工員が大量離職の衝撃。絶好調なハズの中国自動車メーカーBYD「本当の実売数」

23年1~3月の第1四半期で販売台数が50万台を超えるなど、今勢いに乗っている中国自動車メーカー「BYD」。しかし今、同社の「大量離職」「販売実績への疑問」が報じられています。「BYD」の今後は果たして? 中国の自動車業界情報を届けているメルマガ『CHINA CASE』で解説しています。

絶好調のはずが…BYD工員大量離職、在庫増で残業無し給料低下

絶好調のはずのBYDの長沙工場で大量の離職者が発生した、と報じられた。BYDはこれを否定、通常の人員配置の一環に過ぎない、とした。

一方で今回、本件を機にBYD工場の工員のベース給料の実態が明らかになり、BYD工員は相当の残業をこなさなければ、長沙市平均賃金に達しない可能性が指摘された。

また、BYDの販売実績に疑問点があり、大量の在庫を抱えている、ともされている。

一体何が起きているのか。

中国の賃金相場

BYDは2023年1~3月の第1四半期、販売台数が50万台を超え、独VWを上回り、中国において40年近く振りの中国勢首位を獲得していた。

一方で、2023年5月8日、長沙工場で大量の離職者が発生、それに伴い工場側は「今月の退職者は予定限度に達した」と発表した。

2022年における長沙市の平均賃金は月額7,131元(約14万円)、これは中国主要都市のランキングとしては21位に位置する。

中国の製造業平均月収はより低く、5,850元(約11万円)で、その中央値は6,075元(約12万円)。

しかしBYD工場の行員一人当たり平均ベース賃金は1,950元(約4万円弱)であり、いずれの指標を満たそうとすれば、相当な残業をこなさなければならなくなるという。

一方で、BYDは現在、大量の在庫を抱えているのではないか、と指摘される。

そのため、残業したいのに行員の残業もなくなり、それが要因となって十分な給料を得られなくなったため、大量の離職者が出たのではないか、と推測された。

2種類の販売台数

BYD含めメーカー側発表の販売台数は、総じて工場から販売店に卸した台数がカウントされる傾向がある。いわば出荷台数に近い。

一方で、中国では実売に近い販売台数も発表されている。BYDの公式発表と、実売データを比較すると、23年第1四半期、BYDの公式発表は55万台を超えたが、実売データは44万台にすぎない。

つまり単純に11万台もの在庫を抱えていることになる。

データで比較できる広汽ホンダ、東風ホンダ、東風日産も同じように算出してみると、在庫台数はいずれも1万台前後であり、東風ホンダに至っては同期間中マイナスになっている。

BYDは公式発表の8割にも満たない実売に止まっている一方、東風ホンダは100%以上の実売を実現、広汽ホンダや東風日産でも9割以上を達成している。

今回の工員大量離職はBYDの今後にとって、どのような意味を持ってくるのか、引き続き注視していかなければならない。

出典: https://mp.weixin.qq.com/s/CrZSQHpBJ4R9IDo_mnmjoA

この記事の著者・CHINA CASEさんのメルマガ

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10代がヒロポンを使用する韓国の闇。深刻すぎる隣国の「麻薬事情」とは

「今、韓国では中高生にも麻薬が蔓延している」と話すのは、無料メルマガ『キムチパワー』で、韓国在住歴30年を超え教育関連の仕事に従事する日本人著者です。今後、どう対策すべきなのか?韓国の国立科学捜査研究院(国科捜)で麻薬鑑定を行うスペシャリストの話を引用し、紹介しています。

10代の麻薬使用者が急増

国立科学捜査研究院(国科捜)のイ・ジェシン毒性学課長は26年間毒性学を研究してきた「ベテラン」だ。だが、依然として鑑定書一つを送る度に「刃の上を歩く気分」と話した。国科捜の鑑定結果で一人の人生が変わる可能性もあるからだ。

