実家や別荘を狙い撃ち「令和の空き家大増税」が始まった。元国税調査官が教える“負動産貧乏”回避の節税テクニック

京都市は2026年度にも、放置されている空き家に課税する通称「空家税」を導入することを発表しました。つまり近い将来、日本全国で空き家になって使用しなくなった実家や別荘に、京都市のような「空き家税」が導入されて税負担が大幅に増える可能性があるのです。実家や別荘を所有する人は、この動きにどう対応していけば良いのでしょうか。そんな「空家税」の導入を前に、固定資産税や相続税の負担を減らす「節税ノウハウ」を、メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』の著者で元国税調査官の大村氏が伝授いたします。

※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報2023/5/4号より一部抜粋したものです。続きをお読みになりたい方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール大村大次郎おおむらおおじろう
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。

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これから日本全国で多発する空き家・別荘「所有貧乏」とは?

昨今、空き家問題がクローズアップされるようになってきました。

高齢者が施設に入ったり、死去したりして空いたままになっている家が全国で急増しているからです。この空き家は現在、全国で800万戸を超えています。

京都市では2026年に「空き家税」が導入される見通しとなっています。

京都市の「非居住住宅利活用促進税」、通称「空き家税」は、空き家の所有者に対して、家屋評価額の0.7%を課すというものです。1千万円の評価額であれば、7万円が毎年徴収されるのです。京都市では空き家が10万戸を超えており、景観を維持するためにも空き家問題は喫緊の課題になっているのです。

また、京都市の空き家税とは別に、全国の一定の空き家に対して6倍の固定資産税が課せられることになっています。

平成27(2015)年から実施された「空家対策特別措置法」により、一定の条件に当てはまる空き家には、固定資産税が従来の6倍になることになったのです。

これはどういうことか、説明します。

固定資産税が6倍になってしまう4つの条件

現在の固定資産税は、住宅用地には軽減措置が取られています。200平方メートルまでは本来の固定資産税の6分の1でよく、200平方メートルを超える部分は3分の1でいいということになっているのです。

しかし、一定の条件に該当する空き家には、この軽減措置が受けられなくなるのです。一定の条件というのは、以下の4つのうちいずれかに該当するものです。

  • 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

この4つの条件については、空き家のある土地の自治体が判断をします。

だから自治体が、上の4つのうち「この空き家はいずれかに該当する」という判断を下した場合は、固定資産税が3倍から6倍に跳ね上がってしまうのです。

固定資産税を上げられないようにするためには、家の管理や手入れをしっかりやらなくてはならないのです。が、そもそも空き家になっているというのは、利用価値がないということなので、管理や手入れをするのは非常に大変です。

「親が住んでいる家は、地方にあるため自分にはまったく必要がない」
「空き家は持っていないが、使っていない別荘(セカンドハウス)を所有している」
「しかも辺鄙なところにあり、建物も古いので資産価値もない」

というような人も多いはずです。

こういう人は親が死去してしまうと価値のない空き家を所有する羽目になり、使っていない別荘を所有している人も、高額の固定資産税を課せられることになるかもしれないのです。

それを回避するためのもっとも効果的な方法は、以下のようなものがあります。

まずは売却を検討してみる

空き家問題を解決するためのもっとも効果的な方法は「売却する」ということです。

ですから、親が生きているうちから、あらかじめ家の不動産価値を調べておいた方がいいでしょう。これには、いくつかの不動産屋さんを回って相談してみることです。その家の不動産価値がいくらくらいあるのか、売ったり、貸したりすることは可能なのかどうかをそれで判断しましょう。一つの不動産屋さんだけでは判断に偏りが出てきますので、2〜3軒は回ってみましょう。

不動産によっては、建物が残っていた方がいいケースや更地にした方がいいケースなどもあります。それもいくつかの不動産屋に相談してみましょう。たとえば、再建築不可の家屋の場合、不動産屋によっては「更地にしないと売れない」と言う業者もいれば、「ボロくても建物が残っていればリフォームできる」と言う業者もあります。だから一つの不動産屋の判断だけに任せない方がいいのです。

親の空き家を「相続放棄」したら誰に管理義務が発生するのか?

