プーチン4月に「がん治療」か?ついに停戦も視野に入れ始めたロシア

ロシアの軍事侵攻開始から100日以上が経過するも、未だ激戦が続くウクライナ紛争。食糧危機を揺さぶりの道具に使うなどして世界の批判を集めるプーチン大統領ですが、戦況はこの先どのような推移を見せるのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、両国の戦争継続力などを踏まえつつ今後の戦争の行方を分析。さらに戦後の世界新秩序構築に日本が果たすべき役割についても考察しています。

 

ウクライナ戦争の推移

ウクライナ東部での戦争は、ロシア軍の主力がセベロドネスクを把握し、ウ軍は撤退した。しかし、ドネツ川西側の高台のリシチャンスクで反撃に出て、セベロドネスクの2割を取り戻したという(編集部注:6月4日時点)。

ロシア軍は、ポパスナ高地にサーモバリック弾の発射ができる多連装ロケット砲TOS-1を置き、周囲のウ軍を攻撃している。サーモバリック弾は、周囲の酸素を奪い取るので地下にいても酸欠で死ぬことになる。

このため、1日で100人の兵士が死んでいると、ゼレンスキー大統領も発言している。よって、このロケット砲をウ軍は叩かないといけないが、まだ、全部を排除できていないようである。

この高地の榴弾砲やロケット砲を潰すのに、M777榴弾砲を使うしかないが、安全な場所からの砲撃ができず、危険を冒して、高地に届く25キロ以内で砲撃している。この距離だとロシア軍の榴弾砲が届くので、両軍の砲撃戦になっている。ロケット砲は20キロ程度であり、届かない。

しかし、突入を繰り返したセベロドネツク攻略のロシア軍主力の損害も大きく、攻撃力が弱くなってきたようだ。このため、ウ軍も反撃ができることになった。

この状況で、空輸可能な80キロの射程距離があるM142高機動ロケット砲(HIMARS)4門が緊急でウ軍に供与されることになった。しかし、射程300キロのM26ロケット弾(ATACMS)の供与はしない。ロシア領内を攻撃できるので、ロシア軍を過度に刺激してしまうからだという。

もう1つ、ウ軍に空対地ミサイル「ヘルファイア」搭載可能なドローン「MQ-1Cグレーイーグル」4機を売却する。これにより、大幅な戦力アップになる。この攻撃機でロシア領内を攻撃しないという覚書を取り交わすようで、米国はロシアの負け過ぎも警戒している。

このように、ウ軍の攻撃力が増強されているのに、東部でも大幅に攻撃力が落ち、4月上旬に任命されたばかりのロシア軍アレクサンドル・ドボルニコフ総司令官が更迭されたようで、陸空の連携攻撃ができずに、陸軍の損害が大きくなり、その責任を取らされたという。新総司令官はゲンナジー・ジドコ軍政治総局長であるという。

しかし、この問題の根本には、装備に問題があり、各部隊に暗号化された無線機が必要であり、空軍パイロットとの交信ができないと達成できない。

しかし、陸軍に暗号化無線機は配備されていない。配備したと思われる無線機は、高級将校の汚職で闇市で売られてしまっている。

このため、現状では陸空連携攻撃はできるわけがない。今の無線機で交信すると、攻撃位置がウ軍に分かり、待機したスティンガーミサイルで撃墜されるだけだ。

ということで、東部セベロドネツク攻撃をしているロシア軍の一部で局地的な反乱が起こり、この反乱で攻撃力が落ちているようである。この責任を問われたことが大きいはずで、空陸連携攻撃失敗は見せかけであろう。プーチンは、6月12日の「ロシアの日」に勝利宣言する予定が、できなくなる心配が出てきた。

 

2年経ってもトランプという“悪霊”を祓えないアメリカ共和党の重症度

11月8日に中間選挙が行われるアメリカですが、共和党内においては未だトランプ前大統領の“威光”にすがりつかなくてはならない状況が続いているようです。この現実を識者はどう見るのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、自らのMAGA度、すなわち2年前にトランプ氏が叫んだ「Make America Great Again」の度合いを競い合う共和党候補を痛烈に批判。さらに民主党のバイデン大統領が抱える問題を指摘するとともに、中間選挙の「真の見どころ」を挙げています。

 

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年6月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

米中間選挙を覆う「MAGA」という心の病/共和党はトランプの悪霊を祓うことができるのか?