イ課長は「それでも私が書いた鑑定書で事件が解決され、世の中がまともに進んでいるということを感じる時、最も大きなやりがいを感じる」と話す。彼は分析して研究するのが好きで1997年2月、国科捜に入社した。入社前までは国科捜がどんなところなのか知らなかったという。その一方で「26年もいたということはそれだけ適性に合っていたという話でしょう」と話した。イ課長に5月上旬、国立科学捜査研究院原州本院で会った(下は国民日報記者との一問一答)。

――課長になってちょうど1か月が過ぎた

「課長昇進のニュースが知らされた時『おめでとうございます』という挨拶もきたけど、今毒性学科の状況を少しでも知っている方々からは『ご苦労様ですね』という話をもっと多く聞いた。昨年、国立科学捜査研究院に入ってきた麻薬鑑定依頼量が8万9033件だ。ところが鑑定依頼を担当している研究人材は他の部署から志願した人員2人を含め22人だけだ。本来課長は行政業務だけを処理するが、毒性学科長は行政業務とともに麻薬鑑定依頼研究も同時に行うしかない状況だ」

――国立科学捜査研究院の麻薬白書を見ると、最近新型麻薬類の増加が目立つ

「麻薬流通犯には新型麻薬が摘発されないという認識がある。麻薬の場合、法に確実に規定されてこそ規制や処罰ができるという点を狙ったものだ。当局が新型麻薬を発見し、これを摘発できる検査キットを出せば、麻薬犯らは麻薬の分子配列だけを少しずつ変えながら新しい麻薬を市場に出す方式で監視網を避けていく」

――新型麻薬類の一つが合成大麻

「合成大麻の場合、流行がとても早い方だ。例えば、Aという合成大麻を作って広める際に当局がこれを摘発して規制すれば、分子配列だけを少し変えてA’という合成大麻を新しく流通する方式だ。実際、合成大麻が初めて世の中に登場した2009年には麻薬だが、法にはひっかからないということで全世界的にこれを「リーガルドラッグ」(legal drug)と呼ばれたりもした」

――フェンタニルも社会的問題として浮上している

「フェンタニル(Fentanyl)は致死量がヒロポンより非常に少ない。少しでも間違えると、0.01グラムの差でも死亡する可能性がある。全く死ぬ気がなかった人が一度楽しむために麻薬をやって死ぬこともありうるという意味だ。前回(投薬)した時は大丈夫だったので、今回も大丈夫だという保障もなく中毒性もあまりにも強いため、一度始めたらやめられなくなるのがフェンタニル類だ。米フィラデルフィア・ケンジントンの「ゾンビ通り」が韓国で登場しないという保障はない」

――流通犯が絶えず新しい麻薬を作る理由は

「彼らの目的はひたすら『お金』だ。問題は分子配列を変える時、麻薬の効果が10分の1に減ることもありうるが、100倍以上に跳ね上がる可能性もあるという点だ。麻薬流通犯は効果が100倍以上強くなった麻薬で、人が死んでも全く気にしない。彼らは、自分たちが製薬会社でもなく、責任を負う理由もないと考えている。米国で麻薬による死亡者が多いのもこれと関連がある」

――韓国の麻薬流通量のうち、ヒロポンが1位である理由は

「習慣のようなものだ。韓国でも特定焼酎ブランドだけを求める高齢者がいる。『チョウム・チョロム』を召し上がる方は、『チャミスル』はあまり飲まない。似たようなものだ。自分に馴染みのあるものを探すようになり、またヒロポンの場合は昔からあったので手に入れるのも相対的に簡単だ」

――10代のヒロポン投薬事例も増えている

「それだけ韓国で麻薬へのアクセスが簡単になり、入手しやすくなったという話だ。もちろん韓国は米国のような外国に比べて麻薬統制がよくできている方だ。しかし、今の状況で麻薬を統制できなければ、幾何級数的に韓国社会に麻薬が広がりかねない。解剖死体から麻薬類が検出される件数も、この3年間で60.47%も増加した。我々は今、重要な岐路に置かれている」

