財務省のウソを垂れ流す岸田文雄の魂胆。年間1兆円の防衛増税など必要ない理由

大混乱の末に一応の決着を見た、大幅に増額される防衛費の財源。年間4兆円のうち1兆円を増税分で賄うとの決定ですが、果たしてそれは妥当と言えるのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では著者で元全国紙社会部記者の新 恭さんが、財務省が「防衛増税」にこだわり国債発行を嫌う理由を解説。さらに危機的状況にある少子化対策を先送りしたに等しい岸田首相の施策姿勢に対して、大きな疑問を呈しています。

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防衛費倍増と増税をめぐる嘘八百

ウソがまかり通っている。「国家安全保障戦略」など3つの文書を閣議決定したあとの記者会見。岸田首相は言った。防衛力を5年かけて抜本的に増強するために、毎年4兆円の安定財源が必要で、そのうち3兆円は歳出改革で賄うが、あと1兆円は税負担をお願いしたいと。

3兆円が予算の組み換えでなんとかなるのなら、なぜ4兆円までがんばらないのか。無駄な予算は掃いて捨てるほどあるだろう。それを削って回すのにわざわざ3兆円までという限度を設ける。そして、その数字に確たる根拠があるわけではない。どの予算を切るかの検討は今後の作業であるからだ。

つまりこれは、財務省のウソである。岸田首相は言われるがままに垂れ流し、メディアはメディアで、どうしても1兆円足りない理由を問い詰めようともしない。不思議な物語を素直に受け入れ、せいぜい、国債発行で賄う手もあるのではないかと言う程度なのだ。

いうまでもなく財務省の“力の源泉”は、各省庁が要求する予算を査定する権限にある。そういう立場からすると、財源となる税収は多いほどいいわけで、理由が見つかりしだい課税し、取り立てる。

一方で、国債発行について財務省が嫌がるのは、税収という限られた財源のなかから予算を捻出するありがたみが失われ、財務省の権限低下につながるからであって、必ずしも「財政健全化」というお題目のためだけではない。

防衛増税に対して安倍元首相のシンパ議員から反対の声が上がっているが、これもまた国民のためというよりは「防衛をワルモノにするな」というのが本音であろう。要するに誰もかれも、自分たちのことしか頭にないのである。

岸田首相は自民党本部で開かれた党役員会で防衛増税について「責任ある財源を考えるべきで、今を生きる国民が自らの責任として、しっかり重みを背負って対応すべきものだ」と語ったと報道された。実は発言を紹介した茂木幹事長が、今を生きる「国民」ではなくて「われわれ」だったと報道後に修正したのだが、大意はさして変わらない。

これを聞いて、終戦直後の1945年8月17日、当時の首相、東久邇宮稔彦王が敗戦の原因について語った発言内容を思い出した。

「事ここに至ったのは勿論政府の政策がよくなかったからであるが、また国民の道義のすたれたのもこの原因の一つである。この際私は軍官民、国民全体が徹底的に反省し懺悔しなければならぬと思う」

国民が政府の言うとおりに動くものと思っている。これに似たようなニオイを岸田首相の財務省的発言からも感じるのだが、どうだろうか。防衛力は必要だが、その膨張には賛否がある。「今後5年間で43兆円の防衛力整備計画を実施し、2027年度にはGDPの2%の予算を確保する」と岸田首相は語るが、選挙で国民に問うことも、国会での審議を経ることもなしに、「われわれ国民」に責任の重みを押しつけるのは、まさしく“おかみ”の発想である。

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憲法に抵触しないのか。防衛省がSNS“ステマ”工作研究に着手の危険

SNS全盛の現代社会において、時に憧れの眼差しさえ向けられることもあるインフルエンサー。しかし彼らは気づかぬうちに、意図していない「企て」に加担させられる恐れもあるようです。今回のメルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』ではジャーナリストの伊東森さんが、防衛省が研究に着手したというSNSで国内世論を誘導する工作の内容を紹介。インフルエンサーに「防衛省にとって有利な情報」を発信させるよう仕向ける手口を明らかにしています。

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防衛省が“ステマ”工作研究? 自称インフルエンサー、所詮は利用される運命

