なぜ、日本を代表する大佛師は「1日を3で割って」考えるのか?

運慶・快慶の流れをくむ慶派の大佛師である松本明慶さん。日本を代表する仏師の松本さんが、師のもとで学んだのはわずか1年半という短期間だったそうです。無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、時間についての大切さを語る松本さんのインタビューを紹介しています。

大佛師の松本明慶さん「大事な時間をどう過ごすかが、人生」

躍動感のある造形力、慈愛に満ちたみほとけのお顔に溢れる表現力。大佛師の松本明慶さんがつくる仏像は、一つの表情で喜怒哀楽がすべて表現されていると言われています。

しかし驚くことに、世界屈指の腕を持つ松本氏が師のもとで学んだ期間は僅か1年半。1日で3日分生きることを心掛けてきたという松本氏が説く時間の使い方、修行の要諦とは──。

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〈松本〉
……4歳年下の弟の無念な死を契機に17歳で仏像を彫り始め、瞬く間に60年が経とうとしています。

一般の方々とは異なり、出発点が悲しみの底にありましたので、私の体験談は参考になるのだろうかと考えます。しかし、いつの時代でも生きている時間、働ける時間は決まっています。

1日24時間は誰にも公平。ですから若い人は特に「命」とは何かを考えてほしいのです。父母からもらった大切な命、それを私は時間だと思っています。その大事な時間をどう過ごすかが、人生なのです。

私は年に2度ほど、大学で話をしています。先日、「どうしたら先生みたいに人を上手に指導できますか」と質問してきた生徒がいて、「君はなれると思う」と即答しました。そして「そのためには皆の努力の3倍踏ん張りなさい。つまり、人の3倍の仕事をやってのけないと、人はついてきません」と伝えました。

自分は動かずに、こうせいああせいと指示をしたところでうまくいきません。まず自らが一所懸命汗水流して努力してこそ、人はついてくるものです。

「3倍の力」を伝えるためにこんな話をします。1日を3で割ると8時間という数字が出てくるでしょう。最初の8時間は誰よりも競争心を持って仕事を頑張りなさい。

「人との競争」と皆さん勘違いされますが、競争するのは誰でもない「自分」です。もう一つの8時間は休息の時間。ぐっすり寝て、十分に休みなさいということです。

そして残りの8時間が一番大切で、この時間をどう使うかが人生を決めると言っても過言ではありません。仕事の後に遊びに行くのか、それとも1時間でも2時間でも一人で腕を磨くのか。その小さな努力を1年も続ければ、必ず大きな差となって表れるものです。

ですから、環境が悪かった、親が頭よく生んでくれなかったと嘆くよりも前に、自分に与えられたその8時間をどう過ごすかです。怠けて過ごして、それで結果が出ないと嘆いても、誰も助けてくれる人はいません。

※本記事は月刊『致知』2021年7 月号 連載「二十代をどう生きるか」より一部抜粋・編集したものです

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教師から性被害や暴力を受けた生徒は、現場が学校であっても迷わず警察に相談すべき理由

深刻化する教員による児童や生徒への性加害。6月には子供に関わる仕事に就こうという人間の性犯罪歴を確認する「日本版DBS」の導入が決まりましたが、それだけでは不十分という声も多く上がっています。今回のメルマガ『伝説の探偵』では、現役探偵で「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、学校内で性加害や暴力を受けた場合に迅速に取るべき行動を紹介。さらに現在の法制度に対して抱く率直な感情を記しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:教職員等からの性暴力などを防止する法律について

教職員等からの性暴力などを防止する法律について

NPO法人相談窓口の実態

相変わらず、NPO法人ユース・ガーディアンには相談が多い。

要はそれだけいじめ問題が多く、学校や教育委員会がそれに対応せず、放置状態になっているということだ。ただし、相談の中には全く関係が無いもの、子どものいじめ対応なのに大人のいじめも対応しろと迫るもの、相談者を装った他団体からの調査、精神を病んでいるのかいじめ被害がないのに被害者を装うものもある。

特に、被害保護者を装う相談と対象外の相談に対応しろと迫る者は厄介だ。対応できない旨を伝えると、ネットで酷いところだと拡散してやると脅されたり、事実として、書き込みをされたりコメント欄を荒らされるということもあった。この相談対応をしてボランティアスタッフを辞めたいとスタッフから言われてしまうこともある。だから、私は相談スタッフや受付をしたスタッフが所属や名前を名乗ることを禁じ、担当者という概念はないと決めたり、あまりに酷い場合は警告書の発行を行うなど、したくはないがせざるを得ない状況になるケースもある。

