中朝の暴走でにわかに注目。世界は「日韓関係」をどう見ているのか?

文在寅氏が政権を担っていた5年間で、国交正常化以降もっとも冷え込んでしまった日韓関係。そんな両国の関係性に今、世界の注目が集まっていることをご存知でしょうか。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤先生が、権威ある外交・国際政治の専門誌の電子版に掲載された日韓関係を考察する論文を紹介しつつ、その背景を解説。さらに今こそ日本が従軍慰安婦に関する正確な情報を発信するタイミングであり、適切なメッセージを出せれば世界の誤解を解くことができるとしています。

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米国外交専門誌の論ずる日韓関係

『フォーリン・アフェアーズ』(Foreign Affairs)は、アメリカの外交問題評議会(CFR)が発行する外交・国際政治の専門誌です。大きな権威があります。そのオンライン版に7月14日に日韓関係についての論文がでました。

日韓関係、世界的にはそれほど注目を浴びていませんでした。しかし、今は非常に注目されています。なぜなのでしょう?論文を抜粋、編集してご紹介しましょう。

日本、韓国、米国は安全保障上の脅威を共有している。その最たるものが北朝鮮である。北朝鮮は過去5年間で軍事力を大きく向上させた。最高指導者である金正恩のもと、北朝鮮はソウルへの脅威を意図した数十回の兵器実験を行い、日本の標的を攻撃可能な中距離弾道ミサイルを発射している。

 

そして、脅威にさらされているのは北朝鮮の近隣諸国だけではない。金正恩は、米国やその他の地域に到達する大陸間弾道ミサイルの発射実験を行っている。

 

同時に、中国は史上最大の軍事的近代化努力を加速させている。人民解放軍は、戦略ロケット部隊と宇宙・サイバー能力をアップグレードした。東シナ海や南シナ海で領土や海洋権益をめぐって係争中の日本やその他の国々に対して政治的・軍事的圧力をかけ、ヒマラヤでインドと国境戦争を起こし、台湾で軍事的緊張を高め、香港に残る自治権を実質的に打ち砕いてきた。

 

そしてロシアによる2月のウクライナ侵攻である。中国は欧米の制裁を発動させないよう、モスクワへの政治的支援を慎重に調整しているように見える。しかし、ロシアと中国の連携は、既存の国際秩序とそれを支える国際法、ルール、規範の枠組みを明らかに脅かすものである。岸田氏が繰り返し警告しているように、”今日のウクライナは明日の東アジア“になるかもしれない。

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違和感しかない。メディアから聞こえぬ安倍晋三氏「真の友」たちの声

9月27日に行われる方向で最終調整が進む、安倍元首相の国葬。事件以降、メディアには安倍氏の死を悼む各界著名人の声が溢れていますが、違和感を覚える方も少なくないようです。今回のメルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』では、第1次安倍内閣が瓦解に向かう様を描いた『官邸崩壊』の著者でもある上杉さんが、自身の取材メモに記されている「安倍氏の真の友」のリストを公開。さらに今現在繰り広げられている、リストに名のない人間たちによる安倍氏追悼の「マウント合戦」への不快感を綴っています。

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安倍元首相の「真の友」リスト

メディアでは連日、銃殺された安倍元首相への追悼のことばが飛び交っている。橋下徹さん、松本人志さん、三浦瑠麗さん、古市憲寿さん…。誰もが安倍元首相との深い交友関係を語り、哀しみを表明し続けている。

真の友とは真に苦しい時の友である。輝いている時、力を持っている時に擦り寄ってくるのは真の友ではない。10年以上もメディアから黙殺されている私からすると、そのあたりのことはとても敏感になる(笑)。

テレビやネットのニュースを眺めていて、違和感をぬぐえないのは安倍さんの真の友たちの声が聞こえてこないからだ。あの15年前、安倍首相のもっとも苦しかった時に支えた人たちは、いまけっして饒舌ではない。マウント合戦に加わらず、静かに弔っている。

2007年の夏、安倍首相退陣時、『官邸崩壊』の著者であった私のもとには多くの祝福と労いのことばが届いた。驚いたのはそれまで安倍首相の側近と思っていた人の何人かが手のひらを返して、私に甘言を弄してきたことだ。

