破綻した旅館をことごとく再生。なぜ星野リゾートの奇跡は続くのか?

人気ホテルランキングでも上位にランクインし、まだ行ったことのない人には「一度は行ってみたい」、行ったことのある人には「また絶対行きたい」と思わせる魅力をもつ星野リゾート。「テレビ東京『カンブリア宮殿』(mine)では、放送内容を読むだけで分かるようにテキスト化して配信。旅館業のカリスマ・星野社長が考える「真のおもてなし」とは…?

「一度は泊まってみたい」星野リゾートの魅力

四季折々の絶景が楽しめる日光・鬼怒川。歴史ある全国でも有数の温泉地だが、今、その川岸には廃墟と化した建物も。かつては団体客で賑わったが、1993年をピークに客は3分の1以下に激減。全国的にも団体客に頼ってきた温泉旅館の多くが淘汰されている。

しかし最近、鬼怒川の様子が変わってきた。7年前に完成した新名所、鬼怒楯岩大吊橋。絶景の中に浮かんでいるような景観が大人気に。駅前にも長い行列のできる飲食店や土産物店ができている。昔ながらの温泉街は、少しずつ活気を取り戻している。

変わる鬼怒川。そんな勢いを感じさせる宿が、去年の秋にオープンした「界 鬼怒川」。

到着したお客さんが乗り込んだのは、斜めに上り出すエレベーター。すぐに鬼怒川の景色が一望できる。およそ2分で宿に到着。新築の旅館には和モダンな客室が48室。眺めのいい露天風呂もあり、極上のひと時を楽しめる。

そして評判の決め手はやはり食事。晩御飯のメインは、鬼怒川の龍神伝説にちなんだ鍋。地元の食材を800度の焼け石で一気に沸騰させる、ダイナミックな創作料理だ。益子焼の器に盛られた会席料理が楽しめて一泊二食付き3万円から。

界 鬼怒川は星野リゾートが運営する客室の稼働率は73%。日本旅館の全国平均が37%(2015年観光庁調べ)だから、これは驚異的な数字と言える。

この日、赤ちゃん連れの夫婦を出迎えたのは、入社4年目の渡邉茜。宿帳を書いてもらうと、そこに知らない情報があった。新婚旅行だと知った渡邊は、夫婦を部屋に案内すると、お祝いのスパークリングワインをいつの間にか用意。ただ、授乳中の赤ちゃんがいるので、奥さんはアルコールを控えていた。渡邉はどうするのか。夕食のデザートの時に用意したのはノンカフェインの麦茶。ちなみにデザートは新婚さん用の特別バージョンだ。

二人がデザートを楽しんでいる間、渡邉は記念写真に添えるメッセージを書いていた。「そうたくんが大きくなられてお話ができる頃にまたお会いできれば……」。メッセージを読んだ奥さんは、「子どもの名前を覚えていてくれた」と、感動した様子だ。

このように状況に応じて考え抜き最善のサービスをするのが星野リゾート流スタッフ一人一人が女将のように接客することで熱烈なファンリピーターを掴んでいるのだ。

新ビジョン「ホスピタリティー・イノベーター」とは?

星野リゾートが運営する宿泊施設は今や全国に35カ所。高級リゾートの「星のや」、上質な温泉旅館「界」、西洋スタイルの「リゾナーレ」と三つのブランドを持つ。

『週刊ダイヤモンド』が行った日本のリゾート宿泊施設の最新ランキングでは、ベスト10に星野リゾートの宿が四つも。高い人気を獲得している。

星野リゾート代表、星野佳路、56歳。カンブリア宮殿には6年前に一度出演している。その時には「観光はこれから基幹産業になり得る」と、観光業の大きな伸びしろを指摘していた。その言葉通り、星野リゾートの運営施設全体の取扱高は、当時の254億円から、2015年には441億円と、大きく成長させた。当時、1400人だった従業員は、今や2000人を超える大所帯になった。

東京・銀座、星野リゾートの東京オフィス。自転車で出社した星野は、適当に空いている席へ座り、スタッフに話しかける。

「権限を持った人はいますし、誰かがものを決定しなければいけないけれど、別に偉い人がいるわけではないというのが私たちの考え方なんです」(星野)