――新任毒性学科長としての目標は

私たちは現場で活躍している捜査官に科学的根拠という砲弾と弾丸を提供する役割をする。敵軍が新種麻薬という新兵器を作るたびに、我々もこれに対抗する新しい新兵器を開発しなければならない。新型麻薬探索のためのプラットフォームを開発し、麻薬流通モニタリング室も運営する必要がある。今は毒性学科が麻薬まで担当しているが、国立科学捜査研究院内に『麻薬対応科』を新設するのが目標だ」

今韓国では、高校生、中学生にまで麻薬が蔓延している。対策が急がれるところだ。

(無料メルマガ『キムチパワー』2023年5月16日号)

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貿易の専門家が分析。日本の経済を停滞させている2つの原因

日本はいま、長い期間暗いトンネルの中にいるといってもいいでしょう。日本経済が長期停滞している原因について、今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』で、 貿易の専門家でもある小島尚貴さんのインタビューを紹介しています。

なぜ日本はどんどん貧しくなっているのか

「失われた30年」といわれる長期経済停滞に苦しんでいる日本。その一因には、過度に安い商品を追い求める「コスパ病」、そして日本の産業を衰退させる「自損型輸入」の存在があると、長く貿易現場に携わってきた小島尚貴さんは語ります。

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私は福岡を拠点に、主に九州の中小・零細企業の製品を海外に売り込む輸出業に携わっています。

輸出といえば、企業がさらなる販売機会を求めて海外市場に挑戦する積極的な意味合いを持つ言葉だと思いますが、近年は「国内の事業が低迷しているため、海外に販路をつくれないか」と、消極的な動機から輸出を検討する企業も少なくなく、私は「座して衰退を待つより、輸出で少しでも地方を活性化できれば」という思いで携わってきました。

しかし、いくら私が孤軍奮闘しても、活性化はおろか、衰退の阻止さえ不可能なのではないかという危機感が年々強まるばかりです。そもそも、なぜこんなにも国内販路が減少して苦境に立たされているのか。そこには、個々の企業の経営努力だけでは対処できない問題があることに気づいたのです。

それは、私が輸出している地方の国産品よりもはるかに安い価格で、類似製品を日本市場に大量に持ち込む多くの「日本人輸入業者」の存在です。

例えば、私が「一個1,000円の陶磁器を100個」輸出しても、彼らが製造コストの安い国でつくった「一個100円の陶磁器を1,000個」輸入すれば貿易収支は差し引きゼロになります。しかも、その陶磁器は日本に輸入するためだけに、日本で人気のデザインや色を巧みに模倣しています。

そうして消費者は、似た物で機能が変わらないなら1,000円の国産品よりも100円で買えるほうが「お得だ」「コスパ(コストパフォーマンス)がいい」と言って、100円の輸入品を選びます。

国産の陶磁器はその価格差に苦しみ、受注のために取引先からの値下げ要求に応えるという後ろ向きの経営努力を求められます。その一方で、輸入業者は業界と産地を圧迫し、自国経済に損害を与えながらも、自社だけは得をします。

 

まだ「長すぎる」会議してるの?効果の上がるミーティング方法とは

日本の会議は無駄が多いと言われますが、成果の上がる会議とはどんな方法で行われるのでしょうか?今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では、著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんが、成果が出る販売会議の方法について語っています。

成果のあがる販売会議の仕方

1.販売会議を開く

あなたのお店では、販売会議をしていますか?

