日本人の的外れな「ユニクロ叩き」。これでは中国政府の「思うツボ」だ

中国新疆ウイグル自治区での強制労働の疑いにより「新疆綿」の使用禁止の動きが欧米で広がり、日本でも主にネット上でユニクロなど新疆綿使用で目立つ企業への風当たりが強い状態が続いています。しかし実は、日本人のほとんどが新疆綿に依存していること、太陽光パネルやLEDの生産過程でも強制労働の疑いがあることを伝え、「ユニクロ叩き」の現象に疑問を呈するのは、メルマガ『j-fashion journal』著者で、ファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんです。坂口さんは、新疆綿規制は米国の事情を反映したものであり、日本は独自で直接中国に対して意見すべきと訴えています。

 

中国人権問題とユニクロ叩き

1.日本人は新疆綿に依存している

ユニクロがネットで叩かれています。その前提は、「中国はけしからん国」であり、ユニクロはけしからん中国で商売をして金儲けをしている、ということのようです。

中国の最もけしからんのはウイグル族を人権弾圧していることです。強制収容所に入れて、思想教育をして、不妊手術や臓器摘出手術を強制的に受けさせられていると報道されており、私もその報道は間違っていないと思っています。

そして、奴隷労働を利用しているのは、輸出企業ではなく、内販企業が多いのです。中国国内では安い商品しか売れません。強制収容所や刑務所で行われている奴隷労働はほとんどコストが掛からず、政府とのパイプがあればそれを利用できます。ある種の特権であり、高い価格でも買ってくれる輸出企業に特権を使わせる意味はないわけです。これは私が実際に中国で聞いた話です。

ウイグル族が住む新疆ウイグル地区の代表的産業は綿花栽培です。新疆綿といわれるその綿は、繊維長が長く良質で比較的安価です。日本に輸入される多くの綿製品には新疆綿が含まれています。

日本に輸入される中国産の綿製品の多くは素材を現地調達しています。中国で流通している綿布の7~8割には新疆綿が含まれています。また、日本人が着用しているアパレル製品の6~7割は中国製品ですから、新疆綿の製品を使っていない日本人はほぼ皆無ということになります。

ユニクロ、無印良品は、タグに新疆綿と表示しているから目立ちますが、あらゆる量販店、ホームセンター、大型専門店、中小専門店等で販売している綿のアパレル製品、肌着やソックス、インテリア製品、寝装品、スニーカー、雑貨等の全てに新疆綿が使われています。そして、綿製品の繊維を顕微鏡で調べても、それが新疆綿であるか否かは分かりません。

2.綿花栽培と奴隷労働

「新疆ウイグル地区で行われている綿花栽培でウイグル人の奴隷労働が行われている」というのが米国の主張です。そして、奴隷労働ではないという証拠を見せなければ、それは奴隷労働の産物だと認定されます。

「綿花栽培=奴隷労働」は、昔の米国の黒人奴隷の労働を連想させ、とても説得力があります。しかし、現代の綿花栽培は高度に機械化されており、手摘みで行われることはほとんどありません。新疆綿の機械化もかなり進んでいます。従って、新疆ウイグル地区の一部で奴隷労働が行われているとしても、それはごく一部だと思います。

 

うろたえるな。北朝鮮によるミサイルの先制攻撃があり得ないワケ

新年早々、4度もミサイルを発射した北朝鮮。弾道ミサイルの性能の向上が伝えられ、17日の施政方針演説で岸田首相は「敵基地攻撃能力を含め、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討する」と危機感を表明しました。こうした政府やメディアの反応に、「うろたえるな!」と諭すのは、軍事アナリストの小川和久さんです。今回のメルマガ『NEWSを疑え!』で小川さんは、もし北朝鮮が1発でも日本や韓国にミサイルを打ったらどのような事態が起こるか、米韓の反撃について具体的に言及。そうしたなかで日本が担う役割を整理し、本当に必要な備えがあるはずだと訴えています。

 

極超音速ミサイルでうろたえるな!

