシー」としてそう判断する根拠を明示。さらに岸田首相に対しては、功を焦ることのない地道な外交の展開を提言しています。

プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)
立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。

安倍外交「真のレガシー」はサハリン権益の維持。元外相の岸田首相はどこまで理解しているのか?

岸田文雄首相は、5月に広島で開催され、日本が議長国を務める先進7か国首脳会談(G7)を最大の見せ場と位置付けて、その準備のための「G7議長国外交」をスタートさせた。

岸田首相は、1月9日から15日の間、G7メンバー国であるフランス、イタリア、英国、カナダ、米国を歴訪し、各国首脳と会談した。ウクライナ情勢をはじめ、食料問題や核軍縮、気候変動など世界的課題をG7が主導していくために、「広島サミット」での連携の強化を呼びかけた。

また、各国に対して、日本が防衛力の抜本的強化に向けて、新たな安全保障関連の3つの文書を決定し、「反撃能力」の保有を明記したことや防衛費を増額することを説明した。そして、英国と「日英円滑化協定」に署名し、自衛隊とイギリス軍が共同訓練を行う際などの対応を定めるなど、各国と安全保障分野での連携も確認した。

日米首脳会談では、岸田首相が「反撃能力」の保有と防衛費の大幅増額を決断したことをバイデン大統領が高く評価した。大統領は、首相に対して「あなたこそ真のリーダーで、あなたこそ真の友人だ」と手放しでほめたたえたという。

岸田首相は、得意の外交で攻勢をかけて、内閣支持率低迷を打開し、4月の統一地方選挙を乗り切って、政権基盤を安定させることを狙っているようだ。だが、首相に1つ忠告しておきたいことがある。外交というものは、成果を出すことを焦ってはいけないということだ。焦ったら「国家百年の大計」を誤ることになりかねないということだ。

その意味で、私は岸田首相に伝えたいことがある。それは、安倍晋三元首相の外交の「真のレガシー」とはなにかということだ。

最初に断っておきたいのだが、私は安倍元首相のことを高く評価しているわけではない。特に、安倍元首相の経済政策「アベノミクス」をまったく評価していない。アベノミクスとは、実は従来型のバラマキ政策を「異次元」の規模で行っただけだったからだ。

本格的な経済回復には「成長戦略」が重要なのだが、さまざまな業界の既得権を奪うことになる規制緩和や構造改革は、内閣支持率に直結するので、安倍元首相にとってはできるだけ先送りしたいものとなった。

結局、安倍長期政権の間、経済は思うように復活しなかった。斜陽産業の異次元緩和「黒田バズーカ」の効き目がなければ、さらに「バズーカ2」を断行し、それでも効き目がなく「マイナス金利」に踏み込んだ。「カネが切れたら、またカネがいる」という状態が続き、財政赤字が拡大した。新しい富を生む産業が生まれず、なにも生まない斜陽産業を救い続けるだけだった。

中国がついに認めた人口減少。あの「ゼロコロナ解除」は高齢者を減らすためか?

中国政府は2022年末の時点で、本土の人口が前年比85万人減と発表。61年ぶりに人口が減少したことを認めました。労働人口も減少していてGDPで米国を抜き世界1位になるのは難しいとする説があるようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、台湾出身の評論家・黄文雄さんが、一人っ子政策を廃止しても少子化に歯止めがかからない理由を解説。2020年には人口が減少に転じたとする報道があり、中国の統計数字の信憑性の問題も指摘し、修正されたコロナの1ヵ月の死者数に、自宅での死者数はカウントされていない可能性があると伝えています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2023年1月18日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

この記事の著者・黄文雄さんのメルマガ

中国の人口が61年ぶりに減少。一人っ子政策返上も少子化加速のワケ

【詳しく】中国 61年ぶり人口減に転じる 今後の影響や見通しは | NHK

中国政府は、2022年末の時点で、中国本土の人口が14億1175万人と、前年比で85万人減少したと発表しました。中国の人口が減少に転じるのは、無理な増産計画により多くの餓死者を出した「大躍進」以来61年ぶりとのこと。