相談窓口を持っている友好団体の方々にも聞いてみたが、大なり小なりどこも同じような状況のようだ。

ある団体の長は、社会貢献活動をするとどうしても発生する付き物のようなもので、どこに目を向けるかが大事だと世間には言っているが、モチベーションが著しく下がるのは人間だから仕方ないと話していた。それについては私も同感だ。

一方で、児童生徒間のいじめ問題ではないが、不適切指導や体罰問題は深刻なものが多く、一部相談対応するケースもある。教員加担のいじめやいじめを誘発する指導など、普通の感覚で被害者の話を聞いたら、そんなこと起きるはずないと想像がつかない被害も現実として起きている。そして、これらは相談したり被害を申告するところがあまりに少なく、特に性被害などは時折加害教師が逮捕されたりするが、それは氷山の一角であろうし、その後なぜか不起訴になるものも多い。

私が代表を務めるNPO法人ユース・ガーディアンの6月中旬から7月第1週において、性被害の疑いがある相談が相次いだ。センシティブな問題であるため詳細は控えるが、下は小学生から男女問わずの相談であった。

よって、今回は、当然我々に相談してくれてもよいのだが、令和3年に公布され、令和4年4月1日から施行された現在運用されている法律である「教育職員等による児童生徒性暴力の防止等に関する法律」があることを、まずは多くの方々に知ってもらいたい。

これは、大人だけでなく被害当事者となるこどもたちに広く知ってもらいたいのだ。

この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ

不倫相手が記者に証言した神田正輝&松田聖子の残酷な夫婦関係。『旅サラダ』卒業で脳裏によぎる沙也加さんの顔とNYの冷たい街並み

俳優・タレントの神田正輝さん(73)が、27年間MCを務めてきた旅情報番組『朝だ! 生です旅サラダ』(テレビ朝日系)を卒業することに。一報を受けた芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんは、神田さんの元妻・松田聖子さん(62)の不倫騒動が脳裏をよぎったと言います。不倫相手が語った生々しい証言の中身とは?

神田正輝さんが9月で『旅サラダ』卒業。一時激ヤセで重病説も

神田正輝が、初代MCだった草野仁の後を受け、27年間続けてきた『朝だ! 生です旅サラダ』を、9月28日の放送を最後に卒業することを発表しましたね。

昨今のテレビ事情は、企画倒れや視聴率の不振を理由に1~2クールであっという間に消えてしまう番組も少なくないですから、役者でありながら、なんとも立派な平成→令和の長寿MCと言えるでしょうね。

私もコロナ禍前には、土曜日の朝にその回に放送される諸国を、行った行かないに関係なく、外国の観光地事情を楽しみに、神田の“オヤジ・ダジャレ”に思わず笑ってしまったり、勝俣州和との掛け合いを面白く拝見していたものでした。

役者としては2018年の『下町ロケット』以降、観ることがなくなってしまった神田ですが、何といっても視聴者の間で大騒ぎになったのは、昨年春頃の長期離脱からの“激やせ”でしょう。

根底で影響が出たのかもしれませんが、この2年程前には北海道で、愛娘・沙也加さんの葬儀が行われ、そこで元妻であり沙也加さんの母親の松田聖子をいたわりながら気丈にマスコミの前に登場した神田を憶えている人たちには(私も含めて)、言葉を失うほどの姿ではなかったでしょうか。

「ファンの前に老いぼれたり、病み上がりの姿を見せるのは、一流の役者としては絶対にやってはいけないこと」…これは米国『アクターズスタジオ』で役者を指導する演出家の名言ですが、SNSで散々騒がれた重病説に、居ても立っても居られずに復帰してきたということかもしれません。

不倫相手が記者に証言、神田正輝と松田聖子の「冷え切った夫婦関係」

私の中で神田正輝といってすぐに思い出すのは、30数年前にニューヨークで、松田聖子の不倫相手だったと言われた人物に取材をした時に聞いた、生々しい発言の数々です。

自分と聖子がどれほど愛し合っていたかを聞かされたと同時に、この人物は、神田と聖子の夫婦間の事情まで(その人物からの一方的な話ですから真偽のほどは定かではありませんが)答えたのです。

娘が生まれた直後から、夫婦としての関係は破綻していた…と聖子が話していた」

「聖子は、夫が平気で浮気をするのだから、私が不倫をしても誰にも後ろ指を指されることはないと言っていた」

とか…。そして――

「離婚が成立したら、貴方と結婚できる。娘だってきっと貴方には懐くはずだわ…」

とまで。

小雨降るマンハッタンの冷たい街並みとともに、少しだけキーの高いその人物の声は、今でも私の頭の中にはっきりと残っています。

役者・神田正輝と言えば、一番はやっぱりあのドラマ

神田の番組卒業に関しては多数のマスメディアが報道していますが、私が目にとめたのは『女性セブン』の記事でした。

その記事には、2年程前に撮られた“献身的にサポートする銀座のママAさん”なるキャプションのついた写真も…。

皆さんはどんな“役者・神田正輝”を憶えていらっしゃいますか?

