「目をつぶって運転する」くらい危険。日本のインスリン量の決め方に問題あり

糖尿病患者が血糖コントロールを誤って「重症低血糖」の状態になると、意識を失ったり異常行動を起こすなど非常に危険な状態に陥るそうです。日本ではそうした理由で年間約2万件もの救急搬送事例があるとのこと。なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか。今回のメルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』で、糖尿病専門医の江部康二先生は、日本には欧米で一般的な「カーボカウント」を指導しない専門医が多くいると説明。「カロリー計算だけでインスリン単位を決定」することの危険性を訴えています。

重症低血糖と糖尿病薬

日本糖尿病学会の推計によると、日本では、重症低血糖が原因と考えられる救急搬送が年間約2万件発生しているとされています。

薬の誤使用が原因かとされていますが、糖質を普通に摂取してSU剤やインスリン注射で、食後高血糖をコントロールすること自体が、現実には極めて困難です。少しでも薬の量が多ければ低血糖を生じ、不足すれば食後高血糖を生じます。

血糖値を直接上昇させるのは糖質だけですから、「摂取する糖質量とSU剤やインスリンの量」がぴったりマッチすれば、理論的には血糖コントロール可能です。それが、カーボカウントという方法ですが、結構難しいですし、日本では、このカーボカウントでさえも一般的ではありません。

従って薬の誤使用だけではなく、医師の指導通りに内服したり、注射していても、低血糖は充分起こりえると思います。まれではありますが、糖尿病の方が運転する自動車が暴走して歩行者を巻き込む事故が起きています。運転者が糖尿病薬を服用しており、薬の効きすぎによる低血糖が疑われるケースもあるようです。

実際、高血糖より低血糖のほうが、急性では危険です。また、低血糖発作を起こすほど総死亡率も上がりますので、長期的にもできるだけ低血糖を起こさないことは重要です。

高血糖は、動脈硬化・がん・糖尿病合併症などのリスクとなりますが、基本的に、期間をかけてのことで慢性病としての問題です。一方、低血糖は急性で、一気に意識不明になったり、脳卒中や心筋梗塞の引き金となることもあります。低血糖発作では、意識がもうろうとなり、車を止めようとする余裕は全くなくなると思われます。

低血糖発作のほとんどは、インスリン注射をしているか、SU剤内服の場合です。時に速効型インスリン分泌促進剤でも低血糖を生じます。内服薬でもインスリン注射でも、薬の量が多いほど、低血糖になりやすいのです。

ですから、糖質を普通に食べて、その分大量のインスリンを打ってというパターンは、「糖質量とインスリン量」のマッチングがよほど良くない限り、低血糖と高血糖の乱高下を生じやすいのです。まして、カーボカウントもせずに、カロリー計算を主にインスリンの単位を決めているのは、「目をつぶって車の運転をする」くらい危険なことなのです。

それなのに、まことに残念ながら、多くの病院、糖尿病専門医が「カロリー計算だけでインスリン単位を決定するという暴挙」を患者さんに指導しているのが日本の現状なのです。

まさかの25万社。借入金の利息すら払えない「ゾンビ企業」が大増殖中

借入金の利息すら払えない「ゾンビ企業」が過去最高水準となってしまいました。今回の無料メルマガ『税金を払う人・もらう人』では、著者で現役税理士の今村仁さんがなぜこのような事態になったのかについて詳しく語っています。

ゾンビ企業増し増し。銀行方針の大転換をご存知ですか?