「当たり前です」

すみません。

では、どれくらいの頻度で行っているのでしょう。最低でも、月に1回は開いていますよね。

その会議には、何時間かけていますか?おや、3時間ですか。結構長いですね。

従業員15人全員が参加するともなれば、それくらいの時間は必要かもしれません。それなりに、準備が大変そうです。

その会議は、いつ行うのでしょう。開店前でしょうか、閉店後でしょうか、それとも定休日でしょうか。

開店前や閉店後に、3時間も確保するのは難しいですから、きっと、定休日にやっているのですね。

従業員の皆さんにとって、大変ではないですか?私は、全員が出席する販売会議は、閉店後の1時間で良いのではないかと思います。

全体会議は、主にお店の方向性や、やるべきことを確認する場です。あまり多くのことを討議したり、意見を聴いたりする場にすると、いくら時間があっても足りません。

やはり、1時間ぐらいで終わるように、スケジュールを立てると良いでしょう。ただし、そのためには、全体会議の前に責任者会議を開く必要があります。

アップル社の「高い要求水準」をクリア。CEOも訪問した福井県の企業とは

要求する水準が高いことで有名なアップル社。その水準をクリアし、CEOの来日の際に訪問企業にも選ばれた福井県のとある企業があります。今回は、MBAホルダーで無料メルマガ『MBAが教える企業分析』の著者である青山烈士さんがそのアップルとのコラボ製品の販売の戦略と戦術を分析しています。 

2社によるコラボ。アップルウォッチ用バンド製造の井上リボン工業を分析する

今号は、アップルウォッチ用のバンドを分析します。

● 福井県越前市の細幅織物・編物の企業である「井上リボン工業」がアップル社に提供している「Apple Watch Ultra」用のバンド

昨年末の新聞に取り上げられました(井上リボン工業)

非常に要求水準の高いアップル社に対して、「独自の技術や情熱」支えられた「対応力」等の強みをベースに、アップル社との高度なコラボを実現し、差別化しています。
アップル社のCEOであるティム・クック氏が来日した際に、アップル社の製品に関わる国内企業約1,000社の中から訪問企業に選ばれたことで注目を集めた。

■分析のポイント

ユーザー向けの最終製品を作るメーカーと部品メーカーとの関係性は、「発注する側」と「発注される側」となりますので「発注する側」が要求したものを、「発注された側」が作るという形になります。

ですので、「要求する側」と「要求に応える側(サプライヤー)」という図式になりますね。

発注された側が、高い要求の仕事を受けたのであれば、自社の能力を最大限に発揮して応えることになるでしょう。

そして、自社の能力を超えるような要求は受けない、というか受けられないはずです。

「アップル社」は高い要求を出すことで有名ですが、「井上リボン工業」のように優れた技術を持ってしても、困難な要求であったようです。

「アップル社」の要求に最初から完璧に応えられる企業の方が少ないのかもしれませんね。

今回のポイントは2社によるコラボレーションです。

1+1=2 では、単なるコラボレーションですが、アップル社が求めるのは、1+1=2 以上のものでしょうし、2社で組むことで、世の中にないレベルのものを創出することを目指しているように見えました。

そこを目指す場合、「要求する側」と「要求に応える側」という関係では、難しいのだと思います。

だからこそ、「アップル社」は、コラボレーションにこだわっているのでしょう。「アップル社」だけで作れないのは、当然として、「アップル社」がサプライヤーに、ただ要求を出すだけでは、「アップルウォッチ」は完成しない、とうことです。

「アップル社」は、多くのサプライヤーと共同で仕事を進める中でコラボ相手の能力を評価する力とそのコラボ相手の潜在的な能力を引き出す力を蓄積してきたのだと思います。

恐らく、「井上リボン工業」は、自社だけの力では「アップル社」を満足させるレベルのモノは作れなかったでしょう。

「アップル社」が、「井上リボン工業」の力を引き上げたと思いますし、それだけ、「井上リボン工業」に潜在的な力があった、ということでもあります。

潜在的な力があっても、無理だと思っていたら、何も成し遂げられないと思いますが、情熱を大切にされている「井上リボン工業」だったからこそ、双方が満足できるレベルのモノを作ることができたのではないでしょうか。

「アップル社」のCEOであるティム・クック氏が来日した際に、「アップル社」の製品に関わる国内企業約1,000社の中から訪問企業として「井上リボン工業」を選んだ理由は、コラボレーションの成功例として世の中に示したい、という思いもあったように思います。

