不法移民に全米から上がる悲鳴。米国民主党を分裂させる国境危機

これまで人道的見地から、不法移民に対して寛容な姿勢を示してきたアメリカ民主党。そんな同党が今、不法移民問題で分裂の危機に見舞われているといいます。今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、米有力紙が伝えた民主党の現状を伝える記事を紹介。さらに日本メディアに対しては、こうしたアメリカの政治意識の潮流をしっかり報じるべきとの注文をつけています。

【関連】溢れ返る不法移民たち。アメリカの大都市で進む深刻な「治安悪化」の原因は

不法移民への対応で分裂する米民主党を海外はどう報じているのか?

今週は不法移民への対応で米国の民主党が分裂し始めているという報道です。

共和党はまとまっています。トランプが起訴されたりしてマスコミの集中砲火を受けていますが、「国境の重要性」という大義を疑う共和党員はいないからです。

逆にバイデン大統領の民主党は分裂を始めています。

ニューヨーク・タイムズが2023年9月8日に長文で報道しているので要約してご紹介しましょう。

1年前、テキサス州のアボット知事は、不法移民や亡命希望者をニューヨーク、ワシントン、シカゴらに送り込み始めた。

 

その不法移民の波は聖域都市をますます緊張させ地域社会は疲弊している。

そして国境危機は、今や民主党を分裂させている。

 

ニューヨークのアダムス市長(民主党)は今週、「連邦政府の救済措置と国境での取り締まりがなければ、急増する移民がニューヨークを破壊する」と宣言した。

 

シカゴのジョンソン市長(民主党)は先月、ホワイトハウスに「はっきり言って、シカゴ市は支援と移民政策の変更なしには、新しい到着者を安全に迎え入れることはできません」と嘆願した。

 

また民主党議員であるマサチューセッツ州のヒーリー知事は、非常事態を宣言し、州兵を出動させ、ホワイトハウスに助けを求め始めた。

 

今、突然、一部の民主党議員の声が共和党議員のように聞こえるようになった。

かつては不法移民に寛容だった民主党議員が不本意ながら共和党に加わってバイデン大統領に砲火を浴びせている。

解説

米国北部に位置する民主党系の都市や州の首長が不法移民の流入に悲鳴をあげており、バイデン大統領に何とかしろと訴えている状況です。

「そんなに不法移民を保護したいのなら送り込んでやる。自分たちでこの問題を経験してみろ」と不法移民をバスや飛行機で送り込んだフロリダ州とテキサス州の知事の意図が当たった形です。

ところが、声を上げ始めた一部の民主党議員の中にもさらに意見の相違があります。

ある人は「国境管理をしっかりしろ」と言い、別の人は「不法移民に早く労働許可を与えろ」と言っているのです。

この2つの政策は全く違います。

国境管理をしっかりするという主張は、基本的に共和党(トランプ)と同じ政策です。

ところが、不法移民に早く労働許可を与えろという主張は、不法移民を保護する政策であり、さらに流入を加速する結果になります。

不法移民対策を主張し始めた民主党議員の中に全く方向性の違う人が混在しているのです。

なぜでしょうか?

この記事の著者・大澤裕さんのメルマガ

1円端末と転売ヤー撲滅がゴールに。総務省「端末割引規制」の本末転倒

回線とセットでスマホを販売する時の割引の上限について見直しをしていた総務省は、4万円までは「上限2万円」、4~8万円は「上限50%」、8万円以上は「上限4万円」と、端末価格に応じて設定すると発表しました。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』で、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんは、この新規制について「本末転倒」とダメ出し。一般メディアが言うような「1円端末撲滅」などできないと語り、総務省が何もしない方が市場は健全になると訴えています。

総務省が割引上限を見直し。4~8万円端末は「上限50%」に──もはや何が目的なのか、本末転倒な政策に

総務省は9月8日、「競争ルールの検証に関する報告書2023(案)」において、パブリックコメントを受け、報告書の修正案を公表した。案では携帯電話端末の割引上限を「一律4万円」としていたが、これにNTTドコモやKDDIが異を唱えたことで「原則4万円」に改められた。ただ、4~8万円の端末は「割引前の50%」、4万円未満の端末は「2万円」に設定するという提言にまとまった。