防衛省がAI(人工知能)の技術を使い、SNSで国内世論を誘導する工作の研究に着手していたことが分かった。

研究の主眼は、インターネット上でとくに影響力ある「インフルエンサー」が、無意識のうちに防衛省に有利な情報を発信するように仕向け、防衛政策への支持を広げたり、有事の際に特定国への敵対心を醸成させたり、国民の反戦・厭戦の機運を払拭したりする、ネット空間におけるトレンドづくりを目標とするもの(*1)。

一方、防衛省は、「AI技術を使って国内世論を誘導する工作の研究に着手した」などとする一部報道について、「全くの事実誤認であり、防衛省として、国内世論を特定の方向に誘導することを目的とした取り組みを行うことはありえない」
と明確に否定。

そのうえで、「厳しさを増す安全保障環境やIT技術を含む技術革新の急速な進展等に伴い、認知領域を含めて、これまでの戦い方の抜本的変化に対応していくことが重要となる中、防衛省としては、情報戦対応も含め、必要な体制整備を適切に実施していく」とした。

目次

  1. 憲法に抵触? 日本も「ゲームチェンジャー」図る
  2. 自称インフルエンサー、所詮は利用される運命
  3. 防衛省や自衛隊によるインターネット発信活動、2020年の夏ごろから活発に

憲法に抵触? 日本も「ゲームチェンジャー」図る

今年4月、SNSを使った発信の真偽や意図を分析し、フェイクニュースによる世論誘導を防ぐ役割を担う「グローバル戦略情報官」が防衛省に新設。

防衛省では、こうしたフェイクニュースによる情報戦に対処できる体制の構築と対外発信の強化、あるいはAIを活用した公開情報の自動収集・分析機能を整備することなどが検討されている。今後改定される安保関連3文書に中にも盛り込まれる見通しだ。

防衛省が、このような姿を隠したまま世論誘導を図る行為は、基本的には、「ステルスマーケティング(ステマ)」と同様の行為。

防衛省は、「企業のコマーシャル技術と同じで違法性はない」(*2)とするが、しかし研究段階であっても、憲法が保障する個人の尊重(13条)や思想・良心の自由(19条)に抵触する可能性がある。

中国やロシアなどは、人間の心理の捜査やかく乱を図る「情報戦」にすでに積極的に取り組んでいる。防衛省は、日本においても、このように戦闘形態を一変させる「ゲームチェンジャー」の一形態とみて、この分野における能力の獲得が必要であると判断した。

ゲームチェンジャーとは、これまでの考え方や事態の推移を一変させる役割を果たす言葉 (*3)。

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「熱意がある社員」たった6%の衝撃。人を大切にしないニッポンの現実

日本のサラリーマンを揶揄する「社畜」という言葉がありますが、そこに熱はないようです。アメリカの調査会社によれば、「熱意溢れる社員」はたった6%で調査した139カ国中132位、70%が無気力という驚きの結果が出ています。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』著者で、健康社会学者の河合薫さんは、90年代以降に「人」を大切にしてこなかったツケが出ていると主張。賃金が上がっていない国として問題視する声への反応がようやく見え始めてはいるものの、まだまだ「人への投資」が足りないと訴えています。

プロフィール河合薫かわい・かおる
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

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「熱意あふれる社員」たった6%の衝撃。日本は「人」を大切にしなかった

2021年の日本の時間あたり労働生産性は49.9ドルで、経済協力開発機構(OECD)に加盟する38カ国中27位だったことがわかりました。20年の26位からさらに順位が後退し、米国(85.0ドル)の6割弱の水準にとどまり、エストニア(51.0ドル)やラトビア(48.6ドル)と同水準です。

また、日本の一人当たり労働生産性は、8万1510ドルで、OECD加盟国中29位。日本の“お家芸”だった製造業の労働生産性も、9万2993ドルとOECD加盟国中18位と低迷しています。

データを分析・検証した日本生産性本部は、今回の結果について「新型コロナウイルスからの経済活動の回復が遅れたのが一因」としていますが、コロナがなくても同様の結果が出たのでは?というのが私の見解です。

日本の生産性の低さはこれまでも度々指摘されてきました。「長時間労働」が原因とされたり、「無駄な作業が多い」と効率化の推進が叫ばれたり。しかし、至極シンプルに考えれば、生産性が低下し続けている原因は、付加価値が生まれる“現場”の衰退です。現場の弱体化こそが根本的な問題なのです。