社内では至る所で星野イズムが見え隠れしている。例えばコーヒーカップにも。コーヒーを飲んでいくと、カップの内側に「経常利益率20%」の文字が。さらに続きがあった。最後まで飲み干すと、カップの底には「リゾート運営の達人になる」という文字が。星野が掲げ社員全員で共有した会社のビジョンだ。

しかし星野は一昨年、そのビジョンを変えた。「ホスピタリティー・イノベーター」。訳せば「おもてなしで革新を起こす」。新たなおもてなしを打ち出すと宣言したのだ。

ビジョンを変えた理由を、星野はスタジオでこう語っている。

「20数年を経て、私たちの競争相手が変わったんです。外国の運営会社が日本に入ってきた。世界の大手と戦っていくためには、彼らのやってないことをやろう、と。イノベーターにならなくてはいけない。違う運営方法、違うサービス、まったく違った生産性。こういうものを提供できるような、今までにない運営会社を目指そうと、変えたんです」

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東京のど真ん中になぜ?~星野リゾート噂の新旅館

東京のビジネス街、大手町。今年7月、星野は新たなビジョンを象徴する宿をオープンさせた。星野リゾートとしては初となる都市型の旅館星のや東京」。おもてなしの粋を詰め込んだ進化した日本旅館だ。現在、利用客の4割は海外からの観光客だという。 

高い天井まで伸びるオブジェのような物は竹製。実は下駄箱になっている。客室へは畳敷きのエレベーターで。客室は84室。海外からの客も快適に過ごせるようにとソファやベッドを置いた和の空間。料金は一泊一室(大人3人まで)で7万2000円から。

各フロアには、日本のお茶の間をイメージしたラウンジも設けられた。ここで夜は、日本酒が好きなだけ味わえ朝はおにぎりと味噌汁が振舞われる

17階の最上階には大浴場も。お湯は茶褐色。2年前、1500メートルの地下で掘り当てた大手町温泉だ。大都会のど真ん中でも、露天風呂の天然温泉が楽しめる。 

 この日はドイツから来た雑誌のライターとカメラマンが。世界で100万部が売れる富裕層向けの情報誌『ロブ・リポート』の取材だ。世界の一流ホテルを見てきた二人は「現代的だけど、その中に本物の日本がある」「ヨーロッパにはこんなホテルはありません」と、舌を巻いていた。

さらに10月、「星のや東京」は「アジア太平洋ホテル投資会議」の、この地域で1年間に開業したホテルの最優秀賞を獲得。過去にはあのシンガポールの「マリーナベイ・サンズ」も受賞した名誉ある賞だ。

「日本に来るから日本旅館なのではなくて、『快適ですばらしいおもてなしを受けることができるから日本旅館に泊まろう』と。こういう市場を世界に作っていきたいと考えています」(星野)

トマム、青森…リゾート再生の秘策は“地域愛”         

これまで経営破綻した数々のリゾートを再生させ、その名を轟かせてきた星野。北海道・トマムのスキーリゾート「星野リゾート トマム」もその一つだ。

冬に集中していた客を夏も呼び込むことで蘇らせた。集客に使ったのは景色。早朝に現れる雲海だ。一望できるカフェテラスを作ると大人気に。実はこのアイデア、もともといたスタッフの発案だった。地元スタッフによる地域の魅力の再発見こそ星野流のキモだ。

「この地域を訪れてくれた人たちに、どんなふうにこの地域を知ってほしいのかということは、現地のスタッフが一番よく分かっているんです」(星野)

地元の社員による、地元感あふれるサービスが評判の「星野リゾート 青森屋」。青森屋は2004年に経営破綻したが、星野の手が入るとわずか5年で黒字化した。

自慢は池の中にぽっかり浮かんでいるような温泉。「浮湯」と名付けた開放感いっぱいの露天風呂だ。もともと団体さんがメインの旅館で、客室は236室もある。料金は1泊2食付きで1万5500円から。

食事は青森らしさを前面に押し出した郷土料理が中心。ぬくもりのあるおふくろの味が振舞われている。迎えてくれるスタッフは、青森らしい津軽弁で。ここで働くスタッフの8割は地元の人間だ。駐車場でお客を出迎えるのはポニー。荷物も運搬する。青森が馬の産地ということで、スタッフが考えついたサービスだ。夜には本物のねぶたが登場。スタッフによる青森押しのサービスが目白押しだ。

