夫にするなら仕事を持ってる母親に育てられた男性を選ぶべき理由

結婚後も仕事を続ける女性が増えている中、ダンナさんの家事への協力や仕事への理解は重要なポイントのひとつであることは間違いありません。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、彼ママに焦点をあてた「男性の共働きダンナとしての適正」の見極め方を紹介しています。

彼ママはどんな人?

さて、本日は結婚する前のお話

いや、私の結婚じゃないですよ。一般論ね。

周囲に結婚したいとか結婚しようとしている女性はいらっしゃいますか?いや、ひょっとしたらご本人かも(*^ー゚)

今日び、結婚するとなると

  • 家事能力の高さ

は必須のチェック項目ですよね。専業主婦より共働きがフツーですし時間的に考えてとてもじゃないけど、ひとりで家事を切り回せないですからね。

ま、なんとなく女性の方が男性より家事ができる前提になっているので、女性には無言で家事能力高いはずだよねプレッシャーがあるんですよね。でも、今回のテーマはソコじゃない。男性の方です。

結婚するとなると、いろいろ考えますよね。私はたいして考えなかった気がするけど( ̄∇ ̄)

結婚する場合に、男性の

  • 母親が仕事を持っていたかどうか

は決定的に重要だろうなとは思います。やっぱり親って初めて目にするオトナですからね。その親がやることや言うことってマネするし、信じちゃいますよね。とりわけ異性の親は

  • 異性ってこういうモン

という鋳型を作ってしまうんだと思うんですよ。それはもう、良くも悪くも。何かを判断するとき、無意識に自分の経験を基準にしてしまうからなんでしょう。

つまり、男性にとって、母親が仕事を持って社会で働いていた場合

  • 女性はこういう仕事を持って社会で働くモン

だと無意識に思い込んでいるということです。

もっとも、成長するに従って、子供の世界は広くなり、新しい知識も増えていくので、自分の経験した「そういうモン」ばかりじゃないことに気がつきますよね。で、知識や判断基準が書き換えられていくのが健全な成長なんだと思います。その意味では、母親が仕事を持っていたかどうかはひとつの要素に過ぎないとは思いますが。

ちなみにコレは、

  • 男性の母親自身がお嫁ちゃんを見るとき

にも当てはまると思います。つまり、この母親が仕事を持って働いていた場合、

  • お嫁ちゃんの仕事にも理解がある

んです。自分が働いてきたので、ずっと家にいないで外で働くのが大前提になっているんですよね。共働きがスタンダードになった今この前提に立っていてくれるのは、大きいですよね。

家事を分担する場合にも

  • 定時に仕事が終わることの方が珍しい
  • 月ごとに仕事量にムラがある
  • 会議は長引くことが多い
  • 人間関係はいろいろメンドー
  • 期限前にはキツくなる

という、仕事をしていればごく普通に想像できるようなことをサクッと分かってもらえますから。

ちょっとヨコに逸れるけど、ここで難しいのは

  • 彼ママが自営業者の場合

ですね。特に夫が自営業者でこれを自然に手伝うようになったパターン。たしかに働いているので、この点では問題ないんです。

世代にも依るんでしょうが、自営業者って結構セカイが狭いんですよね、意外なことに。中小零細企業の場合、従業員は夫婦とその子供みたいなのが大多数です。これだと、血縁関係が仕事関係にスライドしていて、より濃厚になるだけなんです。

彼ママが勤労経験者の方がいいよというのは、働くことで必然的に血縁者以外の人と接触せざるを得ず、その中には

  • 面倒な人も
  • 苦手な人も
  • 自分の意見を無視する人も
  • やり方の違う人も

いるために、対人関係のスキルが上がるからです。

ところが、血縁者オンリー中小企業はこれがほとんどないんですよ。その意味で会社員でやってきた人よりスキルが上がっていないと思うんです。

ただ、まあ、結局のところ、男性にせよ彼のお母さんにせよ

  • 自分の経験を肯定しているだけ

と言えなくもないんですが( ̄∇ ̄)。ま、それを言っちゃうとミもフタもない…。しかも、彼ママが専業主婦だったとしてもまさかそれを理由に結婚を辞めようとは思わないでしょうから確認してどうするという話もあるんですが…。
彼がどんな共働きダンナになるかは彼ママを見れば推測できるよというお話でした。