もちろん、政治の世界に長くいた私からすれば、そのような「裏切り」や「変節」は少なくないし、珍しいことではなかった。だが、今回の暗殺後のニュースを見ていると、改めて人間の浅はかさと無情さが見えて、やるせない気持ちになる。

一方で、あの冬の時代にあっても、安倍さんを支持し続けたひともいる。そうしたひとには、意見は違うものの尊敬の念を持たざるを得ない。そして、そうした人々こそ、今回の安倍さんの死を心から悼んでいるのだと考えるようにしている。

当時の私の取材メモを繰ると、忠誠心SランクとAランクの人物として氏名が記されている(家族と秘書は除く)。

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スシロー、今度は『生ビール半額』品切れ続出で炎上。「開店直後なのにない」「着席して知らされる」杜撰な運営に批判殺到

先月9日、消費者庁から景品表示法違反で再発防止を命じられたばかりの回転寿司チェーン「スシロー」。今度は「生ビール何杯飲んでも半額」キャンペーンでの失態が明らかになった。品切れで注文できなかったとの報告が相次ぎ、運営会社が事実を認めて謝罪する事態となっている。

「生ビール半額」品切れ続出に募る不信感

回転ずし大手の「スシロー」が今月13日からスタートした「生ビール半額」キャンペーン。税込み528円の生ビールが何杯飲んでも半額になるということで、3連休には多くの客が殺到した。

のぼりやPOPなどでは堂々と「生ビール半額」とうたっている。これをお目当てに来店した客は多かったに違いない。

しかし、実際には注文する際にタッチパネルで「品切れ中」と表示されているのを見て、初めてその事実を知ることになる。せめて入口で生ビールが品切れであることがわかれば、日を改める客もいたはずだ。スシロー側の配慮が足りなかったことは否めない。

スシローの運営会社は全国の少なくとも17の店舗で品切れがあったと認めて謝罪したとTBSは伝えている。

「コロナ禍前の夏の生ビール需要実績を踏まえ、その2倍近くの量を準備したが、想定を上回る注文があった」と説明。今後は最善を尽くすとしたうえで、キャンペーンは今月28日の期間終了まで続けるという。

しかし、結果的に「ないものをある」として集客したことはおとり広告と言われても仕方がない。キャンペーン終了まで商品を欠品させないことがスシローの信頼回復の唯一の策となるだろう。

客が見放すのも時間の問題!?炎上が相次ぐスシロー

ここのところ、スシローを巡っては炎上騒ぎが多発している。

昨年9月から12月に期間限定で販売されていた「濃厚うに包み」や「冬の味覚!豪華かにづくし」などの3メニューでは、約600店舗のメニューの9割が提供できない期間があったにもかかわらず、同社はCMを続けていたとして批判が殺到。

また、今回騒動となっている「生ビール何杯飲んでも半額」もフライングで店外ののぼりや店内のPOPで告知したため客が勘違い。全額を支払されたとTwitterでは苦情が相次いだ。

スシローの運営会社はその都度謝罪や対応に追われているが、不安の種はつきない。というのも、現在行われている「スシロー100円祭」も似たような構図となっているからだ。

キャンペーンの告知サイトで、『「1日数量限定」商品の販売予定数はこちら』として紹介しているが、19日間の期間中、全国647店舗で供給される量として本当に適切なのだろうか。スシローの読みが問われることになりそうだ。

もちろん、数に限りがあることは仕方ない。問題は品切れになった際、きちんとした形で客にそのことを伝えられるかどうか。

CMを打ち続けたり、のぼりやPOPを継続していれば客が疑念を抱くこととなり、また炎上しかねない。全店舗で徹底できるかどうかが鍵となりそうだ。

尹錫悦、お前もか。結局韓国大統領は文在寅と同じ道を辿るのか

このままでは尹錫悦はやばいことになる─。就任から数ヶ月でそう思わせてしまうほど、韓国大統領の支持率が落ち込んでいます。今回のメルマガ『キムチパワー』では、韓国在住歴30年を超える日本人著者が、 その理由と今後の見解、対策を語っています。