2022年の出生数が前年対比106万人減の956万人だったのに対して、死亡者数が27万人増の1041万人と死者数が出生数を上回ったため、総人口が減少に転じたわけです。これに対して、これまで人口第2位だったインドは2022年時点で推計14億1200万人であり、すでに中国と逆転したという意見もあります。

そもそも中国の統計数字が信用できないというのは昔からですが、1月14日には中国の保健局が突然、昨年12月8日から1月12日までの約1カ月における新型コロナウイルスの死者を5万9938万人と発表しました。それまで1日の死者は10人以下としていたわけですが、あまりに荒唐無稽な数字で海外から批判が殺到したため、転換せざるをえなかったと見られています。

ある中国人は、新型コロナで亡くなっても死因は別のものにさせられてしまうため、「中国政府は嘘ばかりついているが、自分たちの死因すら改ざんさせられる」と嘆いていました。町の葬儀場で、葬儀待ちの棺があふれている様子などは、すでに日本のテレビなどでも紹介されています。

しかも、この約6万人の死者は、病院での死亡者のみであり、自宅で亡くなった人はカウントされていないのです。専門家は、この1カ月で100万人が亡くなった可能性があると指摘しています。まだ数字をごまかしている疑いが強いというわけです。
好突然!中國官方曝36天近6萬病歿 專家懷疑:恐已超過100萬 – 自由時報電子報

それはともかく、中国での子育ては非常にお金がかかります。北京や上海などの大都市では、1人の子供が高校を卒業するまでにかかるコストは250万元(約4250万円)とも言われており、いくら一人っ子政策を廃止しても、2人目の子供を持とうという人はなかなかいません。そのため、今後、急速に人口が減少していく可能性があります。
好突然!中國官方曝36天近6萬病歿 專家懷疑:恐已超過100萬 – 自由時報電子報

この記事の著者・黄文雄さんのメルマガ

価値観の押し付けに辟易。欧米を見切って中国を選び始めた第3極の国々

米中の対立が激化する国際社会において、表向きそのどちらの側にも属すことのない「第3極」と呼ばれる勢力。しかしそんな国々が近年、中国寄りの姿勢を見せることが多くなってきています。何がそのような状況を招いているのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、欧米諸国より中国に賛同を示す国数が増加している理由を解説。その上で、近々日本が直面することになる問題を提示しています。

この記事の著者・島田久仁彦さんのメルマガ

 

外遊で「欧米側」を選択した日本の立ち位置におぼえる一抹の不安

G7広島サミットに向けての支持取り付けと“腹合わせ”のために、非常にタイトなスケジュールでフランス、イタリア、英国、カナダ、そして米国と歴訪した岸田総理。

「核なき世界の実現」というライフワークへの理解と広島サミットでの何らかの進展を願う思いを伝え、世界経済の重しとなるコロナからの回復、エネルギー・食料危機への対応、プレゼンスを増す中国の存在への対抗策、そして何よりもロシアによるウクライナ侵攻に対するG7としての一致した対応を共有・確認する外遊だったのではないかと思います。

総理の帰国後、外遊の成果を伝えるメディアは総じてフレンドリーだったと感じましたが、それでも「外交的成果が政権の支持率回復に貢献する」という方程式は成立しなかったように思います。

ただ今回の外遊で鮮明になったことは【日本はよりG7、欧米寄りの姿勢を取ることを選択した】という評価ではないかと感じます。

その可否はなかなか判断しづらいところですが、アジアにおける先進国で、かつ世界第3位の経済規模をまだ持ち、技術レベルも教育レベルも総じて高いというアジアにおける“特殊な”立ち位置を日本は活かすことが出来るのか?という一抹の不安を感じています。