「この家は住めないし売りに出しても売れないだろう」と判断した場合には、相続放棄の手続きを取ることで、家の所有を回避することができます。

相続放棄の手続きは、具体的には以下の流れとなります。手順として難しいものではありませんが、不動産の場合に気をつけたいのが遺族の管理義務です。

さらに現金、預金などの財産を残して空き家だけを相続放棄する方法もありますが、これに関しては一定の――

※この後半では、大村さんが相続放棄の具体例、さらに「空き家だけを相続放棄する方法」を伝授します。ぜひメルマガをご登録をいただきお楽しみください(メルマガ登録は初月無料です)。

 

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大谷翔平の“本命恋人”は誰か?現地パパラッチが明かす「会食」とSNSにUPされた女性2人の“投稿”

先日行われたWBCでの大活躍だけでなく、米メジャーリーグでも連日のように大きな話題を提供し続けている二刀流男、エンゼルス・大谷翔平選手。日本が世界に誇る大スターの大谷選手について、大きな動きがあったと語るのは、芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さん。今まで「大谷の本命恋人」と噂されていた狩野舞子が「本命ではない」と判明した『女性セブン』の報道を取り上げながら、現地でパパラッチをしている知人たちからの情報や、『セブン』誌が報じた現地ゴシップメディアのインスタアカウントに寄せられた情報についても触れています。

大谷翔平“本命恋人”は狩野舞子ではなかったという衝撃事実

大谷翔平ファンのもやもやが、一気に吹き飛ぶような記事を『女性セブン』に見つけました。

元バレーボール日本代表の狩野舞子と『ジャニーズWEST』桐山照史の真剣交際という報道です。

字面を見れば非常に地味ですが、“熱愛相手は大谷翔平ではなかった!”のタイトルが目を引かせます。

私の周りでも“狩野舞子って大谷と付き合ってるんでしょ?”とよく聞かれたものです。

記事には3年にも及ぶ隠密交際と書かれていましたから、『女性セブン』はかなり前からその事実を把握していた可能性も否めませんね。

なぜ大谷&狩野という噂が広まったのか?

しかし大谷と狩野は、何から交際しているという噂が広まったのでしょうか。

SNSでは2018年、狩野が自分の誕生日にわざわざアナハイムまで行って大谷の試合を観戦したことや、大谷と同じティファニーのブレスレットをしている写真をインスタグラムをアップしたことがその根拠のようだとされています。

私も興味半分で『ロサンゼルス・エンゼルス』球団関係者にコンタクトを取ってみましたが、“本人は会ったことがないと言っている。よくわからない、と”という答えが返ってきました。

狩野も同じく“会ったこともない。困惑している”とコメントしているようで、どうやら“偶然の一致”を見つけた一部のマスコミが、面白がって“こじつけ”てしまったのが答えかもしれません。

報道する側としては、大谷の女性関係は誰もが気になるところだと思いますから、これまで具体的な話が一切ないことからも、ほんの小さな“取っ掛かり”をヒントにしたいマスコミの“先走り”行為は痛い程わかります…。

『女性セブン』の大谷の私生活暴露にかける並々ならぬ思いを感じたのは、桐山と狩野の真剣交際報道に間髪を入れずに報じた、現地のゴシップメディアのアカウントに関する内容でした。

新築住宅でガスと灯油の暖房が原則禁止?ドイツ政府の打ち出す「暖房法案」は何が問題なのか?

ドイツ政府が、ガス、灯油の暖房システムの使用を禁止し、ヒートポンプ式の暖房に置き換える法案を打ち出しています。ヒートポンプは日本の冷暖房では既におなじみの技術ですが「ドイツ国民にとっては負担が大きい」と、作家でドイツ在住の川口マーン惠美さんは話します。通称「暖房法案」の何が問題なのか? 川口さんが「気付いた時には手遅れ」にもなりかねないドイツの現状について解説します。