スタッフの新しい接客のアイデアは、青森屋魅力会議」で練り上げられている。接客スタッフから、料理長や総支配人まで、総勢20人が参加して知恵をしぼるのだ。上下の立場は関係なく、意見を言い合える。このフラットな組織作りも星野イズム

星野リゾートが入る前から働いているスタッフ、山形徹は「以前はほとんどトップダウンで決まってしまっていたので、我々一般のスタッフの意見というのはほとんど通っていなかった。そこはガラッと180度、変わりました」と言う。

星野リゾート成功の裏側~知られざる父子の物語

順調に夢を叶えてきた様に見える星野。しかし、あまり語りたがらない辛い過去もある。

星野の実家は軽井沢で1914年に創業した「星野温泉旅館」。星野はこの有名な老舗旅館の4代目後継として育てられた。アメリカの大学院でホテル経営学を学び、実家を継ぐべく戻ってきたが、そこで名経営者ではあったが、昔ながらのやり方にこだわる父とぶつかった。

まず星野が問題にしたのが、旅館で使う備品。仕入れ業者は一族の関係者や友人で固められ、割高だったのだ。「見積もりを取って、安くていい品を入れてくれるところに今すぐ切り替えましょう」と訴えたが、父は急激な変革を拒んだ

さらに星野は、「同族社員と一般社員の給与体系を統一しましょう。同族を特別扱いしていたら、優秀な人材が集まらなくなります」と切り込んだ。親子の対立は決定的となり、1991年、星野は同族一族が集まる株主総会の席で社長の交代を提案。6割の支持を集め、父親を解任した。

「大変な決断で、いろいろと人間関係においてはあったけれど、自分の中ではすごくスッキリしていました。矛盾を抱えて、本当は放置すべきでない状態を放置している自分のほうが、私は許せなかったから」(星野)

2013年、父・嘉助さんはこの世を去った。享年79歳。そのお別れの会で、星野はこんな言葉を手向けた。

「事業が今でも継続できていることは、父が長期的な視野で同族会社の良識を発揮したからなのです。これからは、父子としてのいい思い出をしっかりと思い出し、感謝の気持ちとともにいつまでも覚えていたいと思っています」

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星野リゾート世界進出~バリ島極上の宿

東南アジア屈指のリゾート地、インドネシアのバリ島。島には外資系の名だたる高級ホテルが立ち並び、世界中から観光客がやってくる。その島の内陸部に、昔ながらのバリの風景を残す村がある。

 海外初進出となる星のやバリ」。2017年1月にオープンする。茅葺屋根の建物はバリの伝統建築。それがゆったり30室。全室独立したヴィラは200平米前後あり、開放感抜群。それぞれのヴィラには専用プールもあり、それが運河のように伸びて他の部屋のプールとも繋がっている。

ディナーは和食とインドネシア料理をミックスした創作料理。レモングラスが香る海老のつくねやチーズの先付けに、メインはバリ風の味付けで楽しむ和牛ステーキだ。

部屋の外には切り立ったジャングル。よく見ると、鳥かごの様なスペースがあちらこちらにたくさんある。ジャングルの中に身を置き、非日常の世界を感じる場所だ。

いよいよ現地スタッフの研修が始まった。3ヶ月で星野流のおもてなしを身につけなくてはならない。星野リゾートでは接客スタッフが掃除から給仕までなんでもやるのが基本。覚えなくてはならないことが山積みだ。バリの五つ星ホテルから移ってきたスタッフも、「ほかのウブドのホテルとは全く違います。ほかのホテルでは接客と掃除は別のスタッフがやりますが、ここでは一人でできなくちゃいけません」と言う。

基礎訓練と並行して、臨機応変なおもてなしをするための訓練も。実際の場面を想定し、それぞれが役を演じて訓練を積むのだ。

早速2人の女性スタッフが、スタッフ役とお客役になりスタート。客役が「明日は夫の誕生日なんです。夫は遅れて到着しますが、何かサプライズのお祝いはできないかしら?」と、突然のリクエスト。スタッフ役は「明日の夜までに部屋の飾り付けをしましょう。ご主人が着いたら、きっと驚きますよ」と応じた。