石原裕次郎さんの個人事務所として設立された『石原プロモーション』に在籍して間もない『大都会』や『太陽にほえろ!』でしょうか。

私個人としては、何と言っても『俺たちは天使だ!』です。それまでの神田には想像できなかった、コメディの出来る役者としての印象が強く残っています。

27年続けた番組を卒業すると決めた神田の勇気を称えるとともに、過去のいい思い出だけを胸に、まだまだ楽しんで過ごして欲しいと願っています。

楽しい番組をありがとうございました。

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プロフィール:芋澤貞雄

1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao

記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」

どうしよう、EC事業を立ち上げたいのに何も分からない!スキルなし商品なしの私がたどりついたのは…

ECサイトの「イ」の字も知らない私が、EC事業を任された結果

まいった、どうすればいいのか。ランチで入ったオシャレなカフェの片隅で、僕は頭を抱えていた。

上司から「EC事業を立ち上げるから、いい感じにやっといて」と言われたのは昨日のこと。

いい感じにって、、、そもそもEC事業ってそんな簡単にできるもんじゃないでしょ。

とは思ったものの「お任せください!」なんて大声で答えた自分を叱ってやりたい。昨日に戻れるなら。

ECサイトが、自社の商品やサービスをネット上に置いた独自運営のサイトで商品を通信販売するサイトなのは知ってる。さっきWikipediaで調べたから。

上司からのオーダーも無茶だった。

  • ECサイトのスキル無しだけどやりたい
  • 商品もまだ決まってない
  • できるなら無在庫で済ませたい(注文が入ったら仕入れる感じ)
  • ひとりで運営してね

そんな都合のいいECサイトなんて、どうやって作ったらいいんだ。Amazonや楽天市場への出店経験がある我が社だけど、独自のECサイト運営は経験がない。

ランチセットを食べ終わり、セットのコーヒーをすすりながら、僕はスマホで必死に検索を続けていた。

「ショ、Shoppal(ショッパル)?」

目に飛び込んできたのは、そんな名前だった。

なになに、『株式会社Fulmoの運営するShoppal(ショッパル)は、EC事業を立ち上げる際に必要なECサイト、販売する商品オペレーション体制月額8万円で一括提供するパッケージです』だって。

おいおい、これって僕が探しているECサイトそのものじゃないか。しかも定額でまるっとお任せできるなんて、こういうのを探してたんだよ!

 

しかも、スキルなし・商品なしでも無在庫のEC事業を立ち上げることができる点が特徴だって。それそれ!

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それにしても「無在庫販売」って、どういう仕組みになっているんだろう?

「立ち上げるECサイトは無在庫販売が前提となっております。売上確定後に商品を仕入れるため、通常のEC事業と違い大きな在庫投資が不要になります」

「無在庫販売が可能な商品の選び方は株式会社Fulmoからお伝えさせていただき、<受注 → 仕入れ → 検品・梱包 → 顧客配送>のオペレーションは株式会社Fulmo側で担当いたします」

うんうん、まさに上司が希望していた内容そのものじゃないか。

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でも、どうやってECサイトを宣伝したらいいんだろうか?おっと、そのことも書いてあるぞ。

「株式会社FulmoのECサイトは再現性高く検索順位上位を獲得できているのですが、その秘密は株式会社Fulmo独自のECシステムとSEOノウハウの掛け合わせにあります」

「SEOに強いECシステムとSEOノウハウが組み合わさることで、立ち上げているECサイトのほとんどで再現性高く右肩上がりの成長を描くことができております」

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なるほど、すでにECサイトをいくつも運営している会社だから、サイトのSEO についてのノウハウも持ち合わせているということか。

これで月額8万円の定額なら上司も納得するに違いない。よーし、さっそく会社に帰って報告だ!

ECのイの字も知らない僕でも、EC事業の立ち上げに明るい希望が見えてきた。カフェの扉を開けて空を見上げる僕。おっと、ランチの支払いを忘れて帰るところだった!