半年後に迫った米中間選挙に向けて民主・共和両党の候補者選びのための予備選挙が進んでいるが、そこに暗く重い影を投げかけているのはトランプ前大統領という黒い禍いの雲である。

2年前の大統領選で彼が敗北し、その選挙結果をフェイクだと主張、それに煽られて興奮した支持者が米議事堂に突入するという米民主主義史上で前代未聞の醜態まで演じた挙句に去って行った後に、しかし共和党には本来の穏健・中道保守路線を立て直そうとする主流派の目覚ましい動きは何も始まらず、その荒野のようなところを相変わらずトランプが徘徊して「キングメーカー」であるかに振る舞い、あわよくば2024年大統領選で再選を果たすための条件を掴もうと画策しているのである。

共和党有利の予想は変わらない

一般に、新しい大統領は最初の中間選挙で野党の批判を浴びやすく、第2次大戦後の19回のうち17回で与党が議席を減らしているという統計があるほどである。加えてバイデン政権の政策は内外共に精彩を欠いて一向に支持率が上がらず、このままでは共和党有利のまま11月を迎え、上下両院とも共和党に多数を握られることになる公算が大きい。

上院は100議席を50対50で分け合い、辛うじて議長をハリス副大統領が務めることで民主党が1票差を確保している形。今回改選となる3分の1=34議席のうち共和党の議席が20、民主党が14で、しかも民主に選挙に強い議員が少なくないので、そう大きく負けることはないだろうが、しかし1~2議席減らしただけでたちまちバランスが崩れる危うい状態である。下院は435議席の全てが改選となり、現状が民主222、共和210、欠員3とほぼ拮抗状態にある中、共和党が8議席以上を奪えば逆転するので、そうなることはほぼ間違いないと見られている。

とはいえ、問題は民主党との議席差よりも、おそらく両院で多数派を占めることになる共和党議員の中でトランプ派がどれほどの比重を占めることになるかによって決まる「質」である。

 

プーチンも高く評価。ウクライナに和平をもたらす「唯一の解決策」

トルコの仲介により実現したものの、3月29日を最後に中断したままとなっているロシアとウクライナの停戦交渉。しかしその際に話し合われていた合意案が、世界を救う鍵となりうるようです。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤先生が、ウクライナに和平をもたらしうる唯一の解決策として米国の有力外交専門誌が取り上げた「イスタンブール合意」の内容を、同誌の記事を引く形で紹介。さらにこの案の実現性についても考察・解説しています。

 

ウクライナの出口、イスタンブール合意案

ウクライナ戦争が混迷化しています。

ロシア軍はキーフ周辺からは撤退したものの、東部の要衝地域を固めつつあります。ウクライナのゼレンスキー大統領は意気軒高なものの兵士に疲れが見られます。

そんな中、米国の権威ある外交専門誌、「フォーリンアフェアーズ」がウクライナ和平の出口の可能性として3月29日にトルコで話合われたイスタンブール合意案(コミュニケ)に注目しています。

その時は、ロシア側の交渉責任者が「もっと強硬な姿勢で交渉に臨むべきだ」とロシア国内で激しく非難されたこともあり、この案にそった和平条約の締結は難しいと思われていました。

しかし、このイスタンブール案が唯一、ウクライナに和平をもたらしうる解決策になるのではないかというのです。

なぜならロシアの強固派の反発にもかかわらずプーチン自身は前向きだったからです。

「メディンスキー氏(交渉責任者)は、イスタンブール案を非常に高く評価した。プーチンに相談もせず、そのような評価をする可能性は極めて低いと思われる。そして、プーチン自身、4月末のグテーレス国連事務総長との会談で、この案を“真のブレークスルー”と呼んでいるのだ」(「フォーリンアフェアーズ」6月1日)

それでは、そのイスタンブール合意案とはどのようなものなのでしょうか?それは、ウクライナを永世中立国にするという案です。

3月29日のイスタンブールでの会談後、報道陣にリークされたこの提案は、少なくとも双方から予備的な支持を得ている。ウクライナはNATO加盟の野心を捨て、永世中立を受け入れる代わりに、西側諸国とロシアの双方から安全保障を受けるというものである。