今年になって北朝鮮が次々と新型ミサイルを発射し、日本国内でも危機感を持って受け止める向きも少なくないようです。

「岸信夫防衛相は12日、北朝鮮が11日に発射したミサイルについて、変則軌道を描きながら最高速度マッハ10で飛んだとの分析を明らかにした。事実上、北朝鮮が極超音速ミサイルを発射したとの認識を示したことになる。防衛省で記者団に語った。極超音速ミサイルは日本のミサイル防衛(MD)で迎撃困難とされ、北朝鮮の脅威が現実に迫っていることを如実に示した。(中略)一方、北朝鮮はミサイルが約1000キロ飛翔し、標的に命中したとの認識を示した。仮に北朝鮮東岸から日本に向けて発射した場合、首都圏をうかがう距離となる。(後略)」(1月12日付産経新聞)

しかし、そもそものところから考えないと北朝鮮の術中にはまり、日本の防衛力整備に混乱をきたす恐れがあります。

その射程距離だと西日本の米軍基地にも届きますし、高度50キロほどの大気圏内を高速かつ変則で機動することで、従来のミサイル防衛では対処に困難が生じることは間違いありません。といっても、極超音速ミサイルが射程1000キロを備え、音速の10倍マッハ10で飛んだとしても、慌てふためく必要はないのです。

それはなぜか。ミサイルや砲兵職種の専門家ならわかっていることですが、通常弾頭の破片と爆風による破壊の効果が限定的な範囲にしか及ばないからです。

確かに不意を衝かれれば、ミサイルを撃ち込まれた場所で死傷者が出るかもしれません。しかし、何発を撃ち込めば、例えば在日米軍基地に壊滅的な損害を生じさせることができるというのでしょうか。仮に100発撃ち込んでも、それが通常弾頭である限り、被害が限定されるのは湾岸戦争や最近のイランによるイラク駐留米軍への弾道ミサイル攻撃でも明らかです。

そして、北朝鮮が1発でもミサイルを日本や韓国に向けて発射したら、まず韓国が備えるキル・チェーンによる反撃が行われ、合計1700発ほどの弾道ミサイルや巡航ミサイルが北朝鮮の重要目標を直撃することになります。そこに横須賀を母港とする米国の空母打撃群と巡航ミサイル原潜によるトマホーク巡航ミサイル、空母の艦載機が加わることになります。これは、北朝鮮版イスカンデル(KN23)や北朝鮮のミサイルが生物・化学兵器の弾頭の場合も同じです。

従って、基本的には北朝鮮がミサイルによって先制攻撃に出ることはありません。

 

書家・武田双雲が伝授。焦った時こそやるべき“心を整える”ワザとは

トンガ沖火山噴火の影響で深夜に津波警報が鳴り響き、眠れぬ夜を過ごした人も多かったのではないでしょうか。緊急事態や危険が迫っている時にこそやるべき“心を整える技術”を人気の書家・武田双雲さんが自身のメルマガ『武田双雲の極上機嫌になるための言葉』で語っています。

 

緊急な時、危険な時こそ、やるべきこと。

昨日(1/16)は津波情報によるスマホの警報が何度も鳴りました。しかも夜中に。

子供たちも起きてきて不安がよぎります。

こういう時は、焦りますよね。呼吸は浅くなり、アドレナリンが出ます。

しかしこういう時こそ、このメルマガでずっとお伝えしてきた「心を整える技術」が役立ちます。

危険で緊急な情報が入ったら人間は必ずアドレナリンが出て、筋肉と血流に一気にエネルギーを流します。

これはもう本能のなせる技なのでありがたいものです。

その次が大事です。

焦ったあとに、そのまま行動しないこと。焦ったまま行動すると判断ミスするし、マイナスな行動をしてしまいます。

緊急な時ほど、焦った後はすぐに深呼吸をしましょう。

頭の中を冷静にしようと「考え」てもそうはなりません。より焦ってしまいます。

焦りを焦って焦りエネルギーで消そうとするからより焦る(笑)

焦(こ)げる。

だからこそ最もシンプルな行動が「深呼吸」なのです。

深呼吸すると力みが取れます。
そしてもう一つオススメなのが

深呼吸する時に同時に表情を柔らかくする。

表情を柔らかくするだけで焦りは落ち着いてきます。

落ち着く

という言葉はまさに

「落ちて着地する」

うわついた心が、地に足をつけると冷静な判断、賢い行動が取れるようになります。

これは緊急の時だけはありません。

不機嫌になった時
イライラした時
不安になってる時
モヤモヤしてる時

にも効果的です。

さぁ、やわらかな表情で深呼吸してみましょう。

どうですか?

落ち着いてきたでしょう。

今週も極上機嫌で生きていきましょう!