プロフィール:川口 マーン 惠美
作家。日本大学芸術学部音楽学科卒業。ドイツのシュトゥットガルト国立音楽大学大学院ピアノ科修了。ドイツ在住。1990年、『フセイン独裁下のイラクで暮らして』(草思社)を上梓、その鋭い批判精神が高く評価される。ベストセラーになった『住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち』、『住んでみたヨーロッパ9勝1敗で日本の勝ち』(ともに講談社+α新書)をはじめ主な著書に『ドイツの脱原発がよくわかる本』(草思社)、『復興の日本人論』(グッドブックス)、『そして、ドイツは理想を見失った』(角川新書)、『メルケル 仮面の裏側』(PHP新書)など著書多数。新著に『無邪気な日本人よ、白昼夢から目覚めよ』 (ワック)がある。

ガスと灯油の暖房が原則禁止になる?

社民党、緑の党、自民党からなるドイツ政府は、将来の暖房システムに関する大変な法案を作成した。「建造物エネルギー法(GEG= Gebäudeenergiegesetzes )」で、巷では「暖房法案」と呼ばれている。

法案の中身を簡単に言えば、従来、多くの家庭で使われてきたガス、および灯油の暖房システムが段階的に禁止され、近い将来、政府が推奨しているヒートポンプ式の暖房に置き換えることが義務付けられる(水素暖房も認められるが、これはまだ絵に描いた餅)。ヒートポンプというのは、電力を使って大気中の熱を集めて移動させる技術で、熱を作るのではなく移動させるだけなので電力消費が少なく、日本の新しいエアコンでは冷暖房ともに、すでにこの技術が使われている。ただ、欧米の家庭では元々冷房はなく、暖房にヒートポンプ技術が使われることもほぼ皆無だった。

ドイツは寒い国なので、ほとんどの家庭はセントラル・ヒーティング方式で家全体を暖める。集合住宅の場合は、全戸の暖房が一括で賄われ、たいてい地下に暖房の機械室がある。もちろん、各戸の暖房の強弱や入切は自由に行え、それによって個々の料金の計算がなされるという合理的な仕組みだ。

ところが政府の考えでは、2024年1月以降、新築住宅ではガスと灯油の暖房が原則禁止され、ヒートポンプが標準仕様となる。つまり、それを法律で固めようというのが今回の暖房法案である。ただ、ヒートポンプは値が張るので、これにより、マイホームを計画している人たちの予算に大きく狂いの生じることは間違いない。24年といえば、わずか半年後の話だから、国民の戸惑いは大きい。

ヒートポンプ設置には、いくつか例外も定められている。たとえば遠隔暖房のネットワークに接続できるならヒートポンプを設置しなくてもいいし、また、使用する燃料の少なくとも65%が再エネ由来なら、ガスや灯油の暖房を引き続き使うことが許される。

遠隔暖房というのは、自治体や公社が大規模に熱湯、もしくは高温の蒸気を作り、それをパイプで周辺地域に供給し、各家庭の給湯と暖房に利用するシステムだ。これは19世紀終わり頃より、ソ連や北欧など寒冷地域、またドイツでは、冷戦時代にソ連のガスが供給されていた関係で、特に旧東独地域で普及している。地域の所々に、その高温の水や蒸気を60〜70度の温水に変える熱交換所があり、そこからさらに各建物に温水が送られ、それを家庭で温水供給と暖房に使う。環境に対する収支では大変効率が良いと言われる。

ただ、パイプによる高温の水、もしくは蒸気の輸送なので20km以上離れると機能しにくくなるため、都市部など家が比較的密集している地域に限られる。要するに今回の法案では、都市部でこの遠隔暖房に接続できれば、新築であってもヒートポンプ設置の義務からは免れるということになる。

では、新築ではない既存の住宅はというと、これまで使っていたガスや灯油の暖房をそのまま使ってもよいと、経済・気候保護省がやけに強調している。しかも、それらのガスや灯油の暖房器具が故障したら、24年以降でも修繕が許され、それどころか、修理不能の場合は、中古のガスや灯油の暖房に交換してもよいのだそうだ(新品の製品の販売は禁止される)。

また、木質チップを使うバイオマス暖房も許されるし(それらの植物が成長する間にC O2を吸収したので、燃やしてもプラスマイナス・ゼロという計算)、遠隔暖房も水素ガスもOKと太っ腹だ。

ベビーカー蹴る、睨む、保育園を潰す。なぜ日本の高齢者たちは子供を憎むのか?