そのように感じさせた要因の一つが、多国籍の専門家たちといろいろと協議し、意見交換をした際に投げかけられたある問いでした。

「どうして中国は包囲網の対象にされるのだろうか?」
「何か他国から罰せされるようなことをしたのか?」

新疆ウイグル自治区での行動…
香港での思想の強制と自由のはく奪…
反政府活動家の失踪と弾圧、迫害…
経済力と軍事力のミックスで周辺国に強引な対応を取り、勢力圏に引き込んでいく姿…
戦狼外交姿勢…

他にも“批判材料”は挙げられるかと思いますし、私自身、先に挙げたような行いに対して微塵も支持を表明する気はないですが、包囲網まで敷かれて非難され、敵対するような状況を他国に作られる理由かと言われたら「そうだ」と答えられない自分がいました。

議論の中で出てきたアイデアを、非難を覚悟してお話ししますが、ご了承ください。

新疆ウイグル自治区で行われていることが濃厚なウイグル民族への弾圧と思想教育の強要については、決して支持はできませんし、その他の出来事・事件についても同じですが、「でも、これらは中国の国内政策であり、それに他国が異を唱え、一方的に制裁措置に出ることは、内政不干渉の原則に反するのではないか」という考えが示された際、例え難い不思議な感覚ともどかしさを覚えました。

虐殺や迫害、人権の蹂躙などといった事例に対して国際社会(他国)が声を上げ、懸念を表明することは自由ですし、権利でもあると考えられますし、不買運動などを一方的に宣言し、「そのような姿勢を取る国とは付き合えない」と絶縁状を突き付けるところまでは腑に落ちるのですが、徒党を組んで対立構造を鮮明化させ、包囲網を敷くというのは、少しやりすぎではないか?と。

どちらかが善で、それに従わないものは悪という二分論が透けて見える気がします。

この記事の著者・島田久仁彦さんのメルマガ

 

沢尻エリカ 活動再開に監視の目。2月執行猶予明けに歌手復帰濃厚も、薬物スキャンダル後の芸能人に張り付く「当局のマーク」

女優の沢尻エリカさん(36)に「まもなく芸能界への復帰を発表する」との見方が浮上し、マスコミがざわついています。現在、事実上の引退状態となっている沢尻さんは2019年11月、合成麻薬MDMAを所持した麻薬取締法違反の容疑で逮捕。懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受けましたが、もうすぐその期間が終了。一部では「女優ではなく歌手として復帰」との観測報道も出ていますが、沢尻さんはファンにどんな姿を見せてくれるのでしょうか?芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが、酒井法子さんや元TOKIO山口達也さんのエピソードもまじえて解説します。

沢尻エリカ 活動再開を発表へ

2019年11月、麻薬取締法違反で緊急逮捕され有罪判決を言い渡された沢尻エリカが、いよいよ今年2月、執行猶予が明けます。

表舞台から完全に姿を消していた沢尻の、芸能活動再開の噂で芸能記者たちは浮き足立っています。

昨年末にちらほらと、いろんな媒体でその憶測記事が報じられるようになってきましたが、1月4日付けの『FRIDAY』は“歌手として復帰するのでは…”と予言しています。

なんでも麻薬の前科者は地上波ドラマ出演にはイメージが悪過ぎ、スポンサーが付かないため、歌手としての復帰の方が選択肢が広がるとか。

逮捕によるドラマやCMの違約金や治療費を肩代わりしたと言われている『エイベックス』の松浦勝人会長の専権事項だけに、“次の一手”がどう打たれるのか、大注目です。

売れっ子女性芸能人と薬物スキャンダルといってすぐに思い浮かぶのは酒井法子でしょう。

薬物とは絶対に結びつかないような、“離れた場所”にいた酒井のスキャンダルに度肝を抜かれた方も多かったのではないでしょうか。

酒井も沢尻同様、東京地方裁判所から“懲役1年6ヶ月、執行猶予3年”という有罪判決を2009年に受けました。

執行猶予明けの芸能人を監視する「不審車両」

私は酒井の執行猶予明け後を取材していたのですが、“こういうものなのか…”と感じたのが、しっかりと法の裁きを受けたにもかかわらず、捜査当局が定期的に厳しい監視状態を続けていることを知ったことでした。