いい現場は「人」を育てます。いい現場は、人生の質を高め、人生に意味を与えます。しかし、日本は「人」を大切にしなかった。現場はズシッと重たいものであり、「いい現場を残す」のが一番の成長戦略なのに。

1990年代以降の日本は、人への投資を惜しみ、「カネ」だけを追い続けました。流動化より大事なのは、その地域でじたばたやっている現場を残していくことなのに。「流動化、流動化」と、人を残すことより、動かす=切ることばかりに躍起になった。

リーマンショック以降、米国はグローバルではなくローカル、カネより人と、19世紀の古典的経済学に舵をきったのに、日本はグローバルにこだわり、カネばかりを追いかけた。その末路が、今の日本企業の生産性の低さであり、安い日本であり、やる気を失った会社員です。

アメリカギャラップが実施した従業員のエンゲージメント調査で、日本は「熱意溢れる社員」がたったの6%で、米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中132位という残念な結果もでています。しかも、この調査では「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合は24%、「やる気のない社員」は70%と壊滅的だったこともわかりました。

最近は、やっと「人への投資」に力を入れる企業もでてきました。しかし、その動機になっているのは「世界の潮流」です。つまり、流行り(というには遅きに失した感ありありですが)を取り入れたところで、会社組織の隅々まで蜘蛛の巣をはるように、「人」へ投資を徹底しない限り、矛盾だらけの組織に成り下がります。

今こそ「経営の根幹は人」という当たり前に気づいて欲しいのですが、賃金上昇の動きの鈍さを見る限り…、日本の生産性が改善される見込みは…ほぼありません。みなさんはどのようにお考えですか?ご意見、お聞かせください。

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サッカー家庭教師が教える、チームでレギュラーになれない子を持つ親が考えるべき事

懸命に練習に打ち込んでいるのに、所属するチームでレギュラーになれないというサッカー少年や少女は少なくありませんが、もしかしたらそれは「売り込み方」に問題があるのかもしれません。今回のメルマガ『サッカー家庭教師:谷田部のブログでは書けない話』では、サッカーの悩みを改善する動画サイト(谷田部真之助.net)を主宰するサッカー家庭教師の谷田部さんが、プレーの上手い下手は「認めさせたい相手によって変わってくる」という事実を紹介。評価されたいターゲットを理解し攻略する重要性を解いています。

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サッカーの下手と上手いの違いとは?

サッカーにおいての上手いと下手。について考えていこうと思います。

そもそも私としては上手な子に教える必要はないと思っています。現時点で上手い時点で勝手に上手くなりますから。

ただ、危ないのは下手くそなのに、上手い。と思って間違った方向へ積み重ねる子と逆に「下手」と思っていても実はちゃんとしたところに行ったらめちゃくちゃ評価されるというパターンの多いこと多いこと。

実は下手くそなのに上手いと思い込んでいるのは大体“アク”が強いから埋もれる。というのもあると思います。

本当の上手さとは何なのか?

今回のワールドカップもそうですが、各国の代表選手ばかりの大会。下手くそはいないはずなのに下手または上手いという評価は誰しもがしたはずです。

それは客観的に感じるものです。

さらに言えばそのレベルの中で通用しているかいないか。を客観的に思った評価でしかありません。

主観で決めることではないのが、上手い。と下手。のこの2つ。

期待している通りの動きをしてくれないと下手

客観的な評価。と上記しましたが、傍から見て思った通りのプレーであればその評価は「普通」です。

逆に思った通り以下であれば「下手」、思った以上のプレーが出れば「上手い」になります。

ただし、いえるのは“最低限のプレー”をした上での話です。思った通り=最低限のプレーということ。

だから本当であれば最初からドリブルばかりでなく、ポジションごとに求められる能力や技術を理解し、守備や動き方、走りというものから理解し身に着ける必要があるのです。

ボールタッチばかりを練習するのがサッカーではありません。ボールタッチばかりに偏っているとサッカーというよりもフリースタイルやフットサルなどいいか悪いかではなく、サッカーからずれていきます。ずれていくだけならまだいいんですが、サッカーから離れてやめてしまうというのが一番残念なケースです。

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当局の極秘資料は次回公開。有田芳生氏が誌面で追い込む統一教会