今後、「井上リボン工業」はもちろん、「アップル社」とのコラボがどのような形になって世の中に示されるのか注目していきます。

 

日本も“対岸の火事”にあらず。統一教会と同じ手口で「餓死カルト教団」が摘発を逃れ続けたワケ

ケニア南東部の都市マリンディ近くの森で次々と発見される、現地カルト教団により欺かれ餓死した信者たちの遺体。現在までに200名を超える犠牲者が確認されていますが、この教団を巡ってはあまりに不可解な「闇」が存在するようです。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、一連の事件の詳細を解説。さらにカルト教団とケニアの権力者との間に、旧統一教会と岸・安倍家の関係を彷彿とさせる「癒着の構図」があったのではないかとの見立てを記しています。

森から遺体が続々発見。ケニア餓死カルト教団事件に見る統一教会的構図

このコーナーでは久しぶりに海外の事件を取り上げますが、政権与党である自民党が旧統一教会という韓国のカルト教団とベッタリ癒着している日本にとって、アフリカはケニアのカルト教団「グッドニュース・インターナショナル教会」による信者の大量殺戮事件は、とても対岸の火事とは言えません。

発覚から連日のように、10人、20人と犠牲者の遺体が発見され続けているこの事件では、5月13日、新たに22人の遺体が見つかり、死者はとうとう200人を突破して計201人となってしまいました。しかし、4月25日の時点で、家族から行方不明の報告が寄せられている人数は259人(うち130人は子ども)であり、家族と連絡を取って来なかった信者も数多くいるため、地元メディアは「今後も死者数は増える恐れがある」と報じています。

すでに逮捕・起訴されている教団の指導者、ポール・マッケンジー被告(51)は、「世界はもうじき終わりを迎える。その前に餓死すれば、その者は天国へ行ってイエス・キリストに会うことができる」と言って信者らを洗脳し、餓死するまで断食を強要して来ました。教会のあったケニア東部マリンディの近くのシャカホラの森の中からは、捜査当局によって、次々と遺体が掘り起こされています。ちなみに、シャカホラの森の面積は、東京ドーム約70個分もあるそうです。

信者らは、この森の中で集団断食をさせられ、餓死した者から順に埋められて行ったそうです。そう聞けば、こんなカルト宗教を信じた側にも責任があるように感じてしまいます。しかし、実際には、ポール・マッケンジー被告と一緒に逮捕された25人の「用心棒団」が、信者らが森から脱走しないように、銃器を持って監視していたのです。

その上、土中から掘り起こされた遺体を検視したマーティン・ムネネ主任検査官のによると、「多くの遺体は飢餓が死因だが、子どもを含む一部の遺体には、絞首、窒息、鈍器による殴打の跡が見つかった」と報告しています。つまり、一部は餓死ではなく殺害されていたのです。ガリガリに痩せ衰えた瀕死状態で救助された信者らによると、幼い子どもたちは断食に耐えられずに「お腹が減った」と泣き叫ぶため、「用心棒団」に首を絞められたり殴打されたりして殺されたと言います。

この記事の著者・きっこさんのメルマガ

同じ穴のムジナ。TV局だけにジャニーズ性加害問題を押し付けたい無責任な人々

創業者の性加害に対してこれまで頑なに沈黙を守ってきたものの、5月14日になりついに社長が動画で謝罪を行ったジャニーズ事務所。これを機に各所から、「事実」を知りながら所属タレントを使い続けたテレビ局の責任を問う声が上がっています。そのような状況に異を唱えるのは、健康社会学者の河合薫さん。河合さんはメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』で今回、テレビ局だけに批判の矛先を向けるような流れに違和感を抱いた理由を解説するとともに、日本社会を形成する私たち一人ひとりが負っている責任について考察しています。

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

メディアだけの問題なのか?ジャニー喜多川「性加害」疑惑で多くの人が気づくべきこと

やっと、本当にやっと、勇気を振り絞って証言した少年たちにの“声”に、「社会」が向き合いました。

14日夜、ジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川氏による所属タレントへの性加害疑惑を巡る問題に関して、ジャニーズ事務所の藤島社長が動画を公開。「心よりおわび申し上げます」と謝罪しました。