保証人は、中国、フランス、ロシア、英国、米国の国連安保理常任理事国すべてと、カナダ、ドイツ、イスラエル、イタリア、ポーランド、トルコの5カ国とされる。これらの保証国は、ウクライナが攻撃された場合、同国からの公式要請を受けて緊急協議を行い、必要に応じて武力行使を含む支援を行うとしている。

このイスタンブール案では、ロシアはウクライナの安全保障に関わる利害関係者となる。ウクライナはいかなる軍事連合にも参加せず、自国領土に外国軍の基地や軍隊を持たない。ウクライナでの多国間軍事演習は、すべての保証国の同意がある場合にのみ可能である。

米国の“弱腰”に批判も。明らかになるロシア兵による「残虐行為」の数々

3カ月が過ぎても終わりが見えないウクライナ情勢。ロシア軍が去った首都キーウ近郊のブチャでは、ロシア軍による数々の残虐行為が明らかになっています。今回のメルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「虫の目、鳥の目、歴史の目」』では、著者の嶌信彦さんが、どういった行為が「戦争犯罪」とされているのかを列挙したうえで、ウクライナの地でのロシア軍と兵による行為を「意図的な作戦でまさしく戦争犯罪だ」と語ったアメリカのブリンケン国務長官を言葉を紹介。にもかかわらず、弱腰な米国の姿勢には批判があると伝えています。

 

米国の慎重対応に批判も

ロシア軍のウクライナ侵略と人間性を疑うようなロシア兵によるウクライナの一般市民、女性、少女などへの暴行が次々と明るみに出始めている。それらの行為は国際条約で禁止されているもので、そうした行為を放置しているロシアの大統領・プーチンの「戦争犯罪」を問う国際世論も大きなうねりになってきた。

ロシア軍の行為が「戦争犯罪」と言われているのは、ジュネーブ条約やオスロ条約、ハーグ陸戦条約などで禁止されている攻撃を実施しているためだ。

たとえばダムや堤防、原発などの施設は破壊されると一般市民に危険を及ぼすので攻撃してはならないと定められているし、病院や学校、住宅などの爆撃もジュネーブ条約で禁止されている。また燃料気化爆弾やクラスター爆弾の使用なども禁止されているが、国際人権団体によるとロシア軍がミサイルで病院を攻撃し死者が出たり、各地で複数の学校や一般住宅が攻撃された。

またウクライナの首都キエフ近郊のブチャでは、民間人を中心に400人以上が殺害されたとみられ、無抵抗の男性への銃撃、少女への性暴力、水や食料不足をもたらしたことによる衰弱死──などの犯罪が住民の証言によって明らかになっている。

目を銃撃され遺体となったまま道路に放置された光景や後手に縛られて背後から銃で撃たれた遺体なども複数あったといい、一部は映像で世界に流された。また母親と10代の娘の親子がロシア兵によって地下室に連行され、連日のレイプを止めようとした母親が銃で殺されたなどの報告もあった。

アメリカのブリンケン国務長官は、ロシア軍の虐待疑惑は「意図的な作戦でロシア軍が組織的・計画的に実行したものだ」との認識を公にしている。またウクライナ検察当局は、戦争犯罪の容疑で約5000件を捜査していると明かし、ロシアの組織的犯行とみて追及しているという。こうした実情はアメリカの情報機関も把握している模様で、ブリンケン長官は「我々が目撃しているのは、ならず者による暴走ではない。殺害や拷問、性的暴行など残虐行為を目的にした意図的な作戦だ」とし、まさしく戦争犯罪だと記者団に述べた。

これらに対し、プーチンは5月の第二次大戦対独戦勝記念の式典で「ウクライナへの“特別軍事作戦”は、ウクライナのゼレンスキー政権がネオナチであり、今回の侵攻はウクライナのナチス主義者から人々を守ることを目的としたもので、必然的で時宜を得た唯一の正しい決定だった」と公言している。また、「ウクライナ攻撃の目的はナチスに居場所を与えないためだ」と指摘し、戦いの行方によっては核戦力を使用する可能性もあると示唆して米欧を威嚇している。

さらにロシア軍が制圧した南部のヘルソン州では、州知事やヘルソン市長を解任し、親露派の後任を一方的に任命、同州のロシア編入の方針も言明して“ロシア化”を押し進めている。

こうしたロシアの攻勢に対し、バイデン大統領は“正面から対抗すると第三次世界大戦を招きかねない”として武器供与についても慎重で米国の弱腰に批判が出ている。

 