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【書評】9のつく年は中国に厄災が起きる。果たして2019年は何が

中国には「末尾に9のつく年には必ず乱や厄災が起きる」というジンクスがあることをご存知でしょうか。無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』の編集長の柴田忠男さんは、そのジンクス「逢九必乱」が当てはまる今年、中国に起こり得る厄災を並べた一冊をレビューしています。

偏屈BOOK案内:福島香織『習近平の敗北 紅い帝国・中国の危機』 

71TVMBAdnBL習近平の敗北 紅い帝国・中国の危機
福島香織 著/ワニブックス

末尾に9のつく年は必ず乱や厄災が起きるという、中国のジンクス「逢九必乱」がある。1919年は抗日デモと暴徒化の五四運動、1949年は中華人民共和国の建国、1959年はチベット動乱のピーク、1969年は珍宝島事件で中ソ国境戦争、1979年は中越戦争、1989年は天安門事件、1999年は法輪功弾圧、2009年はウイグル騒乱、そして2019年には何が起きるのか。起こり得る厄災を挙げてみると。

  1. 不動産、債務バブルが崩壊する
  2. 習近平に対するクーデター
  3. 習近平の暗殺
  4. 人民の反乱
  5. 民族や宗教による分裂
  6. 戦争をしかける
  7. 環境汚染やエネルギー問題、たとえば原発事故
  8. 食糧問題、少子高齢化により国力が急激に衰退
  9. 最大の不確定要素であり、中国にとって最大の厄災であるトランプ政権、米中貿易戦争は既に勃発、冷戦から熱戦へ転じる

2019年初頭時点で筆者は「習近平の敗北」の色は濃厚と見る。あと3か月、何が起きるかわからない。原発事故はいつか中国で起きる。IAEAの統計によれば、2020年までに世界で新たに建設される原発はおよそ130基、2030年までには300基と見込まれ、おそらくその多くは中国製になる。中国が作る原発は本当に安全なのか。世界的に原発産業が限界を感じている中で、なぜ中国だけが。

一番コストのかかる安全を切り捨てているからだと著者は考える。今後10年もたたないうちに、中国では100基以上の原発が稼働する予定だ。運転技術者の養成は間に合うのだろうか。着工したばかりのビルや橋がしばしば崩落し、食品工場などで従業員の悪意の毒物混入などテロ行為が起きる中国で、なぜ原発だけが完璧に製造され安全に運転されるはずだと思えるのだろうか

実際、中国では小さな原発事故は頻発している。もちろん報道はされない。中国で何かものすごい事故が起きるとすれば、原発事故ではないかと著者は思っている。旧ソ連の崩壊は様々な要因があるが、レベル7と言われたチェルノブイリ原発事故が一つのきっかけであったといわれている。事故対応の劣悪さが国家システムの限界を見せつけ、1991年の8月クーデターにつながったのだ。

中国は食糧危機に直面している。1959~1961の大飢饉の餓死者数は3,800万人といわれる。中国では深刻な水質汚染、土壌汚染によって農地が急激に減っている。農村の都市化で農地が潰され、農家が減った。2008年から食糧輸入国になったが、相当に危機的な状態で、ヘタをすれば社会動乱の引き金になり、体制を一撃で潰しかねない要因になる。アメリカからの輸入が止まれば亡国である。

日本は中国に対して喧嘩腰の外交ができない。過去の戦争の歴史と絡んでいるのだとすれば、それこそ中国の思う壺なので、歴史と政治はきっぱり切り離さないと中国とはまともな外交など出来ないと宣言すべきである。経済力で実力3位の日本は、このままアメリカの忠実な補佐官という立ち位置を維持していくべきだろうか。著者は、当面はいまの役目を全うすればよいと思っている。

中国は2021年に中国共産党建党100年、2049年を中国建国100年として到達目標を掲げる。2049年は中国がアメリカを凌駕して世界秩序を支配するという、野望の実現の年らしい。今後30年間に日本は、自分の国を自分で守り切るだけの国防力を備えておくべきである。今の日本人が享受している泰平は奇跡以外の何物でもない。中国で動乱は必ず起きる。あと3か月のうちかも?