 

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がっかり。モトローラの新製品記者発表会がIT系メディアの記者に不評だったワケ

新製品や新商品を多くの人に知ってもらいたい企業が、著名人にその優れた点や新しい点をアピールしてもらう。よくあるマーケティングの手法ですが、誰に向けたプレゼンかを押さえていないと、思わぬ不評を買うこともあるようです。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』では、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんが、モトローラ・モビリティ・ジャパンの新製品「motorola edge50 pro」シリーズの記者発表会に疑問と不満を抱いたと告白。専門家が多いメディア向けの発表会では、どんな方法が喜ばれるかを率直に伝えています。

「スマホでこんなに綺麗に撮れます」はメディアが求める内容だったのか?モトローラがインフルエンサーを起用したトークセッション実施に疑問

2024年7月3日、モトローラが「motorola edge50 pro」シリーズの記者発表会を開催した。イベント中、メディア陣のX(旧Twitter)でこっそり盛り上がっていたのが「この、トークセッション、必要か」という指摘であった。

通常、発表会ではトークセッションパートが設けられる事が多いが、今回は「インフルエンサー」ということで、映像クリエイターとストリートスタイルフォトグラファーの2名が登壇した。1時間強の発表会のうち、26分間がトークセッションに割り当てられていたのだが、正直言って、トークの中身が薄く、聞くに耐えがたいものであった。

トークセッションの存在自体は全く否定するものではない。特に芸能人が登壇すれば、朝の情報番組などが取り上げてくれるため、IT系メディアがシラケていても、一般への波及を考えれば効果は絶大だろう。

今回のトーク内容としては「スマホなのにこんなに綺麗な画像、映像が撮影できる」というものなのだが、10年くらい前であれば「そんなに凄いのか」という話になるが、スマホが登場して15年以上が経過する中で、もはやそんなことは誰でも知っていたりする。

百歩譲って、トークセッションがYouTubeで配信される、あるいはインフルエンサーのファンが集まる一般向けのイベントであれば、成立するだろうが、会場に集まっているのは、これまで何百モデルとスマホを取材、触ってきた、百戦錬磨のメディア陣だ。なぜ、いまさら、motororaのスマホを初めて触ったような素人の話を30分近く聞かなくてはいけないのだ。実際、話した内容としては「撮影する際、何も考えず、オートで撮影した」と言っており、何一つ参考にする要素がない。

これが例えば100万登録を超えるYouTuberが「普段からmotorolaのスマホを使って、撮影から編集まですべて行っているので、そのテクニックを紹介する」とかであれば熱心に取材するだろう。それが、あまりよく知らないインフルエンサーが出てきて、触って数日のスマホのカメラの感想を語られても、こちらとしては何一つ原稿に書ける要素がないのだ。

本当にメーカーとして自信のあるカメラ性能をメディアにアピールしたいのであれば、もはや、インフルエンサーに触らせて感想を言わせるなんてことはしなくていい。

真夏の夜が危ない。国際共同研究グループが突き止めた「熱帯夜に心筋梗塞が増える」という事実

記録的な猛暑の影響で連日寝苦しい夜が続く日本列島。寝不足を訴える声も多数聞かれますが、夏だからこそ「7時間睡眠」を心がける必要が大のようです。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では健康社会学者の河合薫さんが、夏の夜に心筋梗塞が増加するという国際共同研究グループによる研究結果を紹介。さらに睡眠時間の減少が健康に及ぼす影響を取り上げつつ、「暑い夜はとにかく寝る」ことを推奨しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:夏の夜は何が何でも「7時間睡眠」

プロフィール河合薫かわいかおる
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

夏の夜は何が何でも「7時間睡眠」

酷暑が続いていますが、熱帯夜になると「心筋梗塞」が増えるって知ってますか?

気象と病気に関連があることは、本メルマガで紹介してる拙著『体調予報』でもご承知のとおりです。しかし、時代変われば科学も進む。新たな知見は過去になり、新しい発見で塗り替えられます。

その一つが「心筋梗塞」です。

これまで急性の心筋梗塞は冬に発症が多く、寒い朝のトイレや、夜のお風呂場での危険性が指摘されていました。

ところが、この数年の夏の気温の上昇により、夏の夜に「心筋梗塞」が増加していることが、国内外の調査でわかりました。中でも、京都府立医科大学などの世界7カ国の国際共同研究グループが行った分析では、興味深い“リスク要因“が見つかっています。

国際共同研究グループは、日本、イタリア、英国、フィンランド、中国、シンガポール、オーストラリアの季節によって変化する「概日リズム」の関係に着目して分析を行いました。その結果、急性心筋梗塞の発症時刻と日照時間が密接に関連し、特に夏は、他の季節と比べて、夜間に増加することを突き止めました。過去の研究では、ビタミンD欠乏症は心筋梗塞の発症リスクを上昇させることが示されていましたが、夏場は夜間にビタミンDが欠乏することで、心筋梗塞が発症しやすくなる可能性が示唆されたのです。

一般的には「ビタミンD=骨の健康」というイメージがありますが、これまで行われた研究では、がんや循環器疾患、糖尿病、感染症など様々な疾患に、予防的に働く可能性についてはコンセンサスが得られています。また、血中のビタミンD濃度が高いと死亡リスクの低下と関連するとの報告もあります。「太陽の入る家に医者はいらない」ということわざが、科学的にも証明されているのです。

この記事の著者・河合薫さんのメルマガ

81歳バイデン、最悪はNATO首脳会議中に「発作」も…ハリス擁立で収拾図る米民主党は老大統領にいつ引導を渡すのか?