 

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「年金の支給額が聞いていた見込額と違う」なぜそんな事態が起きてしまうのか

50歳をすぎると、年金事務所で年金見込額を出してもらうことができます。しかし、そのときに聞いた金額と実際に貰った金額に大きく差がある場合もあるようです。今回のメルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』では著者で年金アドバイザーのhirokiさんが、なぜそうなってしまうのかを事例を含めて詳しく解説しています。 

あの時聞いた遺族年金額と、実際貰い始める時の金額がどうしてそんなに違ったのか

おはようございます!年金アドバイザーのhirokiです。

年金事務所に行くと年金がいくらほど貰えるのかの試算をしてもらう事が出来ます。

老齢の年金であれば50歳以上で、年金受給資格の10年以上を満たしていれば年金見込み額を出してもらえます。

なお、毎年誕生月にねんきん定期便が届くのでそれを見てもらってもいいです。

定期便は50歳未満と、50歳以上では見込み額の出し方が違うので気を付ける必要があります。

50歳未満の人は今までの納付記録にて算出してますが、50歳以上の人は今現在の記録が60歳まで続いたとしての金額であります。

このように年金貰う前にある程度の年金の見込みを知っておくと、将来の計画がしやすいと思われます。

さて、年金には老齢だけではなく遺族年金や、障害年金がありますが、老齢の次に見込みを知りたいという人が多いのは遺族年金ですね。配偶者がもし亡くなった場合の、大切な資金になるので遺族年金額を前もって見込んでおく事も大切です。

例えば生命保険等に入る時には公的年金からの遺族年金額を把握しておかないと、無駄に高い保険に入って無駄に高い生命保険料を支払い続ける事になります。

まず公的な給付をベースとして考える必要があります。

で、見込んだ時の金額と、その後に実際に貰うようになった時の金額が多少違うのならまだしも、大きく違う事があります。まあ時間が経つと条件も変わってきたりするからですね。

試算をしてもらう時に注意点などは説明されますが、お客様がその事を忘れてたり、どういう事なのか理解されていなかった場合があります。

細かい事はよくわかんなかったけど、担当者が言った金額の部分だけはしっかり覚えてるとかですね^^;

やはり人は印象に強く残る事が記憶に残るものです。

じゃあどういう時に遺族年金額が全然違う事になりやすいのかを見ていきましょう。その一例です。 

勝因は日本人向けにしなかったこと。東京・月島で感じる“本当のハワイ”

コロナ禍で足を運ぶことが難しくなってしまった常夏の島・ハワイ。日本にはハワイ好きな人は多く、関連グッズを扱うお店も多くあります。しかし、東京・月島にあるお店はそうしたお店とは一線を画しているようです。繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんがメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』で紹介するのは、現地の“ロコ”たちが通うお店のお惣菜を再現し、大人気となっている小さなお店です。

ハワ恋夫婦の惣菜店に並ぶものは?

常夏の楽園、ハワイ。

その独特で開放的な空気に魅せられる人は多く、日本にいても“ハワイ中心”の生活をしています。

東京都中央区月島で惣菜店を営む店主もそのひとり。いや、奥さんも同じく、ハワイマニア。

夫婦揃って、ハワイに恋し、何度も足を運んでいます。

営業する惣菜店も、実はハワイのローカルフードを売るお店です。

店主がハワイで惚れ込んだ「ポキ」を中心に、ロコモコ丼やガーリックシュリンプ、モチコチキン、スパムむすび、オックステールスープ、アヒフライ、マカロニサラダ、ハウピア、アサイーボウル、マラサダなど、ハワイローカルの人たちが、日常的に食べているものを販売しています。

特に「ポキ」は、15種類ほど用意されています。

「ポキ」とは、小さく切った魚介類や玉ねぎなどの野菜を醤油や塩で味つけしたもの。

現地でポキにハマった店主が、好き過ぎて、ポキのお店を出そうと、仕事を辞めてしまったのです。

まだ、子どもが小さかったのですが、ポキ愛は静まることなく、決断に至りました。

結果的には大成功。1日中、お客さまの絶えないお店となっています。

もんじゃ焼きの町・月島の路地裏にありながら、多くのハワイマニアが訪れます。

知る人ぞ知るお店なのです。

全国どこを探しても、こんなお店は存在しないのではないでしょうか。

NHKは7000億円ぼろ儲けの「強制徴収」をやめよ。“お手本”の英BBCが受信料廃止の動きで余波

英国のドリース・デジタル・文化・メディア・スポーツ相は17日、公共放送BBCの受信料(ライセンス料)制度を見直すと表明した。時事通信などが報じた。BBCはNHKなど世界の公共放送のモデルとなっているだけに、今後日本での議論にも一石を投じそうだ。