詳しい内容は多くのメディアが取り上げているので、ここでは書きません。一方で、この件について「テレビ局はこの問題を知りながらも触れなかった。それが被害を拡大した」といった批判を、識者やジャーナリストを名乗る人たちが繰り広げていたことには、少々違和感を覚えました。

確かにここ数十年、テレビ番組は、ジャニーズや吉本などの大手芸能事務所のタレントばかり。芸能番組から報道番組まで、NHKやEテレから民放まで、どこもかしこも“タレント”だらけです。なのに触れなかったといえば、確かに「触れなかった」。

しかしながら、性被害に向きあってこなかったのは、社会であり、「私」たち
でもある。まるで「私は関係ございません。んったく、テレビ局って」という批判は、ちょっとばかり都合良すぎるのではないか、と。社会が、「私」が、被害者の声に真摯に向き合わない限り「変わらない」…。そう思えてなりません。

ジャニー氏からの性被害を声を上げたのは、元フォーリーブスのメンバーです。1988年に出版した自伝で自身が受けた被害を綴り、その後は週刊誌などでも度々報じられてきました。1999年に文春が大きく取り上げた際には、ジャニーズ事務所が「名誉毀損にあたる」として訴え裁判に。結果は、すでにさまざまなメディアが書いているとおり、2003年5月に東京高裁が、「その重要な部分について真実」「真実でない部分であっても相当性がある」として、性加害を認定。ジャニーズ側はこれを不服として上告しますが、2004年に棄却されました。

なのに「社会」はこの問題に関心を示さなかった。

1999年といえば、バラエティ番組「SMAP×SMAP」が20%超の視聴率を記録し、嵐がデビューするなど、ジャニーズ旋風が吹き荒れた時期です。2003年といえば、『世界に一つだけの花』がシングルで発売され、2005年の紅白歌合戦では、出場歌手全員で大合唱しています。

ジャニーズ事務所に所属するタレントに“スポットライト”が当たっているの陰で、法廷で「誰にも知られたくない、言いたくない」話を紡いでいる人たちがいたのに、日本社会は“彼ら”にスポットライトを当てなかった。

この記事の著者・河合薫さんのメルマガ

特別支援学級の担任が殺人容疑で逮捕。いま考えるべき「人を犯罪に走らせない社会」を作る方法

諸外国と比すればまだ安全とは言えるものの、かつてからは考えられないほどの凶悪事件が多発している感のある日本。この状況に歯止めをかけることは出来るのでしょうか。今回のメルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』では、要支援者への学びの場を提供する「みんなの大学校」学長の引地達也さんが、犯罪者を生まない社会づくりについて考察。そのカギとして「ケアの意識を発出しやすくする環境づくり」を挙げています。

ケア意識の発出を促す。犯罪のない社会づくりのカギとなるもの

東京都内では最近、凶悪な犯罪が相次いでいる。

江戸川区で特別支援学級を担当する中学校教員が殺人容疑で逮捕され、大田区では中学生が父親が勤務する客の男に刺され、銀座の高級腕時計店には白昼堂々の強盗事件が発生した。

江戸川区の現場は自宅から近く、大田区は仕事の場としてなじみ深いし、銀座は毎日通勤で通過する場所である。

それぞれの街の表情は平和の中でこそ多様さが強調され、それが最近の東京の魅力となっていたが、犯罪が頻発してしまうと、警戒と防御が優先され窮屈な街になってしまいそうだ。

