中国当局に「スパイ容疑」で逮捕されそうになった男の6年越しの告白

中国で日本人がスパイとして拘束されるという事件はたびたび耳にしますが、その難をギリギリのところで回避したというのは『異種会議:戦争からバグパイプ~ギャルまで』の著者・加藤健二郎さん。事の経緯と中国当局の意外な対応をメルマガ内で明かしています。

中国スパイ事件リスク

中国で、日本政府(外務省や公安)の依頼を受けて活動していた日本人がスパイ容疑で逮捕されるケースは珍しくない。1996年には日本人スパイが逮捕され約7年間投獄させられた事件もあるし、日本大使館の防衛駐在官も何度か逮捕されている。2015年中には、10人前後かそれ以上が、日本公安関係者として中国当局に逮捕されている。2010年には、そんなスパイ容疑逮捕者の仲間入りをする可能性があったカトケンの上海でのことをちょっと書いてみる。

上海万博でのバグパイプ演奏依頼は、2010年8月下旬から日程等の打ち合わせが本格化し、9月の第1~3週を指定されてきた。開幕前のプレイベントに関しては、本メルマガ2015年12月29日発行号に記している。そして、本番演奏指定の日が近づいてきたのだが、上海政府側からの情報は、上海への到着指定日と上海を離れる帰国日のみで、その間の演奏スケジュールや滞在先、演奏のない時間帯の過ごし方や居場所、自由行動の有無などについては、一切、説明がなかった(2010年1月のプレゼン時は自由行動ゼロだった)。

8月末になっても期間中の動き方がまったく知らされないので、カトケンの方からキャンセルの意志を示した。間に入った日本企業通訳さんは「中国というのは、こういう国なんですよ。現地へ到着すれば、あとは全てを任せておけばうまくいきますから」と言うが、あまりにも中身が曖昧未満=からっぽ、なので、そこの詳細説明がこないかぎりキャンセルすることに心は傾いていた。

すると、宿泊場所は上海政府の官僚宿舎を手配した、との報告。中国の官僚宿舎に泊まれるというのは、珍体験好きのカトケンとしては、かなり魅力は高い。あと、滞在する約2週間の中での演奏スケジュールが来れば「やはり、キャンセルせずに行こうかな」という気持ちになってきた。しかし、スケジュールはいっこうに来ないので、通訳にはキャンセルの意志を伝えたままとした。

相続のプロが教える、円満な「遺産分割」に不可欠なこと

人生には、いつか必ず「終わり」が来ます。しかし、家族へ残した財産によって不毛な争いをまねくことほど不幸なことはありません。メルマガ『こころをつなぐ、相続のハナシ』の著者で行政書士の山田和美さんは、そんな事態を避けるためには「想いの共有」が不可欠と説明します。

家族の集まる機会に、相続について考えませんか?

2015年もずっと、ざまざまな場面で相続についてお伝えする機会を頂きました。このメールマガジン、自社開催のセミナー、呼んでいただいたセミナーなど。

それ以外にも、書籍の監修協力をさせて頂いたり(「身内が亡くなった後の「手続き」と「お金」がよくわかる本」=監修協力)、週刊誌のFLASHさん(12月15日号)に相続とマイナンバーの専門家としてインタビュー記事を掲載して頂いたり。

そんな中で様々なテーマ、切り口でお伝えしていますが、円満な相続問題をのこさない相続のために大切なのは、「想いの共有」。これを一貫してお伝えしています。

人が1人ひとり違うように。家族の在り方もそれぞれであるように。想いには様々な形があり、その伝え方もさまざまです。しかし、形はどうあれ、何らかの形で想いを伝える事、想いをのこすこと。これは、円満な相続のために不可欠です。これは正直に言うと、別に法律上の書式に限ったことではないです。

たとえば、何ら遺言書等がなくてももめない相続もたくさんあります。それはきっと、お元気なうちに、言葉で、または言葉以外の方法で愛情・想いを伝えてきたから

想いがないところに、その多い少ないに関わらず財産があれば、「より多くもらいたい」「よりいいものがほしい」と思うのは、ある意味で当然です。よほど心に余裕のある人でない限り、例えば目の前に100万円を差し出されて、「隣にいる知らない人と分けなさい」と言われたら、少なくとも「では50万円ずつ」、人によっては、何らかの理由をつけて相手よりたくさん、場合によっては全額を要求するかもしれません。

「何らかの理由」にはいくらでも言いようはあって、

「自分は事業をしていて金がいるから」

「子供の養育費でお金がかかる時期だから」

といった自分が苦しいから、という理由。

「あなたはお金に困っていなさそうだから」

「あなたはズルをした」

といった、相手に原因をもとめる理由など、さまざまです。

ほら、こうなってくると、どこかで聞いた事があるような話じゃないですか。

Amazonの「お坊さん便」は、日本人の「寺離れ」を食い止めるのか?