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「女子高生ミスコン」でワイセツ行為が横行か。投げ銭と引き換えに裸の写真&肉体関係を要求、実態はただのパパ活という闇

「女子高生ミスコン」の裏側で、中年リスナーが性犯罪を行っていたことが発覚した。金にものを言わせてミスコンを荒らし、女子高生を餌食にする悪質な行為。調べを進めると、そこにはミスコンという名のもとに、知られざる闇深い現実があるようだ。

投げ銭の見返りで女子高生に裸の写真を要求さらに…

女子高生ミスコンの闇告発があったのは、6月3日に配信された暴露系YouTuberコレコレのライブ。コレコレは「ワタナベマホト児童ポルノ写真要求事件」「ストプリななもり不倫騒動」など数々のネット界隈のスキャンダルを暴露してきて、今やネット界の駆け込み寺的存在になっている。

コミュニティアプリ「ミクチャ」では2021年から「日本一かわいい女子高生を決める」というテーマで、「女子高生ミスコン」を開催、今回はその2回目だった。

問題が発覚したのは「第2回シードオーディション」で、この大会で1位になるとシード権を獲得し、予選大会を飛びこえて決勝大会に進むことができるというシステム。勝敗はリスナーからもらうポイントで決定する。

無料で貯められるポイントもあるが、多くは1ポイント=約1円で購入する“投げ銭”だ。つまり、ポイントはファンの数ではなく、“金に余裕のあるファン”がいくら課金するかにかかっている。

今回告発したというAさんは、ライブを頑張っても分厚い壁に阻まれて上位に上がることができなかったようだ。調べてみると、Aさん以外の上位者の全てはと、「じょー」というファンが一律10万Pも課金していることが発覚した。

なんと「第1回シードオーディション」で1位に輝いた子は2位と100万P以上も引き離していたのだ。1位の子に100万円を課金したのも「じょー」だった。(現在は「じょー」は排除され、ポイントも無効になっている)

この「じょー」という人物は運営側も警戒しており、第2回が始まる前に「高額ポイントと引き換えに参加者に無理な要求をしてくるので相手をしないように」と注意喚起していた。

やがてAさんにも「じょー」からのDMが送られてきた。その内容は「1位にするかわりに裸の写真を送れ」というもので、添付されていたのは第1回で1位になった子の上半身裸の画像だったという。Aさんは自力でがんばると「じょー」の申し出を断った。

その配信を見ていたミスコン参加者のBさんが参加し、「投げ銭をもらっても裸の写真は送っていない」と否定したものの、芸能事務所を立ち上げるという「じょー」の言葉に惹かれて、LINEや電話でやりとりしていたことは認めた。

「じょー」に投げ銭をもらった参加者のほとんどは「じょー」と直接連絡をとり、中には直接会って、肉体関係を結ぶ交渉までしていたようだ。

「じょー」は自分が「ミクチャ」上で排除されないように、男子高生ミスターコンの参加者にも投げ銭をして、ミスコン参加者の誹謗中傷を言い、自分が被害者のように装っていた。

翌日、コレコレはツイキャスライブで直接「じょー」と電話で直接対決。「じょー」は始終酔っ払った様子で、容疑を否定し、コレコレを罵倒していた。女子高生側もコレコレとのメールや画像を保存しておくと、自分の落ち度が他人にバレてしまうので、証拠は消していると踏んでいるのか自信満々だった。

しかし、複数の女子高生とのメールのやりとりと画像が証拠として提示されると、急に電話を切って、それきり電話にも出なくなった。

女子高生の1人は6日にも警察に相談に行くという。「じょー」は近日中に児童買春、児童ポルノ等禁止法違反の容疑で逮捕される可能性が高いといえそうだ。

実態はパパ活とほぼ変わらない危険なミスコン

「ミクチャ」では現在様々なミス、ミスターのコンテストが行われている。容姿が問われる以上、ほとんどが顔出しになり、個人情報が特定されやすい。

他のコンテストには特定のファンがいて、女子高生ミスコン以上の高額の投げ銭を行っているようだ。

この中でポイント競争をしていたら、10万、100万などのポイントが“金銭”であるという感覚が麻痺してしまうのもおかしくない。

今回は未成年ということで犯罪行為にあたるとみられるが、成人同士なら規約違反にはなっても、犯罪にはなりにくい。女子高生ミスコンは氷山の一角で、ネットに素顔を出すのは常に危険が伴うことを忘れてはならない。