11月のアメリカ大統領選を前にバイデン撤退論が声高に叫ばれはじめた。物議を醸した6月のテレビ討論会以降も復調の兆しはなく、“症状”は日ごとに悪化するばかり。衆人環視の状況で発作的な状況が偶発することだけは何としても避けたい米民主党はハリス氏擁立に動いているが、バイデン氏本人は選挙戦を継続できると思い込んでおり、あと数週間は今の状況が続く公算が大きい。米国在住作家の冷泉彰彦氏が詳しく解説する。(メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』より)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:ハリス擁立へ動く民主党

アメリカ大統領選挙2024 バイデン氏は引き続き「異常な状態」

それにしても、6月27日の「大統領選TV討論」におけるバイデンの様子は異常でした。そして、その後の展開も異常な進み方をしています。本稿の時点、つまり現地時間の7月8日の週明け月曜日の時点でも、バイデンは選挙戦からの撤退声明をしていません。

その一方で、民主党下院の大物であるアダム・シフ議員をはじめ、バイデン撤退論を口にする有力政治家は日に日にその数を増しています。異常というのは、これに対してバイデンが抵抗しているからだけではありません。そうではなくて、党内の状況、そして世論の状況を踏まえた的確な発信を、他でもない合衆国大統領が「全くできていない」ということにあります。

この間ですが、例えば5日の金曜日には、ABCテレビが、政治評論家ジョージ・ステファノポロスにバイデンと対談させたインタビュー番組が放映されました。バイデンの体調は、TV討論の際よりは良かったのですが、相変わらず語尾はもつれていましたし、何よりも「用意してきた回答」を必死に述べる姿勢が目立ち、生き生きとした対話にはなっていませんでした。

米民主党が絶対に避けたい「衆人環視の状況での発作」

この間の報道を総合しますと、バイデン周辺の状況は以下のようになっているようです。

「バイデン本人は選挙戦を継続できるしトランプにも勝てると頑なに思い込んでいる」

「家族と側近はこれを否定できずにおり、撤退を口に出す状況ではなさそう」

「民主党サイドはバイデン下ろしとハリス擁立に動いているが、本人の尊厳を傷つけることはできないとしており、作業的には停滞」

「議会民主党の撤退要求は本人には伝わっているが、バイデン本人は一切撤退しないとしており、改めて党の団結を求める書簡を送った由」

ということで、外濠は埋まっている一方で、とにかく本人へのアプローチが非常にデリケートな問題になっているようです。非常に不幸なことではありますが、恐らくは認知低下の初期に見られる軽症のうつ症状が居直った格好で出ているのかもしれず、仮にそうであれば周囲は対応に苦慮していると思われます。

何よりも、衆人環視の状況で発作的な状況が偶発することだけは、避けなくてはならないということもあります。

NATO首脳会議で「終わる」バイデン氏

そんな中で、現時点ではバイデン本人は今週の前半にはNATO首脳会議に出席します。午後8時以降の公務はしないということですから、夕食会などは欠席するでしょうが、首脳会議そのものは無難に「こなす」ことが求められます。

そのうえで、週の後半には「個人での記者会見」がセットされています。バイデンはこの会見を見てもらえれば、世論の評価も回復するという意味のことを言っています。ですが、実際のところは、この単独会見が恐らく、バイデンの命運を左右することになると言われています。27日のTV討論、5日のインタビューと同程度のパフォーマンスであれば、世論も民主党も最終的な引導を渡すに違いないからです。

元マンガ編集者が、手塚治虫『三つ目がとおる ミッシング・ピーシズ』から“創造神”としての才能を感じた理由

今も「漫画の神様」 と呼ばれて愛され続けている漫画家・手塚治虫が1974年から1978年にかけて『週刊少年マガジン』に連載した名作『三つ目がとおる』。『ブラック・ジャック ミッシング・ピーシズ』が発売された『ブラック・ジャック』と同様に、この『三つ目』もまた単行本化の際に手塚自身の手によって再構成や加筆が施された作品が数多く存在しています。特に大きな改変が見られるエピソードを中心に、オリジナル版と単行本版を比較して読めるような形で掲載した『三つ目がとおる ミッシング・ピーシズ』(立東舎)が、7月10日に刊行されました。この作品の見どころについて、漫画原作者で、元漫画編集者の本多八十二さんが再び考察しています。