執行猶予明けから交替で酒井の動向を張り込み取材していたカメラマンからは、「ほぼほぼ毎日、酒井の自宅前に不審車両が張り付いていて取材がやりにくくて仕方ない…」という報告が私の元に届いていました。

私は「同業者じゃないの?」と聞くと「いや~…知らない顔だし、目つきが尋常じゃないんですよ。マスコミ関連の同業者にしてはキツ過ぎますョ…」と答えます。

その後、何回も目にした不審車両を調べてみると、当局の捜査車両であることが判明したのです。

“尋常じゃない目つき”の正体は捜査員だったわけです。

法の裁きを受け、執行猶予が明けたからといって、すぐに身辺が“ピュア・ホワイト”になるわけではないことを身をもって知ったのです。薬物は再犯の確率が非常に高いということも…。

松浦会長がどの程度沢尻の現在を把握しているのかはわかりませんが、おそらく沢尻の執行猶予明けにも当局のマークは厳しいと容易に想像できます。

ゲイツとイーロン・マスクが正面衝突。喧嘩しないはずの金持ちが大激突の裏

世代は違えど天才を語る際に必ず名の挙がるビル・ゲイツとイーロン・マスクの両氏。そんな二人の「いざこざ」が今、大きな話題となっているようです。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんが、世界を代表する大富豪が大喧嘩に至った理由を紹介。さらに読者に対しては、「ある重要な呼びかけ」を記しています。

この記事の著者・浜田和幸さんのメルマガ

 

大金持ちは喧嘩する?ビル・ゲイツvs.イーロン・マスク

ぶっちゃけ、「金持ち喧嘩せず」との格言は大金持ちにはあてはまらないようです。

例えば、ビル・ゲイツとイーロン・マスクの喧嘩が話題となっています。

ツイッター買収を実現したマスクに対して、ゲイツは事あるごとに喧嘩を売っているからです。

当然、マスクも反撃に精を出しています。

喧嘩の原因は新型コロナ用のワクチンを巡る「フェイクニュース」論争です。

mRNAワクチンを開発、販売するモデルナやファイザーの筆頭株主であり、ワクチン接種を人から動植物にまで拡大しようとしているのがゲイツに他なりません。

しかも昨年は自らが4回のワクチン接種をしていながら、コロナに感染してしまったゲイツですが、「ワクチン接種のお陰で重症化しなかった」とワクチンの効能をアピールしています。

それどころか、ワクチン懐疑派が増えていることに危機感を抱いているようで、「食材にワクチンを埋め込めば、医食同源が期待できる」と、家畜への接種や野菜や果物にもワクチンを注入するように世界保健機関(WHO)へも働きかけを強め始めました。

何しろ、WHOは国連のような国際機関の一部かと思われていますが、民間の営利組織であるため、ゲイツ財団からの資金提供がなければ機能できません。

ゲイツの意向が100%反映されているのです。

そうしたゲイツにとっては「不都合な真実」が、ツイッターはじめSNSの世界では飛び交っています。

そこで、ゲイツはツイッターを買収したマスクに対して、「コロナウイルスの効果を疑わせるような投稿はフェイクニュースだから削除して欲しい」と要請しました。

しかし、表現の自由を縦に、マスクは応じようとしていません。

実は、マスク本人はコロナに感染していないようですが、同じ日の同じ時間帯に同じ医師の下でPCR検査を受けたところ、2回が陽性で2回が陰性との結果に驚いたと述べています。