NHKが“お手本”とする英BBCが受信料制度見直しへ

ドリース氏は下院での演説で「技術の変化とともに、特に若い世代の視聴者の間で習慣も変化している」と指摘。BBCの長期的な資金調達の在り方、罰則規定を伴う受信料支払い義務について「適切かどうかを今こそ真剣に問うべき時だ」と述べ、近く制度見直しに向けた議論を始める考えを示した。

BBCの受信料をめぐる動きは以前から話題となっていた。

昨年2月16日付の英サンデータイムズで、英国政府はBBCの受信料制度を廃止し、希望者のみが視聴料を払う課金制(サブスクリプション)の導入を視野に入れた見直し作業を始める意向だと報じられていた。

BBCの活動の約75%は受信料収入で、残りは商業活動や交付金という構成。ちなみに、受信料の支払い世帯は約2620万で、支払い率は90%以上とされている。

首相官邸がBBCに対し、受信料は廃止になるとすでに通告しているとも報じられており、世界の公共放送は大きな転換期を迎えそうだ。

【関連】元検事・郷原信郎氏が疑問視。森友裁判で国があえて認諾を選んだ「3つの理由」

NHK受信料の“強制徴収”になぜか裁判所も後押し

BBCをめぐるこうした動きは、当然日本のNHK受信料問題にも波及してくる。

ドリース氏が演説の中で指摘した「技術の変化とともに、特に若い世代の視聴者の間で習慣も変化している」という言葉は日本も同じで、「サブスクリプションに移行すべき」という声は以前から多方面で叫ばれていた。

日本ではディスカウントストア「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスが12月10日にチューナーのないスマートテレビを発売。ネット動画の視聴に特化した製品として大きな話題となり、売れ行きも好調だという。

さらに注目をされたのが、「NHKの受信料を払う必要がないのではないか?」という点。

放送法64条は「NHKの放送を受信することができる受信設備(テレビ)を設置した者は、NHKと受信契約をしなければならない」と規定。同法を根拠に、総務大臣の許可によって定められたNHK放送受信規約は「放送受信料を支払わなければならない」と義務付けている。

しかし、12月2日にはおかしな判決が裁判所から出た。

NHKの放送を視聴できないように加工したテレビを自宅に設置した東京都の女性が、受信契約を締結する義務がないことの確認を求めた訴訟で、女性側が逆転敗訴。いわば、「NHKは映らないテレビでも受信料を払え」との判決が下されたのだ。

とにかく金を払わせようとするNHKのあこぎな姿勢、またそれを擁護するかのような裁判所の判決。強気に出続けてきたNHKだが、今回のBBCをめぐる英国政府の判断が一石を投じることは間違いない。

【関連】「オミクロン株の危険性」ばかり強調するマスコミを疑え。上昌広医師が緊急提言

民放や有料放送がこれだけ発達している日本で、有無を言わさず受信料を貪り取るNHKの存在意義はどこにあるのか。「サブスクリプションに移行すべき」という声はますます大きくなるだろう。

この世の地獄。中国とロシアが糸引く「紛争地」で起きている惨劇

開幕まで残り3週間を切った北京五輪。しかしこの「平和とスポーツの祭典」が行われる2022年も、国際社会の混迷は深まるばかりのようです。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では著者で元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、年明けから続々と「北京詣で」に訪れる各国の意図と中国の企てを解説。さらに中ロの影が見え隠れするエチオピアの紛争の悲惨な現状を紹介するとともに、この混乱が周辺国に与える深刻な影響を考察しています。

 

2022年が国際的な大シャッフルの年になりそうな懸念

【北京詣でに勤しむ中東諸国・トルコ、そしてイラン】

今年に入りUAE、サウジアラビア王国、トルコ外相が相次いで北京を公式訪問し、そして近々、イランのライシ大統領と外相が北京入りすることになっています。

いろいろと理由は考えられますが、の最大のものは【中国との安全保障・経済上の戦略的パートナーシップの再確認と強化】でしょう。

その顕著な例はイランですが、核合意をめぐって欧米諸国から非難を浴びせかけられ、経済制裁で締め上げられているイランを救ったのは、同じく核合意の当事国である中国とロシアです。中でも中国は昨年に25年間にわたる戦略的パートナーシップをイラン政府と結んでいます。