この提言を受けて、一般メディアなどでは「1円端末を撲滅させる」的な見出しが躍っているが、結局、どんな割引施策に変更したところで「1円端末」が絶滅することはないだろう。

そもそも、総務省の端末割引規制は、目的を見失っており、なぜか最近は「1円端末や転売ヤーの撲滅」がゴールになっている。しかし、転売ヤーを生んだのは総務省の失策が原因であり、総務省が何もしないことが、市場の健全化、競争環境の整備につながるはずだ。もはや、総務省の規制は本末転倒となっている。

今回、原則4万円で、4万以下の端末は上限2万円、4~8万円は50%の割引上限となったが、このルールであれば、各キャリアは、従来通り「2万円程度」の端末ラインナップを強化する一方、4万円の割引がめいっぱい適用できる「8万円程度」の端末が増えるだけではないだろうか。

いまのラインナップを見ても、キャリアが扱うiPhoneSE(第3世代)の128GBモデルが8万円程度となっている。新しい提言を適用すれば、まずは4万円を引いて、購入補助プログラムを適用しつつ、残価も考慮したら、それこそ1円程度の負担で手に入れることも可能になるはずだ。店頭では「実質1円」をアピールするのだから、「1円端末の撲滅」にはなりっこない。

ただ、メーカーとしては、これまで7~8万円程度のラインナップを強化しようとしていたが、あまり上手くいかなかったこともあり、今回の提言で8万円を狙った商品企画が増えてくるかも知れない。キャリアや市場は2万円を求めるかも知れないが、やはり業界的には8万円程度のまともな端末が増えた方が健全だろう。

いずれにしても、総務省のよくわからないルールによって、キャリアやメーカー、販売代理店、さらにはユーザーが振り回されるのはもう勘弁だ。今回の改訂で、「転売ヤー」や「1円端末」が減らなかったら、2~3年後にまた新しいルールを作る気なのか。

もはや、市場に対して何のメリットも生んでいないばかりか、FCNTや京セラのようなメーカーを生み出すことにつながりかねないだけに、総務省には本当にいい加減、自分たちの過ちを認めて襟を正して欲しい。

この記事の著者・石川温さんのメルマガ

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ホンマでっか池田教授が考察。「家畜化」で動物の形態や感性はどう変わる?

人懐こい性質の野生のキツネだけを選び交配を繰り返したら、性質が強調されただけでなく、毛色や尾、耳や骨などの形状まで似た特徴をもつように変化していったという実験結果があるようです。今回のメルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』では、CX系「ホンマでっか!?TV」でもおなじみの池田教授が、なぜキツネの性質と形態が連動するように変化していったのかを考察。三毛猫の毛色を決定する遺伝子の作用、オオカミがイヌに進化していく過程や昆虫のマークオサムシに見られる不用説の発現などと比較しながら論じています。

動物は家畜化するとどうなるのか

今、『自己家畜化する日本人』(祥伝社)という本を出版準備中で、10月には発売する予定である。その中で、家畜化すると動物の形態や感性はどう変化するかを論じているが、本稿では本に書かなかったことも含めて議論したい。ソ連の遺伝学者ドミトリ・ベリャーエフは1959年から野生のキツネを家畜化する実験に取り組んで、主に人間に対する反応の違いに基づいて、キツネを選別していった。

人間をあまり怖がらない人懐こいキツネを選抜して人為的に交配を繰り返し、そうやって生まれたキツネの中から、さらに人懐こいキツネを選抜して交配実験を繰り返すと、キツネはどんどん攻撃性が低く人間に対して従順になっていった。不思議なのは、性質ばかりでなく外見も明らかに変化したことだ。50世代ほど選抜を繰り返した結果、被毛の色が白いまだら模様になった他、尾が巻き上がるようになり、耳は垂れ下がり、頭骨が小さく、顎や歯も小さくなっていた。

人為選択の基準になるのは、あくまで人に対して従順かどうかで、形態ではない。それにも関わらず、形態が変化するということは、形態と性質は連動しているということだ。ペットの毛の色は基本的には遺伝子によって決定される。よく分かっているのはネコの毛色だ。有名なのは三毛猫で、ネコの毛色を決める遺伝子は9種類あるのだが、オレンジ色を発現させる遺伝子はX染色体上にあり、対立遺伝子は黒色を発現させる。

