大企業が下請けに対して嫌がらせ。顧客からの迷惑行為だけにとどまらぬ「企業間カスハラ」の過酷な現実

社会問題化して久しいカスハラ。これまでは顧客からの迷惑行為が注目されていましたが、「企業間カスハラ」とも呼ぶべき事態も存在していることをご存知でしょうか。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では健康社会学者の河合薫さんが、とある企業が取引先からのカスハラ被害を訴えた民事訴訟を取り上げ、その内容を紹介。さらにこれまで見過ごされてきたこのようなカスハラに対して、国から何らかのメスが入ることへの期待を綴っています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:大きなものは強きもの?

プロフィール河合薫かわいかおる
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

顧客からだけでなく取引先からも。見過ごされてきた“企業間カスハラ”

「カスハラ」に関する報道が増えていますが、顧客企業から営業担当者がカスハラを受けたとして、提訴しました。

訴状によると、従業員2人が2023年3月に取引先企業の創立50周年を祝うために訪問した際、この企業の社長から2時間にわたり罵声を浴びせられたそうです。

2人のうち1人しか面談のアポイントをとっていなかったなど、ささいな内容から発展。怒鳴られた社員は抑うつ状態になったとして、1,100万円の損害賠償を求めています。

一方、顧客企業側は訴えに対し、「不合理な理由で罵声を浴びせたり侮辱はしてはいない」「その日は別の来客予定もあり2時間面談もしていない」「(訪問した社員は)以前からうつ病だったと話していた」などと主張。事実無根だとして、全面的に争う姿勢を示しています。

これまで問題になっていた多くのカスハラは、顧客からの迷惑行為でしたが、今後は企業間のカスハラにスポットが当たることになるかもしれません。

とりわけ「下請け企業」は厳しい立場を強いられてきました。納期の短縮や買い叩きなど、「できない?だったら他に頼むからいいよ」と圧力をかけられ、長時間労働・低賃金で疲弊する社員を守りきれず、自責の念をいだき、それでもやるしかない、と経営者たちは日々資金調達に奔走していました。

もちろんすべての中小企業=かわいそう というわけではありません。大企業以上に稼ぐ会社はあるし、早くからホワイト化を進めた健康職場もあります。

しかしながら、東京商工リサーチによると、2024年4月の「物価高」を起因とする倒産は58件(前年同月比16.0%増)で、4カ月連続で前年同月を上回り、負債総額も139億8,600万円(同54.2%増)に膨らみました。円安に伴う物価高で厳しくても価格転嫁が難しく、倒産を押し上げる可能性も高まっています。

この記事の著者・河合薫さんのメルマガ

国民民主・玉木代表の弟に「またもや」投資詐欺疑惑!国政政党の信用悪用し勧誘か?5年ぶり2度目のペテンに批判の声

国民民主党・玉木雄一郎代表(55)の実弟に投資詐欺疑惑が持ち上がった。この弟は過去に暗号資産絡みでトラブルを起こしており、ペテン師呼ばわりされるのは今回が初めてではない。さらに今回、疑惑を報じた『アクセスジャーナル』に「金を払うから記事を消せ」の圧力も。ジャーナリスト・山岡俊介氏が主宰する『アクセスジャーナル・メルマガ版』が報告する。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:<ミニ情報>国民民主・玉木代表実弟の投資詐欺疑惑

“初犯”ではない、玉木雄一郎代表「実弟の投資詐欺」重大疑惑

国民民主党・玉木雄一郎代表(55)の実弟は、現在も詐欺で生計を立てているとの情報が。

弟は玉木秀樹氏と言い54歳。

秀樹氏といえば、本紙既報のように、かつて「キングスコイン」なる仮想通貨(暗号資産)を売り出し、2018年10月に上場したものの、その後、投資勧誘時の「値上がりする」どころか、ほぼ無価値となり、「詐欺だ!」と騒がれたものの、一応上場はしたことから事件化は免れた。

(メルマガ2019年8月12日号より抜粋・再掲)

「キングスコイン」という仮想通貨(現「暗号通貨」)が2018年10月11日、ニュージーランドの「BIT NOAH」(ビットノア)というマイナーな取引所に上場した。1日数件の取引があるかないかで流動性はゼロ。つまり、ICOの意味がないといっていいコインだ。発行元は香港の「スカイキングスインターナショナル」という会社<中略>

