【動画あり】目の付け所が斜め上すぎる、シャープの「ロボット電話」

世界的ソフトエンジニアの中島聡さんのメルマガ『週刊 Life is beautiful』の人気コーナーの1つ、「今週のビデオ」。中島さんが気になったムービーを紹介するとともに、それぞれに要所をついた指摘やアドバイスが添えられています。今回取り上げられているのはシャープのRoBoHoNと、中島さん曰く「ツッコミどころ満載」な自転車・Walking Bikeの2つ。とくにWalking Bikeの発想はお見事ですよ。

RoBoHoN(ロボホン)コンセプトムービー

シャープのロボット型携帯電話のコンセプトムービーです。これを最初に見た時は、単なるプロトタイプだろうと思ったのですが、こちらの記事(「シャープ、二足歩行ロボット携帯電話 RoBoHoN 発表。プロジェクターも内蔵、音声や顔認識で操作」)によれば、実際に製品化をして2016年前半には発売するとのことです。

 

 

 

シャープらしい製品で、アイデアも悪くないと思います。iPhone の後を追いかけても決してビジネスにはならないので、このぐらい飛び抜けたものを作ることは必須だと思います。

ただし、中途半端な完成度のものを出すと、いつものシャープ製品らしく、一部のアーリーアダプダーにだけ受け入れられる短命な製品に終わってしまうので注意が必要です。

多少、発売時期が遅れても、値段が高くなっても良いので、クオリティの高い製品に作り上げて欲しいと思います。特に質感が悪いと安っぽくなってしまうので、そこだけは妥協すべきではないと思います。

プロモーションビデオの中で1つだけ気になった点を言うと、写真の撮影はもっと自然なものであるべきだと思います。「はい、チーズ」などをさせずに、イベントや旅行先で楽しんでいる自然な姿を知らないうちに記録してくれている、そんなコンパニオン・デバイスになってくれればスマートフォンを超えるものになれると思います。

このビデオを見る限り、「なぜこんなデバイスが必要なのか」というビジョンの共有がメンバーの間でちゃんと共有されていないのではないかと、少し心配になります。もしシャープの方がこのメルマガをお読みであれば、そのあたりの話を喜んで(無償で)コンサルタントなりブレストをするので、連絡を下さい。

Walking Bike 

家の中で運動するときに使うTreadmill を自転車と組み合わせて移動できるようにする、というアイデアです。「外で運動したいならば、走れば良いじゃないか」とツッコミを入れたくなりますが、「立った姿勢で乗れる自転車」という観点から見れば、今までにない発想なので考慮の価値はあると思います。

ちなみに、このバイクですが、Lopifit という商品名でオンラインで購入が可能になっています。1799ユーロ(約24万円)で、代理店も募集しているようです。

image by: RoBoHoN(ロボホン)コンセプトムービー , Walking Bike

 

週刊 Life is beautiful』より一部抜粋

著者/中島聡(ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア)
マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。IT業界から日本の原発問題まで、感情論を排した冷静な筆致で綴られるメルマガは必読。
≪無料サンプルはこちら≫

日本のジャーナリズム界に危機。読売新聞の幹部が漏らした弱音とは?

軍事アナリストの小川和久さんが配信するメルマガ『NEWSを疑え!』に、読売新聞の幹部が漏らした弱音が紹介されています。曰く、軍事問題に精通したたった1人の記者が定年を待たずに退職してしまったとのこと。他の新聞社を見回しても一定水準に達している軍事記者は不在で、これを小川さんは「日本のジャーナリズムの危機」と記しています。

軍事記者がいない!

さきごろ、読売新聞の幹部が漏らした弱音を聞かされて、考え込まされることがありました。

なんと、世界最大の発行部数(これには議論が分かれますが)を誇る「大読売新聞」には軍事問題全体に目配りできる専門記者が1人しかおらず、そのたった1人の記者が定年を待たずに退職してしまった、というのです。

前号の編集後記にも書きましたように、私は「民主主義機能させ、成熟させる中心はジャーナリズム」という立場です。1日のマスコミ倫理懇談会全国大会の講演でも、それを強調してきました。