少子化対策が喫緊の課題となっている我が国において、一部高齢者の子供や子育て世代への嫌がらせの域を超えた行為や暴言が問題視されています。一体なぜ彼らはこれほどまでに、次世代の宝を敵視するのでしょうか。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では米国在住作家の冷泉彰彦さんが、そんな高齢者たちの心理状態を分析・解説。その上で、彼らにどう対処すべきかを考察しています。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2023年5月2日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

「自分は生まれてこない方がよかった」。日本の高齢者が子供を憎む訳

勿論、全員ではありません。ですが、日本の高齢者、特に高齢男性による子育て世代や子供への攻撃というのは、目に余るようです。

「妊婦マークに舌打ち」

「ベビーカーを蹴る」

「交通機関で泣いた子供をにらみつける」

「騒音のクレームで、公園や保育園を潰す」

ホンモノの研究かは分かりませんが、子供のいない、従って孫もいない高齢者は、特に子供の騒音を耳障りと感じるという医学上の説があります。ですが、そうした場合でも「自分もかつては泣き叫ぶ子供だった」という事実を突きつければ、黙るのかと思うと、昨今の状況では、必ずしもそうではないという見方もあります。

それは「自分は産んで育てて欲しかったわけではないので、責任の取りようがない」という居直りです。この話は、例えば「子供を生み育てることは、カネとヒマのある人の娯楽」あるいは「子供は嗜好品」だから、「周囲への迷惑は一切許さない」という「めんどくさい」声にも当てはまります。

こうした声に関しては、「タバコや酒は嗜好品かもしれないが、あなた自身が子供であったことを考えると嗜好品扱いはおかしい」という反論が可能ですし、人間には次世代の再生産ということが、個別の「揺れ」はあっても種の生存本能として厳然とあるという指摘も可能なわけです。

昔のクレーマーはそれで黙ったようですが、最近は、「自分は生まれてこなくても良かった」とか「自然を破壊する人類は滅んだほうが良い」的な開き直りの論法が飛んでくるという話もあります。

そうなると、これはやはり社会的なメンタルヘルスの問題になるのだと思います。「自分は生まれてこなかった方が良かった」と思うのは、人のメンタルの状態の中で最悪の部類に入ると思います。そのような強い自己の存在否定を抱えていれば、そこからは「愛されて甘えている子供の姿」は憎いという発想になります。そうなれば、それ自体が反社会性ということになりますが、だからといって取り締まったり、糾弾したり、差別をしても問題の解決にはなりません。

この記事の著者・冷泉彰彦さんのメルマガ

気づかぬ消費者、ほくそ笑むメーカー。激安原価で作られた化粧品を「超高額」で売りつける業界の深い闇

大手メーカーが莫大な広告費をかけ、日々宣伝競争を繰り広げる化粧品業界。私たちは「高ければ高いほど高級」と考えがちですが、その思い込みはすぐに捨て去ったほうがいいようです。今回のメルマガ『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図──政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』では投資コンサルタント&マネーアナリストの神樹兵輔さんが、さまざまな化粧品の驚きの原価をリーク。消費者をカモにするメーカーの手口を白日の下に晒しています。

原価は激安。「高額だから高級」ではない化粧品業界の深い闇

近年は、女性だけでなく男性にも人気の化粧品ですが、意外に知られていないのは、原材料や容器といった原価が激安という業界の「マル秘事情」です。

にもかかわらず、一般的な化粧品は、けっしてそれほど安い価格で提供されてはいないのです。つまり、私たち消費者のほうが化粧品メーカーに大いに騙されている──というわけです。

それどころか、高額な化粧品ほど人気も高く、それなりに売れていたりするのですから、奇妙奇天烈(きみょうきてれつ)な状況でもあります。

化粧品は医薬品と異なり、「効能・効果」を直接謳うことが禁じられているのに、高額な化粧品ほど「美肌効果」が高いと勝手に思われて売れるのですから、不思議な商品なのです。

消費者がまんまと引っかかる「高額=高品質」という幻想

「ヴェブレン効果」で高いものほど、自己満足感を高められる!