哺乳類の性染色体はオスがXY、メスがXXで、メスの場合は細胞ごとに片一方のX染色体が不活性化されて発現しない。Xが2つとも活性化すると、おそらく、2つの染色体に乗っている遺伝子が作り出すたんぱく質の量が過剰になりすぎて、不都合を起こすのだろう。すなわちメスの1つの細胞では父親由来のX染色体か、母親由来のX染色体かの、どちらか一方しか活性化されない。どちらが活性化されるかはランダムに決まる。

今、メスのXXのうち、1本にはオレンジ色の遺伝子が乗っており、もう一本には黒色の遺伝子が乗っているとして、皮膚の表面でこの2つの遺伝子がランダムに発現すると、例えば常染色体に白色の遺伝子が乗っている場合は、白、黒、オレンジの三毛になる。

オスはXYなので、X染色体にオレンジの遺伝子が乗っていると、白とオレンジ、黒色の遺伝子が乗っていると、白と黒の猫になり、三毛猫にはならない。三毛猫になる場合は性染色体がXXY(Yがあるのでオスになる)の場合だけだ。この場合もXは片方しか活性化しないので、上述した理由により、三毛猫になるのだ。遺伝学的によく分かっている三毛猫の発現パターンについて説明したが、ネコの毛色と性格はそれほど密接な相関はなさそうで、ネコを性格に基づいて人為選択しても、それに呼応して毛色が変化することはないと思う。

この記事の著者・池田清彦さんのメルマガ

「教員という職業が不人気になったから教員不足」という大嘘。現役小学校教師が“実態”を解説

前回の記事で教員不足について触れたメルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』。著者で現役小学校教師の松尾英明さんは、本当に教員のなり手がいないのか?という疑問にメスを入れています。

本当に教員のなり手はいないのか?

教員不足問題について。

各地で学校教員の数が不足している。これは事実であり、間違いない。学校はここ最近、慢性的な人手不足である。

大量採用の世代が一気に退職していることが理由の一つ。これに伴い、管理職不足を起こしている自治体もある。管理職はほとんどが上の世代であり、未経験でいきなり入れるポジションではないので、これは当然である。

団塊世代の大量退職により、教諭も足りていない。次のデータを見て見る。

【R4学校教員統計】中間報告公表について(文科省H.P.)

小学校教員の平均年齢は平成の半ば過ぎから現在の42.1歳まで常に下がり続けている。しかしながら、この「平均年齢」前後の教員の絶対数は、全ての中で最も少ない。つまりは、数としてが多いのが20代と60代というように、大きく割れている状態である。統計学的に表すと「標準偏差が大きい」という、平均値から大きく分散した状態である。平均値があまり当てにならない状態ともいえる。特に規模の大きな学校については、20代の若手が構成の中心である。ここは団塊の世代が定年により大量退職されるので、大量採用したいという単純な話である。

さらに諸々の理由により、教員定数を今まで以上に多く確保する必要が出ている。だから、採用数の方が多くなり続け、倍率は下がっているという構造である。

テレアポは一字一句このまま話せ。敏腕コンサルが教える「アポが取れやすい電話の会話」

多くの営業コンサルがやっている「答えを教えずに考えさせる」という手法。しかし、答えがわからない人に答えを教えることができないというコンサルが多いようです。メルマガ『売れる営業マンの常識は売れない営業マンの非常識!』。著者で営業実務コンサルタントの島田安浩さんは、そういったコンサルが嫌いだとバッサリ。実例をはっきりと出して、今回は「テレアポ」の超実践的トーク術を紹介しています。

テレアポはこのトークをそのまま使えば良いですよ!

逆算で考えるようにしましょう。【営業=教育】なので、最終的に、お客様に「教えに来てくれるんだなぁ~」と、思って貰えれば良いわけです。

簡単でしょう?