「犯罪が少ない」「治安がよい」はずの日本の日常は、いつの間にか危険に晒されるのではないかと感じてしまう。

そしてこの感覚が日常になった場合、どんなことがおこるだろう。

精神疾患者の実態を知らないまま、治安維持を名目に法改正が行われた過去など、安全確保に向けて繰り返す私たちの傾向を自覚しながら、冷静に対応を検討したいと思う。

この検討は、とかくその場の雰囲気に流され、自分たちの社会を窮屈にし、時には一部の人の権利を侵すことにもつながってくる。

新型コロナウイルスへの対策で緊急事態宣言を出した政府が国民に行動の制限を呼び掛けた際、それを全体最適と考えつつも、不便な目にあった人がいたのも事実である。

また精神疾患者による犯罪をあたかも疾患者全般の傾向だと決めつけ、疾患者への対応を防犯の枠組みで語り、法律に反映させてきた経緯もある。

この事実は社会からのスティグマとして長らく日本社会に根をはり、多様性社会の実現に向けた障壁になってしまったことを指摘したい。

犯罪の集団はなぜ出来上がるのか、という議論と同時に「社会が犯罪を作り出してはいないのか」という視点、あくまで客観的にレマートらのラベリング論の再考も踏まえて、考えてみる必要がある。

さらに市民が空間としての安全な場所のイメージも共有していきたい。

私たちが住まい、集う場所に犯罪が発生しないための切り口としてインクルーシブな場づくり、という考え方がある。

これはみんなの大学校が取り組む研究テーマでもある。

どんな障がいがあっても公共サービスへアクセスを可能にすることはもちろん、「学びたい」等のニーズに社会が応えていくために「場づくり」をしていこうという内容で今年2年目となる。

この考え方には基本的に町が安全であることが前提であるが、同時に「助け合う」考えや姿勢が日常化することも重要だ。

この記事の著者・引地達也さんのメルマガ

女優・杏のライフプランに憧れ?中条あやみの暴走に事務所は困惑

先日、IT社長との結婚を発表した中条あやみさんですが、ハリウッド進出を目指す彼女と所属事務所の微妙な関係を、週刊誌が報道しました。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんは、ハリウッド進出は“体裁のいい事務所独立劇”と捉えられても仕方がないと事務所側の気持ちを理解しつつ、中条さんが「海外と日本を行き来するライフプラン」に憧れがあるのではと推察します。

ハリウッド進出=体裁のいい事務所独立劇?

最新号の『週刊女性』が、中条あやみが自身のハリウッド進出に向け所属事務所とギクシャクしていると伝えています。

中条は2012年にデビュー以来、公の場で「将来の夢はハリウッド進出」と再三にわたって言い続けていますが、いよいよ女優として11年目の今、その夢に手を掛けようかという時期を迎えたというのです。

ちなみにデビュー作の7月期連ドラ『黒の女教師』は主演が榮倉奈々、番手に土屋太鳳、広瀬アリス、杉咲花という今をときめく若手女優たちが出演した伝説のドラマです。

榮倉は賀来賢人との間に2子をもうけたママ、土屋はまもなく『GENERATIONS from EXILE TRIBE』片寄涼太との第1子を出産、中条は新婚ホヤホヤ…11年の間にはそれぞれに、悲喜こもごものドラマがあったというわけですね。

中条がここにきてハリウッド進出の姿勢を明確にした背景には、今月1日に発表された“資産34億円”とも言われているIT企業社長の存在があることだけは間違いないでしょう。

過去の芸能史を紐解くまでもなく、女優というのは大きなスポンサーを抱えると、無意識の内に大胆な行動にシフトしがちなものです。

仮に進出に失敗したとしても、女優としては“いい経験をさせてもらった”となりますし、本人的には金銭的ダメージは皆無に終わるわけですから、当然前のめりになるのは仕方ない事でしょうね。

それともうひとつ、彼女の背中を押しているのは『劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~』の予想を遥かに超える大ヒットだと思われます。

今年公開の映画は数あれど、『劇場版~』は公開17日目で興行収入が30億円を超える大ヒットとなっています。

今年の国内実写映画No.1も噂されていますし、主演の鈴木亮平もハリウッド進出の話がここにきて動き始めているようですから、同じ現場で同じ作品に携わった女優としては影響を受けないわけはないような気がします。

大きなスポンサーを手に入れ、主演作品が大成功となれば、中条がティーン・エイジの頃から夢見ていたハリウッドデビューに向けて動き出すのは自然の流れとも言えるでしょうね。

ただこの動きを芸能記者目線で見てみれば、“体裁のいい事務所独立劇”と捉えられなくもありません。

タスク管理は自己管理。なぜ人はタスクをこなす時に苦しいと思うのか?