編集長 柴田忠男

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3億6000万円窃盗で指名手配の警備会社元社員を東京・渋谷で確保

埼玉県三郷市の警備会社で9月4日に現金3億6千万円が盗まれた事件で、埼玉県警が窃盗容疑で全国指名手配していた男の身柄が27日、東京都内で確保されたと、産経新聞日テレNEWS24NHKニュースなどが速報で伝えた。男は盗んだカネを所有しておらず、1人で行動していたという。警察は容疑が固まったとして男を逮捕し、身柄を埼玉県警に送った。



産経新聞によると、男は元社員の伊東拓輝容疑者(28)。伊東容疑者は4日を最後に2日続けて無断欠勤し、連絡が取れなくなったという。警備会社の関係者が社内に設置したカメラの映像を確認したところ、金庫室から現金を複数の段ボール箱に詰めて持ち出す姿が写っていたとしている。

伊東容疑者は同日、渋谷に1人でいるところを警察に身柄を確保されたが、盗んだ金は所持していなかったという。NHKニュースによると、伊東容疑者は9月5日東京・中央区のホテルのロビーや近くの路上を歩く姿が防犯カメラに写っており、それを最後に足取りがわからなくなったとした。(随時更新)

Twitterの反応






※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

source: 産経新聞日テレNEWS24

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日本と韓国、サウジとイラン。根深い隣国対立のよく似た構図

海外のメディアのニュースを、日本のマスコミではあまり報じられない切り口で本当はどういう意味で報じられているのか解説する、無料メルマガ『山久瀬洋二 えいごism』。今回は、サウジアラビアとイランの確執について、極東の日韓問題と比較しながら、その歴史的構図の類似点とともに解説されています。

サウジとイランの対立と日韓関係といえば?

【ニュース解説】

イエメンのフーシ派と呼ばれる組織が発射したドローンがサウジアラビアの石油施設を攻撃したことから、中東の緊張がにわかに高まりました。
ここで注意したいことは、フーシ派という名前はあくまでも西欧世界がテロ組織であると認定し蔑称として使用していることです。彼らの正式名称はアンサールアラー Ansar Allah」といいます。
イランが、このフーシ派と呼ばれる組織を支援していたということから、サウジアラビア、さらにイランと対立するアメリカがイラン政府を強く非難します。

そもそも、なぜイランとサウジアラビアとはこれほどまでにお互いを嫌うのでしょうか。
教科書的にいえば、サウジアラビアにはイスラム教スンナ派の人々が多く、イランはスンナ派と宗旨を巡って対立するシーア派の国家であるからだとよくいわれます。
そしてフーシ派ことアンサールアラーはシーア派の反政府組織で、そこにイランと彼らとの繋がりがあるというのが表面上の解説です。今回紹介する BBC のヘッドラインもそう解説しています。
しかし、本当にそれだけなのでしょうか。BBCの解説よりさらに根の深いものはないのでしょうか。

ここで、歴史にスポットをあててみます。
その昔、イランは伝統的に帝政ロシアの南下政策の脅威にさらされていました。
イランの西にあって、ロシアのライバルであったオスマントルコは中東一帯を支配する帝国だったため、ロシアの南への出口として、ロシア帝国は常にイランへの利権の確保を画策していたのです。
そんなイランに油田が見つかり、イランはロシアのみならず西欧列強全ての注目するところとなりました。
20世紀になって、オスマントルコが衰微すると、その支配地に独立運動が起こります。
この独立運動を画策しながら、中東での権益の拡大を模索したのは他でもないイギリスでした。あの有名なアラビアのロレンスなどの活動でサウジアラビアは分断と併合を繰り返し、現在の王国となったのです。