かと言って、「教えに歩いているけど」と言っても、アポには結び付きません。ひと工夫が必要になります。

普通のコンサルはこれで、「考えてください!」とやります。考え方を伝えて、自分で考えさせる。これが、コンサルのやり方です。

ただ、「分かりますか?」って、話です。

・逆算で考える?
・営業=教育?
・教えに来てくれるんだなぁ~

答えが分かりそうで分からないのです。俺は、そういうコンサルが嫌いなんです。「もったいぶらずに答えを教えろ!」って思います。

ところが、多くの営業コンサルは答えを知りません。だって、今現在、自分で現場に出て営業して無いから、知る訳が無い!のです。

考え方を伝えるのが仕事、それを活用して、考えて売るのは、クライアントの仕事って感じです。

もちろん、それで成果の出る優秀なクライアントもいます。そういう気付きを与えて、それがきっかけになったりしますが、多くの人には理解不能なんです!

こういうコンサルって、結局は金のためにコンサルをしているように思います。

クライアントの成功は自分の成功と言いながら、「そこは自分で考えないと力が付かない!」って逃げている。「違うだろう!答えを知りたいから投資してるんだろう!」って、感じですね、

まあ、沢山のコンサルを見てきましたが、本当に売らせられるコンサルは少ないです。どこかの誰かが言ったような話をパクって来て教えたり、他社事例を自分の手柄のように指導したり、アメリカの有名なコンサルの猿真似をしたりが、ムチャクチャ多いです!まあ、真似が出来るだけ凄いのですが、

結局は、10%程度の優秀な人に成果を出させて、こんなに凄い実績が出たって、言っているだけなんです。

結局は、「今、売れるか?」これだけです。

今、売れないヤツに指導なんて出来ないです。ぜひ、営業コンサルを使う場合は、そこを確認ください。

ジャニーズ事務所の会見「テレ東以外、全キー局が生放送」で感じた“深い闇”

ジャニーズ事務所の新社長に東山紀之氏が就任すると発表した会見は大きな話題となり、この時間帯のテレビは会見一色となりました。今回のメルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』ではジャーナリスト・作家として活躍中の宇田川敬介さんが、注目を集めるジャニーズ事務所問題とメディアの「深い闇」について詳しく語っています。

ジャニーズ事務所の問題についての雑感

さて今週は、「ジャニーズ事務所社長に東山紀之氏が就任する会見について」と題して、ある意味で思うことを見てみようと思います。

ちなみに、私はこの件に関してはあまり詳しくありませんし、また、その内容に関して語れるほど見識があるわけではありません。しかし、そもそも台風13号が首都を直撃し、またインドでは世界の20か国が集まってG20の会議をしているようなときに、有名芸能事務所のタレントと故元社長の関係で社会的な影響力は大きいとはいえ、一民間企業とそこの所属タレントの問題で、ここまですべてのマスコミが行うというのはどうなのでしょうか。

ちなみに記者会見を中継しなかったのは、いつものテレビ東京だけでした。

基本的に故ジャニー喜多川氏については、私が中学や高校の時から男色の性加害の噂はありましたし、また、本人の意向は別にして、周辺からすれば「芸能界とはそこまでして売れたい人の集団なのか」などというような認識があったのではないかという気がします。

昔は、芸能人というのは「差別用語」で言われていたのですが、現在では全く時代が変わっており、多くの人のあこがれの職業になっています。その時代に合わせた対応が今回なされたのではないかという気がするのです。

さて、今回の内容は故ジャニー喜多川氏の所業に関して様々言うつもりはありません。

今回の問題に関しては「加害者本人が死んでしまっている状態で、この話題を議論すること」ということが一つ目の話題になります。もう一つの話題は、「今後のジャニーズ事務所に関して」ということがあるでしょう。そして最後に「今まで見ぬふりをしてきたマスコミは同罪ではないのか」という話をしなければなりません。

この記事の著者・宇田川敬介さんのメルマガ

「台湾有事は日本有事」の大ウソ。危機を煽る『週刊現代』総力特集の支離滅裂

もはやいつ勃発しても不思議ではないような論調で語られる「台湾有事」。そんな状況の中、4大週刊誌の一角を占める『週刊現代』に10ページにも渡る「台湾有事大特集」が掲載されました。この記事に対して異論を唱えるのは、ジャーナリストの高野孟さん。高野さんは自身のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で今回、同記事を「デマゴギーでしかない」と一刀両断した上で、台湾有事が起こらない理由を詳しく解説しています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2023年9月11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