あくまで冷静に、そして時に舌鋒鋭く旧統一教会を追い詰めてきた、ジャーナリストでテレビコメンテーターとしても知られる有田芳生さん。そんな有田さんが12月16日、メルマガ『有田芳生の「酔醒漫録」』を創刊しました。今回はその記念として、メルマガ創刊号を全文公開。いわば今後の「予告編」にあたるこの号では、小林よしのり氏や桑田佳祐氏との思い出をはじめ、今後メルマガで公開予定の資料や極秘ネタなどが明かされています。

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1・「評言独語」─捜査当局は旧統一教会をどう見ているか

▼私が「朝日ジャーナル」さらに「週刊文春」で統一教会(現在は世界平和統一家庭連合)の問題点を取り上げ、批判してから35年になる。7月8日に起きた安倍晋三元総理銃撃事件をきっかけに、旧統一教会について「パンドラの箱」が開いた。それから5か月が過ぎたが、いまだ報道が「現象論」の域を出ていないことに忸怩(じくじ)たる思いがある。問題の核心は「文鮮明機関」(アメリカのフレイザー委員会の分析)の全貌にあるからだ。1978年に公表された報告書は、この教団を最も詳細に調査したが、それでも限界がある。

▼その多面的な行動の一部として日本の政治家との関わりがあり、霊感商法や信者への献金で集めた資金の使途がある。私は日本テレビ「スッキリ」で警察庁は統一教会を反社会的集団であると認識していると発言した。教団は私を名誉毀損で訴えてきた。信者による霊感商法の被害が社会問題になったとき、警察庁は1987年の国会で「各種の悪質商法のなかでも最も悪質」と答弁している。それだけではない。1960年代後半には、日本の統一教会系企業が韓国の教団関係企業から、国内に散弾銃を2500丁も輸入、捜査当局は当然注目した。

▼オウム真理教事件が裁判に移行したときのことだ。私は警察庁幹部と警視庁幹部に依頼され、「誰が集まったかは聞かないでくれ」という条件で、統一教会の問題点を「眼の鋭い」男性たちにレクチャーした。その会合のあと、幹部は私に言った。「オウムのあとは統一教会を摘発する。その準備を進めている」。捜査当局は統一教会をどう見ていたのか。北朝鮮による拉致問題にも関わる「戦後史の闇」がある。私はこのメルマガで、資料の公開もふくめて、可能な限り事実を明らかにしていく。

2・「酔醒漫録」─11月1日~12月7日 小林よしのりさんと再び

▼私は高野孟さん、佐高信さんの「まぐまぐ」メルマガを購読している。このたび同社社員のお誘いをきっかけに、思うところあり、ここで書いていこうと決めた。題して〈有田芳生の「酔醒漫録」〉。たとえばこんな「味つけ」だ。

12月14日(水)

旧統一教会から10月27日に名誉毀損で訴えられてから、ピタッとテレビ出演の依頼がとまった。正確にいうと、日本テレビ「スッキリ」での私の発言に対して、日本テレビとともに訴えられ、翌日にあるテレビ局からそれを報じたいとの依頼があった。テレビ局に行く準備をしていたら、担当者から「取材できなくなりました」と告げられた。その後はTBS「ニュースキャスター」から、教団2世信者の養子縁組の意味を取材され、放送されたが、それがテレビの仕事の、いまのところ最後だ。

裁判対策のため、私の弁護団のひとり、澤藤大河弁護士とともに、日本テレビ側の弁護士たちと訴訟進行の打ち合わせ。昼になり、銀座にある「とん㐂」でヒレカツ。かつてはクラブからの出前が多かったが、コロナ禍の影響で少なくなり、閉店時間を早めたという。壱眞珈琲店で雑務。この喫茶店は北野武さんの絵画が飾ってあり、かねてから外出先の書斎がわりに使っている。浜松町で小林よしのりさんと統一教会批判の対談。これで2回目になる。2月には対談本が出る予定だ。「保守とはバランスだ」という小林さん。いまから30年前に歌手の桜田淳子さんたちが合同結婚式に出るので大騒ぎになった。あのころ小林さんは『ゴーマニズム宣言』に統一教会問題を描き、その最後に「有田芳生ガンバレ」と励ましてくれた。いままた統一教会問題で対話するとは思いもしなかった。駅近くの喫茶店で「まぐまぐ」のHさんと打ち合わせ。有料メルマガを出さないかとお誘いを受けていた。「よし、やろう」そう決めて、その場でiPadを使って申し込みをした。