まだまだある手塚治虫の再構成、加筆、そしてオリジナル…

2018年の『ダスト18』初単行本化から、コンスタントに手塚治虫復刻シリーズを刊行してきた立東舎が、2023年11月に『ブラック・ジャック ミッシング・ピーシズ』を出してきたので、お次はやっぱり、と思っていたら言われるまでもなく『三つ目がとおる ミッシング・ピーシズ』が2024年7月に出来との由。今回もアンソロジスト濱田髙志の執念ともいえる企画編集と手塚プロダクションの総力棚ざらえにより、貴重な初公開資料や複数の初出版差分をたっぷり収録した大部となった。

いまだ数作の未復刻回がのこる『ブラック・ジャック』と比べ『三つ目がとおる』については、『手塚治虫文庫全集』(講談社、2010)と『三つ目がとおる《オリジナル版》大全集』(復刊ドットコム、2017)で全話読めるじゃん、と思っていたら、まだまだ初出雑誌掲載時と単行本収録時とで、あまたの改変回が存在していることが本書で存分に検証されていて驚いた。

まず連載初回「三つ目登場」については現存原稿の生スキャン掲載で、ホワイトや切り貼り等の制作過程もうかがえる四色刷りの贅沢仕様となっている。ちょうど昨今、当時のプロダクションでのにぎにぎしい制作秘話が元アシスタント氏や後進作家さんらの手で作品化されていることもあり、これら原稿の端のしわひとつ見ても、創造神手塚治虫から昼番夜番の各アシスタント、担当編集者、印刷所オペレーターへと緊張の中リレーされていった物語と手汗を感じ取ることができる。

「酒船石奇談」「文福登場」「スマッシュでさよなら」(最終回)については、初出と単行本版の差分が併録されており、それぞれ当時の手塚がどのような意図でこれら変更の手を入れたのかあれこれ想像するのが愉しい。さらに「キャンプに蛇がやってきた」においては、ほとんど同じ画稿のセリフ部分が大きく変更され、作品設定自体がかなり違う話となっており、拙稿筆者は初出バージョンが好みだが、一作で二度おいしい得した気分が味わえた。

『三つ目がとおる』連載レギュラー回以外からも、『ブラック・ジャック』や『ブッダ』さらには「神奈川新聞」まで、他作品や他媒体にゲスト出演した写楽保介登場シーンのコレクション、そして扉絵ラフやキャラクタースケッチ等の未使用原稿や未収録イラストをぎゅっと集めた「三つ目がとおる アーカイヴス」コーナーでは、漫画原稿とはまた違った手塚治虫ののびやかな描線と、えもいわれぬバランスを保った空間配置の妙にしばし見惚れる。

本書の協力クレジットにも名を連ねる黒沢哲哉による、手塚プロダクション公式サイトのコラム「手塚マンガあの日あの時 第12回『三つ目がとおる』誕生」の中で、当時『三つ目がとおる』を担当した編集者が手塚に「見開きの中で重視しているコマは」と質問した際「ありません!」と即答されたというエピソードが書かれているが、そこで語られたひとコマの完成度に執着しないストーリー漫画の本質とはまた別の部分で、やはり手塚治虫の一枚絵の素晴らしさ、求心力、というものについても、こうしたイラスト拾遺コーナーを眺めるにつけ思いを馳せざるを得ない。それぞれ額装して飾りたい。

手塚は写楽の造形モデルについて、ルーニー・テューンズのエルマー・J・ファッド(初出は『エッグヘッド登場』1937)から、と語っているが、エルマーの顔が縦に長めの瓢箪型なのに比べて、写楽は丸いゴムまり二つをつぶし合わせたような造作をしている。そして第三の目を強調するためか写楽はスキンヘッドなのだけれど、ちょうどそのゴムまり二つの頭部の造形に任意のウィッグを描き入れてみると、それは伝統的なアニメ顔シルエットの原型と相似なのであって、手塚はかつてあこがれたカートゥーンからのアメリカン・アニメーションの系譜から完全に独立し、『鉄腕アトム』は言うまでもなく、そしてこの写楽のかわいらしい頭部を見るにつけ、ジャパニメーション自体が手塚治虫の自然で無意識な手癖から発生している(誉め言葉)ではないか、さすが創造神と、これらラフイラスト群を見ながら思いを新たにした。