デマゴギーの最たるもの。「台湾有事は日本有事」の妄想煽る『週刊現代』

『週刊現代』9月9・16日合併号が巻頭で10ページを注いで「台湾有事/日本はこうして戦争に巻き込まれる/米政府系シンクタンクの極秘シミュレーション」と題した総力特集を組んでいる。タイトルを見ただけでも分かるように、21年3月の米軍幹部の議会証言をきっかけに俄かに盛り上がった「台湾有事切迫」論に安倍晋三と麻生太郎が飛びついて「台湾有事は日本有事」という妄想を目一杯膨らませ、それを岸田文雄首相が政府としての情勢認識の基調に据えて未曾有の大軍拡に踏み出そうとするのを、さらに煽り立てようとするところに狙いがある。

とはいえ、内容は杜撰とまでは言わないが、かなり大雑把で、記事の前と後とで整合がとれていなかったりして、この問題の理解をかえって掻き回してしまう結果となっている。

日米の軍事施設・基地に先制攻撃を加える習近平

全体は4部構成になっていて……、

(1)沖縄がミサイル攻撃され、大量難民が日本に押し寄せる日/米ジョージタウン大学戦略国際問題研究センター(CSIS)が今年まとめた「中国が台湾侵攻を決意したとき、何が起きるか」のシミュレーションを基礎に、

(a)今から数年後に習近平が台湾の武力併合を指令し、その場合「中国側から見て最も合理的なのは初動で台湾周辺にある日米の軍事施設・基地に先制攻撃を加えること」である、

(b)それによって周辺海域を封鎖した中国軍は、満を持して台湾本島を落としにかかり、ミサイルを降り注いで台湾軍に大損害を与える、

(c)米軍が台湾軍を支援するには、潜水艦と、在日米軍基地から発する戦闘機しかない、

(d)そうこうするうちに中国軍は台湾の西もしくは東から上陸侵攻し、傀儡政権を立てる……。

この記事の著者・高野孟さんのメルマガ

老後の沙汰もカネ次第。現代の「姥捨山」に放り込まれる貧困老人たちの恐ろしい実態

加速化する高齢化社会にあって、大きな役割を果たす老人介護施設。しかしその倒産件数がうなぎのぼりに上昇している現実をご存知でしょうか。今回のメルマガ『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図──政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』では投資コンサルタント&マネーアナリストの神樹さんが、昨年には過去最高の143施設を超えるなど、右肩上がりで老人介護施設の倒産が増え続けている現状を紹介。さらに「老後の沙汰もカネ次第」としか言いようのないこの国の惨状を解説しています。

次々と倒産する老人介護施設。日本の高齢者を襲う住処もカネも失う「老後地獄」

日本人の現在の健康寿命は、男性が約73歳(72.68歳)、女性が約75歳(75.38歳)です。

健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。

そして、この年齢に到達すると、同年代のほぼ半数の人が、何らかの健康上の問題を抱えることを意味しています(残りの半分はまだ健康)。

つまり、男性の平均寿命81.47歳、女性の平均寿命87.57歳まで、男性は8.79年、女性は12.19年の間があり、人によってその差はいろいろですが、健康ではない状態で生活していく可能性が高くなる──と概ね考えられるのです。

ちなみに、平均寿命とは、同年代のほぼ半数が死亡する年齢ととらえていただいてよいでしょう。

つまり、死ぬ間際までとても健康だった──という人は非常に少ないのです。

ピンピンコロリ――と死ぬのが誰しもの理想ですが、なかなかそういうわけにはいかないのです。

小規模な老人介護事業者ほどカンタンに倒産する!