飯田橋の沖縄料理店「島」へ。ここは沖縄の伝説的政治家である瀬長亀次郎さんが好きだった店だ。多良川酒造の沖縄復帰50周年記念泡盛43度を飲みながら、この原稿を書く。新聞関係者が話しているのが聞こえてきた。声の通る男性が中国脅威論を語っている。自信満々の言葉が怖い。おそらくこれが日本の縮図だろう。戦争体験なき戦意は昂進する。いまこそ「平和基本法」のような政府与党に対抗する安全保障政策が必要だ。帰宅してNHKクローズアップ現代で放送された桑田佳祐さんの特集録画を見る。日本テレビ「ザ・ワイド」のコメンテーターだったとき、スタジオ近くのトイレで桑田さんとバッタリ。「見ていますよ」と言われたものの、ずっと見ているのはこちらなのだ。

▼こうして書いてきた「酔醒漫録」は前世紀末の2000年6月13日から書きはじめ、これまで5冊の単行本(第1巻は私家版。さらに第1巻から5巻は「にんげん出版」)にまとめている。そのあと公開しないまま、2021年12月6日からいままで書いてきた。そしてこんどは「まぐまぐ」で続けていく。一個人の日常を通じて世界と日本を見つめていく試みだ。どんな内容になるのか。「週刊新潮」(22年12月2日号)に書いた『週間食卓日記』から細かい食事の記述を減らし、もっとテーマ性のある記録になるだろう。たとえば統一教会に対する捜査当局の極秘資料を次号で公開し、北朝鮮の拉致問題で岸田政権が旧統一教会ルートを模索していることは次々号で詳しく書く。政権与党から入手する資料も適宜紹介していくつもりだ。映画評、演劇評、書籍の紹介も定番。ここでは「週刊新潮」の元原稿(字数オーバーで削除したところを再現)を記録しておく。メルマガはこの『食卓日記』より情報量はずっと多くなるはずだ。

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結婚相談所のレジェンドが教える「選ばれやすいのはこんな人」

恋愛の出会いとしてマッチングアプリが定着してきたなかで、いま結婚相談所ビジネスが増えてきていると言います。そこで、今回のメルマガ『探偵の視点』では、著者で現役探偵の後藤啓佑さんが、その内情を業界のレジェンドと噂される人物にインタビューしています。

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業界の暗黙知「結婚相談所」の赤裸々な内情を関係者が明かす

このコーナーは、探偵後藤が様々な業界人に取材を行い、取材の中からその業界ならではの「暗黙知」を拾っていこうというコーナーです。対談形式で掲載していきます!

※ 暗黙知とは…「経験や勘、直感などに基づく知識」「言葉にされていないものとして保持している知識」のことで、経験的知識とも呼ばれます。

初回ということで、探偵と真逆!?と思われる職業である「結婚相談所」の方を取材してきました!是非、ご一読ください。今回は、3編に分けて掲載します。

結婚相談所歴25年 三島さん(仮名)

三島氏プロフィール

結婚式場の支配人という仕事を10年行った後に自身で結婚相談所を開業し、今年結婚相談所として25年目を迎えた。

年間数十組のカップルをコンスタントに結婚に導いており、お見合いからオンラインまで時代に合わせた方法で人の縁を結んでいる。

■取材にあたり

今回、僕が三島さんを取材したいと思ったきっかけは「結婚相談所ビジネスが増えている理由」をお聞きしたかったことと、LGBTやVRなど、常識の変化やテクノロジーの発展がどのように「結婚相談所」に関わっていくのか?未来を聞いてみたいと思ったからです。業界のレジェンドと噂される彼女の考えをお聞きしました。

結婚相談所が行う恋活とは

後藤 「最近、結婚相談所の方が恋活イベントを主催していることが多いですよね。三島さんのところでもそういったイベントはやられているんですか?」

三島さん 「月に2回ほどやっています」

後藤 「恋愛したいという方の中から、結婚相談所に入りそうな見込み客を見つけるというイメージでしょうか?」

三島さん 「それもありますが、私が思うのは、とにかく今若い人は出会いがないので、恋愛をしてもらおうというのがきっかけでもあります。私はお仕事のほとんどをご紹介で頂いていますけれど、コロナになったときに、紹介される方の雰囲気が変わったなというのをすごく思って。これは、恋愛をみんなしなくちゃいけないと思いました」