特に安全保障問題を判断するには専門知識経験に基づく知見不可欠で、そのためにも毎年1人ずつの軍事記者要員を確保し、育てるほどの取り組みが求められるわけですが、読売新聞にして1人しか軍事記者がいなかったうえ、その虎の子の記者もいなくなったというのですから、愕然とせざるをえません。

惜しまれつつ退職したのは、読売新聞で解説部長などを歴任した調査研究本部主任研究員の勝股秀通氏。勝股氏は防衛大学校の大学院の「卒業生」でもあります。

それというのも、作道光夫氏(防衛大学校11期生、のちの西部方面総監)が陸上幕僚監部の広報室長の時、強い自衛隊実現するには、たとえ敵に回ろうとも強力ジャーナリスト存在不可欠という考えのもと、防衛省担当記者経験者を防衛大学校研究科大学院)に2年間、学んでもらう取り組みを始め、勝股氏はそのトップランナーだったからです。同じ時、朝日新聞からは谷田邦一氏、産経新聞からは中静敬一郎氏が小原台(防衛大学校)で机を並べました。

勝股氏は、請われて日本大学新設する危機管理学部教授に就任、企業広報などを担当するということですが、優秀な人材を得た日本大学にとってはこのうえない喜びであっても、読売新聞、いや、日本のジャーナリズム全体から見て残念な出来事であるのは否定できない事実です。

「エステ」の語源を辿ってわかった、シンプルかつ奇跡の美顔マッサージ法

女性の美容や癒やしに欠かせないエステ。みなさんはエステの語源を知っていますか? 実は、その語源をたどるとエステの核心が見えてくると無料メルマガ『音多秀茂の【富と成功の5つのタネ】』の著者音多秀茂さんは言います。また、気軽にできる若返りのマッサージ法も紹介しています。

エステとは

さて、今回このテーマを久々に取り上げようと思ったのはふと「エステ」って何語だ?とテレビCMを見ていて思った事です。
ちなみに私は美には興味がありますが、エステにはまったく関心も関わりもありません(-。-)y-゜゜゜。

これから語るのはそんな第三者な私がエステというワードを調べた結果気づいたあるシンプルな核心です。

そもそもエステと聞いて関連付けられるイメージは、もはや美顔だけではないでしょう。それは女性を中心としたサービスであり、全身の美肌や脱毛、さらにはオイルマッサージのようなリラックスも含めたトータルケア的なイメージがあります。

しかしそれを調べた結果、実はこれらのイメージは付加価値の後付けによってどんどん膨らんだものであり、元を辿ると非常にシンプルで効果的、しかもわざわざエステ通いをしなくても大きな効果が期待できそうなテクニックに集約されていることがわかりました。

あ、もちろん現在のエステは十分効果があるんですよ。何故なら技術の進歩は医療同様にどんどん進んでいますし、特に脱毛などエステに通わなければ絶対無理なものもありますから。

エステの語源を辿ると核心が見える

さて、エステは日本人用の短縮語ですが、正しくは”エステティック”でフランス語です。

しかし、さらにその語源を遡ると、紀元前500年頃のペルシャ大王の妃である”エステル”の壮絶的な美しさ(笑)からきているとの説があります。

エステルの美しさを表す形容詞がエステティックというフランス語になり、美学や美意識を表す言葉として使われ出したのでしょう。

ただ、この言葉が現在の痩身や脱毛、美白をはじめとした、全身の美容術を表すようになったのは、この後さらに、あるフランス人女性の美容術が一般化したことによるようです。

そこにエステ本来の技術の核心があるわけですが・・・。

米国旅行のお土産で困る「アメリカにあって日本にはないもの」

旅行や出張で米国を訪れた人たちを困らせるのが「お土産」。米国にあるものはほとんど日本にもあるし、そもそも日本のほうが質がいいという始末。シアトル在住歴10年の粥川由美子さんが『道産子絵描き粥川由美子の絵にも描けないシアトル・デイズ』でその苦悩を語っています。

アメリカン・フィーリング

日本の文化やアニメーションが世界で大人気といわれて久しいですね。アメリカ、ヨーロッパでコンサートやツアーに成功している日本のバンドや歌手もたくさんいるよう。「ジャパニメーション」、「クールジャパン」などと呼ばれ、世界では今、日本の文化が注目されているそうな。

でもそれは、たとえばアメリカでは、アメリカの「そういう人」に人気なのであって、アメリカ全体が日本に夢中、ということではないのであります。「全米で大人気」という売り文句のついた商品も、怪しい。この巨大な国のすべての人が、ひとつのものに夢中になるということ自体考えられず、日本のように、みのもんたが番組で痩せると紹介したら、スーパーのトマトが売り切れた、などということはまずありません。「今これがアメリカで流行ってるんでしょ?買って来て!」と何やら化粧品などを友達に頼まれても、キョトーンです。何ソレ?