ロシアから永久撤退も「転んでもただは起きぬ」マクドナルドの商魂

ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ロシア国内での営業を一時停止していたマクドナルドが、5月16日同国からの完全撤退を発表しました。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では、国際政治経済学者の浜田和幸さんが、この撤退によりいよいよロシアとアメリカの戦争が始まるとの懸念が広がっていることや、世界での売上の10%を失うことになるとその影響を伝えます。さらに、そんなマクドナルドが始めた「多様性と平和へのキャンペーン」を紹介し、ウクライナ危機と関連付ける商魂の逞しさに感服しています。

 

マクドナルドが先頭を走る“プライド月間”キャンペーン

ぶっちゃけ、ウクライナを巡る米ロの対立は長期化する一方です。

キッシンジャー元国務長官は間もなく100歳となりますが、発言力は一向に衰えず、先月のダボス会議でも「戦争を終わらせ、人的、経済的被害を抑えるには、ウクライナが領土の一部を割譲するのが最善の収めどころだ」と発言。この現実派らしい発言には賛否両論が巻き起こっています。

そんな中、ロシアからの全面、永久撤退を宣言したのがマクドナルドでした。しかし、これでは「マックの法則」が効かなくなります。何かと言えば、「マックの進出している国同士では戦争が起きない」という不文律です。このタガが外れたことで、ロシアとアメリカの本格的な戦争が起きるのではないか、との懸念が広がっています。

そこで、マクドナルドは新たな「多様性と平和へのキャンペーン」を始めました。それが毎年6月にアメリカはじめ世界各国で繰り広げられる「プライド月間」活動に他なりません。日本でも代々木公園で3万人が集まる集会が開かれました。

これは1969年6月28日、ニューヨークを皮切りに発生した「ストーンウォールの反乱」に因んで、LGBTQ+の権利を促進しようとするものです。性の多様性を象徴するシンボルとして6色のレインボーフラッグが掲げられ、世界各地でイベントやデモが展開されています。

こうした動きとウクライナ危機を関連させ、マクドナルドでは「皆、違っていて当たり前。愛は違いを乗り越える」といったキャンペーンを始めました。その一環として、従来のポテトフライに加えて、「レインボー・スティック」を多様性の象徴として売り出しています。

要は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に反対し、多様性と平和の大切さをレインボー関連商品に込めているわけです。あちこちの店舗ではレインボーフラッグが見られます。

ロシア市場から撤退したことで、世界的な売り上げを10%近く失うことになったわけですが、新たなキャンペーンの効果でマックの売り上げは順調に伸びているとのこと。ぶっちゃけ、「転んでもただは起きぬ」商魂の逞しさを感じさせます。

 

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日本より先にバイデンが来た。歓喜の韓国に米報道官が発した言葉

文在寅氏の後継候補を破り5月10日に第20代韓国大統領に就任、同21日にはアジア初歴訪となるバイデン大統領との首脳会談に臨んだ尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏。これまで政治経験の一切ない尹氏の舵取りを不安視する声も一部で聞かれますが、外交面の課題についてはどのような取り組みを見せるのでしょうか。今回のメルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』では宮塚コリア研究所副代表の宮塚寿美子さんが、早くもさまざまな動きを見せている米韓・日韓関係、さらに南北関係の今後を考察。さらに6月5日、北朝鮮が1日に8発ものミサイルを発射した理由を推測しています。

※本記事は有料メルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』2022年6月5日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

 

日本より先にバイデン大統領訪韓で歓喜。尹大統領就任でどうなる朝日米

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の新政権発足後1か月になる。本格的に始動になった「今後の日本、米国、北朝鮮との関係はどうなるのか?」を展望しよう。

まずは、米韓関係である。5月21日、米国のバイデン大統領は、初アジア歴訪で日本より先に韓国を選んだ。韓国メディアは、バイデン大統領が日本に先立って韓国を訪れたのは異例の対応だと報道した。尹錫悦新政権に対する期待の大きさの表れだと肯定的に受け止めている。韓国の聯合ニュースは「歴代米大統領は就任後、アジア外遊でまず日本を訪れた」と指摘。米側には、尹政権が文在寅前政権より米韓同盟を重視するとの期待があるとし、「バイデン氏にとって今回は韓国訪問が重要になる」と説明した。5月10日に就任したばかりの尹錫悦大統領は韓国の大統領としては、就任後最速で米韓首脳会談を実現したのである。