もちろん高額な化粧品の広告宣伝には、マーケティング手法としての「ストーリ─テリング」が付随しています。

ストーリ─テリングとは、商品の「物語性」を伝えることです。

品質やこだわり、特性、誕生秘話や高級感などを強調するイメージ戦略がはたらいています。

それが「高額品=高品質」という幻想をもたらされるのです。

もちろん、そうした幻想は、他のブランド品にも多く見られる現象でしょう。

サイフやバッグ、時計、洋服、クルマなど、「どう考えても、高すぎるだろう!」と思われる商品には、特定ブランドのロゴが入っています。

そのブランドのロゴそのもので、「高額=高品質」のイメージを創りだしています。

こうした有名なブランドロゴだけで、高額品への憧憬がはたらき、心理学の「ヴェブレン効果」もあいまって、高い品ほど売れるようにもなるのです。

「ヴェブレン効果」とは、高級品を所有するに値する自分という自己満足感の拡張効果や、高級品を見せびらかしたい顕示欲求、自尊心を満足させたい承認欲求などが複雑に絡み合って、消費意欲を高める心理効果です。

経済学的には、安いモノほど売れるはず──という当然の原理原則がありますが、それとは全く逆の欲求が刺激的にはたらく特性が生まれるのです。

お伝えしたいのは、要するにスキンケアのための基礎化粧品である300円のクリームと5万円のクリームには、成分に大差はない──ということなのです。

そんなはずはないだろう!──と驚かれる方も多いでしょうか。

高額な医薬部外品のクリームほど、特殊成分を強調したりして高品質らしさを演出していますが、それもほんの微量ですから、原料価格をアップさせるほどの要因にはなっていないのです。

要するにただの特殊成分のイメージ作用にすぎないわけです。

冷静に常識的に考えてみてみるとわかることですが、水と油を混ぜ合わせただけの乳化状の「クリーム」を作るのに、万円単位の原材料費がかかるわけがないのです。

原価は、容器代や箱代も合わせて、100円以下か100円台程度というのが概ね正解なのです。

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トランプ以上の厳しさも。フロリダ州知事デサンティスが米大統領になれぬ訳

4月24日、首相官邸に岸田首相を表敬訪問したフロリダ州知事のロン・デサンティス氏。デサンティス氏と言えば来年行われる米大統領選の共和党有力候補として注目されていますが、はたして彼は合衆国第47代大統領の座を射止めることができるのでしょうか。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤先生が、「共和党内の指名でトランプ元大統領に勝てそうにない」として、そう判断せざるを得ない根拠を解説。デサンティス氏の主張の「力のなさ」を指摘しています。

【関連】これでは格好のカモに。トランプ対抗馬のコンサル会社と契約する在米日本大使館の大甘

米国大統領候補デサティス氏の来日

来年の米国大統領選挙における共和党の有力候補であるフロリダ州知事のデサティス氏が来日しました。

デサティス氏は、イエール大学を優等、さらにハーバード大学ロースクールを卒業したピカピカのエリートです。

しかしながらその政策は泥臭いもので、不法移民に対してはトランプ大統領以上に厳しい対応をとっています。

不法移民を2機の飛行機で、マサチューセッツ州のマーサズ・ヴィニヤード市に送り込んだりしているのです。同州が不法移民を保護する政策をとっているからです。

「そんなに不法移民に優しくしたいのなら送り込んでやる」という事なのです。議会の承認を得て1,200万ドル(19億円)も使ってです。

そんな大統領候補であるデサティス氏が岸田首相と会ったのです。4月24日のニューヨークタイムズが報じているので紹介しましょう。

外交政策が未知なデサンティス氏、東京で日米の絆を絶賛する

 

「私は日米同盟の大きな支持者です」と、岸田文雄首相との30分の会談の後、東京で記者団にデサンティス氏は語った。

 