尹錫悦の敵はユン・ソンニョルだ

このところ尹錫悦のやることがちょっとおかしい。自分の縁故を誰憚ることなく大統領室に採用したり、まるで文在寅政府をまた見ているような錯覚に陥るほどだ。このままでは尹錫悦はやばいことになる。文化日報にこれを警告するコラムが出ていた。以下がそれ。

そもそも世論は気まぐれだ。最近は世論調査の信頼性も墜落した。それでも世論調査は民心を読み取る便利で重要な尺度だ。尹錫悦大統領の国政遂行「肯定評価」が就任2か月ぶりに30%台に落ちたという調査が続く(連続して30%台だ)。

さらに注目されるのは、40%を上下する与党(国民の力党)支持率より低く出ている調査結果だ。もちろん世論調査は国政目的地ではなく当面の民心地形を示すため、一喜一憂したり左右される必要はない。世論の風向きに逆らわなければならない時もある。しかし、「念頭に置かない」という考えは間違っている。

尹大統領の支持度が「国民の力」より低いということは、保守性向国民の間で失望が大きくなったという意味だ。保守支持層は、「この5年間で崩れた法治の回復、断固たる自由民主主義守護措置を期待したが、あまり信頼できない」と背を向ける。

大統領室龍山移転と出勤途中の記者団との問答程度が目につくが、「ユンヘッカン(尹核幹=尹を慕う核心幹部たち)」のみっともない行動やキム・ゴンヒ女史の諸々の噂がそんなこともみな相殺してしまった。それでも尹大統領には不幸中の幸いだ。国政失敗ではなく、支持層の不満のため回復が可能だからだ。

初期の苦労は薬になることもある。世界の政治史を見ても、政権初期に困難を経験した偉大な指導者が多い。マーガレット・サッチャーは労働・財政改革を推進して支持率が18%まで下がった。フォークランド戦争がなかったら議院内閣制なので、すぐに追い出されたかもしれない。

なぜ、安倍元首相は銃殺されたのか。日本社会に蠢く抑圧された怒り

日本中を震撼させた安倍元首相を銃殺した事件。この衝撃的な事件と2008年に起きた「秋葉原通り魔事件」を重ね合わせるのは、メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』の著者で、健康社会学者の河合薫さん。河合さんは2つの事件の共通点は「抑圧された怒り」であるとし、現在の日本のあり方を改めて見直すべきだと語っています。

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日本社会に巣食う“抑圧された怒り“

安倍晋三元首相が銃撃され亡くなった事件から、2週間が経ちました。テレビメディアが決して取り上げない政治と宗教の関係、SNS上で飛び交うさまざまな情報やバッシングの数々・・・。私たちの社会に巣食う問題が、まるでパンドラの箱が開いたように次々と明らかになっているようで、なんとも言葉にしがたい薄気味悪さを感じずにはいられません。

日本中が衝撃を受け、恐怖に包まれている「今」だからこそ、メディアには主体的にメディアとしての役割を全うしてほしいと、心から願います。

一方で、今回の事件の第一報が入ったときに、咄嗟に私が思い出したこと。それは2008年の「秋葉原通り魔事件」です。

当時25歳で派遣社員だった男は、「誰でもいいから殺したかった」という自己中心的な犯行動機のもと、秋葉原の交差点にトラックで突っ込み3人をはね、持っていたダガーナイフで無差別に歩行者を切りつけました。

メディアは連日、男のSNSでの書き込みを取り上げ、「派遣社員」という身分にスポットを当てた。番組のMCやコメンテーターたちは、負け組、 社会的孤立、学歴といった男を象徴する属性に、「誰かに認められたい」という欲望が満たされずに犯行に至ったのではないか、という議論を展開。リーマンショックで派遣切りが社会問題化していたことも重なり、「氷河期世代のテロ」とも言われました。

今回の事件とは状況も違うし、犯行動機の背後にある問題も全く違います。しかし、どちらも共通しているのは、彼らが「社会からの排除」を余儀なくされた存在であり、彼らが「抑圧された怒り(inhibited anger)」を抱えていたことです。

