先制攻撃権限も明記。北朝鮮「核保有国宣言」が中国を追い込む訳

9月7日に始まった最高人民会議で、北朝鮮が核兵器の使用条件などを定めた法令を採択。金正恩総書記は「核保有国としての地位は不可逆」と、非核化の意思がないことを内外に示しました。この事態を長年北朝鮮の後ろ盾の役割を果たしてきた中国はどう見ているのでしょうか。メルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、著者で多くの中国関連書籍を執筆している拓殖大学教授の富坂聰さんは、「複雑な気持ちで見守っている」と解説。北朝鮮とはもちろん、韓国との関係もこじらせることは避けたい中国の事情を記しています。

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北朝鮮の核保有国宣言で窮地に立たされる中国

中国外交にとっては、アメリカとの対峙とは別の意味で頭の痛い新たな問題が浮上したのではないだろうか。北朝鮮の非核化をめぐる新たな動きだ。今月7日から北朝鮮は第14期最高人民会議第7回大会(=国会に相当)を開催した。そして8日の朝鮮労働党総書記(国務委員長)の金正恩の施政方針演説では、予想通り重要メッセージが発せられた。「北朝鮮の核保有国としての地位は不可逆(=放棄しない)」という宣言だ。

北朝鮮はこの前日、最高人民会議で核兵器の使用条件などを定めた法令(以下、「法令」)を満場一致で採択している。最大の特徴は、「防衛目的での核兵器の先制攻撃の権限が明記された」(シンガポールCAN『アジア・ニュース』9日午後9時)ことだという。

8日の施政方針演説で金正恩は、核を放棄しない理由として、「地球上に核兵器と帝国主義が存在し続け、アメリカやその仲間によるわれわれを陥れる策略がなくならない限り、われわれの核戦略強化の取り組みは終わらない」(同CNA)と力説した。

もう少し詳しく言葉を並べれば、「核兵器はアメリカの脅威に対する自衛のための抑制手段」であり、「核開発に対する国際社会の制裁は朝鮮人民の不満を高めようとするもの」に過ぎず、よって「核は人民の運命であり自衛権を放棄することはない」(韓国KBSニュース 9月9日)という理屈だ。

以前から核保有の権利について強硬に主張してきた北朝鮮だが、今回は非核化だけではなく「そのためのいかなる交渉もあり得ない」と断じた点が目新しいと指摘される。先に引用したKBSの番組に登場する専門家は、「(韓国内には)北朝鮮の政策が変わったら交渉の余地が生まれる、との認識があったが、そのようなことはないと断言したに等しい」と解説していた。

今回の「法令」は、核兵器に関するすべての決定権が金総書記にあると定め明記した。同時に、もし金総書記を中心とした指揮統制システムが敵の攻撃により危機に瀕すれば、自動的かつ即時に敵への核攻撃が断行されることも盛り込まれた。さらに核兵器や大量殺りく兵器による攻撃や危機が差し迫ったと判断された場合。作戦上の必要性が高まったと金正恩総書記が判断した場合には、核兵器の先制攻撃もできると明記したのだ。

前出・CNAは「金正恩総書記が殺害された場合、別の高官が核攻撃を命じられることを示唆している」と報じた。いずれにせよ北朝鮮が核の報復に向けた態勢を整えてきたことは間違いないようだ。韓国政府は「引き続き北朝鮮の完全非核化を推進する立場」とKBSは報じたが、一方で「北朝鮮の7回目の核実験が迫っている」との見立ても伝えている。

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なぜ山形の観光農園のコロナ禍対応は一時凌ぎでは終わらなかったのか

驚異的なスピードで全世界に拡がり、あらゆる業界に大打撃を与えた新型コロナ。そんな中にあって、コロナ禍対策を自社の成長につなげた観光農園が山形県にありました。なぜ彼らの対策は、よくありがちな「一時しのぎ」で終わることがなかったのでしょうか。そのカギを、神戸大学大学院教授で日本マーケティング学会理事の栗木契さんが探ります。