会談後の共同記者会見でバイデン大統領は、「抑止態勢をより強化し朝鮮半島の完全な非核化に向けて取り組むことで北朝鮮による脅威に対処していく」と述べ、北朝鮮が核・ミサイル開発を加速させる中、核戦力を含む米国の抑止力で同盟国を守る「拡大抑止」に責任を果たすことを確認した上で、抑止態勢を強化していく考えを強調した。

これに対し尹錫悦大統領は、北朝鮮の核やミサイルの脅威について「高度化する核・ミサイルについて深刻な憂慮を共有し、どんな課題よりも優先的に取り組む必要があると共感した」とした上で、両国の軍が毎年行っている合同軍事演習について、規模を拡大する方向で協議を始めることで合意したと明らかにした。両首脳は、両国の間で途絶えていた拡大抑止の強化に向けて話し合う高官レベルの協議を早い時期に再開させることで一致したということである。

一方、冷え込んだ日韓関係について、バイデン大統領は、「日米韓の3か国が経済や軍事面で緊密に連携していくことは極めて重要だ」と述べ、関係改善への期待をにじませた。これを裏付けるように、米国のホワイトハウスの報道官は、歴訪の順番については「深読みする必要はない」とし、「米国は日本と強い関係があり、韓国ともそうだ」と述べ、日本への配慮も見せている。

次に、日韓関係である。尹錫悦新政権し、次の駐日大使として尹徳敏(ユン・ドクミン)前国立外交院長(62)が内定している。尹徳敏氏は、日本の慶応大学への留学経験があり、日韓関係や北朝鮮問題など外交・安全保障が専門の学者で、朴槿恵(パク・クネ)前政権で次官級の国立外交院長に起用された。国立外交院の前身である外交安保研究院で約20年間、教授を務めた。日韓関係が悪化した前の文在寅(ムン・ジェイン)政権で就任した姜昌一(カン・チャンイル)現大使は、日本の外相や首相とも面会していないなど、日本での活動が萎縮している。

しかし、両国は悪化していた関係の改善に向けた協議を加速させている。朴振(パク・ジン)外相の就任後初めての訪日も調整している。6月2日、韓国外交省の李相烈(イ・サンリョル)アジア太平洋局長は、ソウルで日本の外務省の船越健裕アジア大洋州局長と協議した。

 

プーチンが国連脱退を決意?ロシアが辿るかつての日本と同じ道

国連常任理事国に日本を入れることを支持するとバイデン首相が発言して話題となりましたが、国連は「もはや機能不全に陥っている」との声も多く聞かれます。そこで今回は、メルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』の著者で、小沢一郎氏の秘書を長く務めた元衆議院議員の石川知裕さんが国連について詳しく紹介。その上で、ロシアはかつての日本を同じ道を辿っているとし、今後の行動について予測しています。

 

機能不全の国連で、日本が果たす役割とは

国際連合(国連)の存在意義が問われている。

国連の前身である大戦前の国際連盟は、アメリカが議会の反対で加入しないまま、日本など主要国が相次いで脱退し、平和のための国際機関として機能せずに役割を終えた。

この反省を踏まえて結成されたのが国際連合だったことは、歴史の勉強で“いの一番”に習うことである。 しかし、その国連がウクライナ危機では全く機能していない。ロシアへの制裁でもNATO側とロシア側で真っ二つに割れたままで、国連の存在は見えない。

国連の最大の課題は、国連安全保障理事会(安保理)が機能不全に陥っていることだ。これまでの国際紛争解決の際は、米ロ中が調整しながら行ってきた。しかし、ウクライナ危機では、拒否権を持つ常任理事国にロシアがいることで国連として行動することが不可能となっている。

満州事変と今回のウクライナ侵攻が極めて似ていると、私は以前に指摘した。

実効支配する領土を増やし日本人を入植させ最終的には傀儡国家を作る。この過程は歴史をなぞっているようである。ここまで一緒だと、今後のロシアの動きは、当時の日本の動きをなぞると考えられる。

それは、国際連合からの脱退である。

国際連合の枠組みは、第2次世界大戦の戦勝国であるアメリカ、ロシア(ソ連)、フランス、英国、中国を安保理の常任理事国にし、拒否権を与えている。この枠組みが現在揺らいでいることは言うまでもない。