老人介護施設にはいろいろあります。

大きく分けると、公的施設と民間施設になります。

それぞれを分類すると、概ね8類型となります。

民間施設では、「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」「グループホーム」です。

そして、民間と公的の両方にあるのが「ケアハウス」になります。

なお、公的施設では、「特別養護老人ホーム(特養)」「介護老人保健施設」「介護医療院(介護療養型医療施設)」などがあります。

ところで、こうした老人介護施設の倒産が年々多くなっています。もちろん、潰れるのは民間施 のほうです。

東京商工リサーチによれば、2012年までの倒産施設数は、年間50施設に満たなかったものの、2013年からは、年間50施設を超え、2016年からは100施設を超え、2022年には143施設と過去最高の倒産件数になっています。

しかも、この件数は右肩上がりなので、今後が懸念されます。

倒産で最も多いのは、訪問介護事業で49%、通所・短期入所介護事業で35%、有料老人ホームで8.4%、その他で8.4%となっています。

倒産の理由は、販売不振が58%、他社倒産の余波が21%、放漫経営が7%、赤字累積が6%、過大な設備投資が5%などとなっています。

コロナ禍による一時的な利用者減少、人手不足や物価高騰などもあって、小規模事業者に倒産件数が多くなっていますが、大手のチェーンにもその影響は及んでおり、赤字経営に陥るところも増えているのです。

老人介護サービスは、あらかじめ介護保険制度でサービス単価が決められているため、自由に値上げすることもままなりません。

ゆえに経営が慢性的に苦しいところは、つねに赤字が累積し、ちょっとした環境の変化でも倒産しやすいのです。

この記事の著者・神樹兵輔さんのメルマガ

韓国政府筋「金正恩は直ちにプーチン大統領と会って“要求”することもありうる」という言葉の意味

北朝鮮が8日、戦術核攻撃潜水艦「金君玉英雄」を完成させたと発表しました。いま、この発表をおこなったことに、どんな意味があるのでしょうか? 今回の無料メルマガ『キムチパワー』では、韓国在住歴30年を超えて教育関係の仕事に従事する日本人著者が、韓国メディアの報道を翻訳しながら、朝鮮半島で起きていることを詳しく紹介しています。

北朝鮮「戦術原子力潜水艦」公開が意味するもの

北朝鮮が戦術核攻撃潜水艦(キム・グンオク・ヨンウン=金君玉英雄)を完成させたと8日、明らかにした。同潜水艦は水中から韓国全域はもとより、在日米軍基地まで奇襲核打撃能力を備えていると評価されている。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は6日、咸鏡南道新浦(ハムギョンナムド・シンポ)造船所で行われた初の戦術核攻撃潜水艦「金君玉英雄」進水式祝賀演説で、「海軍の核武装化はこれ以上先送りすることもできない切迫した時代的課題だ」と主張した。

続いて「発展した動力体系を導入する」と強調し、近く原子力潜水艦建造計画も明らかにした。韓米情報当局は来週、ロシアのウラジオストクで開催が有力視されているプーチンロシア大統領との朝露首脳会談で、金正恩が小型原子炉など原子炉関連の核心技術を要請する可能性があると見ている。

北朝鮮官営メディアの朝鮮中央通信がこの日建造・進水事実を公開した潜水艦は大型4個、小型6個など計10個の垂直発射管を備えていることが確認された。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を最大10基まで装着できるという意味で、事実上北朝鮮の「弾道ミサイル潜水艦1号」と評価されている。

今回の新型潜水艦について合同参謀本部関係者は同日、「既存潜水艦(ロミオ級)を改良した可能性が高い」と説明した。2019年7月、金正恩が現場視察当時建造中のロミオ級改良型(3,000トン級)の一部の姿が初めて露出したが、その新型潜水艦完成事実を北朝鮮が約4年ぶりに明らかにしたわけだ。軍消息筋は「北朝鮮の主張どおりなら有事の際、龍山(ヨンサン)大統領室と韓国軍指揮部はもちろん、港・空港など米増員戦力展開通路、在日米軍基地などまで密かに打撃可能な戦略兵器を確保した」と評価した。

ただ、軍当局は新型潜水艦の外形分析などを基に潜航能力が落ちるなど、実際の利用範囲は制限的だと判断している。9・9節(クグジョル=北朝鮮政権樹立日)、朝露首脳会談などを控え、成果を誇示するために従来型(ディーゼル)エンジンのロミオ級を無理に改良したため、完成度の低い潜水艦を性急に公開した可能性があるという。合同参謀関係者も「正常に運用できる姿ではないと判断する」と話した。