例えばその商品は、テレビのトークショーでアイドルが愛用品として紹介していたという、香水。アメリカのブランドだから、「本場のヤツ」を買って来てほしいと送ってきた商品のリンク。なにやらかわいい、イチゴのイラストのついた超ガーリーな形の小ビンに入っていますが、聞いたこともないブランドなのです。

もちろんブランドと商品名をグーグルで検索。ひっかかったのは、お手頃な価格のドラッグストアブランドの商品でした。でも、どうも友達が送って来た商品とは見た目が違うので、近所にある、ド・庶民(ダイソー的にいうと、ザ・庶民)ドラッグストアへ足を運んでみました。あった…庶民の店の庶民の棚に、庶民の形をしたその商品が。あの超ガーリーな外装とはほど遠い、何これ、昔のシャンプー? みたいなガサツなプラスチックのボトルに入って売られていました。

友よ、夢を壊して申し訳ないが、その商品は日本の女の子に買ってもらえるよう、日本向けKAWAII仕様に衣替えした、アメリカのKAWAIKUNAIであることをここに報告せねばならない。許せ!

日本に帰るとき、または、日本にこちらから何か贈るとき、何を買えばよいのやら、本当に悩みます。アメリカにあって日本にはないものアメリカにあって日本にはないもの…と呪文のように唱えてしまいますが、そんなものなど、今時あるのかな?そりゃいわゆるおみやげやさんに売っている、スペースニードルの置物なんかは、ここでしか買えないかもしれませんよ。でも服やコスメ、お菓子となると、あっというまに日本に入ってきちゃって、そして日本仕様に質よく作られちゃって「本場」の価値がまるでなくなってしまうのです。日本め~、ちょっとは外国に行かなきゃ手に入らないものを残しておいてよ!

こちらに住んでみると、いかに日本で売られているアメリカブランドのもの、例えばコカ・コーラやキット・カットのような商品ひとつとっても、日本仕様の質のよさに目が覚めます。でもやはり現場の事情を知らなければ、実は本場に勝っているという感覚は生まれないでしょう。

海外に旅行やホームステイをしたり、または外国から日本へ来た人を通して、外国の文化を伝えるテレビ番組がたくさんありますよね。そこに登場する人の行動から、視聴者はその人の国の文化を覗くわけですが、その国のことをまるで知らなければ、その人をその国の代表と思ってしまいます。うわ、ソレかなり変な人だよ! とヒヤヒヤしながら番組を見ています。つまり番組を作る人、取材する人にその感覚がないからそんなことになるわけですが、私にもかつて、その感覚はありませんでした。

ワシントン大学院卒「しゃべるねこを飼う男」が教える英語上達の最短ルート

流暢に英語を話すしんコロさん、その姿に憧れる人も多いはず。でも上達が実感できないのはなぜ? そこで、しんコロさんが自身のメルマガ『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』の中で英語学習法やコツを紹介しています。

Question

しんコロさんの英語学習法は?

shitumon (1)しんコロさんは本当に英語を流暢に話されて羨ましいです! 私は1年前ぐらいから英語を勉強してるのですが、なかなか上達が実感できないんです。外国人が話すあの英語を自分が聞き取れるとは今の時点ではとても思えないのですが、しんコロさんが英語を習得するうえで、これが一番効果的だった! と思われる勉強法はどのようなものでしたか?

また、この瞬間、英語力が飛躍的についた、と思ったエピソードなどはありますか? 以前にもメルマガでご自身の英語勉強法について触れておられましたが、ここでもう一度しんコロさんが実際に実践されていたことをまとめて頂けないでしょうか?