プロフィール栗木契くりきけい
神戸大学大学院経営学研究科教授。1966年、米・フィラデルフィア生まれ。97年神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。博士(商学)。2012年より神戸大学大学院経営学研究科教授。専門はマーケティング戦略。著書に『明日は、ビジョンで拓かれる』『マーケティング・リフレーミング』(ともに共編著)、『マーケティング・コンセプトを問い直す』などがある。

山形の観光農園は、どのようにしてコロナ禍から新たな事業機会をつかんだか

はじめに

マーケティングにとって合理的なのは、どのような行動だろうか。戦略計画の発想にもとづく行動は、広くマーケティングに採用されている。戦略計画とは、企業などの組織の経営において、事前の調査や分析を徹底することで予測や見通しの正確さを高め、そのもとで検討を重ねて計画を練り上げ、統合された活動を整然と展開するというアプローチである。マーケティングにおいても、戦略計画が活躍する局面は少なくないが、これを万能視してしまってよいか。コロナ禍のなかで山形の観光農園がどのようして新たな事業の可能性をつかんだかを振り返ることで、この問題を考えて行く。

想定外の事態への対処が、新しい展開をもたらす

コロナ禍は2020年にはじまり、多くの産業や企業の事業環境は一変した。このような状況のもとでは、どのように行動をとることが、マーケティングにとって合理的か。

この2020年からの大きな変化を事前に予測し、マーケティングの計画に織り込むことができていたという企業を、寡聞にして私は知らない。あるいは、コロナ禍に直面しても、それ以前に立案したマーケティングの計画を変えることがなかったという話も聞かない。

企業のマーケティングでは、予測や計画は万能ではない。コロナ禍にかぎらない。マーケティングの各種の活動を進めるなかでは、次々と思わぬ事態に直面することが避けがたい。そうなれば、頭を切り替えて、その場そのときに利用可能なリソースを活用して、予定外の新しい行動をはじめるしかない。

そこではじまる新しい行動にいかに取り組むかは、マーケティングにとっての重要問題である。なぜなら、この想定外の事態への対処が、事業に新しい展開や成長の機会をもたらすことがあるからである。

しかし、新しい行動に取り組むだけでは、一時しのぎのパッチワークに終わってしまうこともある。市場の変化のなかで新たな機会をとらえるためは、行動を絶やさないことに加えて、何が必要か。

6つの職を兼業する男が断言。マルチタスクは「効率が悪い」理由

現在は6足のわらじを履いて活躍中のメルマガ『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』の著者、石川和男さん。多くの職業を一人で担うためマルチタスクが上手だとよく言われるそうですが、実は自身では全くそう思っていないのだとか。石川さんはその理由とマルチタスクの効率について語っています。 

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マルチタスクの効率が悪い本当の理由

私は現在、建設会社、税理士、セミナー講師、大学講師、時間管理コンサルタント、著者という6つの仕事を行っています。

そのせいか、よく人から「マルチ人間ですよね」とか、「マルチタスクが上手い人ですよね」と言われますが、自分自身では、全くそうは思っていません。

なぜなら、決して2つ以上の仕事を同時に行うことはないからです。

大学講師の仕事は、19時からです。

大学がある日は、建設会社の仕事を17時までに終わらせて、電車に乗り込み大学に向かいます。

そのため、大学で講義がある日は、どんなに重要な仕事も緊急な仕事も全力で17時までに終わらせます。

他の仕事は一切考えず、建設会社の業務だけに集中し、もっと言えば選択した重要な仕事だけに集中して、シングルタスクとして取り組むのです。

・午前中の集中できる時間帯に企画書の仕事を30分でやり切る
・資金繰りのチェックを45分でやり切る
・集中力の切れてきた13時、15時にはメールの返信を15分でまとめて行う