やりとりを聞いた研修担当の藤井博章が、「あなたが接客スタッフならどんな飾り付けをしますか?」と問う。スタッフ役の答えは、「紙で輪っかを作ったり、折り紙とか日本のスタイルで飾り付けをしたらどうでしょうか」。すると藤井は、「お客様はバリに来たのだからバリ風の飾りつけを見たいはずです。あなたにしかできないおもてなしをすることが大切です」とアドバイス。こうしてバリでもスタッフのやる気を引き出していく

「自分にしかできないおもてなしを」と言われた女性スタッフが何か考えてきた。実は彼女は伝統的なバリスタイルの絵が得意。この特技を生かし、お客に手ほどきするような時間を作り、一緒に楽しめないかと提案してきたのだ。「お客様にバリの文化を知ってもらえたらとても嬉しいです。それはお客様にとっても素敵な体験だと思います」と言う。

言われたことではなく自分のこだわりを伝える。現地スタッフが一歩、踏み出した。

~村上龍の編集後記~

おもてなし」の心、流行語にもなったが、その定義は曖昧だ。親切心や優しい笑顔などは、他の国にもある。

日本独自の価値観を示すこと、星野さんの考えは明確だった。だが、それは簡単ではない。

日本独自の価値観を再発見しその示し方を相手の側に立って徹底して考える、それ以外に方法はない。

政府は、2020年の訪日外国人目標を4千万人に倍増させたが、そのためには、星野リゾートの「ホスピタリティ・イノベーター」という新しいビジョンを、社会的に共有することが必要なのではないだろうか。

  

<出演者略歴>

星野佳路(ほしの・よしはる)1960年、長野県生まれ。1986年、コーネル大学大学院修了後、シカゴで就職。1991年、家業の星野温泉旅館を継承。

source:テレビ東京「カンブリア宮殿」

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命がけでユダヤ人を守り抜いた日本海軍大佐・犬塚惟重の半生

今回の無料メルマガ『Japan on the Globe-国際派日本人養成講座』の主人公は、日本海軍の大佐でありながら、「ユダヤ問題研究家」としても知られる犬塚惟重(いぬづかこれしげ)大佐。陸軍所属で同じくユダヤ問題の研究家でもある安江仙弘(やすえのりひろ)大佐とともに、世界中で酷い扱いを受けていたユダヤ人の保護活動を続けていました。犬塚大佐は一体どんな思いで彼らを見つめ、守り抜いたのでしょうか?

ユダヤ難民の守護者、犬塚大佐

1982年3月12日付けエルサレム・ポスト誌にタブロイド判1頁を費やして次のような記事が掲載された。

1941年3月、このシガレット・ケースは39年以来、上海でユダヤ関係機関長であった犬塚惟重海軍大佐が、300名のユダヤ神学生を日本占領区域に収容してくれたこと、1万8,000名のドイツ、オーストリー、ポーランドからの避難ユダヤ人を救ったことへの感謝の印に贈られたものである。

 

このシガレット・ケースは犬塚未亡人から米国のラビ・トケイヤーの手を経て今、エルサレムのヤッド・バシェムに贈られ、大虐殺追悼記念館の収集品に加えられた。

 

(寄贈)式はアラド総裁事務室で地味に挙行され、犬塚大佐がこの贈り物を受け取るまでの経緯を総裁が述べ、ユバル副総裁が1948~49年に上海で見聞した犬塚大佐は学者肌で人道主義の寛大な日本士官で、特にユダヤ民族の更生に力を尽くした非凡な人物との評価を披露した。

 

また、彼の指揮によって、日本人学校校舎が避難ユダヤ人たちの宿舎になり、病院建設に協力したり、シナゴーグ(ユダヤ教教会堂)建設工事にセメントを融通するなどの助力を惜しまなかった。

上海へのユダヤ難民

上海に最初のユダヤ人難民が流入したのは、1938年秋、ナチスが当時ヨーロッパで最大のユダヤ人口を持つオーストリアを併合してからであった。その後、チェコ、ポーランドとドイツの支配圏が広がるにつれて数百万のユダヤ人が世界各地に逃げ出さざるをえなくなったが、彼らの目指すアメリカ、中南米、パレスチナなどは入国ビザの発給を制限していた。

ユダヤ難民がビザなしに上陸できたのは、世界で唯一、上海の共同租界、日本海軍の警備地になっていた虹口ホンキュー地区だけだった。ここにユダヤ難民がどっと押し寄せたのを、現地ユダヤ人らが、もとの小学校や中学校などの無人の建物に収容して、給食や生活保護を行うことにしたのだった。船が着くたびに上陸するユダヤ難民はたちまち1万8,000人に膨れあがった。