本業の利益で借入金の利息すら払えないいわゆる「ゾンビ企業」が、1年前より3割増しの約25万社に達し、過去最高水準となりました。

ゾンビ企業の正確な定義は、インタレストカバレッジレシオ(ICR)が、3年以上1未満で、設立10年以上とされています。

ICRとは、支払利息負担に対してどれだけ利益を稼いでいるかを示す指標で、中小企業向けに簡略化して書くと、「ICR=営業利益÷支払利息」です。

本来は、営業利益の中から借金返済もしていかないといけないので、ICRが1未満でそれが3年以上続いているというのは、まさにゾンビ企業といえるのかもしれません。

■国の方針は「経営資源をM&A売却」+「ガイドライン活用」

リーマンショック後の2009年に、金融機関に返済猶予や支払期限の延長(いわゆるリスケ)を求めた中小企業金融円滑化法が成立しました。

更には、コロナ禍における2020年春より、実質無利子・無担保融資であるいわゆるゼロゼロ融資の利用が始まりました。

結果として、冒頭のゾンビ企業25万社という結果となりました。

この結果に対して、国は昨年より下記の大方針を掲げました。

1.「経営資源と言えるような会社や事業はM&Aを使って存続」させるが、そうでない会社や事業は倒産してもらう

2.経営者が上記の決断をしやすいように「自己破産しなくてよくなる経営者保証ガイドラインの活用」を促していく

■銀行方針の大転換元年

国の大方針を受けて、銀行などの金融機関も下記を今年より実行していかれるようです。

1.安易なリスケ延長や借り換えには応じない

2.M&Aでの経営資源売却等を積極的に支援していく

3.経営者保証ガイドラインを理解し出来るだけ活用していく

上記について、特に3については相当に金融機関によって温度差が当初あるだろうと予測されますが、方向性は変わらないと思われます。

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「私、失敗しないので」な人が現実では痛い目を見てしまうワケ

失敗は成功のもと。失敗をしたことがない人はすごい人に見えるけれど、実は失敗した人のほうが成功に近づいているんです。今回のメルマガ『セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術』では、著者で現役精神科医のゆうきゆう先生が失敗を成功に変えるための究極の方法を紹介しています。

リンカーンもトランプも失敗続き。失敗を成功に変える究極の方法

こんにちは、ゆうきゆうです。

元気にされていますか?

さて、皆さんは人生において、成功することと失敗すること、どちらが多いと感じますか?

大抵の方は、失敗の方が記憶に残りやすいと言われています。

すぐに思い出すのは、失敗エピソードばかりではないでしょうか。

しかし実は、「成功」のためには、その失敗が重要なんです。

■ 有名大統領たちの失敗とは!

アメリカ大統領のリンカーンをご存じでしょうか。

南北戦争や「奴隷解放宣言」によって名を残したリンカーン大統領ですが、彼の人生は、決して順風満帆ではありませんでした。

1834年に、リンカーンは州議会の議員になりました。

しかしそれまでに事業の失敗、州議会の選挙に落選、それを経てやっと議員になることができました。

ところが、議員になった次の年には、恋人の死によって精神的に落ち込んでしまいます。

さらに1838年に議長選挙に敗北。

その後も何度も何度も議員に落選し続け、副大統領選挙にも落選。

それでも政治への参加を繰り返し、やっと大統領になったのです。

次に、トランプ大統領について話しましょう。

トランプ大統領も、不動産王というイメージがあります。

しかしながら、不動産事業を3回失敗して破産しています。

そして4回目にやっと不動産で成功し、大統領にもなったのです。

これほどまでに有名な人物たちの失敗は、意外に感じる方も多いのではないでしょうか。

特に日本人であれば、1回や2回失敗してしまうと、「もうダメだ」と思ってしまう方も多いはずです。

ですがここで、とにかくルーレットを回していくぐらいの気持ちで

「失敗して当然だ」

「だからどうした?」

「はい、次!」

と動ける人こそ、最終的に一番大きな成功をつかむことができるのです。

高齢者への「マルチビタミン」サプリ投与は認知機能に有効である可能性

薬局で入手しやすいマルチビタミン剤。実はそれが認知能力に効果的かもしれないという研究結果があります。もりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、その詳細を紹介しています。

高齢期のマルチビタミン服用は認知機能に対して有効である可能性

◎要約:『高齢期のマルチビタミン服用は認知機能(特にエピソード記憶)に対して有効である可能性がある』

認知症を予防するのに良いとされる様々な栄養素がありますが、私達が薬局などで入手しやすいマルチビタミン剤は認知能力に効果的なのでしょうか?

