「本物」だから為せる技。なぜ坂本龍一氏の作品は世界で通用するのか?

3月28日、71歳の生涯に幕を閉じた坂本龍一氏。天才音楽家の早すぎる死に際して、世界中から哀悼の声が上がっています。そんな坂本氏が2010年に行った北米ツアー初日に立ち会うことができたというのは、米国在住作家の冷泉彰彦さん。冷泉さんは自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で今回、そのコンサートの模様を詳細にレポーするとともに、坂本氏の音楽世界がこの先も永遠に残っていくであろう理由を記しています。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2023年4月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

追悼、坂本龍一。時間の「非可逆性」へのささやかな抵抗

団塊世代でも下の方に属し、自分たちにとってはほぼ同時代を生きた世代の訃報というのは、かなり辛いものがある。坂本氏に関しては、かねてより難しい闘病の中におられると聞いており、一種の心の準備は出来ていた方も多いと思われるが、実際に訃に接するとなると、やはり痛苦の思いが募る。

坂本氏に関しては、2010年10月の北米ツアー、その名も「ノース・アメリカ・ツアー」に際して、フィラデルフィア近郊のレンサイドという小さな街にある、ケズウィック・シアターで、ツアーのスタートの場に立ち会うことができた。その際に記した記録をベースに、それをこのコラムに合うように再編成しつつ、感慨を整理させていただこうと思う。

この全米ツアー初日だが、私の住むニュージャージー中部からも近いので、このコンサートを選んだのだったが、そのチョイスは正解だった。ホールは、82年の歴史のある音響効果の素晴らしい劇場であり、そこに多くの音楽ファンが詰めかけており、良い雰囲気のコンサートとなっていたからだった。何といっても、アメリカの音楽コンサートでこんなに聴衆が集中していたというのは珍しい。

ニューヨークの、カーネギーホールやエブリー・フィッシャーホール(現、デビト・ゲフィン・ホール)などでは、かなり厳粛なクラシックの曲目でも、咳の音だけでなく話し声やプログラムをめくる音などのノイズは諦めて掛からないといけないのだが、この時は、そうした問題はなかった。途中ちょっと、外部のサイレンの音が聞こえたりもしたのだが、それはご愛敬というものだろう。

私は坂本龍一氏のそれほど熱心な聞き手ではなかったが、このコラムでも取り上げた亡くなった浅川マキさんの伝説のライブ盤『灯ともし頃』でオルガンを弾いておられた印象や、大貫妙子さんのソロ・デビュー・アルバム『グレイ・スカイズ』でスタインウェイのピアノを駆使していた印象は鮮烈なものとして記憶していた。

一方で、その後の作曲家として、あるいはテクノポップやロックでの成功などについては、少し遠くから見ていた観がある。そうではあるのだが、ほぼ完全な「ピアノ・ソロ」でまとめられたこの時のコンサート体験は、ダイレクトに70年代の天才キーボードプレーヤー坂本龍一との出会いを想起させ、30年以上の歳月を結びつけてくれたようにも思ったのは事実だった。

この記事の著者・冷泉彰彦さんのメルマガ

ダイエット法の多くがすぐ消える中「糖質制限食」だけが存続する訳

摂取カロリーより消費カロリーが少ないと体重が増えます。簡単な算数の問題で、摂取カロリーを減らしてダイエットに成功しても、食事を元に戻せばリバウンドするのは当たり前。ではなぜ摂取カロリーを減らさない「糖質制限」でダイエットが可能なのでしょうか。今回のメルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』では、著者の江部康二医師が、同じ摂取カロリーでも炭水化物の割合を減らすほど消費エネルギーが増えるというアメリカでの研究を要約して紹介。自身が提唱し実践してきた「スーパー糖質制限食」の有効性を裏付けるデータとして提示しています。

糖質制限ダイエットは、消費エネルギーが減るどころか「増大する」との研究結果

一旦、減量させたあと、炭水化物含有量が違う3つの試験ダイエット:
(1)炭水化物60%の高量群
(2)同40%の中量群
(3)同20%の低量群
を実施したところ、20%の低量炭水化物群において、最もエネルギー消費量が増大した。という結論の論文が、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル2018年11月14日号に報告されました。(Ebbeling CB, et al. BMJ. 2018;363:k4583.)