ネット通販大手のアマゾンジャパンで、法事・法要にお坊さんを手配する商品が、12月8日から販売されている。定額のリーズナブルな価格と、チケット(手配書)をネット通販するという斬新なスタイルが特徴で、既に相当数の利用者がいるようだ。しかし、仏教会からは反発の声も上がっている。“業界団体”の「全日本仏教会」は24日、「宗教行為をサービスとして商品にしている」と批判する談話を発表。年明けに商品の取り扱い中止をアマゾンに申し入れる方針だ。

海外メディアもこのニュースを報じている。特に、最近、日本人の「お寺離れ」「仏教離れ」を取り上げている英国メディアの反応が目立つ。テレグラフ紙とBBCは、関連して東京で開かれた初の葬儀関連の大規模見本市、『エンディング産業展』の様子も報じている。

基本価格3万5000円ポッキリ

「お坊さん便」は、基本価格3万5000円で法事・法要に僧侶を呼ぶことができるサービス。アマゾンでクレジットカードなどで決済し、お坊さんを呼ぶ希望日時、場所、宗派を運営会社に伝えると、登録している近隣の僧侶が手配され、チケットが発行される。その後、僧侶本人から連絡があり、細かな打ち合わせをした後、当日の法事・法要に来場するという流れだ。

運営会社は、2009年からウェブ上で仏式葬儀のアドバイス業を始めた「みんれび」(本社・東京)。現在は、格安・追加費用無しを謳う『シンプルなお葬式』を主力商品としている。「お坊さん便」は、自社サイトでは2年前から行っており、今回のアマゾンでの販売開始によって一気に知名度が上がった。27日付のテレグラフ紙は、「アマゾンのサイトで38人のカスタマーが5つ星のうち3つ星の評価をつけている」と、利用者にある程度受け入れられている状況を伝えている。

基本価格3万5000円は「移動なし、戒名なし」の読経・法話のみの依頼。ほかに、「移動あり+戒名授与(6万5000円)」「移動あり、戒名なし(4万5000円)」「移動なし+戒名授与(5万5000円)のオプションがあるが、「お車代」「お膳代」「心づけ」など一般的な法事や法要にかかる追加料金は一切かからない。ただし、アマゾンを通した場合、当日や翌日の葬儀には対応できない。ある程度日程に余裕がある要望に絞ったため、定額・低価格を実現できたという。また、トラブルを避けるため、「菩提寺とのお付き合いがある方はご利用になれません」と商品説明に明記されている。

仏教団体は「宗教行為を商品化した例はない」と批判

一方、一般的な法事や法要では、菩提寺から僧侶を呼び、現金で「お布施」を渡すのが一般的だ。金額は心づけしだいで、建前上は0円でも10万円でも100万円でも良いが、実際には、地域や内容によって、暗黙の了解のうえに成り立った相場がある。「お布施」のほかに、「お膳代」や「お車代」を別に渡す人も多い。

はっきりとした定価を打ち出した「お坊さん便」は、こうした旧来の習慣に真正面から挑戦するもので、「タブーに触れた」という見方もできる。主要宗派でつくる「全日本仏教会」は24日、斎藤明聖理事長名で「宗教行為をサービスとして商品にし、宗教に対する姿勢に疑問と失望を禁じ得ない」と、「お坊さん便」を批判する談話を発表。年明けにアマゾンに文書で正式に商品の掲載の中止を求める方針を示した。英インデペンデント紙は、「イスラム教圏であれキリスト教圏であれ、宗教行為を商品化している例はない。申し入れをアマゾンとの対話のきっかけにしたい」という斎藤理事長のコメントを紹介している。「全日本仏教会」は、あらゆる宗教行為は商売ではなく、人々の感謝の気持ち=お布施の上に成り立っているという従来からの立場を守りぬく方針だ。