拙稿筆者恒例の隙あらば自分語り部門になってしまうが、拙稿筆者がかつて所属していた復刻専門編集部に親会社から天下ってきた元ボスが、何を隠そう「巻頭大特集 手塚治虫30年史」と『おけさのひょう六』と『三つ目がとおる』そして『手塚治虫漫画全集』で音羽雑誌に手塚作品を呼び戻した方で(各企画の直接の担当者は別の方だけれど、その座組の仕込みをした)、その方は他にも数々の名作を生みだした敏腕編集者だったこともあって、天下ってきた当初は復刊の仕事をどこか軽視している風情があった。

作者とともに頭をひねり苦しみながら無から作品を生み出すという創造の困難さと比べれば、既に在る作品の二次利用三次利用などたやすいことだ、だれでもできる、と考えているふしがあった(あくまで拙稿筆者個人の感想です)。だからか復刻編集部であるにも関わらず、部員らに創作におけるキモとは、といったような話を会議のたびに熱く語っていた。作品の柱たる主人公は、雷の荒波のなかをあらがって突き進んでいく小さな舟でなくてはならない、と。

拙稿筆者は、もがいても誰からも顧みられず報われない石ころ帽子を被った一市民の涙、といったものが嗜好だったので相容れなかったのだけれど、まあその方が発散していた熱意のようなもので、すでに飯田橋で『ブラック・ジャック』を始めてしまっていた手塚をかつて禍根のあった音羽へと呼び戻すことができたのかなーと少し感傷的になった。またこれも言うまでもなく、写楽はもちろん手塚治虫ご本人も、雷の中の舟であったのだろう。

そして手塚治虫という創造神が没した後も、遺された作品はこうして何度も復刊され甦りわたしたち読者を慰撫してくれるわけで、そうして作品を何度もしゃぶり尽くすことは版権者と版元と読者とが一体となって行っている消費なのだけれど、これからのわたしたちはその消費の後にいったい何があるのか、何をすべきなのかを考えなければならない時なのではないかなーともかすかに思った。

創造神はもちろん、こうして作品が末永く愛されることを望んだのだろうし、そのような展開は別の者に託して自身はひたすら作品を生み続けて駆け抜けていったわけだが、はたしてその先に何が残ったのか、ミッシング・ピーシズが総て集められた時にどうしたらいいのか、そろそろ考えなければならないころかもしれない。たっぷり時間のとれる夏休みにむけて、復刻、復刊と創造との関係について思いをめぐらせることのできる『三つ目がとおる ミッシング・ピーシズ』は立東舎から好評発売中。(文中敬称略)

 

本多八十二(ほんだ・やそじ):漫画原作者。元編集者、現在は調理師。作品に『猫を拾った話。

 

『三つ目がとおる ミッシング・ピーシズ』(立東舎刊)

 

三つ目がとおる ミッシング・ピーシズ

著者:手塚治虫
定価:5,500円(本体5,000円+税10%)
発売日:2024年7月10日
発行:立東舎/発売:発行:リットーミュージック

立東舎の手塚治虫特設サイト

image by: ©️TEZUKA PRODUCTIONS

トヨタ栄えて民滅ぶ「日本のヤバい数字」なぜ外国人を優遇しサラリーマンをいじめるのか?国税OBが怒りの告発

元国税調査官の大村大次郎氏が、日本経済最大のタブー「トヨタの闇」に斬り込む本シリーズ。前々回、前回に続く本記事では、トヨタと日本政府がいかに外国人投資家ばかりを優遇し、一般国民を搾取し続けてきたかを具体的な数字で検証していく。(メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』より)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:トヨタは外国人投資家のために存在する

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トヨタの異常な「外国人優遇」とサラリーマンいじめが日本を衰退させた

前回、トヨタがこの2~30年の間、従業員の給料を渋り続けたということをご説明しました。それが日本経済全体に影響し、日本人の賃金が下がり続けた大きな要因になっていると。

トヨタは、この2~30年の間、業績は決して悪くなく史上最高収益を何度も更新しているのです。

それほど儲かっているのに、従業員の給料には反映させなかったわけですが、ではトヨタはいったい何お金を使っていたのかというと、株主配当です。

下は、2000年代以降のトヨタの株主配当総額の推移です。これを見ればわかるように、トヨタの配当総額は、ほぼ一貫して増加し続けています。

【トヨタの株主配当総額の推移】
平成14(2002)年  1015億円
平成15(2003)年  1258億円
平成16(2004)年  1512億円
平成17(2005)年  2128億円
平成18(2006)年  2921億円
平成19(2007)年  3847億円
平成20(2008)年  4432億円
平成21(2009)年  3136億円
平成22(2010)年  1411億円
平成23(2011)年  1568億円
平成24(2012)年  1577億円
平成25(2013)年  2850億円
平成26(2014)年  5230億円
平成27(2015)年  6313億円
平成28(2016)年  6455億円
平成29(2017)年  6276億円
平成30(2018)年  6063億円
令和 元(2019)年  6268億円
令和 2(2020)年  6108億円
令和 3(2021)年  6710億円
令和 4(2022)年  7182億円
令和 5(2023)年  8170億円
令和 6(2024)年 1兆118億円