今回は、高齢者にマルチビタミン剤の投与し、認知機能の経過を見たときの変化を調べた研究をご紹介します。

Effect of multivitamin-mineral supplementation versus placebo on cognitive function: results from the clinic subcohort of the COcoa Supplement and Multivitamin Outcomes Study (COSMOS) randomized clinical trial and meta-analysis of 3 cognitive studies within COSMOS

認知機能に対するマルチビタミンサプリメントの効果

ココアとマルチビタミンの健康への効果を調べた研究: COcoa Supplement and Multivitamin Outcomes Study (COSMOS)を元にした研究です。

上記のCOSMOS研究に含まれるいくつかの集団(COSMOS-Clinic 573人, COSMOS-Mind 2,158人, COSMOS-Web 2,472人)が対象となっています。

結果として、以下の内容が示されました。

・COSMOS-Clinicでは、2年間の経過における全般的認知機能においては軽度の有効性、エピソード記憶については有利な効果を認めていました(遂行機能や注意においては偽薬との違いなし)。

・COSMOS-Mind , COSMOS-Webを含めた全体的な分析では 、全般的認知機能とエピソード記憶において有効性を認めており、これは2年間の年齢低下に匹敵する効果でした。

複数のビタミンを含んでおり、特定の効果は不明ですが、一般的なマルチビタミンで少しでも認知機能低下を抑制できるならば、服用の動機となりそうな気がしました。

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櫻井よしこ「大炎上」に見る保守言論の衰退。なぜネトウヨは女教祖を見捨てたか?愛国・韓国・カルト三店方式の限界点

「あなたは祖国のために戦えますか」と上から目線で発言し、Z世代の若者から「おまえが先頭を切って戦場に行け」「老人が若者を犠牲にするな」など、至極ごもっともな批判を浴びたジャーナリストの櫻井よしこ氏(78)。SNSでは「統一教会とベッタリの自称愛国バアサン」「韓国スパイ疑惑はどうなった。いつになったら告訴するんだ?」など随分辛口のツッコミも増えているようです。このような櫻井氏の「炎上」を、ネット保守言論衰退の現れと見るのはメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』の著者で元全国紙社会部記者の新 恭さん。今いったい何が起きているのでしょうか。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題「櫻井よしこ『X』炎上に見る保守言論の衰退」

Z世代から大ブーイング、櫻井よしこ氏の落日

ジャーナリスト、櫻井よしこ氏は1月19日、自身の「X」に次の投稿をした。

「あなたは祖国のために戦えますか」。多くの若者がNOと答えるのが日本です。安全保障を教えてこなかったからです。元空将の織田邦男教授は麗澤大学で安全保障を教えています。100分の授業を14回、学生たちは見事に変わりました

「国のために命をかけよ」と説いた安倍元首相の持論を思い出す。安倍氏が健在なら、安倍シンパである櫻井氏に賛同する保守言論人やネトウヨ(ネット右翼)の投稿があふれたことだろう。

ところが、実際には櫻井氏を批判するコメントが殺到し、炎上した。

自身の「ホーム」ですら有効な反論できず

これに対し、櫻井氏は「櫻井よしこの言論テレビ」のサイトで「大反論!」と題する文章を掲載した。下記はその一部だ。

今は日本が戦争しに外に行く時代ではなく、戦争が向こうからやってくる時代です。織田さんは学生たちに一人一人が国防に果たせる役割を説きました。<中略>
それに対して女性雑誌やスポーツ新聞などが激しい言葉で反論してきました。
《先ず櫻井よしこよ、お前が銃を持ち先頭切って戦いに行け》《櫻井よしこ、お前が率先して行け。人の命を軽んじるな!!》」などと書いています。
「『自分は戦場に行く気もない人間がこういうことを言うんだよね』『老人が若者を煽ってはいけません』『祖国のためではなく、権力者のために血を流すことに若者も年寄りもNOと言っているのです』」とも書いています。

女性雑誌やスポーツ新聞が反論してきた内容というより、櫻井氏の「X」に寄せられた批判投稿の数々である。もちろん中には、櫻井氏に賛同する声もあるが、圧倒的に少ない。

戦争に行くはずのない櫻井氏のような人が「あなたは祖国のために戦えますか」などと、上から目線で、若者を煽るべきではないという趣旨のコメントが多いようだ。

エセ保守言論はなぜ衰退したのか

櫻井氏への賛同が少ないのはなぜだろう。いかにネトウヨ諸氏といえど、自分が祖国のために戦えるかとなると、考え込むのかもしれない。ただひたすら、安倍氏を批判する者に対してネット上で罵ってきただけなのではないだろうか。

ネトウヨとは本当の右翼でもなければ保守でもない。自分はパソコンの前の安全な場所にいて、キーボードを叩く以外は何も行動しない人たちである。だから、同じように安全な場所から若者の国防意識の覚醒を呼びかける櫻井氏への批判コメントに対抗できないという面もあるだろう。