以下、難しい用語を省いて、ごくわかりやすく要約してみました。

この研究はRCT(無作為化比較試験)であり、米国2施設で2014年8月-2017年5月に行われた。被験者は、18-65歳でBMI値25以上の164例。

 

被験者は、まず導入ダイエット期間(9~10週間)に体重を12%減少させた後、炭水化物含有量が異なる3つの試験ダイエット(60%の高量群、40%の中量群、20%の低量群)のうち1つを、20週間続けるよう、無作為に割り付けられた。

 

2kg以内の範囲で体重減を維持するために、各試験ダイエット群は、たんぱく質の量でエネルギーを調整した。

 

総エネルギー消費量は、各ダイエットによって異なり、炭水化物含有量10%減少につき、総エネルギー消費量は52kcal/日増大する線形の傾向が認められた。

 

体重減前のインスリン分泌能が高いほど、低炭水化物ダイエットの効果が大きくなった。

一般にカロリー制限食で減量した場合、基礎代謝量も低下するので、半年くらいで、減量効果はなくなり、通常のカロリーに戻したら、リバウンドするというパターンとなります。

日本でも様々なダイエット法が提唱されてきました。しかしながら糖質制限食以外の「従来の様々な減量のための食事療法」は、そのほぼ全てが、基本原理はカロリー制限食です。そのため、従来のダイエット療法は結局は継続困難であり、皆、3ヶ月から半年で廃れてマスコミから消えていきました。

糖質制限食だけは、唯一、2005年に「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)を上梓して以来ずっと存続していて、2023年現在、勢いはどんどん盛んになっています。

今回の研究で、炭水化物摂取比率20%の群が、40%群や60%群に比し、エネルギー消費量が最も増大することが明らかとなりました。又、炭水化物含有量10%減少につき、総エネルギー消費量は52kcal/日増大することもわかりました。

つまり、通常のカロリー制限ダイエットと異なり、糖質制限ダイエットは、消費エネルギーが減るどころか、増大するということであり、非常に大きな利点と言えます。

高雄病院の「スーパー糖質制限食」は糖質摂取比率が12%くらいなので、本研究の糖質摂取比率20%群よりさらに、消費エネルギーが増えると思われます。糖質制限食はダイエットの王道であり、消費エネルギーが増大する唯一の食事療法です。

この記事の著者・江部康二さんのメルマガ

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Twitterのロゴ「柴犬」に変更でネットに賛否の声。イーロン・マスクの金儲け戦略か?様々な憶測が広がる事態に

4月4日、Twitterのシンボルマークである「青い鳥」が、暗号資産 ドージコインのロゴ「柴犬」に変わり、ユーザーから困惑の声が上がった。当初は「バグ」や「乗っ取り」説もあったが、ツイッター社のオーナー・イーロン・マスク氏が意図的に行ったことが発覚し、憶測が飛び交っている。

マスク氏の戦略? ただの悪ふざけ?

Twitterのシンボルマークといえば、ご存じの通り「青い鳥」だ。これが当たり前だったためか、突如登場した「柴犬」に違和感を持つ人がいても不思議ではない。

イーロン・マスク氏は自身のTwitterを更新し、以前に「Twitterを買収してロゴをドージに変えて」と提案したユーザーとのやり取りを画像で公開。そこに、「約束通り」とのコメントを添えた。あえてロゴを変更したことが判明し、安堵した人も多かっただろう。

しかし、批判の声もある。

ドージコインは、これまでマスク氏が度々Twitterで言及していた暗号資産であり、その効果もあってか2021年の暗号資産時価総額ランキングでは4位になった実績を持つ。今回のロゴ変更後もドージコインの価格は急騰し、一時3割上昇したことが分かっている。ちなみに2022年、マスク氏はドージコインを誇大宣伝したとして投資家から提訴されている。この件は今年3月31日、同氏が原告側の申し立てを却下するよう要請する書類を裁判所に提出したことが報じられていた。

その矢先の出来事だったこともあり、「自分が推している仮想通貨関連のロゴにするのはどうなのか」「サブリミナル効果は違法では?」などといったネガティブな声も散見している状況だ。