1939(昭和14)年夏、犬塚大佐は東洋一と言われた17階建てのブロードウェイ・マンション・ホテルの16階に事務所兼住居を定めた。25畳ほどのリビング・ルームにベッド・ルーム、クローク・ルームなどを備えたスイート・ルームだった。謀略嫌いの海軍の工作機密費はわずかだったので、犬塚は自分の退職金をすべてユダヤ工作につぎ込むつもりだった。

海軍武官府からは贅沢だと非難する向きもあったが、哨兵の立つ武官府ではユダヤ人達が気安く出入りしにくく、また極東のユダヤ財閥の首脳部に応対するためには、こうした見栄も大切だった。

1994年、すでに日本でVRを活用している事例が存在していた

「Playstation VR」の登場によって今注目を集めているVR(バーチャルリアリティ)。前回の記事で「VR元年は27年も前」という知られざるVR史を語ってくれた、日本バーチャルリアリティ学会会長の廣瀬通孝さん。まぐまぐの新サービス「mine」で無料公開中の、廣瀬通孝さんの記事では、その続編として90年代の時点でVRを取り入れた試みを行っていた「子どもメディア研究会」という団体を紹介し、その画期的な活動を高く評価しています。いったい、どのようなVR活用事例があったのでしょうか?

社会人の部活‐子どもメディア研究会  [世界VR史]

今回はちょっと変わった話題を紹介する。

我々はそれを「社会人の部活」と呼んだ。「子どもメディア研究会」とは、NHK・一色伸夫プロデューサ(当時)が発起人となり、当時の新進気鋭のメディア研究者やアーティストを集めて組織した子どもとメディアに関する研究会であった。いつごろから開催されていたかは正確な記録がないが、1990年代のはじめごろから、NHKの放送センター内で1-2ヶ月に一度ぐらいの頻度で開かれていた。メンバーは、今思えば豪華で、現在カリフォルニア工科大学教授(心理学)の下條信輔、メディアアーティストの岩井俊雄などの顔が並んだ。その前身は、東大小児科・小林登教授を中心とした母子相互作用の研究会であり、1970年代の末までさかのぼる。

この研究会の活動内容は多岐にわたり、全てをまとめることは難しいが、中でも特徴的な試みのひとつが、「夢のテレビ」であった。これは、入院中の国立小児病院の子どもたちに、VRなどの高臨場感メディアで外の世界の体験を届けようという試みであった。最初に行った実験は、アークヒルズの屋上に設置したパソリンク(50GHZ帯による画像通信機)を利用した小児病院への画像通信実験であった。当時はインターネットによる動画通信など思いもよらなかった。小児病院に届けられたのは、アークヒルズ屋上からの眺めや、CGで作られた火星の表面映像(ちょうどバイキングが着陸した直後で、NASAの研究者が著者の研究室に置いていった)などであった。

 

小児病院には比較的重度の入院患者が多い。大人であれば、長期入院してもそれほど大きな影響はないかもしれないが、発育中の子どもが学校にも行けず、病院に縛り付けられては、心の発達に大きな問題をもたらすことになりはしないか、と小児病院の先生方は心配したのである。VRなどを使って、遠足や運動会などのワクワクドキドキ体験を疑似体験させたらどうだろうという試みであった。

各々方、覚悟はよろしいか。仮名手本忠臣蔵の「仮名手本」って何?

12月14日といえば、あの赤穂浪士の討ち入りの日。「忠臣蔵」のドラマなどを見ると「ああ、年末だな」なんて思ったりもしますよね。ところで、なぜ赤穂浪士の討ち入りの話を「忠臣蔵」というのでしょうか。無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』で詳しく紹介されています。

古くからのユニットAKO47?