しかしイランの状況は、オスマントルコが衰退しても変わりませんでした。彼らは、ロシアへの対応を模索しつつ、中東に勢力を伸ばしてきたイギリスの進出にも晒されます。
そして第一次世界大戦の最中にロシアで革命がおこり、社会主義国となりソ連と国名を変えた旧ロシアは、イランに維持していた権益を放棄し、イランはそのままイギリスを中心とした西欧の傘下にはいることになったのです。
戦後の冷戦の影響で、ソ連の隣国であるイランはアメリカとイギリスにとって欠くことのできない戦略拠点となります。
当然油田の権益もイギリス、そしてアメリカに受け継がれ、彼らが支援する新しい王朝のもとで、イランは近代化を進めようともがいたのです。
しかし、こうしたイランにアメリカやイギリスの利権を排除しようというスローガンをもとに民族運動がおこります。
ハーレビ王朝が革命で倒され、イスラム教の原理によって国を統治する反米政権が誕生したのは1978年のことでした。
イランに莫大な投資をしていたアメリカは、この革命に強く反発します。

さて、サウジアラビアは、イスラム教の聖地メッカを抱えるイスラム教徒にとってはきわめて大切な地域を支配しています。 しかも周辺はといえば、戦前はイギリス、戦後はアメリカを中心とした西側諸国と、それに対抗するソ連に支援されるアラブ社会とのはざまで常に政変が絶えません。 それだけに、サウジアラビアの中には過激派から穏健派まで、様々な人々が交錯し、さらに隣国での政変や戦争のたびに政権維持への危機感にさらされます。
サウジの王室はそうした足元の危機を回避するために、湾岸戦争以来アメリカ軍の駐留を許すことで、政権の安定をはかったのです。
こうした歴史的政治的背景の違いがこの二つの隣国の対立の原点なのです。

隣国同士が敵対するという図式は、決してサウジアラビアとイランに限ったことではありません。
イランの東隣のパキスタンは、インドと袂を分かって独立して以来、インドとの緊張関係が現在まで続き、いまだにこの二つの国の間には、民間航空すら就航していないのです。
インドを統治していたイギリスは、インドでの独立運動を抑えるために、インド国内のイスラム勢力とヒンズー教徒との対立を巧みに利用したといわれています。
こうして深まった亀裂がインドとパキスタンとの分断を生み出しました。

ところで、もし今海外にライターがいて、ここで分析したことと同じ視点に立って、日本と韓国との対立を描こうとしたらどうするでしょうか。
その人はきっとこのように書くでしょう。

オスマントルコによって南下政策を阻まれたロシア帝国は19世紀の末には極東に目をつけた。そして衰退している清帝国とその影響を強く受けていた朝鮮の李王朝に向け南下政策の矛先を定める。
中国への権益を維持していたイギリス、さらに積極的に中国に進出を目論んでいたアメリカはロシアの南下政策を恐れる日本に接近。イギリスの後押しで日本はロシアと開戦。
アメリカの仲裁もあって、日露戦争は日本に有利な条件で終結。やがて朝鮮半島は日本が支配することになった。
アメリカは、日本が朝鮮半島を支配することを前提に、スペインとの戦争で奪い取ったフィリピンの支配を日本が承認することを密約。
その後、ロシアには革命がおこる。そして新生ソ連は中国や朝鮮半島への南下政策を正式に断念。
そのことで、日本が本格的に中国に進出できるようになるとイギリスやアメリカはそれが新たな脅威に
やがて、その対立が太平洋戦争に発展し、戦後朝鮮半島は南北に分断。冷戦の中でアメリカは韓国を重要な戦略拠点と位置付けた。
そんな韓国に民主化の動きが高まり、独裁政権が崩壊。
しかし、北朝鮮との緊張関係が続く中、韓国にはイランのような反米政権は生まれず、いまだにアメリカ軍が駐留。
これは日本も同様。ただ、民主化した韓国の人々は、過去の歴史的経緯から、西欧列強に変わって朝鮮半島を自国の安全のために支配した日本に対して強い敵愾心を抱き続ける

こうライターが書いたとして、私が先に解説したイランとサウジアラビアとの対立の図式と比較したとき、最後の部分、つまり韓国も日本もアメリカ軍に依存している状況を除けば、様々な類似点が発見できるはずです。