要は、PCR検査もワクチンも信用していないため、ゲイツの「ワクチン推進論」には与しない姿勢を取っているに違いありません。

そこで、業を煮やしたゲイツは「ツイッターに代わる新たなプラットフォームを立ち上げる」と宣言。

マスクの経営スタイルに反抗し、ツイッターでは辞職者が絶えないこともあり、2,000人のエンジニアを雇用し、ワクチンに関する正しい情報を広めると言うのです。

確かに、ネット上ではワクチン接種に関しての「賛否両論」が渦巻いています。

賛成派にも反対派にも、それぞれ言い分があり、背後には応援団が控えているようです。

いわゆる「陰謀論」を唱える論客も見え隠れします。

いずれにしても、大富豪同士の喧嘩に左右されることなく、自分自身の判断力を高めることに努めたいものです。

この記事の著者・浜田和幸さんのメルマガ

 

image by: rvlsoft / Shutterstock.com

阪神・淡路大震災から28年。喪失感に苛まれる人に周りができること

関連死を含め6434人の命を奪った阪神・淡路大震災から28年、今年は3年ぶりにコロナ以前と変わらない追悼行事などが行なわれ、メディアも多くの被災者や遺族の声を聴き、癒えることのない震災の傷の深さを伝えていました。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では、著者で健康社会学者の河合薫さんが、「心のケア」という言葉があまりに一般的になってしまい、傷ついた人たちに寄り添っていないと問題提起。大きな喪失感に苛まれた人たちに対して、一人ひとりができることがあると伝えています(この記事は音声でもお聞きいただけます)。

プロフィール河合薫かわい・かおる
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

この記事の著者・河合薫さんのメルマガ

阪神淡路大震災後に生まれた言葉「心のケア」が支援者の心を満たす言葉に成り下がった残念な理由

阪神・淡路大震災から28年が経ちました。あの時、あの瞬間、みなさんはどこで何をし、時間と共に明らかになる惨状をどのように受け入れたでしょうか。私はニュースステーションにデビューしたばかりで。「自分に出来ることは何か?」って悩んで悩んで……。結局「空のことしか言えない」と被災地の天気を細かに伝えたと記憶しています。

阪神・淡路大震災は、日本の災害対策の転換点となり、行政のみならず,国民一人ひとり、地域コミュニティ、ボランティア、企業、学校など様々な主体が支え合い、役に立ち合うことの重要性を多くの人たちが認識するきっかけになりました。高齢者や障害者を受け入れる「福祉避難所」の設置の重要性、「PTSD」「心のケア」といった、災害ストレスに関する新しい言葉が一般化したのもこの時です。

「心のケア」という言葉は、神戸大学医学部の精神科医らが中心になって、災害後の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の研究が進んだことに由来しています。復興費として精神保健分野に予算がつき、「兵庫県こころのケアセンター」が設立されPTSDの専門的研究や治療の専門家の育成が行われました。

このセンターの名称にも使われた「心のケア」という言葉がメディアでも用いられ世間に広まった。その結果、「PTSDの予防や治療」という本来の意味が失われ、取り方次第でどうにでも受け止められる一般的な言葉になってしまった。その結果、何がおきたか?心を痛めている当時者ではなく、支援者の心を満たす言葉に成り下がってしまった。少なくとも私にはそう思えてなりません。

被災地に足を運ぶと「心のケアの押し売りはうんざり」という声を何度も聞きました。これはとてもとても、残念なこと。言葉だけが一人歩きすることはよくあることですがPTSDは極めてセンシティブな難しい問題だけに、悲しいとしかいいようがありません。

28年前、現場に通い続けた「現場の専門家たち」は本当に大変でした。悲しみは人によって違うし、回復のプロセスも人それぞれです。特に、子供を失った親たちの苦しみは想像を絶するものでした。自責の念に苦しみ、怒りが自分に向き、どうやってもそこから抜け出すことができない。そういった人々にひたすら寄り添いつづけたのが、こころのケアセンターのスタッフであり、支援者たちでした。