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【関連】自民圧勝だった参院選。女性候補者の多さに感じる「違和感」のワケ

絶賛とはならなかった『天気の子』はなぜここまで意見が割れたのか

新海誠氏が監督・脚本を務めた前作『君の名は。』の大ヒットから3年後に公開された『天気の子』。ドイツのNetflixでは同作が視聴可能になったといいます。そこで今回は、メルマガ『Taku Yamaneのイェーデン・ターク』の著者で長くドイツに暮らすTaku Yamaneさんが同作について考察。賛否両論分かれる理由を分析しています。

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賛否両論の真実――『天気の子』考察

いつもご愛読ありがとうございます。さて、今回はついにドイツのNetflixで視聴可能となった、映画『天気の子』について考察したいと思います。

自分は3年前に飛行機内で見て「おもんな」と思った人間なんですが、その後も作品自体は気になっていて、いろんな所で話の話題にしていたんですよね。

で、今回2回目を視聴して「結構面白いじゃん」と思ったと共に、賛否別れた理由も分かった気がします。で、解説をしていきましょう。(ネタバレ注意)

■以下あらすじ

舞台は雨の降り止まない異常気象に見舞われる現代東京。16歳の離島育ちのホダカは家出をして東京に出てきます。そこで自在に晴れ間を作れる“晴れ女”ことヒナと出会います。同年代のヒナと晴れ間を作るバイトをする内に、ホダカはヒナに恋心を抱くように。しかし、ヒナは異常気象を収める人柱となる運命にあり、ついにホダカの前から消えてしまいます。世界の天気を優先するか、ヒナへの恋心を取るか悩んだホダカは最終的にヒナを選び、それ以降3年間東京は雨の止まない都市となります。

■賛否両論の理由

まず、完全なハッピーエンドとならない所でしょう。子供向けアニメであるにも関わらず、結局主人公が独善的な幸せを取ったことに対して賛否両論が出るのは当然でしょう。とはいえ、僕はこのエンディング自体は嫌いではありません。むしろ子供騙しにならなくて良いと思っています。

しかし、自分の幸せと他者の幸せが二律背反の構図になるという流れは良かったと思う一方、この他者に“世界”をもってきてしまったのが、アンバランスさを招いたような気がしてなりません。

ホダカの真っすぐというか、出会って間もない少女に恋をして、周りが全く見えずに突き進んでしまう姿というのは納得がいきます。

自分も若い頃を思い出してグッと来るものがありました。

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【関連】突然「家なき子状態」も。洒落にならないドイツの賃貸住宅事情

安倍氏と統一教会は「ズブズブ」だったのか?元信者が自ら明かす“実態”

安倍元首相銃撃犯がその犯行動機として挙げている、旧統一教会への強い恨み。事件以降、安倍氏を含む複数の国会議員と統一教会との関係や、同団体の「実態」がスキャンダラスに報じられていますが、その真相はいかなるものなのでしょうか。今回、「元信者」として旧統一教会の真実を記しているのは、金沢大学法学類教授の仲正昌樹さん。仲正さんは東京大学在学中に入信し1992年に脱会する11年の間に知り得た、嘘偽りのない旧統一教会の内実を白日の下に晒すとともに、真実に基づかない誹謗中傷を問題視しています。

プロフィール仲正昌樹なかまさまさき
金沢大学法学類教授。1963年広島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修了(学術博士)。専門は政治・法思想史、ドイツ思想史、ドイツ文学。著者に『今こそアーレントを読み直す』(講談社)『集中講義!日本の現代思想』(NHK出版)『カール・シュミット入門講義』(作品社)など。

統一教会問題を通して露わになる「反カルト」というカルトの問題

既に承知の人は多いと思うが、私は30年前に統一教会を脱会した。そのため、このたびの安倍首相殺害事件に関連して、いくつかのメディアで発言を求められた。統一教会に入信した経緯と辞めた経緯については、拙著『統一教会と私』(論創社)で詳しく述べたので、ここでは省略する。