隣国はよく対立するものです。そしてその対立の背景は、民族同士、宗教上の分断だけが原因ではないことが、これでおわかりになるかと思います。
我々は、西は中東やアフリカ、東は朝鮮半島まで、いまだに19世紀から20世紀にかけての西欧、そして最終的にそれに追随した日本を含めた当時の強国の利権争いの後遺症から抜けられずにいるのです。

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呆れた無罪判決。東電の旧経営陣に刑事責任を科すべき明白な証拠

福島第一原発事故の刑事責任を問われていた東京電力の旧経営陣3名に対する「無罪判決」に、非難の声が上がっています。彼らが無罪であるのなら、その責任は誰にあるというのでしょうか。元全国紙社会部記者の新 恭さんは自身のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』で、彼ら3名に刑事責任を科すべき理由を記すとともに、今回の判決の下地になっているとも言える、「ある法曹界の固定観念」が司法への不信感を招いていると厳しく批判しています。

東電の旧経営陣に刑事責任を科すべきこれだけの理由

原発事故の刑事責任を問われた東京電力の元経営者3人が東京地裁で無罪になった。業務上過失致死傷罪は適用できないとする判断だ。

JR福知山線事故で、JR西日本の歴代社長3人が同じように無罪とされたときもそうだが、日本の司法は巨大企業が起こした歴史的な大規模事故について、あきれるほど経営者に寛大である。

そのくせ、零細業者が起こしたものは、たやすく経営者の罪を成立させてしまうのだから、たいそうな差別だ。

判決文にはこうある。「当時の社会通念の反映であるはずの法令上の規制等の在り方は、絶対的安全性の確保までを前提としてはいなかったとみざるを得ない」。

「絶対的安全性」は求められていなかったというのだ。およそこの世の中に「絶対」はありえないとはいえ、絶対的安全性を確保するという前提がなければ、核の暴走で国を滅ぼしうるような装置を動かすべきではないのではないか。

一時は原子力委員会の委員長が「首都圏を含む住民避難が必要になる」と心配したほどの原発事故が現実に起きたのである。核エネルギー装置を動かす会社の経営者には、甚大な事故が起きれば自ら法の裁きを受ける覚悟が必要ではないか。大きな責任があるからこそしこたま報酬を受け取っているのだ。

被告は勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の旧経営陣3人。判決は、彼らに「人の死傷について予見可能性があったと認められない」とした。

予見できる可能性がなかった。ほんとうにそうだろうか。37回におよぶ公判で浮かび上がってきたのは、そんなことではなく、旧経営陣の安全確保に対する消極的な姿勢だった。

予見可能性があったかどうかを判断するポイントは、阪神・淡路大震災をきっかけに文科省に設置された地震調査研究推進本部・長期評価部会が2002年に公表した「長期評価をどう見るかだ。その内容をごくごく簡単にまとめるとこうなる。

「三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域のどこでも、マグニチュード8.2前後
の地震が発生する可能性があり、その確率が今後30年以内に20%程度」

同部会の部会長だった島崎邦彦氏(東京大学地震研究所教授)によると、地震波解析、GPS、古文書、地質、地形など、異なる分野から出された意見をもとに「最も起きやすそうな地震を評価してきた」という。

地震の短期予測はまず不可能かもしれないが、長期予想は侮れない。日本列島は、海側のフィリピン海プレート、太平洋プレート、大陸側のユーラシアプレート、北米プレート、これら4つのプレートが押し合い、隆起して形成された。プレート境界ではつねに地震エネルギーがたまり、やがて限界に達して、プレート境界型地震が一定期間を経て繰り返し起きてきたことが古文書や地層などから推定される。

マグニチュード8.2前後の地震が今後30年以内に20%程度の確率で起こるという専門家会議の報告は、原発をかかえる会社として、決して無視できる内容ではない。これまで大丈夫だったから大丈夫と思いたいのが心理的な自己防衛反応だろうが、しかるべき機関に不穏な材料を突きつけられると「もし起きたら」と不安も膨らむに違いない。

担当者なら、なおさらだ。東電の津波対策を担当するセンター長だった元幹部は、2008年2月、勝俣元会長や武藤元副社長らが出席する“御前会議”で、津波の想定の引き上げで新たな対策が必要になると報告し、異論なく了承されたという(元幹部の供述調書より)。