私が当時のスタッフの話を伺ったのは、震災から10年経った2005年です。その6年後に起きたのが東日本大震災。この時もことあるごとに「心のケア」という美しい言葉が飛び交いました。

この記事の著者・河合薫さんのメルマガ

第2の天安門勃発か。3期目迎え神格化を目指す習近平が最も恐れているもの

「2期10年」というこれまでの慣例を破り、3期目を発足させた習近平国家主席。しかし今後の政権運営は困難を極めることが予想されるようです。その理由を解説しているのは、外務省や国連機関とも繋がりを持ち、国際政治を熟知するアッズーリ氏。アッズーリ氏は今回、習近平氏がアメリカより自国民を恐れている訳を解き明かすとともに、場合によっては天安門事件以上の衝突が起こる可能性も否定できない、との見方を記しています。

1期目2期目以上に習近平3期目は政権運営が厳しくなる理由

2022年10月、習近平政権の3期目が正式にスタートした。2期10年を終え、慣例破りの3期目に突入したことで、おそらく5年で終わることはなく、ここに習近平の金正恩化が実現されたと言えよう。最高指導部など習3期目の人事をみても側近たちは全てイエスマンで固められ、習カラーは一層強まった。それくらい中国、世界にとっては大きな出来事である。

10月の共産党大会での演説で、習国家主席は2035年までに社会主義現代化を確実にし、中華人民共和国建国100年となる2049年までに社会主義現在化強国を進めていく方針を明らかにし、台湾統一については必ず実現するがそのためには武力行使を排除しないという姿勢を改めて鮮明にした。習国家主席は共産党の党規約を改訂し、その中で台湾独立反対、それを抑え込む趣旨の内容を盛り込んだことから、台湾への圧力も3期目に入ってよりいっそう強化されることになろう。

習国家主席は11月14日の米中首脳会談の際にも、米中関係が競争から衝突に発展することを回避するよう努め、対話のチャンネルを常に維持していくことで一致した一方、台湾は中国にとって核心的利益の中の核心であり、米国が超えてはならないレッドラインだとバイデン大統領を強くけん制した。習国家主席は、「やっとここまで来た!長期政権のもとできるだけ早く米国を追い抜き、俺は中国の象徴、もう1人の毛沢東になる!」と情熱にあふれていることに違いない。

習近平が自国民を最も恐れる訳

だが、3期目が始まって間もない中、習国家主席は既に大きな難題に直面している。それは、習国家主席が最も恐れる内からの反発だ。習国家主席が最も恐れるのは米国ではない、中国国民だ。

11月下旬、新疆ウイグル自治区ウルムチで外出禁止など厳重な封鎖措置が実施されるなか、10人が犠牲となる火災が発生したことで国民の導火線に火がつき、3年あまりに渡って実施されているゼロコロナ政策に抗議するデモが一気に拡大した。抗議デモは北京や上海、香港や広州など国内各地だけでなく、東京やロンドン、パリやシドニーなど世界各都市にも飛び火した。中国ではゼロコロナの名のもと、外出禁止など市民は日常生活を奪われ、病院にも行けず自宅で亡くなる市民も大幅に増加した。

企業も社員が工場やオフィスに行けず、自由に経済活動できなくなり、大きな損失も被った企業も多い。それが3年も続いたことで、中国国内では失業や経済格差などが拡大し、中国市民の社会的経済的不満はこれまでになく高まっている。新規感染者数が少ないのにゼロコロナが継続されることで、ゼロコロナは新たな人権侵害政策だと怒りを募らせる国民も多い。

ロシアや中国が「日本侵略」を実現することができない明確な理由

ロシアや中国が不穏な動きを見せるなか、日本はどのような対応をすればいいのでしょうか。今回のメルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』では、人気コンサルの永江さんが、不安を抱える読者からの質問に答えています。

この記事の著者・永江一石さんのメルマガ

ロシアや中国は本当に日本を侵略しに来るのか?