同社の経営陣を見て見ると日本人と思われる名前が3名ある。内2人は苗字が同じ。David.H.TamakiEddie.E.Tamaki。それぞれ、玉置秀樹玉置栄三郎が本名のようで、兄弟<中略>実はこの2人の玉置氏、本当は玉木と書く。

秀樹氏の経歴は不明だが、栄三郎氏は麻布獣医大出身の獣医師でもある。出身は香川県。「国民民主党」代表の玉木雄一郎氏の父親は香川県獣医師会副会長でもあった。そして、雄一郎代表の地元は香川県。

そう、この3人の玉木氏は兄弟で、雄一郎が長男。次男・秀樹氏、三男が栄三郎氏<中略>今回は後の弟2人が怪しげな仮想通貨に関与していたのだ。しかも、上場しても値が付かない状態。投資家は大損している――<後略>
(以上、『アクセスジャーナル・メルマガ版』2019年8月12日号より MAG2NEWS編集部にて抜粋・再掲)

 

それで反省して静かにしているのかと思ったら、まったく逆で、少し前まではドバイを拠点に、アラブの王族との繋がりを強調し、今回は完全に投資詐欺と思われる案件を持ち歩き、相当の被害者が出ているという。

しかも、出資を募る際、「選挙の応援をしている」などといい、兄・雄一郎氏との仲の良さを強調

まさか政党代表の実弟が詐欺はしないだろうということで投資した者が多数いると見られることから、事が公になれば、雄一郎氏は代表辞任という事態になってもおかしくないだろう。

「金を払うから記事を消せ」のメール

(MAG2NEWS編集部より)
今回の国民民主・玉木代表の実弟の投資詐欺疑惑を『アクセスジャーナル』が指摘した後、山岡氏のもとに「金を払うから記事を消せ」という旨のメールが届いた。山岡氏はもちろんこれを拒否している。

さらにその後、週刊誌『FLASH』が3000万円を持ち逃げされたという被害者の証言を報じるなど、玉木代表はいよいよ言い逃れができない状況となっている。

『アクセスジャーナル・メルマガ版』では次号以降、山岡氏がこの疑惑をさらに詳しく取り上げる予定だ。

(本記事は『アクセスジャーナル・メルマガ版』2024年7月1日号を一部抜粋・再構成したものです。同号では以下の記事を掲載しています。初月無料でお読みになりたい方はぜひご登録下さい)

  1. 内田ボクシング連盟会長が退任へ──「イセ食品」元会長も騙された水蒸気発電ネタも影響か?
  2. マスク投資詐欺有名スタイリストの正体──あのリア・ディゾンの元ダンナ
  3. <新連載>福賀中の兜町アンダーワールド(24)「仕手銘柄の新たな動き」
  4. 鹿児島県警の情報漏えい事件──出版社社長が、鹿児島県警と本部長を犯人隠避罪などで地検に告発
  5. <ミニ情報>国民民主・玉木代表実弟の投資詐欺疑惑

※<お知らせ>本紙YouTube版『深層追及』、今週ネタは「リア・ディゾン元ダンナのマスク投資詐欺」「本紙を騙した『アジャイル』株購入ドタキャン2人組とクリニック

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“証拠の取得”以外に得るものなし。現役探偵が明かす「盗み聞き」の大きすぎる代償

その内容の特殊性ゆえ、ボイスレコーダー等での証拠取得を伴う業務も少なくない探偵という職業。そんな仕事に携わる現役探偵の後藤啓佑さんですが、「なるべくなら盗み聞きなどしないほうが賢明」とします。その理由はどこにあるのでしょうか。後藤さんが自身のメルマガ『探偵の視点』で今回、そう考えるに至った背景を明かしています。 
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:盗み聞きの代償

盗み聞きの代償

僕たちの仕事では、「モンスター社員」をどうにかして欲しいという依頼が来ることも多々あります。

今回お伝えするケースのモンスター社員は、部下に対するパワハラがひどい人物。

会社としては、その人物のせいで若い社員が退職したり、モチベーションが下がったりしているのを目の当たりにしたので、そろそろこのモンスター社員の扱いを考えなければならない、というところにきていました。