決して、部下の話を聞きながら企画書を書いたり、電話をしながら資料を読んだりマルチタスクで仕事を行うことはありません。

そんなことをしても、ミスしてやり直しが増え、聞き間違いがあったりして、結局は仕事を遅らせてしまうからです。

他の仕事のことは考えずに、その仕事のみに集中して片づける。

そのときに役に立つのがノートです。

私は、タスク(やること)を全て1冊のノートに書いています。

浮かんだアイディアや会議の予定、帰りに牛乳を買って帰るなど、全てのタスクをノートに書き出すことで、頭の中はクリアになり、気にすることもなくなって目の前の仕事に集中できます。

頭の片隅に、会議のことを覚えておきながらだと、目の前の仕事に集中できません。完全に目の前の仕事にシングルタスクとして集中して取り込めるように、メモをしておくのです。

ちなみに、午前中、仕事に集中するときは、メールやSNSの着信音もオフにします。

6つの仕事をきっちりとこなすために、ひとつひとつの仕事や作業をシングルタスクとして集中して終わらせているのです。

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“ローランド八王子市長”が萩生田光一にわからせる「一流の条件」仕事、金、そして愛…現代ホスト界の帝王に期待の声、反社カルト一掃なるか?

タレント・ヒロミが、自身の配信するYouTube「ヒロミの八王子会ch」を9月12日に更新。ヒロミと同じ東京・八王子市出身であるホスト・実業家のローランドが出演し、次期八王子市長選への出馬を促したことが話題となっている。八王子と言えば、統一教会との蜜月関係が噂されている自民党・萩生田光一政調会長のお膝元。ローランドは独自の世界観とオーラによって、地元・八王子からカルト色を払拭できるのだろうか?

ローランド氏が八王子市長“立候補”に意欲!?

YouTube「ヒロミの八王子ch」では、ヒロミやローランドをはじめ、ファンキー加藤、高橋みなみ、セントチヒロ・チッチなど、東京・八王子市出身の有名人で結成された「八王子会」が地元・八王子の魅力を発信する「ヒロミの八王子会special」(BS日テレ)の未公開映像を公開している。

ローランドは「ヒロミさん、市長とかどうなんすか?」と問いかけ、それに対してヒロミは「興味ないよ。それはローランドとかがやればいいんだよ」と、逆に政界進出をうながした。「ある程度、お金を貯めてさ。八王子を良くするためにやってくれよ。みんなが協力してくれるよ」とヒロミが言うと、ローランドは満更でもない様子で、「やるか。頑張りますね、じゃあ」と答えていた。

ローランドと言えば「世の中には2種類の男しかいない。俺か、俺以外か」「生まれたときから(自信は)あった」などの名言で知られ、ナルシストで自信家のイメージがあるが、実は堅実。

脱毛サロンや飲食店の経営、シャンパンの輸入代理店を務めるなど、事業家としての手腕もみせている。今年7月からは、2年間閉店していたホストクラブの運営を再開したばかり。もし、本当に政界へ進出したとしても、巧みな言葉だけでなく、その行動力で公約を実現してくれる可能性がありそうだ。

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“八王子のドン”萩生田光一と全面対決も?

さて、八王子といえば自民・萩生田政調会長のテリトリーであることは、一連の「統一教会と自民ズブズブ問題」に触れている人には常識だろう。

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萩生田氏は、八王子生まれの八王子育ち。そして明治大学在学中に八王子市議会議員の秘書からキャリアをスタートさせたという、筋金入りの「八王子人間」である。もともとは創価学会の施設や信者が多いことで知られる八王子だが、萩生田氏がカルト団体「統一教会」と深い繋がりがあるということで、世間にはすっかり八王子=統一教会のイメージがついてしまった。