Question

shitumon

ロシアや中国が日本を攻めてきたとき、日本はどのように対応すべきだと思いますか?私は取られたものは取り返すまで徹底抗戦すべきだと考えています。

ただ、たかがコロナの死者程度で全体主義を作って、未だに騒ぎを続ける有様ですから、厭戦気分の全体主義を作って尖閣諸島や北海道を諦めるとか、平気でやりそうで怖いです。

 

 

永江さんからの回答

よくこうした不安を聞きますが、ロシアや中国の軍が日本本土に上陸して来るなんてことはまずあり得ないでしょう。それより少子化と人口減少の方が現実に起こっている憂慮されるべき非常事態です。

先に、もし日本が他国軍に上陸されたら厭戦気分云々の議論に及ばず、降伏する以外ありません。日本の陸上自衛隊の軽量化・小型化され反撃能力のない装備とたった15万人の陸上自衛隊員では、陸軍が主力の中国とロシアには抵抗できる術はなく、士気云々の前に戦力差が歴然です。おとなしく占領され弾圧されるしかないでしょう(中国陸軍は兵員約100万人/戦車等6,000台以上・ロシア陸軍は兵員約30万人・戦車等約3,000台に対して、日本は兵員15万人と戦車500両だけです)。

※ 「令和4年度版 防衛白書 3 軍事態勢と動向」より

島国の日本が制海制空権を取られて占領されたら、ウクライナのように他国から武器を援助してもらうこともできません。日本は潜水艦と迎撃能力は世界トップクラスですが、対地攻撃能力がほぼ全くないので一度占領されたら取り返すことができないんです。

ただ肝心なのは、日本に本格的な上陸をするには制空権と制海権を取る必要がありますが、そのためにはアメリカ軍の基地が併設されている日本の航空・海上自衛隊の基地を攻撃しなければならないということです。つまり、駐日アメリカ軍が撃滅されるか、アメリカ軍が日本から引き揚げない限りは上陸できないので、現実的には日本本土には侵攻できないでしょう(アメリカ出てけとか言うパヨクの人たちはこの防衛の仕組みを全く理解していませんね)。

加えて、ロシアと中国も海軍や上陸戦力も陸軍ほどでなく、とても日本本土に上陸する軍備は整えている様子もありません。日本の離島が占領されることはあっても本土が侵略されるというようなことはないでしょう。

なので、ロシアと中国の日本侵略は、日米同盟と駐日米軍がある限りは、現実的ではないですね。それよりも、現実的かつ確実に進んでいる少子化と人口減少による国家消滅を危惧するべきでしょう。人口5,000万人を切って高齢者比率4割を超えていたら防衛もできないし国も成り立たず、将来はアメリカに併合してもらうくらいしか道はなくなります。

この記事の著者・永江一石さんのメルマガ

image by: Shutterstock.com

なぜ入獄後10年もすると死刑囚と無期囚で変化が見られるのか?

精神科医として東京拘置所の医務技官を務めた加賀乙彦氏が93歳で亡くなりました。今回のメルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、加賀氏が文学博士の鈴木秀子氏との対談で語った、囚人の違いと自身の死生観について紹介しています。

拘置所で見た死刑囚と無期囚との違い 追悼・加賀乙彦氏

作家で精神科医でもある加賀乙彦氏が12日、老衰のため93歳で逝去されました。加賀氏は精神科医として東京拘置所の医務技官を務め、多くの死刑囚、無期囚と向き合ってこられました。

『致知』2021年3月号では、文学博士の鈴木秀子氏と対談。加賀氏はこの中で文学談義に加え、拘置所内で感じた死刑囚、無期囚との違い、ご自身の死生観などについても語り合われています。

─────────────────

加賀 「一つ興味深い話をしますとね、多くの場合、重大な犯罪を起こした人は死刑囚、無期囚ということになるわけですが、同じタイプの囚人でも、入獄して10年経つとその様子はそれぞれで大きく違ってくるんです。