イランの首脳は、北京の後、モスクワに移り、ロシアとも同様の数兆円規模の20年超の戦略的パートナーシップを結び、ロシア製の兵器を購入する大型契約を結ぶ見込みで、それはイランの革命防衛隊の戦力の近代化を意味すると言われています。確実にイランは反欧米に舵を切るアピールをしていることになります。

同様の動きは中東諸国でも起きています。サウジアラビア王国とUAEと言えば、中東アラビアにおけるアメリカの同盟国の筆頭格で、トランプ政権時代には密月とも評されるほどの関係でしたが、オバマ政権およびバイデン政権下では、次第に距離を取り始め、中国とロシアへの接近を行っています。産油国から安定的に原油を購入するというカードを用い、中国は中東諸国から外交的な支持を得ています。

中東諸国も専制国家が多く、欧米的に言う人権侵害が多発していると思われますが、中国と同じく欧米から人権問題で口出しをされているという共通点から、数がものをいう国際機関での会合、特に人権理事会などの場では、欧米および日本から人権侵害に関する懸念が評されても、中東諸国は「内政問題に対して他国が口出しをすべきではない」という立場を貫き、中国に対する人権決議が通ることはありません。

同じことは、理事会における批判の矛先が中東諸国に向いているときも同じで、その場合は強力な中国からのバックアップが入ります。

新疆ウイグル自治区問題、チベット問題、香港問題…いろいろな中国の人権侵害への非難が国際的な場でなされても、中東諸国および中国から支援を得ているアフリカ諸国、そして一帯一路諸国は、数の力で非難を葬り去ってしまいます。

 

元検事・郷原信郎氏が疑問視。森友裁判で国があえて認諾を選んだ「3つの理由」

先日掲載の「『安倍隠し』に血税1億。森友裁判“認諾”に怒らぬ日本国民の腑抜けぶり」でもお伝えしたとおり、森友問題で自死に追い込まれた財務省職員の妻が真相を知るために起こした裁判を、「認諾」で終わらせた国。損害賠償額が1億円を超えるこの訴訟において、なぜ国は争うことなく責任を認めるという選択を行ったのでしょうか。今回のメルマガ『権力と戦う弁護士・郷原信郎の“長いものには巻かれない生き方”』では元検事で弁護士の郷原信郎さんが、考えうる3つの理由を専門家の目線で考察・解説しています。

【関連】「安倍隠し」に血税1億。森友裁判“認諾”に怒らぬ日本国民の腑抜けぶり

 

プロフィール:郷原信郎(ごうはら・のぶお)1955年島根県松江市生まれ。1977年東京大学理学部卒業。鉱山会社に地質技術者として就職後、1年半で退職、独学で司法試験受験、25歳で合格。1983年検事任官。2005年桐蔭横浜大学に派遣され法科大学院教授、この頃から、組織のコンプライアンス論、企業不祥事の研究に取り組む。2006年検事退官。2008年郷原総合法律事務所開設。2009年総務省顧問・コンプライアンス室長。2012年 関西大学特任教授。2017年横浜市コンプライアンス顧問。コンプライアンス関係、検察関係の著書多数。

赤木雅子氏国賠訴訟、「請求認諾の決裁権限」は法務大臣にある

森友学園への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書改ざん問題で、改ざんを強いられ、自死した同省近畿財務局職員の赤木俊夫さんの妻雅子さんが、国と佐川宣寿・元財務省理財局長を訴えた訴訟で、国が「請求を認諾」した。

「裁判」というのは、「真相解明」を目的としてするものではなく、あくまで原告の請求の存否を判断する手続きにすぎない。

そうである以上、被告が、その請求権があることを認める「認諾」をしてしまえば、裁判所が請求権の存否を判断する必要はなくなる。それ以上裁判を継続する意味はなくなるので、裁判はそこで終了することになる。

佐川氏も、個人として損害賠償請求を起こされており、こちらの方は認諾の対象ではないので、訴訟としては残る。

しかし、公務員の不法行為による損害賠償請求については、賠償責任を負うのは国で、不法行為を行った個人は、故意又は重大な過失がある場合に国から求償を受ける立場に過ぎない。