だが、このところいわゆる保守言論やネトウヨ的な発信じたいが下火になってきているような気がする。安倍元首相という“崇拝対象”を失ったうえに、岸田自民党への不満が鬱積しているのが根本原因かもしれない。

よく岩盤支持層とか保守層の自民党離れといわれるが、自称、他称、似非も含め、保守派といわれる人々が、安倍氏が亡くなったあと、接着剤がきかなくなってバラけはじめ、自民党では無所属の高市早苗・経済安全保障担当相を頼みとするか、自民党に見切りをつける場合は、保守色の強い日本維新の会や参政党などへと支持政党を変更する動きを見せてきた。

とりわけ、安倍元首相に近い思想信条を持つとみられた萩生田政調会長(当時)がいながら、「LGBT理解増進法」を成立させたことに対する保守派の落胆と反発は激しく、「LGBT法が成立するなら、新党を立ち上げる」と宣言していた安倍シンパのベストセラー作家、百田尚樹氏はジャーナリストの有本香氏とともに「日本保守党」を立ち上げた。

日本保守党は、百田氏の漫才のような語り口がユーチューブ番組で人気を呼び、昨年9月に結党したばかりだというのに、「X」のフォロワー数が33万をこえている。ちなみに自民党のそれは25万ていどである。

こうした状況は、政局にも影を落としている。安倍氏の後継者たらんとしのぎを削ってきた安倍派“五人衆”に対する保守層の期待感はもはや皆無に近い。

岸田首相が「派閥解消」を画策し、岸田派のほか、安倍派、二階派、森山派を解散に追い込んだのは周知の通りだが、それができたのも、指導者不在と統一教会問題によって弱体化した最大派閥・安倍派に、パーティー券裏金事件が追い討ちをかけ、党内のパワーバランスが崩れたからだ。

「愛国者」安倍氏と韓国カルトの蜜月

安倍氏が凶弾に倒れたあの日から、安倍シンパの論者たちを襲ってきたのは、信じる政治家を失った悲しみと、アンチ安倍的言論を叩く喜びが激減した空虚さ、そして、銃撃犯の供述がもとでクローズアップされた統一教会と安倍派の不都合な関係だった。

あれほど嫌ってきた韓国に本部をかまえる宗教団体が、あろうことか、安倍元首相、あるいはその派閥と仲がよく、秘書や選挙スタッフまで送り込んでいる。

しかも、その教祖は「日本は罪を清算するために韓国に貢献しなければならない」とか、「アダムの国韓国に隷属するイブの国でなければならない」などと説いているのである。

櫻井よしこ氏にも「韓国国情院」との黒い疑惑

櫻井氏はそのような統一教会の正体を知っていたのだろうか。

気になるのは、2021年8月10日、韓国「MBCテレビ」が放映した「不当取引、国情院と日本極右」と題する番組だ。

櫻井氏が理事長を務めるシンクタンク「国家基本問題研究所」が韓国情報機関「国家情報院」から情報や金銭などの支援を受けてきたというような内容だが、これについて櫻井氏らは「国情院を含むいかなる外国政府機関から支援を受けたことはありません」と否定し、名誉毀損行為だとして謝罪と訂正放送を求めている。

ただ、櫻井氏については大きな謎がある。

この記事の著者・新恭さんのメルマガ

「有害図書」を愛する日本人に知ってほしい、検閲国家中国と「言論の自由を守る砦」台湾の静かな戦争

中国の空港で韓国人ビジネスマンがいきなり抑留。その原因はトランクの中にたまたまあった「地図」でした。台湾出身の評論家・黄文雄さんは、「もし台湾が中国に統一されてしまえば、アジアの書店や図書館には中国共産党礼賛本ばかりが並ぶことになる」と危惧。私たち日本人が当たり前のように享受している表現と言論の自由、それを守る砦としての台湾の奮闘ぶりを詳しく紹介しています。(メルマガ 黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」より)

中国が韓国人実業家を抑留、理由は「台湾」の二文字

1月25日に聯合ニュースが報じたところによると、中国遼寧省の瀋陽桃仙国際空港に到着した韓国人実業家が、税関検査の際、トランクに入っていた手帳の地図に、台湾が独立した国であるかのように書かれていたということで、税関に抑留されるということが起こりました。