ちなみに、お布施は寄付とみなされ、消費税の支払いが免除される。僧侶個人が得たお布施は所得税の課税対象になるが、宗教法人格の寺院に入った場合は法人税は非課税だ。「お坊さん便」では、株式会社である「みんれび」の取り分は課税対象だが、登録僧侶が自身の取り分を納税するかは、各々の判断に委ねているという。

仏教界の起死回生策との見方も

「お坊さん便」のようなサービスが登場した背景には、お寺との関わりを持たない世代が増えている状況がある。「みんれび」は、「お坊さん便」は、そうした「依頼の仕方が分からない」「お布施の相場が分からない・高くて払えない」「檀家になりたくない」といった層にオススメだとしている。ベネズエラの『ラテン・アメリカン・ヘラルド・トリビューン』紙も、「さまざまなライフスタイルを持つ人や、伝統的な法事を行いたいが、特定の寺院との関わりがない人のニーズ」に応えるのが、「お坊さん便」の狙いだとしている。

日本の寺院は、後継者不足、檀家の減少、少子高齢化による地域コミュニティの崩壊により、衰退の一途を辿っていると言われる。今後25年以内に全国の寺院の約4割が閉鎖されるという予測もあり、既に2万以上の寺院が住職のいない「空き寺」になっているという。英ガーディアン紙など複数の海外メディアが、最近この状況を詳報しているが、『坊主バー』の運営や文化事業への進出など、若い僧侶を中心とした起死回生策も紹介されている。

テレグラフ紙とBBCは、12月8―10日に開かれた『エンディング産業展』にも注目。葬祭業者など約200社が参加した葬儀や埋葬に関する見本市で、東京ビッグサイトに2万2000人以上の来場者を集めた。BBCは、このイベントで行われたアカデミー賞受賞映画『おくりびと』で広く知られるようになった納棺師のコンテストに注目。会場の一角で行われた僧侶による空手の瓦割りのパフォーマンスを「人々を伝統的な葬儀に呼び戻すための策」だと紹介した。テレグラフ紙も、イベント全体を「新しく墓を建てたり、維持するコストを払えない若い世代」に、新たなオプションを提供する場だと同見本市を紹介している。大局的には、アマゾンの「お坊さん便」も、こうした起死回生策の一つと見るのが妥当だと言えそうだ。

(内村浩介)

 

【関連記事】

深刻なスランプ…マクラーレン・ホンダが奇跡を起こせない理由

2013年、長いブランクを経てF1に復帰したマクラーレン・ホンダですが、成績は一向に振るわずもがき続けているのが現状。無料メルマガ『F1ハイパーニュース』では、「F1 ニュース&コラム Passion」でもおなじみの仙太郎さんが、ホンダ復活の可能性を探っています。

2016年 ホンダは復活するのか?

日本のF1ファンの2016年の初夢はホンダの復活ではなかっただろうか。はたして彼らは今年復活することができるのであろうか。

ホンダは2016年もサイズゼロのコンセプトを変更しないと述べている。サイズゼロとは現在のパワーユニット(以下PUと略)の大きさを極限まで小さくして車体の空力性能を上げる考えのことである。

これは2013年以前にレッドブルがF1を席巻していた時代のコンセプトでもある。彼らはエンジンの冷却系やKERSユニットを極限まで小さくし、また信頼性を考えれば置かないような場所に設置し、車体側のアドバンテージを引き出していた。

だからマクラーレン・ホンダがそのコンセプトを継承すること自体は理解できる。

ホンダは2015年シーズンを通じて、彼らのPUがどの程度ライバルに比べて劣っているか、かなり正確な数字を把握していると考えられる。そうすると彼らが追加しなければならないパワーの数字もわかる。

今のサイズのまま、そのパワーを生み出せるかどうかも比較的簡単に計算できる。もちろんそれを実現できるかどうかという問題はあるが。

ホンダがサイズゼロのコンセプトを継続するということは、彼らなりにその目算があっていっているのは間違いないだろう。

だが例えホンダのPUがライバルに比べて同等のパワーを出せても、それでレースに勝てるわけではない。当然、車体側の競争力も不可欠である。

だがマクラーレンは2015年はともかく、2013年、2014年も優勝できていない。この2年は最強のメルセデスエンジンを使用していたにも関わらずだ。

今年も最終戦の終盤にアロンソが新品のタイヤを履いて燃費を考えないモードでアタックしたが、3番手のファステストラップしか出せなかった。レース終盤なので上位のメルセデスなどは流していたにも関わらず3番手タイムだったことは、彼らの問題の深刻さを表している。