ロシアが新たに、自国のための国際秩序として中国と連携を強めていくことは十分に考えられる。中国は、米国との戦略的互恵関係を望んでいるものの、中国の人権問題や海洋派遣拡大に関して国連が足かせになるようならロシアとの連携をさらに強める可能性もある。

国連が分裂しないようにするためには、中国と米国との対話に際し、日本が積極的に橋渡しの役目を果たすことが重要だ。参院選が近づいている。各党の主張には違いがある。 これも大きな争点の一つだと思う。

 

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なぜ無給?スマホが使えない高齢者支援に2万人、見えないデジタル化への本気度

政府は今月、「デジタル田園都市国家構想」の実現に向けての基本方針案をとりまとめました。中でも注目すべきは高齢者のデジタル機器利用を支援する策について。そこで今回はメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の著者で、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんが、スマホがなければ何もできない時代に取り残される高齢者の支援について語っています。

 

政府が「デジタル推進委員」を2万人、確保すると発表—–スマホのことなら「プロ」に任せればいいのではないか

政府は6月1日、デジタル化を進めて地方活性化につなげる「デジタル田園都市国家構想」の実現に向けて基本方針案をとりまとめた。そのなかで、デジタル機器を利用する高齢者を支援する「デジタル推進委員」を今年度中に2万人以上、確保すると発表した。

このニュースを聞いたとき「報酬がもらえるのなら、素晴らしい制度」だと思ったのだが、調べてみたらなんと無給なのだという。

民生委員やオリンピック・パラリンピックのボランティアなど、世間に奉仕したいという一心で無給で行う仕事も存在するが、デジタル機器を使いこなせるようにシニアをサポートする仕事はきっちりと報酬アリでもいいのではないか。

日本全国に「キャリアショップ」があり、スマートフォンの設定や操作に長けた優秀なスタッフは数多い。

オンライン専用プランが台頭し、NTTドコモはドコモショップを700店舗、削減するというなか、経営的に厳しいキャリアショップを救う意味でも、デジタル推進委員は、キャリアショップにお任せするのが現実的ではないか。

一方で、総務省では「デジタル活用支援推進事業」を展開している。

こちらはNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルが採択されており、全国でスマホ教室が展開されるようだ。

料金値下げや完全分離などで窮地に追い込まれたキャリアショップを総務省が救うつもりなのか。

いずれにしても、このような仕組みであれば、キャリアショップにもありがたいはずだ。

 

北朝鮮がコロナで崩壊の危機。米でささやかれる金正恩政権の瓦解

新型コロナウイルス感染症が拡散していると報じられる北朝鮮。今回、米国の専門家がコロナによって北朝鮮政権が崩壊する危険性があるとして韓国や日本への意見を提起しました。無料メルマガ『キムチパワー』では、韓国在住歴30年を超える日本人著者がその話題について触れ、今後の北朝鮮の動きや周辺諸国はどう動くべきかを語った米国専門家の言葉を紹介しています。

コロナで北が滅ぶ?

米国の専門家が新型コロナウイルス感染症の拡散で北朝鮮政権が崩壊する可能性があり、このような状況を考慮した韓半島統一対策計画を立てなければならないという主張を提起した。

3日(現地時間)、米国保守性向シンクタンクであるケイトー研究所のダグ・ベンド首席研究員は、フォーリンポリシーへの寄稿文で、「北朝鮮で新型コロナウイルス感染症が拡散し、統一問題が浮上している」と主張した。

ベンド研究員は「北朝鮮がパンデミックにまともに備えることができない状況」とし「金正恩王朝の没落を予見するのは多少時期尚早だが、可能性に対して備えないことも愚かなこと」と話した。(聯合ニュースベース)

彼は特に、北朝鮮でワクチン接種が事実上皆無であることを挙げ、拡散速度が速いオミクロン変異がワクチン未接種者にさらに致命的に作用する可能性があると説明した。

それと共に現在の状況が1990年に北朝鮮を襲った大飢饉と似ており、いな、それ以上に悪い可能性もありうるとし「今回はウイルスが指導層を襲う可能性もある」と警告した。

ベンド研究員は「このようなことは起きないかもしれないが、独裁者たちも時には運が尽きたりもする」とし「韓国と米国、日本は北朝鮮の不安定な状況または崩壊に対して体系的で足を地につけた議論を始めなければならない」と提案した。