中国の空港で抑留された72歳韓国人事業家、理由は手帳の世界地図に「台湾」表記

その地図は縦20センチ、横30センチで、台湾はハングルで「タイワン」と書かれ、台北は「タイペイ」と書かれていたとのこと。これが問題視されたわけです。

また、チベットの国境表示も曖昧だということで、税関職員がこの実業家を事務所に連れてゆき、抑留したとことです。

韓国人は大声で抗議し、瀋陽の韓国系住民に支援を要請すると、約1時間後に解放されたそうですが、地図は没収され、帰国の際に返還すると言われたそうです。

男性にとって、このようなことは初めてで、「中国語が話せるので抗議できたが、初めて中国を訪れる外国人なら、すごく怖かっただろう」と語りました。

日本人も中国で身柄を拘束される恐れ

台湾、台北という表記でNGであれば、同様の表記の日本の地図でも引っかかりそうです。また、尖閣諸島を日本領として扱っている日本地図を持っていたら、やはり抑留されてしまう可能性があるでしょう。

たとえば子供が勉強に使う地図帳を持ち込もうとしたら、大きな問題になるかもしれないのです。

言論の自由がない中国では、中国当局の言うことが絶対です。それ以外は取り締まりの対象となり、「さまざまな意見」などは許されません。

中国はすでに地図で尖閣諸島を「釣魚島」として中国領であることを明示することを義務化しています。

中国、地図に「釣魚島」明示 領土の範囲、改めて義務化

そのため、日本人が中国へ入国時に、尖閣諸島を日本領として地図を持っていれば、下手をすれば拘束されてしまう可能性があるのです。

また、先の韓国人が持っていた地図は、チベットの国境表示が曖昧だったということですが、中国とインドが国境問題で争っていることは周知のことで、そのため国境線をあえて書かない地図もあります。これも問題になってしまうわけです。

つまり、すべてが中国当局の主張通りの地図でなくては、税関を通ることができないというわけです。

もちろんこれは地図だけにとどまりません。たとえば習近平批判を展開する著書などを持っていれば、即刻逮捕される可能性もあります。雑誌や新聞にその類の記事があっても、危険です。知らずに持ち込めば大変なことになってしまいます。

過去最高の人口増加も「経済破綻」危機という異常事態。いまドイツで起きている現象は「明日の日本」か?

深刻な少子化による労働力不足を、移民の受け入れにより解消を図ろうという姿勢を取る日本政府。しかし安易な「移民頼り」は、大きな問題を引き起こす恐れと背中合わせのようです。今回、作家でドイツ在住の川口マーン惠美さんは、移民を大量に受け入れ続けるドイツが直面している数々の問題を紹介。その上で日本政府に対して、移民・難民政策の修正を求めています。

プロフィール:川口 マーン 惠美
作家。日本大学芸術学部音楽学科卒業。ドイツのシュトゥットガルト国立音楽大学大学院ピアノ科修了。ドイツ在住。1990年、『フセイン独裁下のイラクで暮らして』(草思社)を上梓、その鋭い批判精神が高く評価される。ベストセラーになった『住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち』、『住んでみたヨーロッパ9勝1敗で日本の勝ち』(ともに講談社+α新書)をはじめ主な著書に『ドイツの脱原発がよくわかる本』(草思社)、『復興の日本人論』(グッドブックス)、『そして、ドイツは理想を見失った』(角川新書)、『メルケル 仮面の裏側』(PHP新書)、『無邪気な日本人よ、白昼夢から目覚めよ』 (ワック)など著書多数。新著に、福井義高氏との対談をまとめた『優しい日本人が気づかない残酷な世界の本音』(ワニブックス)がある。

安易に移民に頼るな。日本政府がドイツの現状から学ぶべきこと

2023年末、ドイツの人口が8,470万人になった。ドイツの人口は出生率の低下により、11年は8,033万人、12年が8,052万人と、あわや8,000万人を切りそうになっていたことを思えば、すごい盛り返し方だ。