「日本は私たちの国にとって非常に重要な同盟国であり、強い日本はアメリカにとって良いことだと思いますし、強いアメリカは日本にとっても良いことだと思います」。

 

アメリカの知事が日本の首相と会談することは、特に来月広島で開催される主要国首脳会議(G7サミット)に近いことから異例とされている。

 

デサンティス氏の今回の訪問は、ポジティブな見出しが必要な外交政策の信頼性を高めるチャンスでもあった。

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都心のオフィスがなくなる未来はすぐそこに?AIの進化で変わるもの、変わらないもの

AIによって人間の仕事が奪われていくかもしれない─。以前から言われていたことではありますが、ChatGPTなどを目の前にして、さらにそんな不安にかられている人も多いようです。メルマガ『j-fashion journal』の著者でファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんは、AIの進化によって変わること、変わらないことについて語っています。

AI進化で変わること、変わらないこと

1.人間の知識は凄い?大したことない?

人間の知識については、大きく二つの考え方があると思います。

一つは、人間の知識レベルは非常に高いというものです。現代科学、コンピュータ技術によって、現代人の知識は高いレベルに達しています。加えて、高性能のAIが登場し、更に人間の知識レベルは上がっていきます。人間の知能は地球環境に影響を与え、地球そのものを壊そうとしている。それほど、人間の知能の力は強いと考えているのです。

もう一つの考え方は、人間の知識レベルはそれほど高くはないというものです。

人間は自分の体についても十分に分かっていません。脳の働きとか、腸の働きとか、免疫についても分かっていません。自分の健康さえ十分に守れず、薬に依存しています。

また、宇宙や地球の多くの謎も解明されていません。台風や地震の予知もできません。植物や動物、昆虫についても、ほとんど知りません。

我々が知っているのは、我々の生活に必要なことのうち、ほんの一部分だけです。これほど何も知らない人間に、人間の知識を元に作られた人工知能が加わったとしても、大したことは起こらないのではないでしょうか。

2.あなたの仕事には価値があるか?

人は自分がやっていることに価値があると思うものです。そう考えないと自己否定につながるからです。

江戸時代の武士の教育は、古代中国の「四書五経」の素読が中心でした。そもそも四書五経とは、儒学者の朱熹(しゅき)が科挙の試験問題を前提にしてまとめたものです。

多分、江戸時代の武士は「四書五経」を。学ぶことは価値があると思っていたでしょう。現在の我々が受験勉強を大切だと思っているように。しかし、儒教の原理主義的教育には弊害もありました。受験勉強に全く価値がないとは思いませんが、もっと優先順位の高い勉強があるかもしれません。

大企業のビジネスパーソンも自分の仕事は価値があると思っています。しかし、本当にそうでしょうか。

製造業の工場は、「乾いたタオルを絞るようなコストダウン」をしてきました。機械のレイアウト、作業員の導線、カイゼン活動等により、徹底的にムダ取りをしました。

それに比較すると、日本の大企業には非常に無駄が多いと思います。まず、無駄な会議が多い。情報の共有化なら、データを共有すればいいし、担当者同士が5分か10分打ち合わせすれば解決するでしょう。

稟議とか上司の決済も大部分が形式的な業務です。業務フローと意思決定のルールを決めれば管理職を大幅に減らせます。欧米企業と比べても、日本企業の組織は多段階であり、中間管理職が多いのです。

AIがあってもなくても合理化は可能です。問題は、合理化したくない、仕事のやり方を変えたくない人が大勢いるということです。

AIの登場は、既得権で固まった組織を改善する動機にはなるでしょう。自分の仕事がなくなるという恐怖が改善を後押しするからです。また、AIと客観的に無駄な組織、無駄な人員、無駄な会議、無駄な業務を洗い出し、可視化してしまうかもしれません。仕事の価値が明らかになり、これまで価値ある仕事と思っていたものが、合理化対象になるかもしれないのです。

この記事の著者・坂口昌章さんのメルマガ

トランスジェンダーの社員を「彼」と呼んだら訴訟に。パワハラ裁判の結果は?