無期囚の人たちはむやみに暴れて発作を起こしていたような者でも10年経つと、本当に人が変わったように大人しくなってしまう。」

鈴木 「無期囚の人たちは大人しくなるのですか」

加賀 「ええ。死刑囚はどうかというと、真剣にいろいろなことを考えるし、人の悪口は言う。一方で心を開いてくれる人も多い。亡くなるまでずっと元気なんです。

僕はこの違いは一体どこにあるのだろうかと考えました。これはドストエフスキーの言葉ですが、死刑囚は明日死ぬかもしれないという恐怖に常に晒されているから、彼らには非常に濃密な時間が流れている。

ところが無期囚になると原則として死ぬまで刑務所で働き続けなくてはいけませんから、その人生の時間は薄く引き延ばされる。だからヒステリーも起こらない。

ドストエフスキーは『死の家の記録』で、ある囚人が1年、2年と毎日棚に印をつけている場面を描いています。

そのように無期囚にとって退屈することは何よりも苦しい。だから退屈しないように、あらゆる器官が鈍感になる」

鈴木 「なるほど、死刑囚と無期囚には、そういう違いがあったのですね。

私が加賀先生の本を読みながら思ったのは、死刑囚に限らず人間は誰でも死について考えるということです。

特にいまのような高齢社会になって多くの人たちが死と直面している現状を考えた時に、先生のご著書は私たちが死を考える上で非常に大きな力を与えてくれると思います」

加賀 「おっしゃる通り死刑囚というのは特殊なあり方のようですが、パスカルの言葉を借りれば『人間は生まれながらの死刑囚』なんです。

つまり、人間はある日、等しく神に呼び出されて死の宣告を受ける。だとしたら、死を乗り越えるために神と対話をしなくてはいけない。このことは僕が信仰を持つようになってからの気づきの一つです」

image by: Shutterstock.com

日本でも浸透してきたFIRE。何をすればそんな大金が手に入るのか?

新たなライフスタイルとして注目されるFIRE。早期リタイアしたあとも自由になるほどのお金を得るためには何をしておけばいいのでしょうか。今回、メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』で土井英司さんが紹介するのは、FIREを成功させた著者によるお金と仕事の話をまとめた一冊です。

株式投資で財を成してFIREを成功させた著者⇒『60代を自由に生きるための誰も教えてくれなかった「お金と仕事」の話』

71wssDYgEqL

60代を自由に生きるための誰も教えてくれなかった「お金と仕事」の話

榊原正幸・著 PHP研究所

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、経済と会計の専門家であり、自身、株式投資で財を成してFIREを成功させた、榊原正幸さんによる一冊。

著者は、東北大学大学院経済学研究科教授、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授を経て、21年に自主定年退職。

現在は、東京・青山を拠点にしてファイナンシャル教育の普及活動に力を注いでいるそうです。

実体験に基づいた日本版FIREの指南書『60歳までに「お金の自由」を手に入れる!』が良かったので、この続編も期待して読みましたが、こちらはまさに60歳以降、定年後をリアルに考えるための本です。

※参考:『60歳までに「お金の自由」を手に入れる!

迫り来るインフレと財産税にどう対処するか、60歳以降の仕事や資産運用をどうするか、この世代にとってはリアルな問題に、明確なアドバイスを提示しています。

20代の方、30代の方は、40代、50代になってから慌てないために、今からここを見据えて資産運用や人生設計を考えておくと、いいと思います(大体、50代本、60代本をその年齢になってから読んでも遅いんです)。

著者が考える、自由な老後の「3本の矢」は、「イヤじゃない仕事」「副業」「株式投資による運用」。

それぞれ、どのように行えば自由な老後が実現できるか、実体験に基づいたアドバイスがなされています。

<「株式投資」の具体策>では、安全、安心な投資先を選ぶための基準が示されており、巻末には付録として、「国際優良企業」「財務優良企業」のリストも付いています。