また、今はオンラインレッスンなども浸透してきて、家でも勉強する方法はたくさんあると思いますが、やはり英会話教室へ通うのが王道でしょうか? しんコロさんは英会話教室に通っておられましたか?

しんコロさんの回答

英語学習の方法やコツについてVol.089 でかなり細かく書いたなかで、僕は、「語学を学ぶことはダンスを学ぶことに似ている」と例えました。

クラブに行って踊っている気になっても、実は大して踊れるようになってはいません。本当に踊れるようになりたければ、よほどの天才でもない限りはスタジオに行って基礎からしっかり練習をする必要があります。同じように、英語も聞き流しているだけでは聞き取れるようになった気がしているだけで、実は大して英語耳はできていません

僕自身、ある瞬間に英語が飛躍的にできるようになったという経験もありませんし、同様に、昨日まで踊れなかった人が翌日に急に踊れるようになった例も見たことがありません。

ということで、まず最初に大切なことは「語学学習にはある程度の時間が必要」だということを受け止めることです。それができないと、自分の上達が思ったより遅いときにモチベーションが下がってしまったり、最悪学習するのを止めてしまうこともあるからです。

さて、語学学習に時間がかかるのは事実ですが、それでも上達が早い人と遅い人がいます。上達が早い人は、効率の良い学習法をしていると思います。僕が考える効率的な学習法の具体的な方法は

「最初は無理やりでも1500語を目標に語彙をつけること」
「弱点とは自分の弱い部分ではなくて、これから強くできる部分という発想をもつ」
「100程度の構文を叩き込む」
「自分の人生経験を読解力や理解力に活かす」

ということで、その詳細もVol.089 に書きました。

僕は英会話教室は行ったことがありませんが、通える環境やゆとりがあるのであれば、通うのはよいと思います。ただし、英会話学校に通うだけでは不十分で、やはり自発的に語彙や構文を学ぶことも重要です。リスニングの材料としては今やインターネットにいくらでも英語の動画が見られるよい時代になりました。その中で、映画はあまりおすすめしません。というのも、映画の英語はとても難しいのです。スラングが多かったり、不明瞭な言い回しだったり、そもそもボソボソしゃべっていて聞き取りにくかったり。

一方で、おすすめなリスニング材料はTed Talks です。Ted Talks のように講演形式だと、演者が聴衆に理解させるように論理的に、しかも滑舌もよくハッキリと喋ります。使われる語彙も日常会話のみならず、ビジネスやアカデミックなシーンでも使われるものが含まれています。日本語字幕もついているので、どんな内容か確認しながらリスニングの練習もできます。興味深い講演もたくさんあるので、おすすめです。

Ted Talks
https://www.ted.com/talks?language=ja

image by: Shutterstock

 

shinkoro 『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」
著者:しんコロ
ねこブロガー/ダンスインストラクター/起業家/医学博士。免疫学の博士号(Ph.D.)をワシントン大学にて取得。言葉をしゃべる超有名ねこ「しおちゃん」の飼い主の『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』ではブログには書かないしおちゃんのエピソードやペットの健康を守るための最新情報を配信。
≪初月無料/購読はこちらから≫

増える10代の殺人事件。子どもに命の大切さを教える3つのポイント

増える10代の少年少女による殺人事件。命に価値を見出していない少年少女たちに命の大切さを伝えるためには何をすればいいのか。『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』では、3つのステップで子どもに働きかけることが大切だと伝えています。

子どもたちに命の大切さを伝えるには?

shitumon (1)今年は、10代の子ども達による殺人事件がとても多いと感じます。

子ども達に命の大切さを伝えるためには、具体的にどうしたらいいのでしょうか?

 

 

 

家庭教育アドバイザー 柳川由紀さんの回答 

何度となく報じられてきた10代少年少女による殺人事件。ニュースを耳にするたびに胸が痛みます。少年少女たちは価値見出していないような気がします。

お互いを尊敬し合ったり、いたわり合ったり、大切に思ったりする気持ちが薄れているとも思います。

これは少年少女に限ったことではなく、社会全体としてです。

子ども達が相手を思いやり、命の大切さを感じとるためには、大人達がそうした社会を作っていかなければなりませんね。

次の3つのポイントに注目して子どもに働きかけましょう。

 