後藤 「どのような雰囲気の方が多くなったんですか?」

三島さん 「男女ともに、とにかく安心できる人が欲しいとおっしゃるようになりましたね。優しい人。人を好きになるとかそういうことは二の次という感じです」

後藤 「コロナの影響で人に会えないという不安から、とにかくそばにいてくれる人を欲するようになったのでしょうね」

三島さん 「そうですね。あとは本当に、私は相談所をやり始めたころはエグゼクティブ限定の相談所をやっていたんですよ。年収1,000万円以上のね。だけど、最近はエグゼクティブと言えるような方が少ないという印象があって。現実的に会員さんが減ってしまったので、間口を広げるために恋活イベントをやるというのも正直あります(笑)」

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なぜ、YAMAHAはピアノだけでなくエンジンまで作ってしまったのか

あなたはYAMAHAといえば何を思い浮かべるでしょうか。ピアノ?バイク?ボートでしょうか?このあまりにも多彩なラインナップになったのには歴史があるそうです。それについて、メルマガ『見ル野栄司のシブすぎ技術秘話』の著者で元エンジニア漫画家の見ル野栄司さんが紹介しています。

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ものづくり秘話 YAMAHA

静岡県浜松市!といったらYAMAHAさんですね。この企業さんは不思議です。

ピアノを作っているのになぜかボートやエンジンまで作っている。さらには電子基板に部品を乗せるチップマウンターというのまで作っています。そう!さらにはドローンヘリコプターまで(笑)。

というのも歴史がありまして、その昔、この地にオルガンがやって来たのです。音楽を奏でるオルガンですね。それが壊れやすかった!でも創始者であり織機の職人でもあった山葉さんがなおして回ったのです。そうしているうちに自分で作ってしまえ!となってオルガンからピアノまで作るようになってしまったという。

やはり場所が良かったのもあって天竜川上流から材木を運んでこれるという好立地。がんがん運んでピアノをつくったわけです。そうこうしているうちに戦争がはじまります。ここでYAMAHAは戦闘機のプロペラを木で作ったのです。ところが、プロペラは凄く負荷がかかるので木だとよく割れる。だから鉄を鋳造してプロペラにしたのです。

ここからエンジンに発展するのですが、このプロペラというのは中が空洞なのです。この技術です。

エンジンというのは中がピストンを動かすために空洞になっていますよね。さらにその壁である厚さ3センチくらいの壁にも空洞というか冷却の隙間があるんです。熱々のエンジンの壁に水などを通して冷却する。これぞプロペラの空洞から来た技術。言わずもかなそこからバイクや船のエンジン製造に進化していったわけです。

なにが凄いか?というと時代に合わせて技術を進化していること。

本来持っている技術を時代に投入する…そして少しチャレンジして時代が変わったらその少しチャレンジしたものを活かす。ということ。

この生き残り術。なにか方程式があるんじゃないかと思うのです。YAMAHAなりのなにか訓示みたいなものが。

いつまでも頑固になって技術持っているのに時代に合わせないと滅亡してしまいます。どうにか見習って生き残りたいですねー。

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園児虐待報道の後に「保育園側の指導が厳しい」と嘆く保育士たち

保育士による園児への虐待報道が続いた後、保育士からの相談が増えているという、無料メルマガ『採用から退社まで!正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』の著者である社会保険労務士の飯田弘和さん。その相談内容とはどのようなものなのでしょうか? 