統一教会に限らず、「脱会者」は、その組織での負の側面を(自分が直接経験していないことも含めて)誇張し、全否定するのが相場である。そうしないと、本当に“改心”したと認めてもらえないと不安になるからだ。私はそういう負の信仰告白のようなことが嫌なので、自分が経験したことをできるだけ正確に伝えるのを基本的スタンスにしている。そのせいでこれまでもしばしば、反トーイツを生きがいにしている連中から、「仲正はまだ洗脳が抜けてない(笑)」、などというような、根拠のない誹謗中傷を受けることがしばしばあった。

『羽鳥慎一モーニングショー』に出た時の、一部のツイッタラーたちの反応はかなり低レベルであった。「このしゃべり方はなんだ。洗脳解けてない(笑)」「この顔はまだ洗脳されている顔だ。俺には分かる」、などというのさえあった。この連中は、こういうのが統一教会批判になると思っているのだろうか。この反トーイツ・クラスターの連中の一連のツイートを見ると、どうも前日の放送で、自民党と統一教会の関係についてこれから詳しく伝えていく、と予告されたため、“アベとトーイツのおぞましい癒着の実体”が明らかにされていくと勝手に期待していたところ、元信者である私が、それと直接関係ない証言を中立的な感じて語り続けたので、八つ当たりしたくなったようだ。

この手の連中は、自分たちが思っているシナリオ通りに私が話さないと、すぐにヒステリックにわめき立てるので、何も言っても無駄だろうが、この際、多くの人が旧統一教会について抱いている誤解を解いておきたい。実体とかけ離れた“批判”は、ただの悪口である。

安倍氏と統一教会がズブズブの関係にあり、母親の入信のことで統一教会に恨みを抱いた容疑者が、安倍氏に怒りの矛先を向けたことをもって、安倍氏が統一教会とズブズブの関係にあるという人たちがいる。しかし、ズブズブとはどういうことなのか?

現実的にはあり得ない。日米の「台湾有事論」が根本的に誤っている理由

ロシアによるウクライナ侵攻以来、声高に主張される頻度が確実に増した台湾有事論。この先いつ起きたとしても不思議はないとするメディアも存在しますが、はたして緊張はそこまで高まっているのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、日本を代表する軍事専門誌に掲載された論考の内容を引きつつ、日米に流布する「台湾有事論」がいかに誤ったものであるかを解説。さらに論考の冷静な結論部分を紹介し、全面的な賛意を示しています。

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年7月18日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

間違いだらけの「台湾有事論」/『軍事研究』7月号の論文に注目

『軍事研究』という月刊誌は自衛隊寄り、軍事オタク寄りではあっても「右寄り」ではなく、それは同誌自身が「1966年の創刊以来いかなる政府・政治勢力、いかなる思想的立場からも中立」と謳っている通りで、軍事技術的な合理性を本旨としているが故に、時の政府の政策や安倍晋三的右翼の立場と矛盾したりそれを批判したりする場合も珍しくはない。同誌7月号に載った軍事ライターの文谷数重の論考『間違いだらけの台湾有事』もその一例で、「台湾有事は現実的にはあり得ない。日米の台湾有事論は誤っている。現状では、戦争事態が発生する危険性はむしろ少ない」と述べているが、これは私と同意見である。

彼は、21年3月に米上院の公聴会で米海軍大将が「中国による台湾回収は6年以内」と証言したことがきっかけで台湾有事論が一気に広まったが、この証言は取るに足らない内容で、まして「6年以内」と言うのはこの大将の「個人の勘」のようなものでまるで根拠がないと指摘。さらに「中国には侵略的傾向があるから台湾を侵略する」「日米同盟を強化し、防衛費を増やすべき」といった短絡した主張を繰り広げる「右派メディア、保守メディア」を、台湾有事の何たるかを知らずに騒いでいるだけとボロクソに批判するのである。

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【中島聡×けんすう】IT黎明期以来のワクワク感。世界は「Web3.0」でどこまで変わるのか?