1.無関心を捨てる

命の大切さを知るには、身近で何か起こらないと気づきにくいもの。

多くの人は、周りのこと、人のことに無関心というのが現状です。ですからまずは周りのことに関心を持つこと、持たせることが心の成長にもなるのです。

人に対してだけではなく、例えば、「近くで物音がしたけど、別に関係ないか」ではなく「あの物音なんだろう? 大丈夫かな」と、普段から何にでも関心を持つことです。

2.身近な、動物や植物と触れ合う

土を耕し、種を蒔くと花が咲き、やがて枯れて実を付けます。その実が種になり、また芽を出し新たな命が循環します。

同じようにおたまじゃくしが蛙になり、青虫が蝶になり、やがて子を残して死んでいきます。

子どもたちはこうした自然の摂理目の当たりにしていますか?

自然環境が少なくなった今、意識してこうした環境身をおく機会を見つけましょう。

3.「いただきます、ごちそうさま」の意味を実感させる

「いただきます」とは「あなたの命を、私の命させていただきます」の意味。

今83歳の母は、叔父が戦地に向け出征する日、叔父の好物であるカレーライスを親戚一同で食べてから送り出したそうです。

お肉などしばらく見たことがなかったため、母たち兄弟姉妹は、とても喜んだそうです。

ところが翌朝、チャボが一羽いません。

そこで初めて、昨日カレーライスに入っていたお肉が、いつも自分たちで面倒を見ていたチャボだったと気づきました。

子ども心にとても悲しくなった一方で、自分の糧となってくれる食べ物に「ありがたい」という思いを感じ、

改めて「いただきました」と声にしたそうです。

母は、だから食べ物粗末にしてはならないと強く感じたそうです。

逆襲のロシアと、沈黙のアメリカ。激変する情勢で日本の針路は?

ウクライナ危機以降、外交的孤立をしていたロシアが急遽シリアに軍事介入。一方、ロシアに経済制裁をしていた欧米は、懸念を示しながらも空爆を黙認しているかのようです。シリアをめぐっていま世界の覇権争いに何が起きているのでしょうか? 人気メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で国際関係アナリストの北野幸伯さんが、過去10年の世界情勢の変動を詳しく解説しながら、今後、日本が取るべき方針についても触れています。

世界の現状と日本の針路

私は05年1月に、一冊目の本「ボロボロになった覇権国家」を出版しました。

34歳のときに出した本で、今読み返すととても未熟です。

しかし、中身の方向性は、はっきりしていました。

・アメリカは没落していく

・中国はますます強大になっていく

この中で、「08~10年に危機が起こるが、中国はまだ成長期の前期であり、立ち直りは速い」と書いています。

(当時は、北京オリンピックと上海万博後にバブルがはじけ、中国は体制崩壊まで進むとする「崩壊論」が流行っていた)

07年、「中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日 ~一極主義 対 多極主義」を出しました。

なんか、今でも通用する話ですが。

実をいうと、中国とロシアがひっついたのは、「クリミア併合後」ではありません。

05年です。

アメリカとロシアは、03年から熾烈な戦いをつづけていました。

03年、ロシアの石油利権をめぐる「ユコス問題

03年、グルジア「バラ革命」をめぐる争い

04年、ウクライナ「オレンジ革命」をめぐる争い

05年、キルギス「チューリップ革命」をめぐる争い

「勢力圏」「影響圏」である「旧ソ連圏」で次々と革命が起こり「親米反ロ政権」が樹立されていく。

苦境に立たされたプーチンは、中国と組むことにしたのです。

両国は、「ドル基軸通貨体制をぶち壊すことで、アメリカの一極支配体制を崩壊させる」と決めました。

08年、「隷属国家日本の岐路 ~今度は中国の天領になるのか」を出版しました。

いろいろ書いていますが、二つ重要な予測をしています。

1、日本に親中反米政権が誕生する

これは、小鳩政権誕生で現実化しました。

2、尖閣から日中対立が激化する

これは、10年の「尖閣中国漁船衝突事件」で現実化しました。

そして、12年の「尖閣国有化」から現在に至るまで対立はつづいています。

日本で学ぶという不幸。シンガポールの教育水準がもう追いつけないレベル

日本の子供は不幸―。こう言い切るのは元参院議員でシンガポール在住の田村耕太郎さん。その理由を自身のメルマガに記していますが、なんとシンガポールの英才教育の現場では、小学生低学年生が英語を完璧に操り、ノーベル賞受賞者から超ハイレベルなレクチャーを受けているんだそうです。さらに家庭教師も最高水準とのことで、日本はとても太刀打ちできそうにありません。