一般的には、国賠訴訟の対象となる事案で、公務員個人への賠償請求が認められる可能性は殆どない。敢えて佐川氏も被告に加えているが、請求としては無理筋だ。証人尋問等による立証に入ることなく裁判は終了するものと考えられる。

結局、国が請求を認諾したことで、この訴訟は事実上決着することになる。

赤木雅子氏は「負けたような思い」と新聞でコメントしていた。

夫が改ざんを強いられ自殺に追い込まれた真相を明らかにすることが訴訟の目的だったのだから、請求の認諾は、まさにその思いを踏みにじるものだ。

原告代理人弁護士も、国側が認諾することができないよう、請求額を、何とか理屈のつく範囲内で増額し、通常の判決で認められるレベルを相当上回る金額にしていたはずだ。

ところが、国側は、それでも「認諾」によって、訴訟を無理やり終結させてしまった。

裁判の中で事実関係が明らかになることを、なんとしてでも避けたかったからだろう。

原告の請求を丸ごと認めることで、国が、その金額を原告の赤木雅子氏に支払うことになるが、その原資は国民の税金だ。

なぜ、こうまでして、国の側が、国賠訴訟で事実審理が行われることを避けようとするのか。

事件当時、理財局長だった佐川宣寿氏の証人尋問か、その際の官邸側とのやり取りが明らかになることか、いずれにしても、国民の負担で事実を隠蔽しようとしているとすれば、国民にとって到底受け入れ難いことだ。

この請求認諾について、財務大臣が、「いたずらに訴訟を長引かせるのも適切ではなく、また決裁文書の改ざんという重大な行為が介在している事案の性質などに鑑み、認諾するとの判断に至った」と説明しており、あたかも、財務省の判断で請求認諾が行われたように思われている。

しかし、国賠訴訟への対応の当事者は法務大臣であり、法務大臣が請求認諾の最終決裁権限を有している。

なぜ請求認諾が行われたのかを考える上でも、この点は重要だ。

 

世襲政治家から国を取り戻せ。日本を救う「江戸の長屋システム」とは

先日掲載の「岸田首相『分配主義』の目玉になるか?貴族制の再創設が日本を救う理由」では、日本国憲法の制定により我が国において廃止となった貴族制の再導入が、今後の日本を救うことになるとの持論を展開した、日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さん。津田さんは自身のメルマガ『国際戦略コラム有料版』で今回、その論をさらに進め、貴族のランク決定において「社会貢献度」が重視されるシステム構築を提案するとともに、その具体的な評価方法等を提示しています。

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新しい資本主義での価値観の変更

前回は、貴族制の復活で、名誉と地位を分配することを提案したが、この根本にあるのが、人生の意義や価値観の変更である。

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今までは、政治権力や金融資本主義の下で、権力をとることや金儲けをして、権力奪取や大きな金融資産を残すことが、人生の意義や人生の価値とした社会であったが、権力やお金以外の社会貢献度の大きさが、価値を持つ社会になるように、価値観の変更を行うことである。

この手段として、貴族制を作り、社会貢献度という尺度で貴族のランクが決まるようにすることで、皆が社会貢献を人生の目標にできるようにして、日本社会を明るくする必要がある。お金や権力だけの評価基準からの脱却が必要になっている。

社会貢献の仕方は、高額の税金を納めることや慈善団体に寄付することや新陳代謝を促進する社会の仕組みや技術を開発することや事業化することなど、多岐にわたる。この尺度を作り、皆がこの尺度に納得するような基準を作ることが重要である。

安倍政権の時のような、首相のお友達だけが、得をする仕組みにならないように、首相のお友達を名誉から排除することも重要である。権力のある者やその周辺の人たちは、名誉にあずかれないようにする。権力を持つか、名誉を持つかの1つしか追及できないことが必要である。

首相は、権力を失った後には貴族になれるようにして、報いることである。議員や大臣など権力をとる段階にある人たちも貴族なれないようにする。勿論、首相を通じて権力を行使する、首相のお友達も排除しないといけない。

お金や権力だけの基準から、社会貢献度の基準に社会の評価システムを変更することである。これで新自由主義的資本主義の根本が崩壊するし、ボランティアを正当に評価する仕組みができる。

人生の評価基準を変えることで、経済成長だけの基準で社会を評価しないようになると期待したいし、それがないと、日本の貧困化は悲劇的なことになる。

一番、期待が大きいのが、江戸時代の商家の裏にある裏長屋と同じようなことを企業や資産家に期待する。貴族という名誉を与える大きな目的は、貧困化した若者たちの世話であろう。