実際、ドージコインの価格はマスク氏の様々な発言でたびたび乱高下している。先述した裁判に関してもこの価格の振れ幅が起因したものであり、原告側は「ドージコイン価格を高騰させた後、意図的に暴落させた」ことで不当な利益を得たとして訴訟を起こしたというわけである。つまり、このロゴ変更も「仮想通貨の価格を上げる戦略」と受け取られても仕方がないと言えるかもしれない。それも、可愛らしい「犬」を使った金の匂いに、露骨に嫌悪を示す人もいるようだ。

シンプルに「可愛い」の声もあるが…

ちなみに、ドージコインのロゴは、10年以上前にブログに投稿された写真をきっかけにブレイクした柴犬「かぼすちゃん」がモデルになっている。

ネット上では、「犬は可愛い」「仮想通貨は…だが、犬に罪はない」のような声も。マスク氏の思惑はともかくとして、「犬」のロゴ自体はわりと受け入れられているようである。

4日現在、ロゴの変更はWeb版のみで、アプリ版Twitterでは確認されていない。今後、鳥から犬に、正式なロゴ変更はあるのか? 注目したい。

中国の自動車市場が大混乱。熾烈な「値下げ競争」も車がまったく売れぬ謎

昨年までは伸び続ける一方だった中国の自動車販売数が2023年になって一転、1月から3月半ばまでの累計数が前年比19%減となるなど、深刻な状況となっています。何がこのような局面を引き起こしたのでしょうか。日刊で中国の自動車業界情報を届けてくださるメルマガ『CHINA CASE』では今回、かような異常事態を招いたと中国の業界団体が批判する武漢市等の政策を紹介。さらに同国自動車市場の今後の見込みを考察しています。

熾烈な価格引き下げ競争も、中国で「車が売れない」一体何が?

中国で自動車が売れなくなっている。2023年1~2月の前年比マイナス成長に加え、2023年3月1~12日の販売台数は前年比17%減の41.4万台、2023年1月1日~3月12日の累計販売台数は同19%減の309.4万台に止まっている。

3月に入り、メーカー、販売店が大幅な値下げを行っているにもかかわらず、この状況は深刻。その震源地となった湖北省武漢市の対応を、メーカーや販売店を会員とする業界団体、中国自動車流通協会が異例の批判を行っている。

協会の異例な批判内容

武漢市やその個別の行政区は2023年3月1日から、地元企業である東風集団系の地元製造ブランド車種に限り、最大9万元(約172万円)の値下げ、その補助金交付を発表した。もう一台自動車が買えてしまう値下げ額に、中国全土で激震が走り、それに追随する動きも各所で見られるようになった。

中国自動車流通協会は、「メーカーが在庫処分のための値下げ販促を行うこと自体、普通に見られる行為だし、政府が自動車消費を奨励すること自体、正しい方向だ。ただし、今回の武漢の事例は、補助金を現地メーカーだけにとどめた。この方法自体が議論を呼んでおり、下記のように一連の問題を引き起こす可能性が高い」として三点、挙げている。

  1. 現地製造メーカーのみを対象としたことは、明らかに地方保護色が強く、他メーカーの販売に悪影響がある
  2. この措置により、多くの消費者がまだ値下がるのではないか、と、自動車の買い控えに動いた。販促とは真反対の効果となった
  3. 各政府が武漢を真似た政策を取り始めている。中央政府が掲げる「全国統一一大市場」形成の前提が崩れる

今後の見込み

中国自動車流通協会は多くの会員からの照会、問い合わせが殺到している状況であり、同協会としては関連の政府部門に対して働きかけを行っている最中であり、現在までに関連部門はこの問題を重視、積極的に回答してきている、としている。

4月は前年に上海ロックダウンがあったため、前年比は見かけ上急成長を果たすことになるが、2023年7月に迫った排ガス規制「国六B」移行もあり、中国自動車市場は混乱の度合いを強めている。

出典:协会资讯 | 武汉市汽车降价事件对汽车市场的影响

この記事の著者・CHINA CASEさんのメルマガ

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中国や韓国にもボロ負け。日本をダメにした“右翼ボンボン”の政治家ども