そこで今回は、そのモンスター社員の部下に対するパワハラの証拠を取りたいということで、社用車にボイスレコーダーを設置し、パワハラの証拠を取ろうということになりました。

そのモンスター社員と、現在最も被害を受けている部下の方は、よく営業で2人で外回りに行っていたので、その車の中で色々と暴言が出るのではないかということからこの調査が進みました。

1週間ボイスレコーダーで音声を記録し、こちらでチェック。すると、ある程度のパワハラと言えるだろうという音声は取ることができたのですが、1つ別の懸念が生じてきました。

それは、パワハラだけならまだしも、社長に対する批判や会社に対する批判がすごく多かったのです。

ただ、この部分は今回の調査の目的には必要ないことなので、この部分を社長にお渡しするのかしないのか。これを社長に聞いてみたところ、そこも確認したいということになりました。これは当然そうなるでしょう。

僕たちがそれを隠して切りとることは当然できません。「あんまり聞かれない方がいいかもしれませんが、どうしますか?」という言葉を投げると、「そんなモンスターの言っている風評なんて全然気にならないないし、何を言ってるのか興味本意で聞いてみたい」とのこと。

文字起こししたものを渡しました。

内容としては、第3者が見るとただの悪口だったり、ある程度的を得てるんだろうなということが推測される批判だったり。ものすごくひどいワードが散りばめられているわけではないですが、当事者が見るとどう感じるのか。

この記事の著者・後藤啓佑さんのメルマガ

ホンダの合弁会社は何位にランクインした?最新データで見る中国自動車輸出トップ20

昨年の新車販売台数が15年連続世界一を記録し、輸出台数も日本を抜き世界のトップに立った中国。先日、そんな同国の今年5月までの自動車輸出データが発表されました。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』は今回、中国自動車メディアが輸出状況を詳しく解説した記事を紹介するとともに、そこで明らかとなった意外とも言える実態を取り上げています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:ホンダも上位に、中国自動車輸出の最新の状況、その実態とは?

ホンダも上位に、中国自動車輸出の最新の状況、その実態とは?

中国の新車販売が足元、海外への輸出によってその成長を支えられている構造が明らかになってきたが、中国の自動車メディア「第一電動」は2024年5月までのその輸出状況を詳しく解説している。

それによれば、メーカー別で最も輸出しているのは奇瑞(Chery)。日本でも話題のBYDは3位につけており、現在までに2位の上汽集団のMGとの差が詰まっている、という。

新エネルギー車(NEV)メーカーはトップ20位の中に3社しか入っていない。EUが先日、中国製造NEVに38%の関税をかけることを発表したが、そもそも欧州輸出は主力ではない。

強いChery

Cheryは、ミニEVもないことはないが、輸出のメインになっているのは10万元(約200万円)を切るガソリン格安SUV「瑞虎」シリーズだ。

Cheryの輸出先の上位は、ロシア、ブラジル、イタリア、メキシコ、トルコとなっている。

NEVは3社のみ

輸出が伸びているBYDだが、輸出先はブラジル、オーストラリア、タイ、イスラエル、シンガポールが中心。

一方で、実は米テスラが上位に食い込んでいる。トップ20車種までにModel Yは見当たらないが、Model 3は毎月車種別トップ争いをしている。

それに、NEVで限ってみると、合衆(HOZON)のNETAが18位につけており、その主な輸出先はタイ。

中国というと、NEVが騒がれるものの、NEVメーカーとしての輸出はこの3社、つまりそのうちの1社は米国企業に限られる。

ホンダ、今後は日産も?

日本として興味深いのは、14位に東風ホンダ、16位に広汽ホンダがランクインしていること。

ホンダの二つの合弁は日本を含め、輸出を強化していく、としているが、より上位に食い込んでいく可能性もなくはない。

また同じく日系としては、東風日産も輸出の強化を謳っており、今後この中に割り込んでくる可能性がある。

この記事の著者・CHINA CASEさんのメルマガ

五百円札にまでなった岩倉具視が、小説で「ダーティヒーロー」として描かれる理由

新しいお札の顔が決まったばかりですが、昭和生まれの人なら五百円札の岩倉具視(ともみ)を覚えているのではないでしょうか。現代史の教科書には必ず出てくる人物ですが、なぜか歴史小説ではダーティーなイメージで描かれることが多いようです。『歴史時代作家 早見俊の無料メルマガ」』の著者である作家の早見俊さんが、改めて彼の人生を振り返り、その理由を語っています。