それでも金正恩がすでに保有している潜水艦を戦術核搭載潜水艦に改造し、潜水艦動力体系まで変えるという意志まで明確にしただけに、今回の新型潜水艦建造を契機に米本土の核打撃が可能な原子力潜水艦(戦略原子力潜水艦・SSBN)開発にも拍車をかけるだろうという観測も出ている。

韓国政府筋は「北朝鮮が数年前から新浦ではなく他の造船所でより大きな規模の新型潜水艦を建造していると把握している」とし「直ちにプーチン大統領に会って原子力推進潜水艦の設計図と建造計画を示し、技術移転を要求することもありうるのではないか」と伝えた。(東亜日報ベース)

(無料メルマガ『キムチパワー』2023年9月9日号)

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首相になるための“手段”。日本に原発を導入した男の名前と「卑怯な手口」

8月24日に海洋放出が始められた、福島第一原発の処理水。政府や東京電力はその安全性を強調していますが、果たしてそれは信用に値するのでしょうか。今回のメルマガ『ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)』では著者の伊東さんが、処理水に含まれるトリチウムに関する分子生物学者の意見を紹介。さらに日本に原発を持ち込んだ人物の名とその動機を取り上げるとともに、自民党と読売新聞社が「処理水問題の責任」を負っている理由を解説しています。

プロフィール伊東 森いとうしん
ジャーナリスト。物書き歴11年。精神疾患歴23年。「新しい社会をデザインする」をテーマに情報発信。1984年1月28日生まれ。幼少期を福岡県三潴郡大木町で過ごす。小学校時代から、福岡県大川市に居住。高校時代から、福岡市へ転居。高校時代から、うつ病を発症。うつ病のなか、高校、予備校を経て東洋大学社会学部社会学科へ2006年に入学。2010年卒業。その後、病気療養をしつつ、様々なWEB記事を執筆。大学時代の専攻は、メディア学、スポーツ社会学。2021年より、ジャーナリストとして本格的に活動。

福島第一原発、処理水放出開始 トリチウムの実態 核についての第二の敗戦 日本に原発を導入したのは誰だ?

東京電力は8月24日、福島第一原発の処理水の海洋放出を始めた。放出は、第一原発の廃炉完了まで約30年続く。

原発事故から12年たっても、処理水の元となる汚染水は日々発生しており、計画通り2023年度に約3万1,200トン放出しても、敷地内に林立する保管タンク約1,000基のうち、減るのは約10基分にとどまる(*1)。

しかし、放出開始後も、まだ課題は山積みだ。

東電は、24日放出分の処理水のうち約1トンを海水約1,200トンで希釈したうえで大型の水槽にため、東電が設定した放出基準の1リットルあたり1,500ベクレル未満(国基準の40分の1)を大きく下回る最大63ベクレルと確認。

同日午後1時3分に放出を開始、処理水は海底トンネルを通り、沖合約1キロで海に拡散した(*2)。その後は処理水を増やし、午後5時時点では計算上の濃度は1リットルあたり206ベクレル。

今後は、1日あたり処理水約460トンを放出。初回は、計約7,800トンを17日程度かけて流す予定。2023年度は、計4回の放出を計画している。

他方、国内のマスメディアの報道は海洋放出に賛成一辺倒で、違和感が残るのは事実。しかし放送法第4条の四は、

「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」

とあるが、現状、日本のメディアが処理水の海洋放出に反対できないことは分かりきっている。

「国境なき記者団」による2022年度の報道の自由に関する国際ランキングでは、日本は71位に低迷。ケニア(69位)、ハイチ(70位)、キルギスタン(72位)、セネガル(73位)と同レベルだ。

今年の調査では、日本の状況について、「メディアの自由と多元主義の原則を支持している」としたものの、政治的圧力やジェンダー不平等などにより、「ジャーナリストは政府に説明責任を負わせるという役割を十分に発揮できていない」と批判した(*3)。

目次

  • トリチウムの実態
  • 近畿大学研究チームが5年前、トリチウム除去に成功も
  • 核についての第二の敗戦

この記事の著者・伊東森さんのメルマガ