津波担当部門が「長期評価」をもとに計算したところ最大15.7メートルの津波が福島の原発を襲う可能性があるという結果が出ていたのである。

こんな大津波に見舞われたらどんなことになるかは明らかだった。平成16年にのスマトラ沖地震大津波のあと国が設けた勉強会で作成された資料には、福島第一原発が敷地より1メートル高い津波に襲われ、浸水し続けた場合、電源を失う可能性があるという検討結果が示されていた。それよりはるかに高い津波が想定されるというのである。

総務省ブチギレでSIMロック解除も、止まぬ大手キャリアの恨み節

これまで大手キャリアの猛反発により見送られ続けてきたSIMロックの即時解除ですが、20日に開かれた総務省の有識者会議で「解除の即義務化」の方針が示されたことにより、ついに実現する日が近づいてきたようです。ここに至るまで10年以上の時間を要し「今さら感」も拭えぬ一連の流れを、識者はどう見ているのでしょうか。ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんが自身のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』で、「現実的な落とし所」等と併せて論じています。

高市総務相「SIMロック解除は早急な検討が必要」――12年続く不毛な議論は早急に終わらせ、通信の未来を描く会議にすべき

9月20日、iPhone11が発売され、NTTドコモが5Gプレサービスをローンチする中、総務省ではモバイル市場の競争環境に関する研究会(第18回)が開催された。テーマはSIMロック解除。冒頭、高市早苗総務相が「SIMロック解除は早急な検討が必要」と挨拶。総務省の有識者会議は10年間、何の進歩もせず、同じSIMロック解除の議論を続けている惨状に頭が痛くなってきた。

このタイミングでSIMロック解除が議論されているのは、当然のことながら、ソフトバンク「半額サポート+」ならびにKDDI「アップグレードプログラムDX」が、他社ユーザーが購入できるにも関わらず、100日間SIMロックがかかっていることに由来する。

キャリアがSIMロックをかけたがるのは、契約後、不払いで持ち逃げされるリスクを避けたいというのがひとつの理由だ。KDDIは「過去の支払いに問題がない人でも未払いのリスクは存在する」といい、ソフトバンクも「SIMロックのある端末ですら、A社の人気機種では数年前ににかなりの額の盗難被害が出た。許容できるリスクではない」とした。もちろん、これはアップル・iPhoneのことだろう。過去には、キャリアショップが強盗に襲われ大量のiPhoneが盗まれた事件が何度もあったほどだ。

一方、「SIMロックなど不要だ。我々がその根拠を数字で証明してみせる」と息巻いたのが楽天だ。楽天は「4年以上にわたり、SIMロックフリーで販売してきたが、不払い対策についても与信や債権管理で対応きる。SIMロックでの対策は不要だ」と言い切った。また、盗難も店舗のセキュリティを強化すれば回避できるとした。

ただ、楽天の主張には説得力が欠ける。なぜなら、楽天は新品のiPhoneを扱ったことがない。楽天のラインナップには、そもそも不払いや盗難をしてまでも持ち逃げし転売したいと思えるスマホは皆無ではないか。iPhoneは、グローバルで流通するほどの商品力が高く、いまだになぜか、発売日には外国の転売目的の人たちが行列するほどの人気だ。

キャリアショップでSIMフリーのiPhoneを在庫しておけば、盗難のリスクはかなり高まるのではないか。そうした不正契約や盗難のリスクを考えると、最低限のSIMロックは必要なのかも知れない

アメリカ・ベライゾンでは購入後、60日間が経過したら自動的にSIMロックが解除される仕組みが取り入れられている。今回の有識者会議では、「盗難のリクスを回避するというキャリアの都合にも関わらずSIMロック解除をする際に手数料を請求するのはおかしい」という指摘があった。60日もしくは100日経過後に自動でSIMロック解除しかも無料というのが現実的な落とし所ではないか。100日から60日に短縮し、自動に外れるのであれば、拘束性も弱まるし、有識者や総務省のメンツも保てる。