五百円札 岩倉具視

七月三日から新しい紙幣が発行されますね。

一万円札は渋沢栄一、五千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎が描かれます。筆者の年代の読者なら記憶があると思いますが、かつて五百円札が発行されており、岩倉具視がお札の顔でした。

子供の頃、お正月に岩倉具視を見るとがっかりしたものです。年に一度の楽しみ、お年玉を貰った時です。お年玉袋を開け、伊藤博文の千円札が出てきたら喜び、岩倉具視の五百円札だと肩を落としたのです。ちなみに板垣退助の百円札も流通していた頃で、これが一枚だった時には、くれた大人を恨みました。

我ながら実に不謹慎でした。そんな筆者が岩倉の偉大さを知るのは歴史に興味を持ち、歴史小説や歴史解説書を読むようになった中学生の頃です。

ただ、小説における岩倉は明治維新に貢献はしたが、西郷隆盛や坂本龍馬のようなヒーローではなく、陰謀に長けた腹黒い公家に描かれていることが多く、私もそんなイメージを抱きました。岩倉をダーテイヒーローに仕立てたのは孝明天皇毒殺説です。徳川幕府寄りの政治姿勢を取っておられた孝明天皇は討幕派には最大の障害でした。その孝明天皇が慶応二年(1866)の十二月に天然痘で崩御なさり、討幕派にとってタイミングがよ過ぎるため、毒殺説、そしてその首謀者に岩倉が挙げられるのです。

もちろん、俗説で事実ではありません。孝明天皇が崩御された頃、岩倉は政治活動を封殺されていましたし、彼のために弁護すれば岩倉は心より孝明帝を尊崇していたのです。では、何故岩倉が孝明天皇毒殺の汚名を着せられたのかというと、天皇の逆鱗に触れ、政治生命を絶たれたからです。

では、政治生命どころか命も危うかった岩倉がいかにして復権を遂げ、明治維新の功臣となり、日本初の国葬で葬られる生涯を送ることができたのでしょう。

眠くてやる気が起きない…そんな時に役立つのはあなたの「両手」?

やる気がわかない、気分が落ち込む…そんな時ってありますよね。メルマガ『セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術』の著者で現役精神科医のゆうきゆう先生は、そんな時におすすめだという、とあるコツを伝授しています。一体どんな方法なのでしょうか?

眠い! でも起きなきゃ! そんな時「手」一つでやる気を出す方法

こんにちは、ゆうきゆうです。

元気でお過ごしでしょうか?

さて、皆さんはやる気が湧かなくて苦労したり、だらだらだらだらしてしまったり、気持ちが落ち込んだり、少しネガティブになった時にどんどん気持ちがマイナスのスパイラルにはまってしまうことはありませんか?

そんな時に気持ちを持ち上げるちょっとしたコツを教えます。

■ 運動量と気持ちの活力は比例する!

それこそが「運動」です。

人間は物理的に動き出すと本当にやる気も湧いてくるという所があります。

ぼーっと動かないでいるとだるくなりますが、体を動かしていくとどんどんやる気が湧いてきます。

例えば、実際にスポーツ選手を想像してみると、ローテンションな人はあまりいなくて、はつらつとしていて前向きな印象があったりします。

これはもちろん、そもそも前向きな人がスポーツを選ぶという心理ももちろんあるんですけど、同時にスポーツで肉体をひたすら動かすことによって、気持ちが活性化していくという面があると考えます。

逆にお家でだらだらと何かぼーっとしていたり、ネットをひたすらだらだら見たりする人は全体的に気持ちが落ち込んできます。

ネットをだらだら見ながらも「はい!僕元気です!」みたいな人はあんまりいないですよね。

というように、運動量と気持ちの活力は比例するのではないかなと考えます。

ですので、気持ちがだらだらしてしまう時は本当に運動をするのが重要です。

Amazonレビューで星4.7。この本を起業家たちが絶賛する理由

成功をおさめる起業家になるためには、どんなマインドが必要なのか。起業家にのしかかる問題と解決策を示した必読ともいえる一冊を、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者である土井英司さんが詳しく紹介しています。多くの起業家が絶賛するその内容とは?