日本の子供の不幸

私の仕事場の1つであるミルケンインスティテュートはノンプロフィットだが、ノンプロフィットといってもnot for profitという意味で資金は潤沢にあり、日本のジョークのようなNPOとは全然違う。ミルケンのfor profitの事業も手伝ってほしいとの話があって話を聞くとその1つが今日見た教育ビジネスである。

ミルケンは30年先を見て投資を組み立てている。その中で彼が投資をしている
のが、

・高齢化
・人材の移動
・教育

の部門である。まさに私のプロジェクトと合致する。彼の資金力と資本へのアクセス力をもってすればとんでもない事業ができる。そのとんでもなさが未来のためへの教育である。

シンガポール政府もミルケンの意見を取り入れこの教育事業を強力に支援している。ミルケンは「学校で最も大事な要素は教師の質だ」と各種データで分析して主張する。半端ない教師陣をこのシンガポールでも用意している。その1人が、ノーベル物理学賞受賞者でオバマが三顧の礼で閣僚(エネルギー長官)に迎えたスティーブン・チュン氏である。他にもバークレーやスタンフォードやMITから先生が送られてくる。世界最先端の先生たちから子供たちは、小学校低学年から、

・コーディング
・ロボット工学
・バイオ
・3Dプリンター工作
・資本市場と経済
・起業家精神
・交渉術
・ディベート術

を学んでいく。

外国人宿泊用のマンション購入が急増。国内の住環境は大丈夫か

自分が住む分譲マンションに、住民以外の不特定多数の人間が出入りするのはあまり気分のいい話ではありません。ところが最近、主に海外からの短期宿泊を希望する旅行者と部屋主をマッチングするサイトで収益を上げる目的でマンションを購入する人間が出てくるようになり、住環境の悪化も懸念されているとのこと。この状況に対して立ち上がった2つのマンションのケースを、無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』を配信する廣田信子さんが紹介しています。

マンションとインバウンド政策

こんにちは!廣田信子です。

先日、電話での問い合わせで、いきなり、不動産関係のシンクタンクの方にマンションとインバウンド政策(外国人旅行者を自国に誘致する政策)の関係についてどう思うかと聞かれました。

え~、最近、宿泊目的でマンションの部屋を貸すことよって様々な問題が出ていることを書きましたが…。それを、「マンションで規制する動きがあるが、それは、国のインバウンド政策反するのではないか」というようなニュアンスだったので、すごくびっくりしました。

私としては、聞いていて、それは当然、住環境守るため規制するでしょう。分譲マンションに不特定多数出入りするのは、そもそも目的が違うでしょう。ただでさえ、大変な分譲マンションにインバウンド政策に反する規定をつくるのはおかしい…みたいな話はないでしょう。とただただびっくり。

いち早く対策に乗り出したマンションがあり、その管理規約をブログで公開してくれていることから、関心が高まっているのだと思います。ブリリアマーレ有明です。

周辺マンションや新しく建つタワーマンションが、この管理規約を参考にすることで、トラブルを未然に防ぐことが、互いのマンションブランドと価値の維持につながるとの趣旨で公開してくれています。

短期宿泊希望の旅行者と、部屋を貸したいオーナーをマッチングするAirbnb(エア・ビー・アンド・ビー)というWebサイトが世界的に有名で、それによって収益を上げるのが最初から目的でタワーマンションを購入する外国人も多いのです。

管理規約で禁ずることで、果たして、もともとAirbnbで利益を上げるのが目的で購入した人を縛ることができるのか…という問題もあり、区分所有法の解釈も、国の政策実現には甘くなるので、冒頭のような質問も出たのだと思います。

マンションは、住宅なのに、国の経済戦略に利用されることが多くて、ほんとうに住むためにマンションを購入する者は翻弄されます。あとのことを思うと重い気持ちになります。でも、規約で定めることで、抑止効果があることは間違いありません。