こう考えるとマクラーレン・ホンダはホンダのPU問題ばかりに注目が集まるが、問題はそれだけではないことがよくわかる。

近年のマクラーレンは人材の流出が多い。もちろんそれに代わる人材のリクルートもされてはいるが、全体的に見ると技術力が落ちているように思える。

あと1ヶ月もすれば新車のテストが始まる。そこで見せるマクラーレン・ホンダのニューマシンが注目される。

image by: MrSegui / Shutterstock.com

 

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元「旅行読売」編集長が教える、お気楽ビジネス温泉ひとり旅のススメ

誰にも気兼ねなく旅行がしたい…そう考える人たちが増え、今や一人旅はスタンダード化しつつありますが、一人ゆえにいい宿や観光地を見つけることは至難の技です。美味しい食事、いい温泉、一人旅でも安心できる観光地が知りたい…そんな贅沢な悩みについて、元旅行雑誌編集長のメルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』がコッソリお答えちゃいます。

お気楽ビジネス温泉ひとり旅

このコーナーでは、僕が昔から温めていた温泉特集の企画「ビジネス温泉の魅力や、おすすめ宿をご紹介していきたい。

旅行雑誌業界では、数年前からひとり旅が安定した人気を集めている。

定年退職して時間がある方、相方に先立たれて一人気ままに旅を楽しんでいる方(これはほとんどが女性のようである)、人付き合いに疲れた方(これもひとり旅に出かけるのは女性が多い)などが、諸情報を求めているのだろう。

おおむね、日本の温泉旅館というのは1泊2食付きで2人1室から受け付け、というところが多く、1人1室利用だとかなり料金が割高になることが多い。

で、低料金の宿を選ぶと、ありきたりの悲しい夕食メニューをもそもそ食べることになりがちだ。宿泊料金が安いのだから、うまいものは出ないですわ。

そこで提案したいのは、昨今、ようやく増えてきた温泉宿のビジネスプランや、温泉付きビジネスホテルを利用するひとり旅である。

宿のビジネスプランは素泊まり朝食付きで、レイトチェックインOKなどというものが多い。温泉付きビジネスホテルは、そもそも素泊まりまたは朝食付き基本である。

こうした宿に泊まって温泉を満喫し、夕食温泉街や繁華街の料理店で、地元ならではの郷土料理に舌鼓を打つ、というのがイチオシなのである。

1泊2食付き1万円ちょっとの宿の夕食で、感動するほどおいしい料理を味わえるということは滅多にない。宿はもてなしやお風呂など、トータルな魅力で勝負しているわけだから、仕方がないところだろう。

しかし、街に繰り出せば、おいしい料理だけで勝負している店がいくらでもある。旅先でしか味わえない味覚だって、1品料理で味わえるから、女性や小食の人だって安心だ。酒だって宿で飲むよりずっと安い

うまく行けば、地元の人とのふれあいだって楽しめることがある。酔っぱらいオヤジの、わけのわかんねぇ方言を聞くのは実に楽しい。

旅先でのアバンチュールだって、ないわけではない、し…

ひとり旅の気軽さ気楽さは、旅好きにとっては大きな魅力である。だが、先述のような「ひとりで安心して味わえる店」を見つけるのがなかなか難しいものである。

そこで、この連載では、ビジネス温泉の宿近くのおすすめの店情報も一緒に紹介したい。女性がひとりで出かけても安心の店情報だ。

ただしそこでナンパされたら、それはあなたが魅力的なだけなので、そこまでは僕も責任が取れない、ということはあらかじめお断りしておく。

「スター・ウォーズ」食わず嫌いの映画監督が見た、最新作の評価は?

2015年末の最大にして最後の話題作と言えばもちろん、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でした。「SRサイタマノラッパー」シリーズでお馴染みの映画監督・入江悠さんは、これまでスター・ウォーズについてあまり触れてこなかったそうですが、そんな入江さんだからこそ見えたというスター・ウォーズの魅力を、自身のメルマガ『入江悠presents「僕らのモテるための映画聖典」』で伝えてくれています。

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に見る「おおらかで明るい未来」

年末に超話題のあの映画がやってきた!