【起業家必読。】⇒『すぐれたビジネスはシンプルに表せる』

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すぐれたビジネスはシンプルに表せる

デレク・シヴァーズ・著 児島修・訳 東洋経済新報社

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、プロミュージシャンでありながら「CDベイビー」を起業し、2200万ドル(2024年のレートで約33億円)で売却した有名起業家、デレク・シヴァーズによる起業バイブル。

ベストセラー『エッセンシャル思考』はじめ、数多くのビジネス書に登場する起業家の話題書で、Amazon.comではなんと5000件のカスタマーレビュー、平均4.7の評価がついています。

エッセンシャル思考

「初心を取り戻せる」と起業家たちが絶賛しているようですが、読んでみてなるほど、確かにそうだと思いました。

200ページにも満たない本ですが、その中に著者が体験から学んだこと、起業家として忘れてはならない原理原則が書かれています。

お金との付き合い方、少数の大口顧客に依存しないこと、計画よりも大事なこと、良いサービスを生むための心構え、マネジメントで大事なこと…。

起業家がやりたいことから照準をズラさずに、真っ直ぐ成功に進んで行くための大切な心構えが書かれています。

社員が自主的に働くようになるための5つのステップなどは、絶対に読んでおいた方がいいと思いました。

そして何より重要なのは、起業家であるあなたが情熱を失わないようにするための考え方。

数多くの起業家が燃え尽きたり、好奇心を失ったりしますが、本書ではその原因が何なのか、どうすれば解決できるのか、明確な答えを示しています。

起業家にとって大切なのは、ノウハウや理論より、情熱の火を絶やさない考え方。

本書には、どうすれば起業家が情熱の火を燃やし続けられるのか、そのヒントが書かれています。

先日ご紹介した『ビジネスを育てる 新版』と併せて読むことをおすすめします。

ビジネスを育てる新版』ポール・ホーケン・著

阪本啓一・訳 青木耕平・解説 ディスカヴァー・トゥエンティワン

互いに警告。米大統領がバイデンになってもトランプになっても「第3次世界大戦」は始まるのか?

6月27日、アメリカ大統領選挙の第1回テレビ討論が行われ、多くのメディアが、トランプ氏の攻勢、バイデン氏の苦戦を伝えました。トランプ氏にシンパシーを感じることはないとしながらも、バイデン政権の対外政策への批判は思い当たると具体例を上げ解説するのは、多くの中国関連書を執筆している拓殖大学の富坂聰教授です。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、両候補の、相手が当選すれば第3次世界大戦の危険が増すとの発言をクローズアップ。極右政党の台頭が目立つ欧州各国の情勢と合わせて、注視しています。

米大統領選挙でバイデンとトランプが互いに第3次世界大戦に言及する世界の問題

11月に予定される米大統領選挙に向けた1回目のテレビ討論が6月27日(現地時間)に行われた。90分の論戦を経て、高い評価を得たのはドナルド・トランプだったと米メディアは一斉に報じた。

NHKは、その結果を〈有力紙のワシントン・ポストは「バイデン氏苦戦、トランプ氏は質問をはぐらかす」、同じく有力紙のニューヨーク・タイムズは「トランプ氏の威勢にバイデン氏苦戦」、CBSテレビは「バイデン氏、序盤から声がかすれて苦戦」などいずれも見出しに「Struggle(ストラグル)」、「苦戦する、もがく」という言葉を使ってバイデン氏が押されていたと伝えています〉と伝えている。

興味深かったのは、バイデン、トランプの両者がともに、もし第3次世界大戦を避けたかったら自分に投票すべきとアピールしたことだ。決して主要な論点ではなかったが、それだけに見えてくるものがあった。

最初に話題を持ち出したのはトランプの方だ。「バイデン氏は我々を第3次世界大戦まで近づけている」と言及。続けて、「プーチン氏や習近平氏、金正恩氏はバイデン氏を尊敬しても恐れてもいない」と攻撃したのだ。