「Windows95を設計した日本人」として知られる世界的エンジニアの中島聡さんと、アル株式会社代表取締役のけんすうさんの対談が、まぐまぐ!LIVEで配信されました。対談のテーマは『日米IT連続起業家が考えた「稼げるWEB3.0の最前線」』という今話題の興味深いモノ。今回のクロストークの模様を一部だけテキストにて特別に公開いたします。司会進行はフリーアナウンサーの内田まさみさんです。(この記事は音声でもお聞きいただけます。

※「まぐまぐ!Live」アプリでアーカイブ動画公開中。視聴方法は記事の最後で紹介しております。

<動画で対談のダイジェストを視聴>

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高校生が大人と対等になったIT黎明期

内田まさみ(以下、内田):本日は中島聡さん、けんすうさんの対談に、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。今回の配信ですが、開始20分までは、誰でもが楽しめる一般公開。そして全編をご視聴いただけるのは、中島聡さんが発行する有料メルマガ『週刊 Life is beautiful』の読者限定となります。ご登録いただいた初月は、購読料無料となります。配信終了後もアーカイブで配信を見られるので、ぜひこの機会にご登録ください。それでは、さっそく、本日の主役のお二方をご紹介しましょう。まずは、けんすうさんです。よろしくお願いします。

けんすう:こんにちは、よろしくお願いします。

内田:そして、中島聡さんです。

中島聡(以下、中島):よろしくお願いします。

内田:お二人を知らない方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれませんので、簡単にご紹介させていただきます。まず、中島聡さんからです。中島さんは、高校時代にアスキーで記事執筆やソフトウェアの開発に携わり、早稲田大学に入学されました。入学後はキャドソフト「CANDY」を開発し売却、そして卒業後はNTTに入社。その後、マイクロソフト日本法人を経て、アメリカの本社に移動。「Windows95」や「Internet Explorer」を開発。マイクロソフト退社後には、アメリカで起業した二社を売却。現在は、シアトル、ハワイ、日本を居住地とされながら、ドローン開発のベンチャー企業へ参画。最近では「Web3.0」を活用した「Nouns Art Festival」を主催するなど、最前線で活躍されています。

続いて、けんすうさんをご紹介します。浪人時代に大学受験情報の匿名掲示板「ミルクカフェ」を開設。早稲田大学在籍中には、掲示板サイト「したらば」運営会社の社長となり、事業をライブドアに売却。卒業後は、リクルートに入社。在職中にハウツーサイト「nanapi」を創業。リクルート退職後は、KDDIグループにジョインし、スーパーシップ株式会社取締役を経て、現在はクリエイターを支援するサービスを提供するアル株式会社代表取締役でいらっしゃいます。

お二人は初対面ですか?

中島:初対面です。

けんすう:もちろん、お名前は昔から存じ上げておりましたが。

内田:存在はお互いに知っていたということですね。今、私も、お二人のプロフィールを紹介しながら、似通ったところがあるんじゃないかなと。

けんすう:ちょっと似てますね。

内田:もちろん大学も一緒ということもあるんですけど、大学に入る前から、パソコンだったり、ITだったりに親しまれて、そこに未来を感じていたと思うんですが、中島さんはいかがですか?

中島:未来を感じたわけではないんですが、16~17歳くらいの頃からプログラミングが大好きになってしまったんです。

内田:けんすうさんもですか?

けんすう:僕も16~17歳ぐらいの時に、まさに「Windows95」が出始めたときに、インターネットに触れて。

内田:中島さんが作られた「Windows95」ですね。

けんすう:これは面白いなぁと思って、ホームページを作ったりしたところからハマりました。

内田:そこに色んな可能性を感じていたんですか。

けんすう:そうです。でも16歳くらいだったので、可能性を感じたからというより、高校生が発信した情報を大人が読むということが、それまで想像もできないことで、それができるようになったという感動で、ずっと遊んでいたような感じです。

内田:若い人が発信したものを大人が読む。

けんすう:そうです。高校生が何かを発信するには、インターネット以前だと本当に雑誌を作るとか、そういうレベルでしかできなかったと思うので、それが無くなったことに、すごく感動した覚えはありますね。

内田:中島さんも若い頃、アスキーとかで記事の執筆されてたんですか?