SNSの普及などによって、トランスジェンダーなどの性自認についての認知度があがり、企業でも社則の中に定めているところも多くなってきました。しかし、今回、無料メルマガ『「黒い会社を白くする!」ゼッピン労務管理』の著者で特定社会保険労務士の小林一石さんが紹介する事例では、トランスジェンダーの社員を「彼」と呼んだことがパワハラにあたるかどうかという裁判事例をあげて、その結果について説明しています。

トランスジェンダーの社員を「彼」呼びはパワハラになるのか

自分のことを一人称でどう呼ぶか。「僕」という一人称は一般的には男性が使うことが多いですが、あのさんのように女性でも使っている人はいます。

あのさんが自分のことを「僕」と呼ぶ理由について、「中性的でありたいから」「芸能界を生き抜くキャラ作り」とも言われていますが、ご本人は、はっきりと否定しています(後者についてはそもそも芸能界に入る前からなので「ありえない」そうです)。

私個人としては自分をどう呼ぶかは個人の自由であり、仕事上では、ビジネスマナーとして多少制限を感じるときはあるものの、自分が呼びたい呼び方で良いと思っています。

ただ、「相手をどう呼ぶか」は注意が必要な場合があります。

それについて労災事件があります。

あるインフラ関連の会社でトランスジェンダーの社員(性自認が女性)が、先輩社員からのパワハラが原因でうつ病になったとして労災申請を行いました。

そのパワハラの具体的な内容は以下の通りです。

・性自認が女性であることを説明したにも関わらず、(その先輩社員は)「彼」「〇〇君」と呼び続けた
・(その先輩社員は)「戸籍の性別変更はできるのだから、できてからそれを言いなさい」「女性としてみられたいならそういう細やかな気遣いも必要なのではないか」との発言を繰り返した
・上司を含めた3者で話し合った際やその後も「彼」と呼び続けた。配置転換をおこなった後も継続してそれを続けた

では、これはパワハラとして認められるのか?

なぜ、破産すらできないほどの状況からあの人は立ち直れたのか?

破産をするにも費用がかかる、しかしその費用すら捻出できない状況もありえます。このような場合、一体どうすればいいのでしょうか? メルマガ『倒産危機は自力で乗り越えられる!』 by 吉田猫次郎』の著者で事業再生コンサルタント、作家、CTP認定事業再生士の顔を持つ吉田猫次郎さんは、破産すらできない状況から立ち直るための方法を紹介しています。

「破産すらできない状況」 から立ち直った人

破産すらできない状況、というのがあります(私もそういう経験をしたことがあります)。

おそらく最も多いのは、破産費用すら捻出できない状況、でしょうか。

こんな方がいました。

「売上は年間3,000万円まで落ちています。赤字です。負債は、銀行借入金が7,000万円、社会保険滞納が600万円、消費税滞納が800万円、ほか、買掛金の未払いが1,000万円、広告費の未払いが300万円…。預金残高はほぼゼロです」

で、弁護士さんには相談したのですかと?訊くと、

「はい。但し、破産費用として、裁判所の予納金が100万円、弁護士費用が100万円、あわせて200万円必要ですと言われました。今すぐ用意できなくてもいい、売掛金が入金されたら弁護士の預り金口座に入れて、200万円用意できたら破産申立しましょう、と」

「しかし、最近は資金により仕入もまともにできなくて、売上も激減しています。売掛金で確実に入ってくるのは、これから2か月で50万円あるかないか…」

「資産も、もうありません。家は銀行にフルで担保に取られているし…」

「結局、弁護士さんには受任してもらえませんでした」

このような方は、決して珍しくありません。

でも大丈夫です。まだまだ手はあります。

この記事の著者・吉田猫次郎さんのメルマガ

異動先の部下の気持ちがつかめない…。悩める上司にプロが勧めた「ベストな解決策」とは?