相次ぐ保育士による園児への虐待事件。適切な注意・指導について

保育士による園児への虐待事件報道があって以後、保育士さんからのご相談が増えているように感じています(もともと、保育士さんからのご相談って多いんですけどね…)。

その相談の多くは、事業所(保育園)の過剰な指導に対するものです。

虐待の報道を目にすれば、自らの保育園で同様のことが起きていないか調査を行うのは、事業主としては当然です。

保育園側としては、園児に対する虐待や不適切な言動がなかったかどうか調査し、もし問題が見つかれば、再発防止の対策を講じることになります。

再発防止策としては、従業員全員を対象とした研修や従業員への個別の教育や注意・指導、従業員や保護者からの情報提供システムの設置等が考えられます。

研修については、たとえ業務終了後に行われたとしても、原則として労働時間として賃金支払い義務が生じます。

ただし、研修への参加が自由であり、参加しなかった者に対して会社から不利益な扱いを受けないものであれば、その研修時間は労働時間とはいえません。

ただ、このような研修は従業員全員に行うべきでしょうから、賃金を支払ってでも、全員に受講を義務付けるべきでしょう。

調査については、プライバシーに配慮した対応が必要です。

また、注意や指導については、過剰になり過ぎないようにしなければなりません。

あまりに長時間に及ぶ注意・指導や他の従業員がいる前での“見せしめ”的な指導、乱暴な言動や脅すような言動は、適切な注意・指導ではありません。

そのような注意・指導は不法行為ともなり得ます(ちなみに、たとえ“見せしめ”でなかったとしても、他の従業員がいるところで注意や指導を受けたことを問題と考える労働者は多いです。注意や指導を行う立場の人は、考慮が必要です)。

あくまでも、注意や指導は、再発防止や社内秩序の維持を目的に行うものです。

相手にその意味を理解してもらい、納得してもらうことが重要です。

その目的から逸脱しないよう、適切な指導を行うように心掛けてください(虐待等の行為に対する罰則は、別途、懲戒処分として行なってください)。

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サバンナ高橋茂雄「16歳差Gカップ婚」にワンチャンを期待する中年男たちが見落としているもの

2022年は戦争が起きたり、元首相が殺害されたり、急な円安、大増税といろんなことがありすぎた年だったが、そんな年末の最後の最後になって衝撃的なニュースが飛び込んできた。お笑いコンビ・サバンナの高橋茂雄(46)が、16歳年下のサウナ女子でグラビアアイドルの清水みさと(30)と「年のサ婚」というのだから驚きだ。さらに、同じお笑い界では安田大サーカスのクロちゃん(45)にも19歳下彼女が番組企画で誕生。これは、40代独身男性でも20代、30代の女性と結婚できる「希望の光」と解釈しても良いのだろうか? それとも……?

プロポーズは洞爺湖の花火を見ながら

YouTubeの「サバンナ高橋/しげおチャンネル」によると、高橋と清水は21年にサウナの仕事を通じて意気投合。3回デートしたあとに高橋から交際を申し込んだという。

大のサウナ好きで知られる高橋は、趣味が高じてリゾート地に物件を探し、21年10月に「サウナ別荘」を作るほどの入れ込みよう。

一方、サウナ女子としての活動が多い清水が、そんな高橋と結びつくのに時間がかからなかったのは当然だろう。

ご自慢のサウナ別荘で関係を深め、高橋は「結婚するならこの人しかいない」と、8月に洞爺湖の花火を見ながらプロポーズしたという。

しかし、緊張のために声が小さくなって、何度もプロポーズを聞き返されたということだ。

声優、趣味、まとめ役と多才な高橋、豊満ボディの清水

高橋は1994年、立命館大学の先輩・八木真澄とお笑いコンビ「サバンナ」を結成。現在、10以上のレギュラー番組を抱える超売れっ子だ。

とくに「ザワつく!金曜日」(テレビ朝日)では長嶋一茂、石原良純、高嶋ちさ子といったクセの強いレギュラー陣をまとめる手腕は見事で、テレビ界では引っ張りだことなっている。

「将棋フォーカス」(ETV)、「サバンナ高橋の、サウナの神様(東京MX)」など趣味を活かした番組も多い。

また「みいつけた!」(ETV)の人気キャラ「コッシー」の声を担当していることでも知られ、声優としての活動も高く評価されている。

余談だが、「みいつけた!」のレギュラー陣は、なぜかサウナと縁がある人が多い。

みやけマンの三宅弘城は「サ道」に出演、サボさんの担当の佐藤貴史は「サウナを愛でたい」(BS朝日)の再現ドラマで妻の清水と夫婦役で共演している。

一方、清水みさとは2012年にEカップと言われる恵まれたボディを活かしてグラビアアイドルとしてデビュー。

その後も雑誌やDVDで活躍し、8作連続でDVDの売上1位という人気振りだった。

最近は舞台活動が中心だったが、サウナブームが到来してから、サウナに関する仕事が増え、「サウナ女子」を代表するタレントとして知名度を上げていた。

一般40代がサバンナ高橋やクロちゃんにはなれない理由

清水は30歳、クロちゃんの彼女は26歳。40代の独身男性が「よーし頑張れば、俺だって若い子とつきあえるかも知れない」と希望を持つのは自由だが、一般人にとっては無理ゲーだと言わざるを得ない。