いい加減、SIMロックの議論はこのあたりで終止符を打ち、もっと建設的で、明るい未来の通信市場を描く有識者会議にすべきだ。

弾劾調査すらアメリカ大統領選の追い風にするトランプの狡猾さ

トランプ大統領がウクライナ大統領に対し、大統領選挙の民主党候補ジョー・バイデン氏の調査を要請していたことが内部告発で明らかになった問題で、ついに弾劾調査が開始されました。ジャーナリストの内田誠さんは自身のメルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』で、新聞各紙の報道内容を詳細に分析・検証しています。

トランプ氏の弾劾調査開始を新聞各紙はどう伝えたか

ラインナップ

◆1面トップの見出しから……。

《朝日》…「表現の不自由展「再開目指す」」
《読売》…「日米貿易 最終合意に署名」
《毎日》…「NHK報道巡り異例「注意」」
《東京》…「銀座の高級すし店は還元」

◆解説面の見出しから……。

《朝日》…「不自由展 再開に難題」
《読売》…「トランプ流 圧力外交」
《毎日》…「NHKの自律揺るがす」
《東京》…「米イラン非難合戦 安倍首相苦慮」

プロフィール

あいちトリエンナーレの問題が動いていますが、あまり新鮮な論点を導けそうにないので、きょうは「トランプ氏」に注目します。 題して「トランプという人ときたら…」。

■弾劾は望むところ?■《朝日》
■自国第一主義■《読売》
■すべては大統領選のために■《毎日》
■内部告発者の議会証言がヤマ■《東京》

弾劾は望むところ?

【朝日】は3面の大きな記事で弾劾調査が始まることについて伝えている。 見出しは「トランプ氏の弾劾 調査開始」「民主 攻め手欠き、方針転換」「トランプ氏 中間層の民主離れ期待」「ホワイトハウス 通話記録を公開」とある。

2016年の大統領選挙でロシアがトランプ氏に肩入れした疑惑が持ち上がった時、ペロシ氏は「国を分断してまで弾劾するほどの価値はトランプ氏にはない」と言って弾劾に進まなかった。 そもそも上院では共和党が過半数を握っているので、弾劾でトランプ氏を退場させることは困難で、また、民主党内には弾劾より選挙に集中すべきとの考えがあったからだという。

今回のウクライナ疑惑は、トランプ氏の関与が明白で悪質。 弾劾を求める声も大きく、ペロシ氏もかじを切ったことになる。

表向き、弾劾の動きに激しく噛みついたトランプ氏は、しかし、実際は弾劾を歓迎しているふしがあるという。 驚いた。 スキャンダルや差別的な政策・発言にもかかわらず、支持率は40%代前半で安定しているため、弾劾されても支持は落ちないとみている上に、政局を優先するかに見える民主党から中間層が離れることを期待できるからだという。 しかも、弾劾の手続きが終われば、バイデン氏の疑惑だけが残る可能性もあるという。

しかし不思議なことがあるものだ。 分断を徹底すれば、あらゆる非難は「敵陣営からの攻撃」と見做され、自陣に影響を及ぼさないということのようだ。

自国第一主義

【読売】は3面の解説記事「スキャナー」と社説でトランプ氏を取り上げている。 「スキャナー」は「トランプ流 圧力外交」を分析したもので、ここでは社説の方に注目する。 タイトルは「国際協調の衰退」「トランプ流の拡散を懸念する」。

社説子は「未来はグローバリスト(国際主義者)のものではない。 愛国者のものだ」と国連で演説したトランプ氏に噛みついている。 各国指導者が国益を最優先するのは当然だが、テロや気候変動、貧困など、国境を越えた課題は一国だけでは解決できない、とする。 もし自国の利益のみを追求すれば、紛争が広がり、経済的利益も阻害されるのだと。

トランプ氏は「国際的な枠組みよりも、各国の主権や独立性が重視されるべきだ」というが、それは「中国やロシアが、国際社会の干渉を拒むのと同じ理屈」だと非難する社説子は、そうした「トランプ流」が拡散し、ハンガリー、トルコ、ブラジルなどで支持を集めている現状を憂えている。