世界で最も有名なシリーズと言っても問題ないでしょう、そうです、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』! 今回はJ・J・エイブラムスが抜擢されて監督をつとめています。

最初に白状しちゃおうと思いますが、僕はあまり『スター・ウォーズシリーズに思い入れがありません。むしろ子供の頃から積極的に避けてきた、と言っていいと思います(ファンの方、すみません)。

それは、僕が昔からへそ曲がりで偏屈だったのに少し理由があります。

みんなが「スター・ウォーズ!スター・ウォーズ!」と騒いでいたので、(一番騒いでいたのは、世代的には僕よりもちょっと上になりますが)、勝手に反骨心を燃やし、「そんなに言うなら、逆に観るもんか!」とずっと避けていたのです。(めんどくさい子供だなあ、という自覚はその当時からありました)。

その後、断片的には観ていましたが、体系的にちゃんとシリーズを観てきませんでした

そんなわけで、今回久しぶりの新作である第7作目『フォースの覚醒』も、直前まですぐに観るべきか迷ったのですが、さすがにもういい大人だし、ちょっとはカジってみたいし、いまさら反骨でもないだろうと思って観に行ってきました。

旅先の広島夢売劇場 サロンシネマ」で(めちゃユニークな劇場です!)。

そしたら、今までほとんど思い入れがなかったせいか、今回とてもクリアにあることに気づいたのです。『スター・ウォーズ』の持つ唯一無二にして巨大な魅力と、まさにそれこそが子供の頃、自分が反発していたものだった、ということに。

おそらく、その魅力については、初期『スター・ウォーズ』にハマった方々はみんな気づいていたはずで、なにをいまさら、と言われるかもしれません。それは、こういうことになります。

この宇宙世界の未来はなんとなくおおらかで明るい

子供の頃の僕は、ダークで過酷な近未来を描いたSFが好きでした。

さまざまな書籍や寄稿文などでもよく書いているのですが、僕はけっこう根暗で病弱な子供だったためか、ひねくれていました。かなりの年齢になるまで、「世界よ滅んでしまえ」と思っていました。荒廃してすべてが一度ガラガラポンとリセットされればいい、なんていう恐ろしいことも、無責任に夢想していたのです。

同時に、そういう殺伐とした未来では自分は生きていけないだろう、という予感めいたものもあり、その怖さもあって暗いSFを観ていたのです。ジョン・カーペンターの映画、『ターミネーター』シリーズ、ポール・バーホーベンの映画、『エイリアン』シリーズ、などなど。

それらは未来におけるある種のディストピアを描いており、端的に言って「人類と地球の未来は暗い」という前提に立っていました。

その認識は、僕は今でもまったく間違っていないと思います。

36歳という大人と呼べる年齢になって、国際社会政治状況を見回してみても未来が明るいとは決して思えない。あの頃、僕が愛して、今も愛しているSF映画たちは、とても明晰に将来を予見していたと思います。

まずは白黒はっきりさせてから。今日から実践したい悩みのシンプル化

誰にでも悩みの1つや2つはあるものですが、人によっては悩みに対しての捉え方に違いがあると、戦略コンサルタントの中久保浩平さんは自身のメルマガ『ビジネス真実践』の中で指摘しています。記事では、具体的なエピソードをあげながら、悩みをシンプル化することで決断力や行動力を高められると解説。その具体的な方法とは……?

悩みをシンプルにする

誰でも仕事やプライベート、また、大小に関わらず悩みの1つや2つあると思います。

私ごとで恐縮ですが、これまでたくさんのビジネスパーソンの悩みをお聞きしてきました。

そして、その中から1つ発見したことがあります。それは「悩む」ということに対して前向きに悩む人と後ろ向きに悩む人があるということです。

例えば、ある会社で新しい商品を開発することになったとします。

そこで、その商品が市場に受け入れられるかどうか?をリサーチすることになりました。

そのリサーチ結果を基に商品開発部長のAさん営業部長のBさん、この2人が判断し、はじめて商品化へ進むというわけです。

商品化か否かは2人の部長の決断にかかっています。

まさに、2人の部長は決断に悩んでいました。

開発部長のAさんは、リサーチ結果を見ながら思ったより、市場の反応は良くないなぁ~。何がいけなかったんだろう?