独身研究家の荒川和久氏のコラムによると、2020年に40歳から44歳が、29歳以下の未婚女性と初婚できたのはたったの2219組で、24歳以下の女性とではわずか454組に過ぎないという。これが50歳に近付けば近付くほど数が減ってくる。

さらに悲しいことに、40代男性が20代女性と結婚できる確率は下がっている。2000年では1000人に1人だったのが、2010年は2000人に1人、2020年には3000人に1人だというのだ。

つまりは「無理ゲー」だということである。

ネット上には、「なんでクロちゃんに彼女がいるのに俺はダメなの?」「クロちゃんみたいにハゲてないし、キモくないぞ!」と憤る人の声も出ている。

しかし、よく考えてみよう。サバンナ高橋の年収は約8000万円だと言われている。レギュラー番組の出演料と吉本のステージ出演だけで、これだけの年収になる。一般人の何倍もの収入を得ているからこそ、若い女性が周りに寄ってくるのだ。

一方、クロちゃんの年収も約3000万円と言われている。テレビ出演やYouTubeの広告収入に加え、「豆柴の大群」など自身がプロデュースしたアイドルへの楽曲で作詞を担当しており、印税収入が入ってくるのだ。

この2人に、タレントとしての才能があることは明らかなのである。

今までお金持ちを優遇しすぎた日本。元国税が今すぐ導入を勧める「富裕税」とは?

かねてから不公平感が指摘されてきた日本の税制度。事実、「金持ち優遇」と言われても仕方がないのが現状となっています。そんな我が国に「富裕税」の導入を強く推奨するのは、元国税調査官で作家の大村大次郎さん。大村さんはメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』で今回、富裕層の資産に1%課税するだけで我が国の懸案事項はほぼ解決するとして、自身が考える富裕税の仕組みを解説しています。

※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』の2022年12月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール大村大次郎おおむらおおじろう
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。

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金持ちを優遇しすぎた日本。今こそ金持ちにも優しい「富裕税」の導入を

先日、政府与党が年収30億円以上の超富裕層の増税を検討しているということが報じられました。「1億円の壁」と呼ばれる「年収1億円を超えると税負担が下がっていく」という現状を考え、富裕層の負担を増やそうということです。

このメルマガでも何度かご説明しましたが、今の日本では、年収が大きくなるほど所得税の税負担率が上がる仕組みになっています。が、年収1億円を超えると、逆に税負担が減っていくのです。

岩波新書の『日本の税金』(三木義一 著)でも、日本の所得税が所得1億円までは税率が上がっていきますが、1億円を超えると急激に税率が下がるというデータが載せられています。所得1億円の人の実質税負担率は28.3%ですが、所得100億円の人は13.5%まで下がるのです。このデータは、政府の諮問機関である日税専門家委員会に提出された資料です。

また筆者の試算では、億万長者とフリーターを比較した場合、億万長者の方が税負担率は低くなることが多いのです。以下は、年収5億円の配当収入者と年収200万円のフリーターの実質的な税負担の比較です。配当収入者というのは、大企業の株などをたくさん持ち多額の配当などを得ている人のことです。富裕層の多くはこういう形で収入を得ています。

        5億円配当収入者  200万円フリーター
所得税、住民税  約20%       約6%
社会保険料    約0.5%         約15%
消費税負担率   約1%         約8%
合計       約21.5%       約29%

 

現行税制に照らし著者が作成

なぜ所得が高い人の実質負担率が下がるかというと所得が高い人は「配当所得」の割合が高くなるからです。日本では、株式の配当などからの収入の税金は著しく抑えられています。おおむね20%で済んでしまうのです。

そして富裕層の実質税負担が少ないもう一つの要因が社会保険料です。国民の税負担を検討する上では、税金と同様の負担である社会保険料も含めたところで、考えなくてはなりません。社会保険料というのは日本の居住者であれば、一定の条件のもとで必ず払わなくてはならないものです。そして社会全体で負担することで、社会保障を支えようという趣旨を持っており、まさに税そのものなのです。

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