これに対しバイデンは「第3次世界大戦を始めたいというのなら、トランプ氏を就任させて、北大西洋条約機構(NATO)から脱退したらそうなるだろう。もし戦争がしたいなら、プーチンの侵略を許せばいい」と応じた。

バイデンの主張は、要するにロシアのウラジミール・プーチン大統領のウクライナ侵攻を成功裏に終わらせてしまえば、独裁者の野心に歯止めがかからなくなるというもので、目新しいものではない。一方のトランプは、同盟関係の強化によってロシア包囲網を築いて弱らせるつもりが、かえって反米同盟を強化、促進してしまったのではないかと批判する。

実際、バイデンの失策が世界を平和から遠ざけてしまったという指摘には思い当たる点もある。先週もこのメルマガで触れたが、プーチンの北朝鮮訪問は、その一つの典型的な動きといえよう。しかもアメリカが戦略的に重視するベトナムでも歓待された。

トランプの主張にシンパシーを感じることはないが、バイデンの対外政策に数々の綻びが目立っていることは否定できない。そもそも同盟国が団結して立ち向かう、といっても、実際の利害は複雑だ。自国の利害を度外視し、アメリカの利益に歩調を合わせてくれるのは日本ぐらいのものだ。

ボケ老人バイデンを米民主党が切れぬ訳。トランプに惨敗の大統領選TV討論会、「もしトラ」から「ほぼトラ」へ身構える世界

11月のアメリカ大統領選挙に向け、異例の6月下旬に行われたバイデン大統領とトランプ前大統領のテレビ討論会。結果はバイデンの惨敗となり、その耄碌ぶりにアメリカ国内はもちろん世界中が衝撃を受けた。だが、それでも米民主党がバイデンを“隠居”させるのは簡単ではない。動き始めた「バイデンおろし」の複雑な連立方程式について、米国在住作家の冷泉彰彦氏が詳しく解説する。(メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』より)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:米大統領選、仕切り直しの可能性

極めて異例だった「6月のテレビ討論会」

アメリカの大統領選挙の日程には、明確な順序というものがあります。

まず、予備選が行われます。民主・共和両党が候補者を一人に絞るために、各州を回って一種の地方巡業を行うわけです。選挙の年の1月から6月にかけて予備選は行われて、両党内での代議員を奪い合い、やがて過半数を獲得した候補が出ると、そこで予備選は事実上終了となります。

その上で、7月から8月には党大会が行われます。この時までに既に候補が絞り込まれている場合は、党大会の代表候補選出プロセスはセレモニー的になり、党大会は候補選出の場というより、本選への総決起大会になります。そして、両党が党大会を終えると、両党の統一候補同士による「一騎打ち」すなわち本選が始まります。

この本選の中で最も重要と言われているのが、TV討論です。近年は、このTV討論は9月から10月に計3回行われ、これに加えて副大統領候補同士によるTV討論も1回行われるというのが、お決まりのフォーマットとなっていました。

ところが、今回、2024年の大統領選においては、6月27日という極めて早い時期にTV討論が設定されました。これは極めて異例のことです。どうしてこんな早期にTV討論が開催されたのかというのは、実はよく分かっていません。

判明しているのは、両陣営があっさり合意したということです。ですが、どうして簡単に合意したのかというのは、謎といえば謎です。

トランプ、バイデン両候補に「止むに止まれぬ事情」

大局的な観点から見れば、この判断には合理性はあります。

まず、大きな要素としては、4月以前の時点でトランプ、バイデンの両候補が共和党と民主党の代議員の過半数を抑えてしまっており、統一候補としての資格を確立しているということがあります。つまり、もう党内の争いは完全に終わってしまっているので、本選として一騎打ちの闘いをするのは当然ということになります。

そうであるのなら早期にTV討論を行うのは、本選を実際に進めることになるし、有権者のためにもなる、そんな理屈であれば筋は通ります。党大会を経ていない時点ではありますが、代議員数で過半数を獲得している両人の資格を疑うことはできない以上、本選を繰り上げて戦うことには理屈が通るというわけです。

但し、これには裏の意味があるという声も非公式ではありますが、囁かれていました。

まず、トランプの側ですが、NY州の裁判所において不倫口止め事件に関する有罪判決があり、既にトランプは刑事被告人ではなく刑事犯として量刑を待つ身になっています。これは決して無視できる問題ではありません。トランプ陣営としては、この問題のダメージを最小限とすることが課題となっています。つまり、有権者、特に無党派中間層や、共和党の穏健派が離反するのを防止したいわけです。