「現代の日本は、今やアメリカだけでなく、中国や韓国にも負ける国になった」とし、戦前の日本は「知的レベルの高い国」だったと嘆くのは、現役医師で作家の和田秀樹さん。今回のメルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』では、なぜ日本が衰退したのか、その理由について解説しながら、アメリカや統一教会の言いなりになる政治家たちを猛批判しています。

誰が日本を中韓に勝てないような国にしたか

戦前の日本は知的レベルの高い国だった。

GHQが日本が2度と戦争のできない国にするために考えたのは、算数や数学の教科書を大幅に削ることだったそうだ。それに当時の文部省の官僚が徹底的に抵抗して、歴史の教科書の墨塗りは向こうの言いなりになって許した。

結果的に日本は、一時的にではあるが経済でアメリカに勝った。アメリカは負けを認めて日本の教育政策のまねをしながら、日本のバカな大学教授をだましてゆとり教育を始めさせた。

おかげで日本はアメリカだけでなく、中国や韓国に、論文数やIT技術、製造業で負けるような国になった。ウヨクの人たちは歴史の教科書にこだわるが、本当に愛国心がある人たちはGHQにも屈せず数学の教科書を守った。

ところがウヨクのバカボンボンが政権を握るようになり、数学の教科書を棄てるだけでなく、大学入試もペーパーテストでなく面接重視を文科省と、統一教会の子分の萩生田とか下村とかの文科大臣が進めるようになった。

統一教会はもともとは共産主義から世界を守るという建前だったが、ソ連の崩壊以降は、日本を韓国よりダメな国にすることだったが、総理大臣が世襲のボンボンになって、簡単に教育政策が捨てられ、彼らの悲願がかなう日は近い。

ドイツももちろん教育レベルは高かった。学歴コンプレックスがあったはずのヒトラーはむしろ学問を奨励したようで、科学レベルも高かった。

冷戦の関係もあり、あっという間に国力を立て直し、今やヨーロッパを実質支配する立場になっている。イギリスはEU離脱を相当後悔しているようだが、泣きを入れられず、結局、TPPに入るとか言い出している。

ユダヤ人をみてもわかるように国なんかもてなくても、知的能力が高ければ世界を支配できるし、戦争に負けても、周りに言うことを聞かせることができる。どんなに迫害されても立ち直る。確かにそれに僻んだドイツ人の虐殺は許されることではないが、生き残った人たちは、世界の経済も科学も引っ張っていっている。

そういう意味では、戦前の日本を否定する人が多いが、今の国の上層部より、戦前の日本の上層部(少なくとも昭和初期まで)のほうがよほどよかったと思える。

少なくとも、サンフランシスコ講和条約のような不平等条約を改正しないまま、アメリカ様のお目こぼしに期待して靖国にいくせこい政治家たちより、不平等条約の改正運動を続けた戦前の日本の政治家のほうが、よほど尊敬できる。

※本記事は有料メルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』2023年4月1日号の一部抜粋です。

この記事の著者・和田秀樹さんのメルマガ

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「欠点をあげるなら国籍」大谷翔平に魅了される韓国人達

WBCで大会MVPとなり、今や世界が誇るスターとなった大谷翔平選手。日本では当たり前にベタ褒め状態ですが、実は韓国でも、彼は驚異的な人気を誇っていると、今回の無料メルマガ『キムチパワー』で、韓国在住歴30年を超える日本人著者が語っています。

大谷翔平、韓国でも大人気

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝カップを持ち上げ、世界的なスターに浮上した日本の大谷翔平(LAエンジェルス)が米国進出初期、現代自動車のソナタに乗っていたことが再照明されている。

日本の人気週刊誌「フラッシュ(FLASH)」は2018年5月1日、「大谷翔平の通勤カーはわずか200万円(約1,980万ウォン)の韓国製セダン」と題した記事を報じた。大谷がソナタ車両の助手席に乗っていたり、降りる姿を撮った写真も一緒に伝えた。これは大谷が直接選択し、球団が提供した車両だという。

報道によると、当時球団関係者は「もっと大きくて丈夫な車がいいのではないか」と提案したが、大谷がこれを断った。大谷は2019年に運転免許を取る前まで該当車両を利用していたことが分かった。免許のなかった大谷に代わって通訳士が運転し、大谷は助手席に座った。後部座席に座るのは礼儀に反するという理由で助手席に固執したという。