その萩生田氏は当初、統一教会との関係がマスコミに取り沙汰されてから関係を認めるも、

「教団本体とは無関係であり、霊感商法報道後の被害はなくなっており、今回改めてその後も被害があったことを知り反省している」

などと白々しく語り、その後のマスコミ報道に反論することもなく沈黙が続いていた。

ところが、東スポが8月29日に報じた「萩生田氏が教団の不思議な儀式に参加して四つん這いになっていた」という記事が公開されると、この記事は「ねつ造だ」として萩生田氏が同紙に抗議。現在、この記事はガセネタであることが判明して削除され、東スポ側も謝罪文を掲載している。

9月12日発売の「サンデー毎日」で萩生田氏は、田原総一朗氏からの直撃インタビューで、衆議院選挙に落選した2009年頃から頻繁に統一教会の礼拝や水曜日の青年部の集会に顔を出していたと「週刊新潮」に報じられたことも完全否定し「誰か別の人と私を勘違いした可能性がある」などと自身ありげに語っていた。

まるで、一部マスコミのガセネタを否定することで、統一教会との関係が全く無かったかのようにふるまう意図が垣間見えるが、その他の確証高い「蜜月関係」の疑惑が払拭できていないのが現状だ。東スポなどへの抗議が「藪蛇」となり、かえって返り血を浴びる“諸刃の剣”になりはしないだろうか?

萩生田氏並みに評判が悪い現八王子市長

そんな萩生田氏と仲良しなのが、現在の八王子市長で3期をつとめる、石森孝志(いしもり・たかゆき)氏である。

2016年の八王子市長選挙で石森陣営は「対立候補が勝てば 共産市政になる」と主張していたという。まるで萩生田氏の“後ろ盾”である統一教会の関連団体「国際勝共連合」のような思想ではないか。ネット上には「八王子市は家庭連合/勝共連合が最強なのか?」との声も出ている。

また、石森市長については、ネット上に「市民の要望を聞かないばかりか、自民党の市議を使って『請願署名』集めをしていた市民を呼び出して、止めろ!と恫喝までしていた」との情報も出ている。もし、この情報が本当であれば大問題だ。

まだまだ数多くの疑惑が残る萩生田氏。評判の悪く懸念点の多い石森八王子市長。そろそろ、地元・八王子を愛し「反骨心が俺の恩人であり相棒さ」と語るローランドの出番かもしれない。

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「年金よりも生活保護のほうがマシ」という考え方は本当に合っているのか?

年金の支給額が少ないというだけで生活保護の金額と比較し、生活保護をもらったほうがましだという声が出たりしている日本。今回のメルマガ『事例と仕組みから学ぶ公的年金講座 』では、著者で年金アドバイザーのhirokiさんが、 その考えは危険であると解説をしています。

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年金より生活保護を受給したほうがマシだという危険な考えと、バブル崩壊後の若者への残酷な社会

こんばんは!年金アドバイザーのhirokiです。

1.年金より生活保護貰ったほうが良いというのは本当なのか 

ちょくちょく年金額と生活保護の額が比べられる事があります。

年金と生活保護費を比べて、年金は生活保護以下だと批判されたりします。

なので、年金貰うより生活保護を貰ったほうがマシだという声もあったりします。

金額だけを比べると生活保護のほうが高いケースがあります。

特に国民年金からの老齢基礎年金は満額でも65,000円ほどなので、生活保護貰ったほうがいいやん!っていう話が出たりします。

なので、年金に期待してないから将来は生活保護貰うわ…なんていう声もあるようです。

じゃあ将来は本当に生活保護を貰えば済む話なのでしょうか。
金額だけ見るとそう思われるかもしれませんね。

金額だけで比較して判断すると、とんでもない後悔をする羽目になるでしょう。

都会あたりだと調べてみると生活保護費は13万円くらいのようですが、特に国民年金のみの場合はそれより低いわけです。

年金が国民年金のみの人から見ると生活保護は羨ましいと見えたりもします。生活保護の人がトクしてるように見えます。

しかし、生活保護と年金を比較する事は適切ではありません。

まず生活保護を簡単に受給できるなどと安易に考えてしまうと非常に危険です。年金と生活保護には決定的な違いがあるからです。

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なぜ、“青森の神様”は落ち込んだ時に紙とペンを用意するのか?