表にある商家は、裏長屋を貧乏人に安い家賃で貸し、かつ、長屋の住人の世話をすることが重要であった。警察力がないので、裏長屋の住人が、略奪する暴徒に、世話になっているこの商家は、襲わないでくれと嘆願することになる。しかし、現在は、このようなことはないので、その代わりに名誉を与えるのだ。

今後、日本全体が貧困化すると、人口の40%程度の人たちは、極度な貧困になり、家も持てなく、結婚もできないことになる。この世話は、国だけではできない。多くの資産家と企業が参加しないと、無理である。貧困で苦しむ人数も多い。多くの篤志家が必要になる。

国は予算的にも、年金や生活保護の仕組みを維持するだけで手一杯なはずで、若者の世話はできないし、多岐にわたるので、多くの参加者が必要なのである。

家だけではなく、仕事の世話も必要である。このため、企業の出番であり、資産家の寄付が必要であり、NPOや財団法人、社団法人などの仕組みで対応するしかない。

今は、資産家が資産を残すために財団法人を作るが、真剣に社会貢献しているわけではない。このため、現状は、中途半端な状態になっている。

バルミューダフォン弱り目に祟り目。販売停止で再びイメージ毀損の大打撃

先日掲載の「ある意味『事故』。ソフトバンクはバルミューダフォンと“心中”するのか」では、気鋭のメーカーが満を持してリリースしたスマートフォンを酷評したケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんですが、今回ばかりはバルミューダに同情的なようです。石川さんは自身のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』で、製造担当の京セラの判断による一時的なバルミューダフォンの販売停止を、同社の「勇み足」と評した上で、この騒動について「バルミューダだけが損して終わった」と総括。その上で、トラブル発生時の情報発信の難しさについて記しています。

【関連】ある意味「事故」。ソフトバンクはバルミューダフォンと“心中”するのか

 

販売再開も京セラの勇み足でバルミューダのイメージダウンに

バルミューダのスマートフォン「BALMUDA Phone」が1月上旬に販売停止となったのち、14日に販売再開となった。

原因は一部の周波数帯域で干渉ノイズが許容値を超える可能性があったという。通話やデータ通信などには影響がなく、ユーザーが困るようなことは発生しなかったようだ。

今回のいきさつとしては、製造を担当する京セラがミスに気がつき、バルミューダとソフトバンクに連絡。まずはショップ店頭で販売停止となり、その状況がSNSにアップされ、メディアが広報に問い合わせ、記事化されたという流れだ。

わずか1週間程度でアップデートにより対処できたのは素晴らしいが、メディア対応という点においては、いささか反省すべき点が残ってしまった。

そもそも、今回のトラブルはユーザーに被害が起きることもなく、実際はたいしたことない内容だ。あわててショップに販売停止させる必要があったのか。

あらかじめソフトウェアアップデートを用意しておき、配布時に技適を満たしていなかったので修正したという案内をすれば良かったのではないか。

今回、ショップでの販売停止の告知がSNSでアップされ、変な話が拡散されてしまったことで、バルミューダのイメージがまたも毀損してしまった。

しかも、3連休中に盛り上がってしまったため、ネタ枯れで困っている月曜日のテレビのニュース番組が飛びついてしまった。内容としては大したトラブルでもないのに「バルミューダのスマートフォンが販売停止になった」という事実だけがテレビで拡散。さらに各局がYouTubeに動画を流すものだから、一般的にも広がるようになってしまった。

なんだか京セラの勇み足になっていた感がある。

アップデートで簡単に対処できるのだから、販売停止時に「数日で再開できる見込み」とアナウンスするだけでもイメージは違ったはずだ。

世間から見れば、最初の「販売停止」という話だけで「売れなかったから、もう販売を辞めるのか」という誤ったイメージを植え付けられた人もいるのではないか。

今回の騒動により、またもBALMUDA Phoneのイメージが悪くなり、バルミューダだけが損して終わった。

もうちょっと慎重に情報発信のやり方を工夫していれば、ここまでのダメージにはつながらなかったはずだ。

昨年のNTTドコモ通信障害といい、トラブル発生時にいかにSNSと一般メディアに対して、どのようなタイミングで適切に情報を発信していくか。広報のやり方が改めて問われることになりそうだ。

 

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