一方で、営業部長のBさんは、「困ったなぁ~。この結果じゃ売れないかもな。やっぱり商品化は難しそうだな

同じ課題に対して決断しないといけないという悩みなのですが、捉え方が全く違います

開発部長Aさんの「なにがいけなかったのか?」という捉え方は、 反省・改善の意図が見え、とても前向きな悩みと思えるかもしれませんが、決断しなくてはならない、ということを考えると決して前向きとはいえません。

むしろ後ろ向きなのです。

どういうことかというと・・・芳しくないリサーチ結果を見ても、商品化への執着が捨てきれず、まだなんとかなる、と思ってしまい大事な決断どころか、さらに悩みを増幅させ、益々決断が下せなくなってしまっています。

一方、営業部長のBさんは、リサーチ結果を見て、「これじゃ売れないかも」「商品化は難しい」というような後ろ向きな発言をしているように見えますが、実は、「商品化するかどうか」という決断に対して真っ直ぐに悩んでいます。

即ち、決断を下さないといけない」=「商品化するか否か」という状況判断をきちんと把握しているのです。

このように、大事な決断を下さないといけない状況下では、Bさんのように「するかしないか」といったシンプルな考え方のほうがよほど前向きなのです。一見すると逆の感じがするかも知れませんが、何かを決断する時の悩みというのは、シンプルに考えるのが一番です。

ウジウジとあれやこれやと考え込んでしまうと決断はおろか、悩みの種が増え、疲れるだけです。

そういえば・・・以前、こんなこともありました。

その社長は、決断力が鈍いというか、悩むのが好きなタイプの人でした。

自社の新商品を口コミで拡げていくためには、●●業界にも呼びかけて、協力してもらいましょう」という作戦を練っていて、あれこれ打ち合わせを繰り返しようやく実践、という段階にきました。

ところが・・・肝心の社長さん●●の業界には顔が利きませんので、気がひけると言い出したのです。

「社長、別に●●業界にはリスクはないし、そうしたアプローチもバッチリ考えたじゃないですか。それに、●●業界にとっても喜んで貰える、って社長言ってましたよね。やるだけやってみましょう」と励ましたところで、「う~ん。どうしたものか・・・」と悩むばかり。

お解り頂けると思いますが、作戦が練りあがる前、打ち合わせの段階で、この悩みは解決していたのです。

というより、社長は、悩まなくて良かったのです

悩み事、っていうのは十人十色ですし、誰もが何らかの悩みを抱えて生きています。

でも大事な決断を下さなきゃいけない、という時は特にですが……どれだけ時間をかけ、悩んでも最後には「YES」か「NO」の答えしかありません。

悩むこと全てが無駄とは言えませんが、時間を掛けすぎて、かえって悩みを増やす、悩まなくていい悩みまで抱え込んでしまうということになりかねません。

ですので、どんなに大きな悩みを抱えても、「いったい、どうすればいいだろうか?」なんていうことから入らずに、YES」か「NO」か「やるか」か「やらないか」といったような2つに1つという選択肢に絞りきってから悩む方が前向きです。

そして、悩みはシンプルにすればするほど、決断力や行動力といったものを高めてくれます。

ですから、どのような事に対しても常に白か黒か」「YESNO」「やるかやらないかの決断を下す為の基準を設けておくことです。

そうすれば、何かと悩みが出てきた時に、早く解決できるようになってきます。

大事な決断をしなくてはいけない場面が多い経営者やプロジェクト責任者などは特にそうした基準を設けておくことが必要です。

 

今日のまとめ

『悩みはシンプル化することで決断力を高める』

・悩みを抱えた時、それを解決させる為の近道へなるような基準を考え、書き出す。

・その基準を社内で統一化できるよにするにはどんな工夫ができるか?どのように社内に伝えていくか?その工夫を考え、書き出す。

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「道徳」の時間を嫌う子どもたち。最近の教育は何を教えているのか?