4月からの異動で新しい部署になった人も多いかと思いますが、新しい部下になじめないという悩みを持つ上司の方も少なくないと思います。メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』著者で、世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんが、そんな部下の気持ちをつかめない上司に対して回答しています。

今の部署に4月から異動してきて、1ヶ月たちますが、部下の気持ちをまだつかめていないようです。やることはやっていると思うのですが

Question

shitumon

新卒で13年、二度異動し、今の部署には4月からグループリーダーとして着任しました。管理職は初めてです。部下は9人いますが、部下の気持ちをまだつかめていないように思います。自分の考えがうまく伝わりませんし、心を開いてもらっている感じもしません。仕事はそつなくこなしていると思うのですが、あと何を変えればいいのでしょうか。

 

 

 

赤羽さんからの回答

ご相談どうもありがとうございます。部下の気持ちをつかめていないと感じられるのであれば、その通りだろうと思います。つかめていると思ってもあやしいことのほうが多いので、つかめていないと感じられるのであれば、その予感は的中していると考えておいたほうが安全です。

「自分の考えがうまく伝わらない、心を開いてもらっている感じがしない」とのことですが、そもそも、新グループリーダーとしてグループのビジョンを明示し、そのための達成方針を5~7ヶ条で示し、それを実現するための5~10のアクションを示し、それを一人ひとりのタスクに落とし、それぞれに定量的・定性的なKPIを設定し、合意した上で、週次のKPI進捗確認会議を開催して強力に推進しておられますでしょうか。

それなしで、「自分の考えがうまく伝わらない」と思っても意味がありません。自分の考えを十分伝えず、どうすれば達成できるかも指示していないわけですから。

私の経験では多くの上司がこういう状況で、部下のやる気のなさ、スキルの低さを嘆いておられます。

まずは、今お伝えしたように取り組んでみていただけますか。

グループのビジョンを明示することも決して簡単ではありません。全社および上の組織のビジョンを踏まえて、それに沿ったビジョンを考える必要があります。全社および上の組織ビジョンが明確に示されていないことは日常茶飯事です。あるいは、どう考えてもちょっと不十分だったり、整合性が乏しかったり、間違っているのではと感じられたりすることも少なくありません。

それを嘆いても始まらないので、全社および上の組織のビジョンを踏まえながら、自分として納得のいく、部下にも初めて伝わるようなビジョンにしていく必要があります。そのビジョンは全社および上の組織のビジョンよりビジョンとしてのレベルが高いものかもしれません。

つまり、上司として、かなりのスキル、知見、見識が要求されるわけです。ここを棚に上げて、「自分の考えがうまく伝わらない」というのは、やめましょう。

ましてや、「心を開いてもらっている感じがしない」のは当然です。上司としてのリーダーシップが十分発揮されていない状況では、部下が心を開くも何も、チームとして成果を出していくことが出発点になります。

チームとして成果が出始めると、手のひらを返したように、部下の目の色が変わり、取り組み姿勢が変わり、いろいろな意見も言い始めます。本気の相談も始まります。

こういう状況を3ヶ月でも続けることができれば、「心を開いてもらっている感じがしない」とは思わなくなってくることでしょう。手応えも十二分に感じられることだと思います。

なお、ビジョンを明示するのと同時に、そのビジョンを達成するための達成方針を5~7ヶ条で示します。ビジョンはかなり難易度の高いものなので、部下のほうも「それはちょっとむずかしい」「そんなのできたらいいけど、無理なんでは?」と考えるのが普通です。

その懐疑心を打ち砕くような、全体観ある具体的な達成方針ですね。それを聞けば、「そうか、そこまで考えているのなら、そこまでするつもりなら、このビジョンも実現できるかもしれないな」「すごく大変そうだけど、今までの上司と違って、今度の上司は本気っぽいぞ」と考え始めます。

そこでたたみかけるように、達成方針を具体的なアクションに落とし、それぞれのタスクに落とし、定量的・定性的なKPIも合意し、週次のKPI進捗確認会議をすることで、部下は今までとは全く違う姿勢で仕事に取り組み始めます。

要は、部下のあれこれを気にするのではなく、チームとして最大の成果を挙げるための取り組みをきっちりと推進していくのが鍵です。これで少し納得いただけたでしょうか。

上司の役割は、高い目標を示して、部下を駆り立て、素晴らしい成果を出しながら、部下を驚くほど成長させることです。

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