きっかけの一つは、15年に突然、メルケル首相が中東難民に国境を開き、例の「難民ようこそ政策」が始まったこと。15年と16年で89万人の難民が流入したと言われている。当時、ドイツで滞在が認められ、あるいは容認され、留まった人たちも大勢いたが、そのまま素通りして北上、あるいは西進してドーバー海峡を越えた難民や、行方をくらました難民もたくさんいた。しかし、政府は国境管理能力を失っていたので、流入者の正確な数字は今もわかっていない。

一方、正確に出ているのは出産数で、11年には60万件にまで下がっていた出産件数が一気に増え、16年と19年は80万に迫った。難民は、滞在が認められると、徐々に家族を呼ぶことができるので、新たにやってきた妻たちの出産がドイツの人口をさらに増やした。ちなみに、ドイツでは出産は誰でも無料。入院費も含めて1ユーロもかからない。

その後、22年には2度目の難民襲来が起こった。主因はウクライナ戦争。ドイツの人口は22年の1年だけで112万人も増えた。

ドイツのみならず、EUでも増え続ける難民は深刻な問題となっており、どうにかして制御しようとさまざまな努力が重ねられている(解決の目処は立っていないが)。ただ、ドイツ政府だけは、本気でそれに足並みを揃える気があるのか、ないのか…?ウクライナ難民にせよ、中東難民にせよ、その急増がドイツ国内に甚大な問題をもたらしているというのに、ドイツ政府の動きは極めて鈍い。

ドイツは大陸国なので、太古の昔より人の出入りは多かった。近年で言うと、90年のドイツ統一から97年までの7年間で269万人増。これは、過去にロシア(ソ連)や東欧に移住したドイツ人が、冷戦終了を機に大量に戻ってきたことと、もう一つはユーゴ内乱による難民の受け入れによる。

その後も難民はあちこちから入り続け、さらにEUの東方拡大などでルーマニア、ポーランド、ブルガリアなどEU内からもコンスタントに移住が続いた。一方、出ていくドイツ人もじわじわ増え、行き先はスイス、オーストリア、そして米国などだ。

一党独裁体制がアダに。習近平政権では中国経済が復活しない理由

心配されていた不動産バブルが崩壊したとされ、今後の先行きに大きな懸念が囁かれる中国経済。台頭著しかった東アジアの大国は、このまま沈んでいくのでしょうか。今回のメルマガ『j-fashion journal』ではファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんが、「中国経済の復活はない」と断言。その大きな原因として、習近平国家主席による独裁体制を上げています。

中国経済が復活できない理由

1.中国は独裁体制で動いている

中国は中国共産党の一党独裁であり、中国共産党は習近平の独裁体制である。つまり、中国の運命は習近平が握っている。この構造は、中国共産党だけでなく、多くの企業にも共通している。一般企業も、社長の独裁体制で運営されており、社長は万能であると社員も信じている。中国全体が独裁組織によって構成されているのだ。

中国が経済成長したのは、米国と日本が中国との国交を回復したことに端を発している。米国の金融資本は中国に投資し、日本企業は中国企業との合弁企業を次々と設立した。その結果、中国は世界の工場となり、輸出大国になった。

更に、中国の地方政府は不動産ビジネスで上げた莫大な利益により運営されていた。地方政府が所有する土地の使用権を不動産開発企業に販売し、不動産開発企業がマンションを販売した。土地の使用権料も不動産販売価格も地方政府が決定権を持っていたため、供給過剰になっても、不動産価格は上がり続けた。不動産価格は下がらないという不動産神話が生まれ、益々投資が増えた。不動産バブルである。

こうして企業も政府も莫大な利益を上げたが、それが内部留保されることはなかった。全て個人に分配され、それが再び不動産に投資されたのである。

2.資金流入が止まれば経済も止まる

中国では大企業ほど借金は多い。借金で会社を回して、共産党幹部との関係性でビジネスを確保するという構造だ。

中国では不動産売買も商取引も前払いで行われる。つまり、資本が手元になくても、商売ができる。必要な資金は借り入れればいいし、資金は外国からいくらでも調達できる。米国は中国企業に対して米国市場への上場を優遇した。中国企業が米国市場に上場することで、米国の金融機関が利益を上げ、その一部は政界にも流れた。