中島:そうです。南青山に事務所があって、そこに自分の原稿を持ち込んだんです。原稿と言ってもプログラムなんだけど。自分が書いたプログラムをパソコン雑誌に載せてもらおうと思って持って行ったら、可愛がってもらえて。

内田:形は違えど、若い人たちが発信するものを、ある意味、大人が受け取ることになったんですね。

中島:その時はまだ雑誌経由だったけど、高校生の自分が雑誌に記事を書けるのは嬉しいじゃないですか。

内田:自分で持ち込んだというのを聞いてビックリしました。

けんすう:やっぱりなんでも黎明期は、そうやって若い人だろうと、年齢差をあまり感じさせない仕組みになってたりするので、それが面白かったんです。

内田:もう一つ共通点と言えば、大学時代から起業されて、その後、それを売却したっていう流れも、似通っていますね。起業に至ったのは何かきっかけがあったんですか?

けんすう:2ちゃんねるを作ったひろゆきさんと、大学時代に仲良くしていて、彼がそのレンタル掲示板の仕組みを作ったんですけど、社長はやりたくないから、一番社長に似合わなそうなやつにやらせようぜってなって、僕が選ばれて、社長にさせられたっていうのが経緯ですね。

内田:一番似合わなそうな方…。

けんすう:それでやってた感じです。

内田:経営者の立場になられて、何か変わりましたか?

けんすう:何も変わらないです。当時もやっぱりインターネット上で知り合った人と、ほぼリモートで、そのレンタル掲示板をやっていました。レンタル掲示板は、あまり中央の管理が無いんです。今の「Web3.0」みたいに、それぞれの掲示板で勝手に管理者の掲示板を作って、彼らが運営をして、お客さんを連れてくるので、やることはあんまりなくて、秋葉原の(家賃)5万円ぐらいの場所にDELLのサーバーを置いて、それでやってるだけだったので、みんなあまり何もしてなかったです。

内田:そういうもんなんですね。

けんすう:そういうものなのかどうかはわからないですけど、僕がやっていた会社は、会社というほどではなく、マネジメントも含めてほぼ何もしないっていう感じでした。

インターネットの世界をリセットする「Web3.0」

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内田:これはでも中島さん、ウェブの世界で起業するのは、アイディアがしっかりしていれば、誰でも起業ができるっていうところが魅力のひとつなんですかね?

中島:それもあるけど、今「Web3.0」が注目されているのは、実は揺り戻しなんじゃないかなと思っています。というのは、インターネットの最初の頃は、自分でサーバーを立てて、ビジネスが本当にできちゃってたんです。でも、だんだんと寡占化が進んでしまい、もう今は結局、AmazonやGoogle、マイクロソフトがみんな取っちゃったわけじゃないですか。小さな人が、レンタルサーバーのビジネスをしても、今はビジネスにならないわけですよ。でも「Web3.0」になると、また一回全部リセットされるので、今、個人で面白いことができる時代がまた来たんです。

内田:大企業に集まってしまったものを、自分たちにもう一度取り戻せるという状況なんですか?

中島:そうですね。僕も会社を作って売却したんですけど、結構疲れるんです。会社を作って、お金を集めて、人を雇うと、すごい責任があるじゃないですか。僕は特に社長だったので、全責任が来るわけです。とにかく全員に給料を払うお金を毎日どこかから手に入れてこなきゃいけない。売上だろうと投資家だろうと、どこでもいいから手に入れてこなきゃいけない。それが止まったら会社がパタッと倒れるわけです。

それを僕は、あんまり面白いと思わないし、その時期は全然プログラムが書けなくて。やっぱり経営に集中しなきゃいけなくなる。二回やって、もうやりたくないなと思っているところに「Web3.0」がやってきた。少し前までは、大きなことをやろうとしたら会社を作らなきゃいけなかったのが、今、もう一回リセットがかかったんです。本当に秋葉原の5万円のところから「Web3.0」のサービスを出せるようになったんです。そこが僕はすごいことだと思う。

内田:そうすると、「Web3.0」では、色んな所から色んなアイディアが生まれてきて、より活性化する社会になるというイメージなんでしょうか?