12月14日。時代劇好きな人にはそれだけでピンとくるであろう、赤穂浪士の討ち入りの日です。実際の討ち入りは、旧暦の元禄15年12月14日。新暦(グリゴレオ暦)に換算したら1月30日です。でも、そこは慣例で12月14日が討ち入りの日となっています。

ちょっとおどけて「AKO47」なんて書きましたが、赤穂の四十七士は日本人好み、お涙頂戴の題材として何度となく演じられてきました。代表的なものは人形浄瑠璃の「仮名手本忠臣蔵」でしょう。ここで「忠臣蔵」という名前がついて、今に伝わります。

確かに「元禄赤穂事件」を題材には取っていますが、「忠臣蔵」という名前で「イコール」の感覚で使われるほど定着しているのはすごいことです。それだけこの「仮名手本忠臣蔵」の与えた影響は大きいといえるでしょう。

ところで、この「仮名手本というのはなんでしょう? いろいろな説があるようで、一般には討ち入りの義士たち、「四十七士」と「いろは四十七文字」になぞらえている、と言われています。

「いろは歌」は、基本となる全ての仮名が1回ずつ出てきて、かつそれで意味を持っているという、実に巧みに作られた歌です。そのため「仮名書きの手本」として用いられていました。だから「仮名手本いろは歌=四十七文字)」、「四十七士」ということになるのです。

「安倍首相とイヴァンカの間で?」 トランプ会談を怪しむ米メディア

トランプ次期大統領の娘イヴァンカ・トランプが、自身の経営する婦人服ブランドと日本のアパレル会社サンエー・インターナショナルとのライセンス契約締結に向けた交渉を進めていることを現地メディアなどが問題視している。

実は、サンエー・インターナショナルの親会社TSIホールディングスの筆頭株主は政府系金融機関である日本政策投資銀行。この契約は、大統領選の前から2年間にわたって交渉が行われてきたというが、ここに来て急激に進展したため、先月の安倍・トランプ会談が影響を及ぼしているのではないかと憶測を読んでいる。米国の批評家らは、“米大統領”という強力な立場と、彼の家族のビジネスとの間に利益相反が生じるのではないかと懸念している。

「イヴァンカがビジネスと政治を混同?」

先月17日夜、安倍首相はトランプ次期大統領とニューヨークのトランプタワーで会談を行ったが、その際“なぜか”イヴァンカも同席していたとして話題になった。その際イヴァンカが安倍首相と交わした会話の詳細は不明だが、その内容が今回の契約に影響を及ぼしたのではないかと海外主要メディアは推測し、大きく取り上げた。

米フォーチュンは、「イヴァンカ・トランプが会談に同席するのは、異常なことだ。無秩序に広がり続ける彼のビジネス帝国とホワイトハウスでの任務との間の利益相反をどのように防ぐのかという懸念が強まっている中、今回の件が起こった」と伝え、CNN Moneyは「イヴァンカ・トランプは日本でのビジネスと政治を混同している?」という少し刺激的なタイトルで本件について報じた。

トランプ自身はビジネスからの引退を発表したものの……

敏腕実業家として様々な事業を長年手がけてきたトランプ氏。今年の大統領選で“まさかの当選”を果たした彼は、11月30日にツイッター上で「大統領任務に集中するために、私の素晴らしいビジネスから完全に引退する」と発表。少しずつ、政治とビジネスを切り離す努力をしているように見えた。

しかし、そのビジネスの後継者はトランプの子どもたち(イヴァンカ・トランプ、エリック・トランプ、ドナルド・トランプ・ジュニア)。大統領選挙中は、トランプ氏とともに公の場に現れることが多かったため注目を集めた。兄弟揃って容姿端麗・成績優秀なトランプ家の子どもたちは、暴言・失言が多かったトランプ氏のイメージを向上させるという、選挙において非常に重要な役割を果たしていた。

世界各国との結びつきが強いトランプ氏の事業に批評家が懸念

暴言王だがビジネスの手腕は天才的だったトランプ氏。そのため、とりわけ経済面で力を発揮することが期待されているようだが、これまで築いてきた“ビジネス帝国”が広大すぎることが様々な問題につながっている。世界的に事業を拡大していく中で、トランプ氏の各事業と諸外国との繋がりがより密接なものになっていったからだ。

たとえば、今回のサンエー・インターナショナルは政府系金融機関が株主、そして「イヴァンカ・トランプの手がけるブランドの洋服部門のほとんどが、現在は中国・ベトナムの工場で製造されている」(CNN Money)。このような状況下では、ビジネス上の利害関係を利用して米国政治に働きかける国が現れる可能性も否定できない。