人間誰しも気持ちが落ち込んでしまうことはありますよね。そんな時、あなたはどんな方法で気分を上げていますか? “青森の神様”と呼ばれ、ベストセラーを数多く世に送り出している作家の木村藤子さんは、今回のメルマガ『“青森の神様 木村藤子” あなたに幸福をもたらすメールマガジン』で、 ご自身が使っている気分が落ち込んだ時の対処法を紹介しています。

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気分が落ちてしまったときにどう対処すればよいのか

人間、生きていれば気持ちが落ち込んでしまうことは当然のようにあります。どんなに明るく見える人や前向きな人であってもです。もちろん、透視能力者である私にだってそういうときはあります。

今回は、気分が落ちてしまったときにどう対処すればよいのかについて、考えていきたいと思います。

気持ちが落ち込んでしまうと、“お先真っ暗”という言葉があるように、出口のないトンネルに迷い込んだように感じてしまいますね。

そうすると、「もうだめだ…」とか、「なんで自分ばかりがこんな目に遭わなくてはいけないんだ…」と落ち込んでしまい、この先にはいいことがないと悲観的に捉えるような精神状態になってしまいます。

もちろん、誰だってこんな感情にはなりたくてなるわけではありません。そこで、たいていは「人生で落ち込まないためにどうすべきか?」と考えるのですが、冒頭でも申し上げましたとおり、落ち込まない人間などいません。

ですから、「落ち込まないようにどうするのか?」ではなく、「落ち込んでしまったらどう“対処”すべきか?」と考えたほうが得策なのです。

みなさんは、この抜け道のなさそうに見えてしまう気持ちのトンネルに迷い込んでしまったときどうされていますか?

考えないようにする人。友人に話を聞いてもらう人。どこかに出掛けてみる人。ただひたすら耐える人…etc.

みなさん、それぞれの対処法があるのではないでしょうか。

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真木よう子が是枝監督をかばう「もう1つの理由」ハラスメント騒動の裏に“女優魂”と親友・江口のりこへのライバル心?

女優の真木よう子さん(39)は8日、是枝裕和監督と白石和彌監督のハラスメント報道に関連して、「ひとを傷つける様な人間ではありません」と擁護する意見をインスタグラムに投稿(のちに削除)。真木さんは、一部報道を根拠に自分が慕う映画監督が無関係な人々に過剰批判されることへの憤りを表明しましたが、その真意をめぐっては別の見方もあるようです。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが解説します。

出演作の映画監督“ハラスメント報道”に猛抗議

真木よう子がハラスメント疑惑を報じられた映画監督、是枝裕和と白石和彌を自らのインスタグラムで擁護するコメントを投稿しすぐさま削除、そして再投稿と不穏な動きを見せ、その真意に様々な憶測が飛び交っています。

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「ハラスメントという言葉遊びは辞めましょうね、本気で傷ついている人がいるのですから…」

削除した理由はスタッフ側が投稿時の写真を変更するため、そして再投稿した理由については改めて真木がその意図を説明してはいるのですが…。

真木と是枝監督といえば、2016年公開の『海よりもまだ深く』、白石監督といえば2018年公開の『虎狼の血』がすぐに思い浮かびます。

女優と映画監督としてそれぞれの関係がうまくいっているだけに、「1人の人間を大勢で醜い言葉で拷問する様な場所を設けないで下さい」と、見当外れな報道に黙っていられなくなったのでしょうね。