このようなニュースに韓国国内ネチズンたちは「実力も最高、人間性も最高」、「日本人だが本当に見習うべき選手だ」、「質素な姿が良い」などの反応を示した。免許を取得した後、大谷はテスラのモデルX車両を利用したことが分かった。現在はポルシェとスポンサーシップを結び、ポルシェ車両を利用している。

一方、日本をWBCトップに上げた大谷は最近、米スポーツ専門メディアESPNが選定した2023大リーガーランキング1位に上がった。大谷の今年の年俸は,3000万ドル(約390億ウォン)。今シーズンが終われば自由契約選手(FA)に解除され、大リーグ史上初の総額5億ドルの契約も十分可能だというのが業界の予想だ。ESPNは「オータニは野球史上最も優れた才能を持つ選手」として「WBCを通じて彼が世界最高の選手ということがさらに明らかになった」と評価した。

世界の有名人に学ぶ「少ない収入」でもマイペースに隠居する方法とは

近年、世界的なスターや起業家が日本で隠居生活を送っていることが明らかになっています。彼らは日本でどのような生活をしているのでしょうか? 今回のメルマガ『黄文葦の日中楽話』で紹介しています。

ジャック・マーとトニー・レオンのように日本で隠居生活を送ろう

「週刊新潮」3月16日号は、中国のアリババの起業家、ジャック・マー氏の日本での隠居生活に関する内部情報を総力特集している。昨年11月、ジャック・マーが日本にいることがメディアで明らかになったとき、誰もが「秘密を守るのがうますぎる」と思っただろう。先日、ジャック・マー氏が中国に戻った。

もう一人の中華圏の有名人がよく日本で隠居生活を送っている。香港の映画スター、トニー・レオンは20年以上前から日本を自身の裏庭と考えるようになり、時折ひっそりと暮らしている。木村拓哉や妻夫木聡と一緒にSNSに登場することもあるが、この映画スターが会うのは2、3人だけ。サイクリングやサーフィン、スキーを楽しみ、ひっそりと孤独に暮らしている。妻のカリーナ・ラウがマネージャーを務め、多くの出演の誘いを断っている。

ジャック・マーとトニー・レオンの間に接点はないのだが、なぜ偶然にも彼らが日本を隠れ家に選んだのだろう。それは、日本人がお互いに適度な社会的距離を保っているからではないだろうか。日本人はたとえ有名人であっても、他人のプライバシーを詮索したり干渉したりしないし、取り囲まれるような面倒なこともない。

日本では、トニー・レオンは本当に自由である。喫茶店でたまにいるファンに気づいてもらい、うなずきと笑顔を送ってあげるらしい。

日本の女優さんたちのインスタグラムを見ていると、お子さんの幼稚園の行事に参加するとき、周りは彼女たちを芸能人と扱うのではなく、皆と同じく普通のお母さんとして、自然に子育てのヒントを交換し合っていること。

近年、人気がますます高まっている木村拓哉さんは、カジュアルな服装で愛犬を散歩させ、隅っこでしゃがんでいる姿をよくインスタグラムで映されている。彼が通りすがりの人に認識されても、「木村拓哉」と騒ぐ人はいないだろう。

昨年11月、木村拓哉さんが登場した「ぎふ信長まつり」で馬に乗り、46万人が道の両脇に集まり、スターの華麗な姿を陽気に騒いでいた。日本人はスターの仕事とプライベートの違いをはっきり分けられる。

日本では木村拓哉よりも知名度が相対的に低いジャック・マー氏やトニー・レオン氏は、当然、日本での隠遁生活でリラックスできる。ところで、たまたま中国のサイトで動画を見たところ、大陸の俳優と結婚した台湾のアーティスト、伊能静が息子と一緒に中国のどこかの空港を歩いていて、その前後を何十人もの人が携帯電話で撮影しており、明らかにアーティストのパーソナルスペースを侵害しただろう。