透明人間になれたら「人を殺したい」「強盗をしたい」と平然と答える子どもたち…。この事実を「戦後教育の被害者」という言葉で片付けてしまって果たして良いのでしょうか? 無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』では、2018年以降に実現化される「道徳の教科化」に触れながら、子どもたちの人格形成について教育現場ができることを考えていると書いています。

道徳の教科化とこれからの課題

2014年10月23日の産経新聞の「産経抄」に驚くべきことが書かれていました。

このコラムに書かれていたのは、

「透明人間になったら何をしたいか」。小学校6年生にこんな質問をすると、7人の児童から驚くべき答えが返ってきた。「人を殺す」「強盗する」。2年前、岐阜県の公立小学校の卒業文集にそのまま掲載され、保護者に配布されて大騒ぎになったことがある。

というものです。コラムでは、このような児童たちは「人を殺してはいけない」ことを教えられてこなかったに違いないと述べ、「徳育の欠如した戦後教育の被害者」と指摘していました。

記憶に新しい佐世保市での高校同級生殺害事件でも、加害者の生徒は「体の中が見たかった」と述べております。学校では、毎日のようにいじめが繰り返されています。ここに共通するものは、常に大きな倫理観道徳心の欠如です。

2012年の年末に第2次安倍政権が誕生し早3年が経ちました。学校における教育課題は、いじめ、不登校、学力不足、意欲不足、規範意識の低下、教員の指導力不足など多岐に及んでいますが、中でも現政府はいじめ対策に積極的な姿勢を示し続けてきました。

2013年に「いじめ防止対策推進法」を制定し(同年6月28日公布)、現在は2018年度以降に「道徳の時間」を「特別の教科 道徳(仮称)」にし、教科化する準備を進めています。この道徳教育の改革も「いじめ問題への対応」が最大の動機でした。本当に道徳の教科化は、子供たちの「道徳心」を取り戻し、いじめ問題の解決につながっていくのでしょうか。

公立学校において「道徳の時間」は、教育の目標である「人格の完成」を目指す中核を担っています。しかし、文部科学省が2005年に実施した「義務教育に関する意識調査」によると、道徳の時間に対する子供の受け止めは教科全体の中で下位に位置し、6年生では最も好きになれない学習」になっています。道徳の授業の重要性は誰しもが理解しているものの、実際の授業の内容には問題があるということでしょう。

「実行完了の直後」が肝。新しいアイデアがあふれる瞬間を逃すな

たくさんのアイデアがあふれてくるという瞬間は「実行完了の直後」ー。そう説くのは、無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者・弘中勝さん。小さなことでもいいから何かをやり遂げることで、新しい発想が得られると説明しています。

 アイデアは完了後

アイデアがどんどんあふれてくる」という瞬間が、誰にでもあります。

その瞬間とはいつかというと、実行完了の直後」です。

例えば、絵画や彫刻のようなある作品を創る、発表会や研修のようなイベントをやる、そんな行動を「やり終わった」直後のことですね。

なぜかというと、その時の事実や感情を新鮮に持ち、さらに「こうすればよかったという反省点がその新鮮な事実や感情と照らし合わせられるからです。

もちろん実行途中で、細部のことに「あっ、今のはこうしたほうがよかったかも」という小さな反省もあるかもしれませんが、実行し終えたり完成し終えたりした後を見ると、「全体的にはそれでよかった」と分かったりします。

やり終えた後は、「もっとこうしたほうがよかったなー。じゃあ次は、こういう風にやってみたいなー」というアイデアがどんどん出てくるのです。

完全に失敗してもうやりたくないという場合も、「こんなのはやめて、違うものをやりたい」という別方面への発想や意欲が湧いてくるからいいことなのです。

小説家の方に話を聞いても、小説のアイデアが一番浮かんでくるのは、前の作品が書き終わった時だと言います。「この作品はこういう方面のことを書いたので、次はこっちの方面のことを書きたいな」という発想がどんどん出てくると言うのです。

「発想がどんどん出てくる」ということを実感したことがない人は大抵、何も行動を起こしていない人です。

何もやり終えることなく頭だけで考えるので、なかなかアイデアが出てこないんですね。

だから、テスト的な小さい作品や企画でもいいから最後までやってみることが大事なのです。

第1章ができれば、第2章はこうしたほうがいい、というアイデアがじゃんじゃん出てきます。

そして、気をつけて欲しいことは、このアイデアがどんどんあふれてくる実行完了の直後という瞬間を、大切にする、無駄にしない、ということです。

何かイベントのようなものを終えた場合に、打ち上げ」をやってしまいます。

もちろん、関係者の方々の慰労は大切なので、「打ち上げ」の場を用意するのは重要なことです。

しかし、そこで「これで終わり。ぜーーんぶ忘れましょう!」というムードに流されて、自分もぜーーんぶ忘れてしまったら、全てがパーです。

発想がじゃんじゃん出てくる大事な瞬間をもどこかに打ち上げてしまうことになります。

なので、「打ち上げ」の場であっても、次に一緒に何かまた新しいものを創り上げたい仲間と集まって発想を交換するのがいいでしょう。

「打ち上げ」の場の中心に自分が必要な時には、「打ち上げ」が終了した後すぐに、みんなが「打ち上げ」のための二次会に行くのとは別に、次を創る仲間だけで「次を創る」ための二次会に行って、次を創るために話し合えばいいのです。