真木よう子“失踪”事件が意味するもの

真木というと、私がどうしても思い出してしまうのが、今から5年前の7月期『セシルのもくろみ』打ち上げパーティでの出来事です。

目をつぶると湾岸道路から見上げた小雨に煙るお台場のフジテレビ社屋が鮮やかに蘇ってきます。

“木曜劇場”枠の打ち上げパーティはどこぞのホテルの宴会場なり、有名レストランを借り切って催されることが常でしたが、このドラマはあまりの視聴率の低さだったからでしょうか、同局の社員食堂を時間貸しにして行われたのです。

ここで忘れもしません、パーティの途中で真木が失踪し、大騒ぎになったのです。

“失踪”という言葉は大袈裟かもしれませんが私にはそう伝わってきましたし、主演女優が打ち上げ会場からふっといなくなってしまうなんて聞いたことがありません。

この時関係者の間でちょっとした論争になったことは、真木が女優として数字(視聴率)を持っていないのか、それとも脚本家や演出家の力量不足かということでした。

当時は論争だけで終わりましたが、5年が経過する間にその答えが伺えるようなことも起きています。

このドラマでメインの演出を担当した局員は、2019年に上野樹里主演『監察医 朝顔』を担当、平均視聴率は12.6%という最近のドラマ視聴率ではまあまあの結果を出しています。

『セシル~』のそれは4.5%ですから、単純比較すればほぼほぼ3倍弱の数字を取っています。

さらに昨年6月からオンエアされた波瑠主演『ナイト・ドクター』をも担当、その平均視聴率も11.1%でしたから、これを参考にすると“演出家の力量不足”という答えは的外れだったと立証されたということになりますね。

真木の今回のインスタに関するリアクションを芸能プロダクション関係者に改めて聞いてみました。

すると…“親友と言われている江口のりこの最近の活躍ぶりが、真木の“女優魂”に火を点けたのかもしれない…”という、少々意外とも思える声が聞こえてきました。

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統一教会ズブズブ惨敗。玉城デニー氏圧勝という沖縄県民が出した回答

9月11日に行われた沖縄県県知事選で、圧勝という結果で再選を果たした玉城デニー氏。事前予想では玉城氏の苦戦を伝えるメディアもありましたが、何が当選の決定打となったのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、この選挙で自民党の茂木幹事長が犯した見誤りを指摘。さらに自公が推薦した佐喜眞淳氏の敗因を解説するとともに、自民と連立を組む公明党が、来春の統一地方選までに迫られる決断についても考察しています。

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年9月12日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

沖縄県知事選は玉城デニーが大差で再選/茂木幹事長の「辺野古基地建設」強硬路線は躓くのか?

9月11日投開票の沖縄県知事選は、20時の投票終了と同時に沖縄2紙の電子版もNHK全国放送も「当確」を打つほどの大差による玉城デニー再選という結果をもたらした。

確定得票数は、「オール沖縄」の玉城33万9,767票に対して、自公が推す佐喜真淳27万4,844票、保守系無所属の下地幹郎5万3,677票で、佐喜真と下地の票を足しても1万票余り玉城に及ばない。ということは下地の参入で保守地盤の一部が食われて佐喜真にマイナスという事前の分析があったが、佐喜真の主要な敗因はそこではないということになる。

また、同時に行われた県議補選では、自民党、参政党、無所属と競ったオール沖縄候補=上原快佐前那覇市議が当選した。これは、故・翁長雄志前知事の息子の翁長雄治前県議が那覇市長選出馬のため辞任したことに伴う補選。翁長が辞職する前は与党24、野党・中立23で、もし上野が負ければ玉城知事が県議会の少数与党を率いることになったのだが、辛うじて多数与党を維持することに成功した。