この記事の著者・黄文葦さんのメルマガ
 

AIには真似できない、日本人が今こそ身につけるべき立ち振るまい

私達は日々当たり前のように「歩行」していますが、歩き方を学校などで習ったことはありません。果たして正しい歩き方を身に着けているでしょうか。メルマガ『j-fashion journal』の著者でファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんは、日本人が今こそ身につけておくべき所作について語っています。

武士の素(もと)

1.日常以上武道未満の武士の素(もと)

私は中学校、高校と剣道を続けていました。その後は仕事が面白くなり、剣道からは離れていました。それから運動らしい運動はしていません。還暦を過ぎた頃から、身体が固まってきて、「このまま放置したら、最後は身体が固まって死んでしまうのではないか」という恐怖にとらわれ、「何か運動をしなくては」と思いました。

と言っても、剣道を再開する体力はありせん。そこで出会ったのが「杖道(じょうどう)」でした。杖道とは、古武道に近い型武道(かたぶどう)で、樫の杖で真剣を制圧するというものです。

剣道同様に剣道着と袴を着用しますが、防具は付けません。裸足でもいいのですが、滑りを良くするために足袋を履くことが多いようです。運動量もそれほど多くはなく、型を演じるので腕力は必要ありません。そういう意味では、女性や高齢者にも適しています。

剣道は防具を付けて、互いに有効部位を竹刀で打突する競技です。剣道にも型はありますが、昇段審査の時に行う程度であり、圧倒的にスポーツに近い競技が主です。

相手より早く打つことで勝負が決まるので、瞬発力とスピードが重要です。剣道の構えは、いつでも瞬時に動けるように重心は高く、爪先立ちに近い姿勢で立っています。

剣道は竹刀で素早く打つので、小手や面を打つ時は、手首のスナップを効かせて最小の動きで強く打てるように練習します。あくまで竹刀競技の動きです。

この記事の著者・坂口昌章さんのメルマガ

新年度は、目標を掲げるだけでなく「やらないこと」も決めるべき理由

新年度がスタートしました。この時期は、多くの人が今年の「目標」を掲げるのではないでしょうか。しかし、日々の忙しさに追われて目標はほとんど達成できず、また新しい年度に入ることを繰り返していませんか? 無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』の著者である真井花さんは、「やる/やりたいこと」のほかに「やらない/やりたくないこと」リストも作ることをおすすめしています。

4月に「やらないこと」

さて、本日は年度初めの裏ワザ(?)のお話。

今年も4分の1が過ぎましたね( ̄∇ ̄)

信じられないわ。速すぎるわ…。だって、年初に立てた100個目標の4分の1なんて達成してナイもん。

で、考えたんですよ(*゚∀゚*) 目標ってフツー「やってみたいこと」で考えますよね。でもね。

・やらないこと

をリストするのも大切なんじゃないかって。

やってみたいことは、言ってみれば人生に負荷をかけることです。新しいことやまだ達成していないことなんですから、やっぱりエネルギーも要るしストレスもかかりますよね。

ところが、今現在、私たちはすでに

・いっぱいいっぱい

ですよね。そう、いつか着るつもりの服でパンパンのクローゼットみたいに。

もう絶対着ないとホントは分かっているけど、捨てられない服を思い切って断捨離してこそ

・クローゼットにスペースができる

んですよ。これと同じことは心や時間にも言えることだと思うんです。何かを止めなければ時間は空かないし、心の余裕も生まれません。すっかり市民権を得た瞑想やらマインドフルネスやらは

・なにも考えずにじっと目を閉じましょう♪

みたいなことを言うんですよ。心の余裕と平安のために。

それなら、今年の目標も同じじゃないでしょうか。

・やりたいこと・挑戦すること

と同じくらいの数の

・やりたくないこと・止めること

があってもおかしくないはずなんですよ。誰もそう言わないけど。

それは成し遂げたものの数を競い、多いほど優秀で素晴らしいと私たちが無意識的に考えているからではないでしょうか。

ロシア敗北を見越した中国。習近平が早くも進める「プーチン後」の人事

プーチン大統領の「3月末までのウクライナ東部完全制圧」という命令を遂行することができなかったロシア軍。ウクライナ軍に対する攻撃の頻度もスピードも落ちてきたとの報道もありますが、戦争はこの先、どのような推移を見せるのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、前回に引き続き最新の戦況を解説。さらにウクライナが進める春の大攻勢の準備を紹介するとともに、予想される中国の動きを考察しています。

ロ軍の攻撃に勢いがなくなり兵員不足に。ウ軍の大攻勢はあるか?