中国政府は、輸出企業に補助金を出すことで、先進国よりも安い価格で販売し、先進国企業を次々と淘汰していった。

それもこれも、外国からの資金供給があったからである。そして、安い商品を西側先進国が受けいれてきたからだ。

従って、中国経済を崩壊させようと思ったら、資金の流入を断ち切ればいい。中国投資をせず、中国製品を受け入れなければ中国経済は終わる。しかし、中国経済の成長によって利益を享受してきた資本家、政治家等は、そんなことをするはずがない。中国経済は安泰のはずだった。習近平政権が誕生するまでは。

この記事の著者・坂口昌章さんのメルマガ

「アイヌはロシアの先住民族だ」。プーチンの発言が危険すぎる訳

1月30日、ロシアのメドベージェフ前大統領が北方領土をあくまでロシアの領土だとした上で、岸田首相に対しては「悲しければ切腹しろ」といったコメントをSNSに投稿したことが伝えられました。これについて「気にする必要はない」とするのは国際関係ジャーナリストの北野幸伯さん。北野さんはメルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で今回、なぜ気にする必要がないのかについて解説するとともに、日本が本当に心配しなければいけない「プーチン大統領の過去の発言」を取り上げています。

「切腹しろ!」露メドベージェフ前大統領の発言をどう見るべきか?

全世界のRPE読者の皆様、こんにちは!北野です。

ロシアのメドベージェフ前大統領が、ずいぶん過激な発言をしています。『朝日新聞DIGITAL』2024年1月30日付。

ロシアのメドベージェフ前大統領は30日、岸田文雄首相が同日の施政方針演説で、領土問題を解決して日ロの平和条約締結の方針を堅持すると表明したことについて、「いわゆる北方領土についての『日本人の感情』は知ったことではない。それは『係争中の領土』でなく、ロシア(の領土)だ」とSNSで主張した。

北方領土について「それは『係争中の領土』でなく、ロシア(の領土)だ」そうです。これ、私たち日本人には、ムカつく発言です。しかし、28年モスクワに住んでいた私の実感として、この発言は、まさにメドベージェフの【 本音 】です。

もちろん、メドだけではありません。プーチンも、北方領土を返す気は、1ミリもありません。前々から全然なかったのです。

では、なぜプーチンは、安倍さんと仲よくしていたのでしょうか?「北方領土返そうかな」とほのめかせば、日本から金と技術を奪うことができるからです。それ以外の目的はありません。

ちなみに、安倍総理はプーチンに大きな譲歩をしています。2018年11月、安倍さんは「4島一括返還論」を捨てて、「2島(先行)返還論」にシフトしました。シンガポールでプーチンと会談した安倍さんは、

1956(昭和31)年、(日ソ)共同宣言を基礎として、平和条約交渉を加速させる。本日そのことでプーチン大統領と合意いたしました。

と発言しました。「日ソ共同宣言」の「骨子」は、「平和条約締結後、歯舞、色丹を引き渡す」です。国後、択捉には言及していません。一方、日本政府の要求は、これまで長年「4島一括返還」だった。「日ソ共同宣言を基礎として」ということは、首相が「2島返還論者」になったことを意味します。

ところがプーチンはこの後、「北方領土返還には日米安保の解消が必要だ」などと発言しはじめました。要するに、プーチンには、最初から北方領土を返還する気がなかった。ただ、日本をだますことで、金と技術が欲しかっただけなのです。

だから今回のメドの発言は、「ロシアエリートの総意」と考えて間違いないでしょう。

その上で、「特に悲しむサムライは、伝統的な日本の手法で人生を終えればいい。切腹だ。もちろん勇気があればだが」と述べ、「広島と長崎(での米国による原爆投下)を記憶から完全に消し、米国といちゃいちゃするのが楽しいのだ」と、切腹の場面の写真も添えて、日本人をからかうような投稿をした。

こんな品格のない男が大統領だったとは。「ロシアも落ちるところまで落ちたな」と思います。とはいえ、現大統領は国際刑事裁判所から指名手配されているリアル「戦争犯罪容疑者」ですから、「どっちもどっち」ということでしょう。

参考までに『BBC NEWS JAPAN』2023年3月18日付。

オランダ・ハーグに本部を置く国際刑事裁判所(ICC)は17日、ウクライナ侵攻をめぐる戦争犯罪容疑で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領らに逮捕状を出した。ICCは、ロシアが占領したウクライナの地域から子どもたちをロシアへと不法に移送しており、プーチン氏にこうした戦争犯罪の責任があるとしている。