確定得票数は、上原快佐4万4,302票に対して、社会大衆党の糸数慶子の娘ながら無所属で立った糸数未希3万7,944票、自民が推したエステサロン経営者の下地ななえ3万7,259票、参政党から出た元那覇市議の仲松寛1万1,968票。「辺野古ノー」のオール沖縄系も同イエスの保守系も分裂した形だが、前者計8万,2246に対して後者計4万9,227と、前者がダブルスコアに近い差で勝っている。この結果は、次の“決戦”とされる10月23日投開票の那覇市長選で翁長有利に作用する。

反面、やはり同時に行われた普天間基地の地元である宜野湾市長選では、佐喜真元市長の後継者で辺野古容認派の現職=松川正則が2万9,664票を獲り、「オール沖縄」の新人=仲西春雄に1万票以上の差をつけて再選を果たしている。これは、普天間基地を抱える同市としては当然の結果で、同市の市民にしてみれば辺野古でもどこでも移転先ができて1日も早く普天間が閉鎖されることを望んでいる。

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ロシア軍司令官も捕虜に。総反撃のウクライナ軍に為す術なきプーチン

8月29日の総反撃開始以来、東部地域の集落を次々と奪還するウクライナ軍。9月7日の東方経済フォーラムにてプーチン大統領は「ロシアは何も失っていない」と言い切りましたが、その発言にはかなりの無理があるようです。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、ロシア軍の敗走が続くウクライナ紛争の戦況を詳細に解説。さらにこの先国際政治上で起きる大きな変化を予測しています。

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ハリキウ州のロ軍崩壊

ウクライナ戦争はウ軍がクピャンスク市やイジューム市を奪還して、ロ軍は総崩れの状態である。今後を検討しよう。

ウクライナ独立記念日の8月24日後の29日から南部ヘルソン州のドニエプル川西岸地域と9月6日から東部ハルキウ州のクピャンスク市の奪還に向け、ウ軍は総反撃を開始した。

ウ軍は、ドニエプル川のヘルソン市とノバ・カホフカまでの全域でロ軍の連絡線を途絶させる攻撃を継続し、カホフカ橋を完全に破壊したし、各所のポンツン・フェリーとタグボートを破壊した。アントノフスキー橋にロケット弾を多数打ち込み、船橋も破壊している。インフレット川のダリフスキー橋も再度破壊した。ヘルソン市の造船所付近のポンツン・フェリー乗り場も砲撃した。補給の途絶を継続的に実施している。

そして、ウ軍は南部ヘルソン州で、3方向で反撃していた。1軸は、ヘルソン市の北からロ軍に占領されたブラホダトネを奪還し、高速道路M14のキセリフカで激戦になっているが、ロ軍の抵抗が激しく、現状ではキセリフカはロ軍が確保しているし、ロ軍の反撃も強い状態が続いているために、前進できないようだ。

2軸は、ヘルソン州中北部のロゾベの橋頭保からロ軍を攻撃する軸であり、スクイー・スタボクを奪還し、ベジメンネも奪還、T2207号線を南下して、両軍が激戦中である。しかし、ロ軍陣地を迂回で、前線突破した。

このため、ウ軍はダビド・ブリッドに向かわずに、メイン道路を避けて、ロ軍がいない地方道を進んでいる。こちらもロ軍の反撃も強くなってきた。

3軸は、ヘルソン州北東部では、アルハンヘルスク、オリヘネを奪還して、ビソコピリアも奪還した。徐々に南下している。ノヴォヴォスクレセンスキも奪還したようだ。

しかし、ロ軍の精鋭部隊がいるので、南部ヘルソン州ではロ軍の配備立て直しもあり、ウ軍は苦戦を余儀なくされている。逆に言うとロ軍の精鋭部隊を南部ヘルソン州に貼り付けている。

このため、ウ軍も無理をしないで、攻撃から守備になり、東部にメインの戦車部隊とM270MLRSを回したようである。逆に言うと、陽動作戦であった可能性もある。結果的にみるとだが。