その場合に、トランプの周囲としては、有罪判決が過去形になる、つまり世論が忘れるのを待つという選択肢はありませんでした。というのは、この後、量刑が出てくるわけですし、そこで短期間でも禁錮刑社会奉仕などが発生すれば、イメージは更に悪化するからです。

ですから、この期間、つまり有罪にはなったが量刑は出ていないという期間に、政治的攻勢を積極的にかけるのが良いという判断があったのかもしれません。また、トランプに距離を置く共和党の穏健なグループとしても、有罪判決の影響を早く見ておきたいという動機はあったと思います。

時価総額がテスラ超え。中島聡氏が徹底解説、「痩せ薬」でボロ儲けしたデンマーク企業の名前と開発の背景

糖尿病治療を目的として開発した薬の「痩身効果」に注目が集まり爆発的ヒットを記録し、結果として自社株の時価総額がテスラを超えたNovo Nordisk社。しかしながら同社は当初、肥満の治療薬としての流用には否定的だったと言います。そんな糖尿病治療薬「Ozempic」開発の背景やメカニズム、さらに痩せ薬として認可され今日に至るまでの流れを解説しているのは、メルマガ『週刊 Life is beautiful』の著者で世界的エンジニアとして知られる中島聡さん。さらに中島さんは記事中、同薬が飲食業に与えることが予想される影響について紹介しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:痩せ薬が社会に与える影響

プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

株価急騰、食品購買欲まで変える。「痩せ薬」が社会に与える大きな影響

この件は、少し前から書きたいと考えていましたが、なかなか頭の中がまとまらず、先送りになっていましたが、ようやく書く準備が出来ました。

米国では、肥満(obesity)が大きな社会問題になっています。FRAC(Food Research and Action Center)によると、米国においては、子供の18.5%、大人の39.6%が肥満状態にあるそうです(「Obesity in the U.S.」)。

原因はいくつかありますが、主なものとしては、

  • 不健康な食事:高カロリーで栄養価の低いファーストフードや加工食品
  • 運動不足:座りがちな仕事、自動車通勤
  • 意識の欠如:健康的な食生活や運動の重要性に関する知識不足
  • 経済的要因:安価で栄養価の低い食品

などが挙げられます。

肥満は、高血圧、心臓病、脳卒中、2型糖尿病の発症リスクを高めるだけでなく、体重が関節に過度な負担をかけるため、関節炎や骨の問題(特に膝や腰)が発生しやすくなります。肥満は全体的な生活の質を低下させるだけでなく、早期死亡のリスクも高めることが知られています。

そんな米国で、注目を集めているのが、元々は糖尿病の薬として開発された、GPL-1系の薬です。

GPL-1系の薬として最初に注目を集めたのは、デンマークの医薬品メーカー、Novo Nordiskが2017年に、2型糖尿病の治療薬としてFDAの認可を受けたOzempicです。

健康な人の場合、消化管の中に食べ物が入ってくると、炭水化物や糖分がブドウ糖として血液中に取り込まれると同時に(血糖値が上がる)、小腸からGLP-1と呼ばれるホルモンが分泌されます。すると、血液中のGLP-1を感知した膵臓がインスリンを分泌し、インスリンが(全身の)細胞による、血液中のブドウ糖の吸収(取り込んでエネルギー源としての利用)が促進されるため、結果として血糖値を下げる、という形でバランスが保たれます。

2型糖尿病は、先天性の1型糖尿病と異なり、高カロリー食、高脂肪食、運動不足などが原因で起こるインスリンの働きが鈍くなる生活習慣病で、血液中のブドウ糖が適切に処理されなくなった結果、血糖値が高くなり、様々な副作用を引き起こす深刻な病気です。

糖尿病の対処療法としては、インスリンの注射が行われていますが、血中の糖分を常時測定し、適切なタイミングでインスリンを投与する必要があり、一歩間違えれば、低血糖症を起こしてしまう、管理が難しいリスクの高い療法です。

この記事の著者・中島聡さんのメルマガ