国連で安倍首相は「多国間主義の枠組みとグローバリズムを、格差を減らすためにこそ用いる」と強調し、G20の議長国を務め、アフリカ開発会議で投資や貿易の活性化を提起したが、社説子は「自国第一主義の行き過ぎを戒めるメッセージとしては物足りない」と珍しく安倍氏を批判している。

まあ、もっとグローバリズムを強調せよということなのだろうが、日米貿易交渉が妥結した直後の社説ならば、TPPから勝手に抜けながら2国間交渉を求めてきた米国にさしたる抵抗もせず、自動車関税撤廃の口約束を得ただけで米国産農産物にTPP水準かそれ以上の優遇を与えてしまった安倍首相に対して、「物足りない」などという中途半端な批判ではなく、国益を毀損した可能性を指摘して指弾する社説としなければ、メディアの役割を果たしたとは言えまい。

重度障がい者3人の「訪問講義」を取材。学びの意欲に応えるには?

文科省の取り組み「学校卒業後における障害者の学びの支援に関する実践研究事業」で、採択団体の一員として活動しているジャーナリストの引地達也さんが、3人の重度障がい者の訪問講義を取材し、自身のメルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』で紹介しています。引地さんは、重度障がい者の学びの意欲をどう充足できるのか、また、学びの機会があることを知らずにいる障がい者に情報を届ける方法について模索しています。

重度障がい者の「学びたい」の声にどう応えていくか

重度障がい者向けの学びの機会を作るために何が必要か─。昨年から調査と実践を繰り返しているシャローム大学校の「訪問講義」は、今年は文部科学省の委託研究の枠組みの中で、これまで実践に取り組んできた東京都小平市のNPO法人、地域ケアさぽーと研究所と共同研究として講義を実施している。

この数日、同研究所から訪問する元特別支援学校教員らの授業を受けていた学生らを訪問し、その様子を見たり、私が実際に授業をしたり、現在の学びに対する思いをインタビューし、それぞれの学生の学びへの期待と希望に接した。

その言葉に、学びの可能性を実感しながら、現在の学びの展開や拡充、そして、まだ「学びの場を知らない人」への普及をどのようにしたらよいのか、ますます具体的に動かなければならない、と思案している。

東京都小平市の国立精神・神経医療研究センター病院(小平市)の男性は、東京五輪の聖火ランナーになりたい強い希望があり、選考結果を心待ちにしていた。

世界に関する勉強が好きで、希望する学習をたずねると、唇の動きが不自由だが、のどからの声をゆっくりと発出し「オリンピックの歴史、それから社会の地図、地理、世界とか日本とか全部、あとは宇宙、惑星とか、あとは、いろんなことば、英語、中国語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、いろんな言葉を勉強して海外に行ってみたい。特にフランス、フランスは美術館とか、あとはいろんな人たち、いろんなスポーツ、わからないスポーツある。たとえばラグビー、テニス、バスケットボール、柔道、水泳、バレーボール。自分の体とか勉強したい」と明確に答えた。

学習ではフェイスブックで自分の身の回りであったことを公開することを通じて、自己発信の表現を学んでいる

東京都江東区の東部療育センターでは62歳の女性が、担当の元特別支援学校教諭の訪問を待っていた。最近、担当の看護師が異動となり落ち込んだ気分が続き授業が出来ない状態が続いたが、気分を回復させての久々の授業。

元教諭は授業で使う数々の道具を両手いっぱいに抱えていた。この受講生が好きな授業は英語。アイパッドの英語教材を使って学習を進める。簡単な文章や単語を4択から選んだり、文章を組み合わせていく授業だ。

さらに料理のレシピを考え、マニュアル作りにも挑戦し、最後はエプロンづくりを行うことを約束していて、この日はいくつかの布を用意し、いくつかのデザインの中から最もカラフルなフルーツをあしらったデザインを選んだ。

「これが一番明るい色ですね!」と言って、その布を体にあてがうと嬉しそうに微笑む。そして、彼女自らの手で電源をオンにできる装置を使って、ミシンを動かし、エプロンを縫い上げていく。

それは確実な「共同作業」。これらの道具はすべて元教諭の私物だが、その1つひとつに学びのための工夫が凝らされている。