「次に何をやるか」は、改めて一週間後に会議の場を設けるよりも、そのように終了直後に話すほうが一番効果的なのです。

ちなみに私はこのような、何かをやり遂げた直後に発想が湧き出てくる瞬間を「賢者タイム」と呼ぼうとしたのですが周囲から「その呼び名だけはやめろ」と止められました……

まあとにかく、何かをやり遂げた後すぐに、そういう発想が湧き出る瞬間があるのです。

発想がどんどんあふれてくる環境を作るために、小さなことでもいいから、まずは何かをやり遂げてみましょう

そして、そのやり遂げた直後に出てくる発想を大事にしましょう。

そんな、完了後の発想を大事にする仕組み自分の中につくっておくといいでしょう。

 

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)

・何かを完了した後に出てくる発想や反省点を書き留める「完了後メモ」という習慣をつけるとする。何を終了した後に書くものか、自分で決める。

・その行動の終了後、何分後までにそのメモを書くのか、必ず何を書くのか、そのルールを決めてノートに書く。

・今日から実際にやってみる。

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戦略を見誤ったMicrosoft。参戦見送りなら致命的な悪影響を及ぼす

2015年も色々な技術やツールが世間を賑わせました。そんな1年を振り返りつつ、それらの技術が各企業に、そして未来にどのような影響を与えるのかを、世界的エンジニアでメルマガ『週刊 Life is beautiful』の著者・中島聡さんがプロの目線で語ってくれています。

2015年の総括

2015年を振り返りながら、来年の予想を書いてみようと思います。

Appleからは、iPhone 6s6s Plusに加えてApple Watch新型Apple TVが発売されました。Apple Watchはまだまだニッチな商品で、人々のライフスタイルを変えるほどの大きなインパクトを与えることは出来ていません。ウェアラブル・デバイスという市場そのものがまだ未熟で、人々にもたらす価値よりも、テクノロジーの方が先行している、というのが現状です。AppleがApple Watchに関しては販売数を発表しないのも、その数字がAppleにとって「新しいビジネスの柱の1本」になるほどのものではないからです。

Apple TVにtvOSを搭載してプログラミング可能にしたことは、開発者にとっては大きな意味を持つものでしたが、今の段階ではXboxやPlaystationなどの「据え置き型ゲーム端末」のビジネスを脅かす存在にはなっていません。新型Apple TVの登場によってもっとも大きな影響を受けるのは任天堂であることは明らかで、私が任天堂の経営者であれば、そろそろハードウェアビジネスからは撤退して、コンテンツビジネスにフォーカスすると思います。つまり、スーパーマリオやゼルダの伝説をiPhoneやApple TV向けに提供すべきタイミングだという話です。

2015年に発売されたハードウェアの中で、私が最も高く評価しているのはMicrosoftSurface Bookです。技術的にどうこうというよりも、「タブレットにもなる高性能ノートブック」という商品のポジショニングが絶妙で、これがiPad Proでエンタープライズ市場に進出しようとしているAppleの出鼻をくじく形になっており、中長期的に見れば、「Surface BookがMicrosoftを救った」形になると私は見ています。すでに、2015年の第4四半期でMicrosoftのタブレットがiPadよりも売れた、という数字が出ていますが、それが2016年はもっと顕著になると私は見ています。

Surface Bookの登場により、AppleのiPad Proの立ち位置は微妙になりました。Apple Pencilの導入により、アーティストや漫画家などのビジネスツールとしてのデファクト・スタンダードを取りに来たのだと思いますが、その市場のユーザーの多くは未だにパソコンを使った作業が中心なため、見かけ上リスクの少ないSurface/Surface Bookを採用する人が多く出る可能性が高いと思います。

ここはアプリケーション次第の部分もあるので、Adobeなどのサードパーティがどちらに力を入れてくるかも大きな影響を与えると思います。