リーマンショックの後に一時下がったもののすぐに持ち直し、2002年と2024年を比べれば、なんと10倍以上になっているのです。

従業員の給料は下がり続けているのに、株主にはこの大盤振る舞いなのです。このトヨタの経営姿勢こそ、現在の日本経済を象徴するものと言えます。

都知事選が炙り出した「既存政党」終わりの始まり。古い自民党政治を倒す第三勢力「デジタルイノベーショングループ」の台頭は日本を救うのか?

現職である小池百合子氏の圧勝で終わった2024年東京都知事選挙。参院議員を辞職し出馬した蓮舫氏が惨敗を喫した一方で、前安芸高田市長の石丸伸二氏が意外にも2位という驚きの結果を出しましたが、識者はこの選挙をどう見たのでしょうか。政治学者で立命館大学政策科学部教授の上久保誠人さんは今回、都知事選を「話題に事欠かない選挙戦になった」とした上で、石丸氏やエンジニアの安野貴博氏らの躍進が何を示唆しているのかについて詳しく解説しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:新しい選挙スタイルの台頭。立命館大学教授が混迷をきわめた東京都知事選を総括する

プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)
立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。

新しい選挙スタイルの台頭。立命館大学教授が混迷をきわめた東京都知事選を総括する

東京都知事選挙は、7月7日に投開票された。小池百合子・都知事が国政復帰するのか否かから始まり、過去最多の56人が立候補して選挙ポスター掲示板の数が足りなくなったこと、その掲示板にわいせつと疑われる写真や、候補者と直接関係のないポスターが多数貼られた問題、「学歴詐称VS二重国籍」と揶揄された小池百合子・東京都知事と蓮舫・元参院議員の「女の闘い」など、話題に事欠かない選挙戦となった。

結果は、小池氏が全体の4割にあたる291万8,015票を獲得し、3回目の当選を果たした。石丸伸二・前安芸高田市長は165万8,363票を取って2位に躍進した。蓮舫・元参院議員は、128万3,262票の3位にとどまった。

特に、選挙戦を盛り上げたのは、石丸伸二・前安芸高田市長や人工知能(AI)エンジニア・安野貴博氏、作家・YouTuber・ひまそらあかね氏らの立候補だ。SNSを駆使した、新しい選挙運動スタイルや、既存の政治の常識を覆す選挙公約の打ち出し方で、当初の予想を超えて大健闘したといえるだろう。

この現象は「変わった個性を持つ人」が立候補したという一過性のものだとは思わない。筆者は、今後の政治の対立軸が「ネオ55年体制」という保革対立が復古するものであるとは思わない。次第に「社会安定党VSデジタルイノベーショングループ」という、新しい対立軸が浮上してくると主張してきた。

【関連】保守層を取り込む戦略は誤り。躍進の「維新」が図るべき自民との区別化

言い換えれば、共産党から自民党までを含む「既存の政治」の外側に、新たな対立軸が現れてくるということだ。石丸氏、安野氏、ひまそら氏らは、新しい政治勢力「デジタルイノベーショングループ」なのだろうか?私の過去稿と、彼らの言動を比べて検証してみたい。私は、「デジタルイノベーショングループ」を以下の通り説明してきた。

「市場での競争に勝ち抜いて富を得ようとする人たちの集団」である。具体的には、SNSで活動する個人、起業家、スタートアップ企業・IT企業のメンバーなどだ。彼らは政治への関心が薄い。「勝ち組」を目指す人たちにとって、社会民主主義的な「格差是正」「富の再分配」は逆効果になるからだ。彼らの関心事は、日本のデジタル化やスーパーグローバリゼーションを進めることである。そして彼らは、政治を動かす必要があると判断すれば、現政権を批判する政党を時と場合に応じて支持する。その支持政党が「野党」となる。

いかがだろうか。石丸氏を例に考えてみたい。京都大学経済学部卒、三菱UFJ銀行入行。為替アナリストとして、子会社・MUFGユニオンバンク初代ニューヨーク駐在として赴任。文句なしに「市場での競争に勝ち抜いて富を得ようとする勝ち組」である。