ニューヨーク・タイムズ紙の記事も、イヴァンカがトランプのビジネスの後継者のひとりであること、そしてそのビジネスは世界各国と強い結びつきがあることを強調した。「たとえば、国際的ホテル・チェーン(トランプ・ホテルズ)は南米、欧州、北米に事業を展開している」。

同紙によると、イヴァンカが副社長を務める不動産会社『ザ・トランプ・オーガナイゼーション』の公式ホームページには、彼女の重要な目標のひとつとして「“トランプ・ホテル”ブランドをグローバル市場で広めること」というメッセージが掲載されていたという。今後も積極的に“トランプ・ブランド”を世界展開していく意向があるようだ。

英インデペンデント紙は、上記のような状況について次のような言葉で説明した。「トランプ氏の事業は、数え切れないほどの利益相反を引き起こしている。批評家らは、外国首脳がトランプ次期大統領の“財布”経由でホワイトハウスに影響を及ぼそうとするのではないかと懸念している」

トランプ大統領自身は一切ビジネスから手を引くといっても、後継者は“いつも一緒”の子どもたち。批評家の指摘通り、政治とビジネスの利益相反については、もう一波乱ありそうだ。

(月野恭子)

大きなリスクも。社員の退職理由を会社都合にしない方がいいワケ

会社を辞める人間の退職理由を、親切心から「会社都合」扱いにしたという話、耳にする機会がありますよね。どころがこの「温情」が企業にとってとんでもないデメリットとなりうる、と言うのは無料メルマガ『「黒い会社を白くする!」ゼッピン労務管理』の著者で現役社労士の小林一石さん。今回の記事では過去に実際に起きた事例を上げながら、その危険性について記してくださっています。

退職理由を「会社都合」にすると何が問題なのか

最近、(少しだけ)悔しい思いをした出来事がありました。それは、あるお店で買い物をしたときのことです。気に入った服があったのでその場で購入をしました。幸せな気分で家に帰り、何気なくそのお店をネットで検索するとなんと、ネット経由で購入すると「10%オフ」だったのです。さすがに、その服を返品してネット経由で買うわけにもいかずなんとも悔しい思いをしました。(別にこのお店が悪い訳ではありませんが)。

みなさんも、このように後から知って悔しい思いをしたということはないでしょうか。ただ、このように悔しい思いをするだけで済めば良いですが労務管理においてはそうはいかない場合があります。

その中の一つに「社員の退職理由をどうするか?」というのがあります。「失業給付が早く出るように退職理由を会社都合にしてあげたい」。これは、たまに私も相談をいただく内容です。

確かに、離職理由によって失業給付が出る時期が変わるためその気持ちもわからないでもありません。ただ、実際にそうすべきかどうかと言われれば、「それはしないほうが良いですよ」とお答えしています。

なぜか? それは、会社にとって大きなリスクになるからです。このリスクを知らないまま「会社都合」してしまうと後で大変なことになります。

まず、会社都合での退職者がいると助成金がもらえなくなります

※ 重責解雇は除きます(すべての助成金ではありませんが)。

これをお話しすると「今のところ助成金をもらう予定はないから」という人もいらっしゃいますが助成金は新規で出来たり内容が変わることも頻繁なのでいつ「もらいたい」助成金が出るかわかりません。そのときのためにももらえる状態にしておくことはとても大切なことでしょう。

【京都】今なお残る忠義の証。忠臣蔵ゆかりの名所に義士を訪ねる

歌舞伎や年末テレビドラマの定番、「忠臣蔵」。歴史に興味のない方でも、大石内蔵助、赤穂浪士、吉良上野介、浅野内匠頭、松の廊下など、忠臣蔵にまつわる言葉を耳にしたことはあるのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『おもしろい京都案内』では、今も京都に残る「忠臣蔵ゆかりの名所」が紹介されています。

忠臣蔵にゆかりの京都

12月と言えば忠臣蔵ですよね。今回は忠臣蔵ゆかりの京都の名所を巡ってみようと思います。

主君・浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)の無念を晴らすため、大内内蔵助は赤穂(兵庫)を出て京都山科に居を構えました。討ち入りのため江戸に出発するまでの1年余、決意を胸に秘め京都で秘策を練ります。たった1年半の滞在でしたが京都には赤穂義士ゆかりの品や密会場所、討ち入りの成功を願いつつ通った神社などが残っています。