けんすう:インターネット初期の雰囲気に近くて、その頃の人達は、やっぱり自分で色々何かできるよねと思ってやってたんです。この世代の人って、今はやっぱり「Web3.0」の流れを「すごい面白いよね」って言ってるんですけど、逆に10年ぐらい前から起業してる人はピンと来てなくて「これ何が面白いんですか?」とか「これ詐欺じゃないですか?」って言っている。やっぱりこの差が面白いですね。なので、僕的にインターネットの黎明期がもう一回来ているような感じがします。

内田:ワクワクするような感覚があるんですね。

けんすう:そうです。いかがわしいものも含めて、色々出ているのが面白いなと思ってます。

内田:それがまた、黎明期の特徴だったりもしますね。

けんすう:そうです。ほぼ詐欺じゃないかっていうのがたくさんあるので、すごい昔を思い出します。

中島:楽しいです(笑)。

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世界中がエネルギー不足に襲われるなか、中国がしのげている理由

ウクライナ紛争に起因するエネルギー不足に襲われ、その解消に右往左往する西側諸国。一方現在は欧州各国のように厳しい状況にはないという中国ですが、それは対ロ制裁に加わらなかったという理由のみではないようです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、著者で多くの中国関連書籍を執筆している拓殖大学教授の富坂聰さんが、世界に吹き荒れるエネルギー不足という逆風が当分収まらないであろうと判断する根拠を記すとともに、なぜ中国が今のところエネルギー不足を凌げているかについて解説しています。

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バイデンの中東訪問でも解決しない世界のエネルギー不足に経済減速が指摘される中国はどう備えるのか

予測されていたように中国経済の減速が明らかになった。

中国国家統計局が発表した今年第二四半期(4~6月期)の国内総生産(GDP)速報値が当初の予測より低かったことにメディアは敏感に反応した。

「中国4~6月期GDPは0.4%増 ゼロコロナで急減速」(『朝日新聞』2022年7月15日など、紙面には「減速」や「失速」の文字が躍った。

ただ一方で中国当局は「経済のファンダメンタルズはしっかりしていて長期的なトレンドは変わらない」と強気の姿勢を崩していない。問題は一過性で、戻るべき強い経済の流れは健在ということだろう。

この見立て自体は概ね当たっている。経済と感染対策を天秤にかけロックダウンを選んだのだから当然だ。また問題を指摘する一方で、それが全体のなかでどのように位置付けられるかには触れないので中国経済の先行きをミスリードしやすい。

不動産市況が悪化する度に「中国経済崩壊」と大騒ぎし、スリランカの一つの問題で「一帯一路」の失敗に結びつけようとすることなどが典型的だ。

せっかくなので少し触れておけば、ロックダウンが解除されれば中国経済は以前の強みを取り戻せるはずだ。だが問題もある。不動産もその一つだ。ただ不動産は過熱を抑える一方で経済の不動産依存体質を解消しようとしているのだから、悪いのは当然だ。焦点は悪化のペースをどう調整するのか、である。

最大の問題は個人消費だ。コロナ禍の影響もあり、人々が消費意欲を失い、貯蓄への関心が高まっている点は、V字回復を目指す当局の足を引っ張り、経済の見通しに暗い影を落としている。

加えてインフレだ。世界第二経済大国になった中国だが、李克強総理が「6億人がいまだに月収1,000元(約2万円)」と漏らした一面もある。食料品やエネルギー価格の高騰は社会の不満を一気に高める爆弾になる。

奇しくもインフレ問題は中国だけでなく世界が直面する悩みでもある。

周知のようにエネルギー価格の上昇やインフレの問題は、コロナ禍の余波であり、ロシアがウクライナに侵攻するずっと前から起きていた。

より細かく言えば、その原因はコロナ禍が一休みした段階で起きた急激な需要の回復であり、供給過少に陥ったことが大きい。ただそれ以前から世界的なコンテナ不足やチップ不足による生産の停滞は多くのメーカーを悩ませていた。

また一部の港湾では、荷下ろしが滞り、消費者になかなかモノが届かないという問題も起きていた。加えてアメリカが発動したさまざまな制裁によるブーメラン効果──対中制裁関税はほぼアメリカの消費者が負担したと地元メディアが伝えている──としてのインフレも挙げられるのだ。

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