ロ軍は、バフムトとアウディーイウカの2拠点の攻撃に絞り、兵員不足と装備枯渇を凌いでいる。ウ軍の春攻勢が4月か5月に始まる。

バフムト方面

ウ軍も増援部隊を出して、バフムト市を死守しているが、ロ軍も攻撃を市内に絞り、バフムト中心部、市庁舎の占拠を優先している。

ワグナー軍は、損耗が大きくかつ補充ができないことで、現存する部隊の多くを市内攻撃に振り向けた。市内でのT0513号線を北から前進し、南側からもT0513号線を北上して市中心部に到達したようである。ウ軍増援部隊が到着したが、前進を食い止められていない。ウ軍は徐々に撤退して、ワグナー軍の損害を大きくしている。

バフムトフカ川を渡河したワグナー軍は橋頭保を確保したが、市内のビルから狙撃されて、それ以上には前進できないでいる。このため、ロ軍は市内のビルを集中砲火を浴びせている。

ウ軍はロ軍の火砲を攻撃して、1日10門程度を破壊しているし、500名程度を死亡させていると述べている。自軍の損害を最小化して、ロ軍の損害を大きくすることに注力しているようだ。

ショッピングセンターのロ正規軍は攻撃しても前進できていない。

どうも、バフムト郊外の平地では、損害が大きいが、市街戦の方が損害が大きくないことで、ワグナー軍は市街戦を優先し始めたようである。

ワグナー軍は、郊外ではオリホボ・バシリフカへの攻撃しかなく、、イワニフスク方向のロ軍空挺部隊はウ軍に押さえこまれて、攻撃できないようである。

バフムト包囲作戦を中止したことで、包囲が解け始めている。市街戦だけの状況になっている。

バフムトに兵員を集めていることで、クレミンナ方面やリシチャンスク方面でも攻撃がない。

ウ軍はチャンプ・ヤールに戦車、装甲車部隊を待機させているので、ロ軍の損耗を見て、兵員数が少なくなったら、反撃に出るように見える。

ここに派遣されたロ軍兵がSNSで、「ロ軍は犯罪集団だ」と述べている。中隊160人が前線で戦ったが、下がると督戦隊に殺され、上官からは、皆死んで来いと言われ、事実160人が20人になった。このような軍隊ではおかしいとプーチンに直訴している。

ロ軍の実態は、軍隊の組織をなしていないようである。ワグナー軍だけが、軍隊としての体裁を持っているようだ。ロ軍は組織化されてない暴力集団化した組織になってしまっている。これでは勝てない。

アウディーイウカ方面

アウディーイウカ周辺で、ロ軍は包囲作戦を開始したが、クラスノホリフカを占領後、ノボクリノベやボダニウカ、セベルネ、プレボマイスクに攻撃しているが、ウ軍に撃退され、占領地を広げることができないでいる。

その他地域

マリンカにもロ軍が攻撃しているが、ウ軍は撃退している。この地点は、数か月攻撃をしているが、ロ軍は前進できないでいる。

ボハレバラでのロ軍の攻撃はなくなっている。

ウ軍は、TU-141無人機を使い、ロシア国内各地の防空体制をチェックしているようである。3,000km以上飛べる無人機も開発でき、春攻勢時に陽動作戦で、ロシア各地を攻撃するようである。また、TU-141を約100機持っているので、これを使うことになる。そのためにロシア国内防空体制を調べているようである。このため、つい最近、モスクワ州の隣のテゥーラ州の化学工場を攻撃爆破。その前にも、首都モスクワに接する地域に数度も無人機が着弾している。

同様にクリミアにも無人機や無人ボートで攻撃して、ロ軍の防御体制を見ているようである。

ザポリージャ州の前線では、ウ軍が威力偵察を繰り返し行っているが、ウ軍は報告していないために、詳細が分からないが、春攻勢での突破口を何処にするのかを調査しているとみる。

ウ軍は春大攻勢の準備をし始めているようである。

この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