12月14日は赤穂浪士の吉良邸討ち入りの日です。毎年この日には山科の大石神社周辺では「義士まつり」が三十三間堂近くの法住寺では「義士会ぎしえ法要」が行われます。今回は主君の敵を討つため熱い思いを秘めつつ、京都で暮らした内蔵助を偲びゆかりの地をご案内します。まずは京都駅から近い来迎院からご紹介しましょう。

来迎院(らいごういん)

来迎院は皇室の菩提寺でもある泉涌寺(せんにゅうじ)の塔頭(たっちゅう)のひとつです。この寺には大石内蔵助の建てた茶室・含翠軒(がんすいけん)が残っています。今熊野観音寺に向かう道の右側に来迎院への入口の看板があります。

内蔵助は京都山科に移り住む際に、親族である来迎院の僧・卓厳に頼んで檀家になっています。内蔵助は境内に湧き出す名水を大変気に入りました。そして茶室・含翠軒を寄進し、この場所で討ち入りの策を練っていたと伝えられています。縁側には内蔵助の肖像画、遺愛の茶釜、念持仏、直筆の絵の写真などが飾ってあります。

  • 住所:東山区泉涌寺山内町33
  • 拝観時間:9:00~17:00
  • 拝観料:300円
  • お抹茶:400円

泉湧寺 皇室の菩提寺 「御寺(みてら)」
今熊野観音寺

法住寺(ほうじゅうじ)

来迎院から少し距離がありますが20分程歩いて三十三間堂向かいの法住寺へ。ここには四十七士と浅野内匠頭の木像が安置されています。本尊の不動明王は「身代わり不動」と言われています。

内蔵助はここで討ち入りの成功を祈り同士との連絡場所にも使ったといいます。討ち入りの日である12月14日の11時から毎年義士会法要が行われています。献茶会の後は舞妓さんのお点前によるお茶会や討ち入りそば(そば+お茶で¥1,000)の接待もあります。

  • 住所:東山区三十三間廻り町655
  • 拝観時間:9:00~16:00
  • 拝観料:300円

正直すぎても馬鹿を見る。子供に「嘘はつくな」と言わない育て方

 それぞれの家庭にそれぞれの子育て方針があると思いますが、中でも少し扱いが難しいのが「ウソの是非」ではないでしょうか。無料メルマガ『子どもが育つ「父親術」』では、「ウソをついてはいけない」と指導するよりももっと効果的な「伝え方」を紹介しています。

ウソはいけない

いろいろな方の子育ての抱負・方針・考え方をお聞きする中で、「私には真似できないな…」と思うものに出会うことが、時々あります。具体的には、

  • 人に迷惑をかけない
  • ウソをつかない
  • 一度決めたら最後までやり抜く

そんな子に育てたい、育ってほしいという目標です。なぜ真似できないと思うかというと、たぶん生きていく中では、人に迷惑をかける場面・ウソをつくシーン・決めたことを断念する経験が必ず出てくると思うから。今号では、その中でも「ウソの是非」についてお伝えしますね。

私自身は、子どもたちに「ウソはいけないとは言っていません。なぜなら、私が子どもにウソを要求する時があるからです。これからの季節は特に多い時期。親戚からプレゼントをもらったけれど、興味のない品物だった時、子どもの正直な気持ちはなにこれ、いらなーい」ですよね。ですが、その場面で私は「ありがとう」と言うように伝えています。

同様に、実家などで用意してもらった食事が子どもの好みではなかった時も、本音が全然おいしくなかった」であったとしても、「ごちそうさま」と言うように伝えています。意図や意味合いの差はありますが、ウソかどうかで言えば、これらは完全なウソ」。それを促している私からは、「ウソはいけない」とは、言えません。

韓国・朴槿恵大統領の弾劾議案が可決。職務停止へ

韓国・朴槿恵大統領の弾劾議案、国会が可決。大統領の職務停止へ

韓国国会は9日午後、朴槿恵大統領の弾劾訴追案を可決したと、NHKなど複数のメディアが速報で報じた。これにより、朴大統領の職務は停止されることになる。

朴大統領の弾劾訴追案は賛成234票、反対56票、無効7票と、在籍国会議員の3分の2以上の賛成で可決。今後180日以内に憲法裁判所が弾劾の妥当性を判断するまでの間、ファン・ギョアン(黄教安)首相が大統領の権限を代行する。(随時更新)

image by: shutterstock

 

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