東部地域を奪還するために、あたかも南部ヘルソン州で大反撃を行うような振りをして、ロ軍の東部の戦力を南部に持ってこさせていたということもできる。

このような準備の上、ウ軍は奇襲攻撃して、東部ハルキウ州のクピャンスク市奪還を目指し、ウ軍機甲部隊が戦場の主役となって、1日30kmの猛スピードで進軍している。この奇襲に匹敵するのは、44年のアルデンヌか、73年のゴラン高原などのようだ。

それと、ウ軍がロ軍の防衛線を戦術的な越境にとどまらず本格的に突破したのは、戦争開始以来で初めてのことである。

このクピャンスクは、ロシア・ベルゴルドからの鉄道とロシア・バリイキからの鉄道の結合点で、ここから鉄道でイジューム方面へ物資を送る補給の要衝であるが、ロ軍はクピャンスクを失った。

7日の段階でピロホリウカを奪還し、8日でバラクリア、セメニフカを奪還し、約20以上の町を解放したという。そして9日には、シャブチェンコフを奪還し、クピャンスクの近郊15kmのフルシフカとスタロビリフカに到達し、30以上の集落を奪還。10日にはクピャンスク市に入った。

この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ

 

結果は度外視。安倍氏国葬の理由が「日本経済の再生に尽力」の噴飯

多くの国民がその実施を疑問視する、安倍元首相の国葬。9月8日には国葬実施を決めた岸田首相自身が閉会中審査で説明を行いましたが、国民の間からは「納得がいかない」という声も多数上がっています。今回のメルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』では著者で現役医師の和田秀樹さんが、メディアで語られる「安倍氏の国葬が適切とする理由」に違和感を抱く原因を考察。さらに首相の説明が炙り出した「自民党の本質」を記しています。

この記事の著者・和田秀樹さんのメルマガ

 

結果とプロセス。安倍元首相の経済政策は悲惨としか言えない

エリザベス女王が亡くなった。

すでに日本の天皇陛下が参列の意向を示すなど、おそらく世界中の元首クラスが参列するだろう。

女王には申し訳ないが、国葬とはこんなものという見本が示されることになるのだろう。お天道様が見ているというか、ショボイ参列者しかいない国葬が断行されるのは、日本の恥だということを、教えてくれるタイミングでの女王の死だった。

女王の死の直前に岸田首相が国会で国葬の理由を語った。

「諸外国における議会の追悼決議や服喪の決定や、公共施設のライトアップを始め、各国で国全体を巻き込んでの敬意・弔意が示されていること」という理由が挙げられているが、だったらなんでエリザベス女王とアベ氏の国葬で、こんなに参列者に差がつくのかをぜひ説明してほしい。

さて、この国会説明について、モーニングショーを見ていたら、日本の経済を再生させたなどということが理由の一つに挙げられていた。

これまで何回も書いてきたように、結果を見る限り安倍元首相の経済政策は悲惨としか言えないものだ。

最後の方はコロナがあったものの、震災などもほとんどないのに経済成長率はゼロに近いし、一人あたりのGDPは落ち続けて韓国にも抜かれる体たらくだ。私は、それが旧統一教会の思惑だと疑っているが、いずれにせよ、結果的に日本経済をボロボロにしたのは確かだ。

私が国会議員だったら、「あなたはこの数字で満足しているから、国葬にするわけですね」とつっこんでやりたいところだったが、いろいろと調べてみるとそうは言っていないようだ。

「東日本大震災からの復興や日本経済の再生に尽力した」ことが理由だそうだ。

いかにも日本的だが、結果がどうあれ、努力した人が偉いという発想だ。

日本が韓国に抜かれたのは結果であって、一生懸命努力していたし、旧統一教会が介入したわけではないかもしれない。ただ、結果としてそうなったことは、やはり問題視されないといけないだろう。

ここが企業と政治家の違いだろう。

企業なら結果が悪ければ責任を取らされるが、政治家は結果が問われない。

だから、今のようなコロナ政策を続けていられると言える。

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