ビジネスの現場であれプライベートであれ、近年富にその重要性が語られるタスク管理。しかしながらそこには思いもよらない大きな罠が存在しているようです。今回のメルマガ『Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~』では文筆家の倉下忠憲さんが、自ら名づけた「タスク管理の呪い」について解説。その上で、「管理の行き過ぎ」に対して注意を呼びかけています。

タスク管理の呪い。管理すること、されること

タスク管理はタスクを管理することで、一般的には自己管理の集合に位置づけられています。セルフマネジメントです。

ところで英語の「マネジメント」と日本語の「管理」には結構違いがあって、それがうまく受容されていないな感覚が私にはあります。「マネジメント」と呼ばれていても、その実体は「コントロール」が意味されていることが多いのです。そのギャップが弊害を起こします。

基本的に「管理」=コントロールは、物に対して行うものです。非人間的存在を対象に取る、と言い換えてもいいでしょう。“資材”とか”記録”であればそれでも問題はありませんが、対象が人間になってくると途端に問題が生じはじめます。

ここでややこしいのが「タスク管理」という名前です。それをそのまま受け取れば「タスク」を対象にしているように思えます。タスクは“情報”であって“人間”ではありません。だから特に問題ないように感じるのですが、その実体は結局そのタスクを実行する「人間」を管理することになるのです。

■自分による自分の管理

さて、管理という行為の対象が「人」であることが問題だ、という話はイメージしやすいかと思います。横暴な上司を思い浮かべれば一発ですし、より過激に印象づけたければ歴代の独裁者を持ち出せばよいでしょう。

一方で、タスク管理→自己管理は「自分が自分を管理すること」であって、特に問題ないように思えます。少なくとも独裁者が好き勝手にやるのとはあまりにも距離があるように感じられます。

しかしながら、“タスク管理”において生じるしんどさはやっぱりそうした「管理」にあるのです。むしろきちんと「管理」しようとすればするほど、そこで生じるしんどさは増大していきます。

考えてみてください。ある人が「これからは、ちゃんとやろう」と自己管理を志したとします。その人は「管理したい」という気持ちに動かされて自己管理を始めるわけです。そりゃそうですよね。

そこで予定を決めて、プロジェクトを整理し、タスクを列挙します。完璧なリストの完成です。非常にうまく「管理」できている気分がします。

では、その後どうなるでしょうか。

その人はすでに決まっている予定の通りに行動し、すでに決まっているタスクを一つずつこなしていきます。まさにそうするために管理を始めたのですし、それができてはじめて「管理」していると言えるからです。

でもきっと苦しい思いをするでしょう。なぜならば、行動しているそのときの自分は「管理されている」からです。自分の思い通りにやることはできず、すでに決められたリストをただなぞるだけの存在になっています。

もう一度思い出してみてください。その人は「管理しよう」と思って一連の行動をスタートさせたのでした。何もかもを自分の思い通りに進めるためにさまざまなリストを作ったわけです。これを管理欲求と呼ぶことにしましょう。対象を自分の意志の支配下に置こうとする欲求。それが管理欲求です。

一方で、そうしたリストの作成を終えて実行の段階に移ったその人は、すでに決まっていることをやるしかない状況に追い込まれています。その決定を下したのが「自分」であることはここでは問題になりません。選択の自由を奪われている時点でそれは「管理されている」ことになります。その状態は管理欲求に激しく衝突するものでしょう。

これが苦しくないとしたらまったくの嘘です。

この記事の著者・倉下忠憲さんのメルマガ