進むSNS離れ。いま欧米で「メルマガ」回帰の流れが来ている理由

FacebookやtwitterなどSNSの登場により、一時期の勢いを失ってしまったと言われることもある「メルマガ」というメディア。しかし今、欧米ではメルマガが再び注目されている、というのは世界的エンジニアの中島聡さん。中島さんはメルマガ『週刊 Life is beautiful』の中で、自身が気になったという記事を紹介する形で、欧米の「脱SNS・メルマガ回帰」の理由を記しています。

※ 本記事は有料メルマガ『週刊 Life is beautiful』2018年7月17日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール中島聡なかじまさとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

私の目に止まった記事 Part1

メルマガ回帰の始まり? 注目の欧米メルマガサービス9選 ── キーワードは「質の高いコミュニティ」

「メルマガ」という「枯れたメディア」が、欧米でも再び注目されている、という記事です。

その理由は、次の文章に集約されています。

主要な情報源となっていたFacebookの信頼性が失われ、手軽にニュースを知る手段を探すミレニアルズは、個人から情報を得るようになった。「Revue」の記事によれば、66%の読者がパブリッシャーではなく、ジャーナリストから直接情報を得ることを好むという。

つまり、マスメディアやソーシャルメディアから、パーソナルメディアへのシフトであり、その理由が「信頼性」にあるという話です。

さらに、

SNSのように一方的に多量の情報が流れてきて「受動的に情報を受け取る」場合と、メルマガのように「能動的に受け取る」場合とでは、断然後者のほうが自社コンテンツを消費してもらいやすい導線になっている。

 

メルマガのアプローチは真逆だ。マスをあえて狙わないグロース戦略を採用。多種多様なコンテンツを発信するのではなく、ターゲット読者が欲する分野にコンテンツを絞っている。

 

読者は、自分の欲しい情報のみをキュレートされた形で受け取れるため、高いリピート購読率とエンゲージメントが期待できる。「興味」や「信念」に基づいて集まった読者が持つ、メディアに対する帰属意識は強い。

という部分は、情報過多である上に信頼性が低いSNSに疲れてしまった人が多いことを示しています。

ちなみに、この記事を読む限り、欧米で盛んなのは、私のメルマガとは少し違って、複数のライターが書いたものを編集者がキュレーションして配信するもののようです。

私も、他の筆者をこのメルマガに引き入れようと考えたこともあるのですが、毎週、確実に文章を書いてくれる人を見つけるのは簡単ではないので、やはり私一人が書くのが良いと現時点では考えています。

リストラ技術者を大量採用し大成功。アイリスオーヤマ変貌の秘密

今や、どの家庭にも一つはある透明収納ケースやHGチェスト。これらを開発して大ヒットさせたのが、日本を代表する日用品メーカー「アイリスオーヤマ」です。そんな同社が最近になって力を入れているのが格安で便利な「家電」であることをご存じでしょうか。「テレビ東京『カンブリア宮殿』(mine)」は、放送内容を読むだけで分かるようにテキスト化して配信。倒産危機からの大逆転、そして日々新たな挑戦を続ける巨大企業、アイリスオーヤマの今と未来に迫ります。

格安&便利な新勢力~これが噂の「なるほど家電」

梅雨の悩みの種といえば、部屋干しで乾かない洗濯物。その悩みを解決するのが「サーキュレーター衣類乾燥除湿機」だ。空気を循環させる送風機に除湿機を合体させた新商品。除湿機で湿気を取り除いた空気を、強力な風で直接 洗濯物に吹き付ける。これで室内でも衣類を一気に乾かせる。1時間も干せばしっかり乾くという。

一方、干せない布団をフカフカにするのは「ふとん乾燥機カラリエ」。今まで、布団乾燥機といえば温風を入れるマットを広げるなど、準備が大変だった。ところがこの新型はマットをセットする必要がない。温風が出るノズルの先端にある羽根を開き、布団をかけるだけ。これで、テントのような空間ができ、布団全体に温風が広がる。

今までにないアイデアで梅雨時の悩みを解決したこの2つの家電を作っているのがアイリスオーヤマだ。アイリスオーヤマといえば、ホームセンターで扱う様々な収納ケースで知られてきた日用品メーカー。ところが今、新興の家電メーカーとしてヒットを連発、怒濤の成長を遂げていた。 

人気の秘密は店頭にも掲げられた「なるほど家電」という言葉にある。

例えばアイリス製「銘柄量り炊きIHジャー炊飯器」(2万1384円)は、米をセットする時に面倒な、水の計量がいらない商品。入れた米の重さを自動的に計測し、おいしく炊ける水の量を表示。水を注いでいくだけで、適量になるとブザーで知らせてくれるのだ。これなら、中途半端な量の米でも適量の水を入れられる

さらにこの炊飯器には本体の下にクッキングヒーターが。炊飯に使うヒーターを、別の用途に使えるようにと、分離してある。

一方、アタッシュケースの形をした「両面ホットプレート」(8618円)もアイリスの家電製品。ケースを開けば1台で同時に2種類の料理が調理できる。これなら味が混ざらずに、焼肉と魚介類を、同時に楽しむことができる。

アイリスの家電は「なるほど」と思わせる機能で客を掴んでいるのだ。

そんなアイリスオーヤマは2010年にカンブリア宮殿に登場している。だが、その後の8年間で大きな成長を遂げていた。当時2000億円だった年商は、現在4200億円。その大躍進を支えているのが「なるほど家電」なのだ。

01

宮城県角田市の本社を訪ねると、社長大山健太郎(72)が見せてくれたのは、掃除機にモップを搭載したという自慢の新商品。掃除機をかけている最中に手早くホコリもとることができる。しかも、そのホコリはセットした掃除機で吸い取ることができるという。「奥さんに聞いてください。間違いなく『欲しいわ』と言います。ヒットの予感がしております」と、笑顔を見せる。

TX180621_2200_PR006

どうすれば、年金を貰いながら60歳以降も働くことができるのか

60歳を過ぎても働き続ける人が増えている昨今、そこで気になるのが「働きながら年金はもらえるの?」ということではないでしょうか。そんな素朴な疑問に対して、無料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』の著者・hirokiさんが過去の事例を踏まえながら詳しく解説しています。

60歳以降も働きながら年金を貰うと年金が停止されるっていう流れの総復習

高齢者雇用や再雇用、定年制の廃止などが促進され、60代以降になっても働く人が珍しくなくなってきた現代ではあります。また、この年代の方になりますと年金の受給が開始され始める年代でもありますので、やはり「働き続けること」に関してだけではなく、「働く場合の年金はどうなるの?」というお悩みも増えるので相談としては非常に多い分野ではあります。

年金で言う在職というのは単に働いてるという意味ではなく、「厚生年金に加入している」という状態を在職と言います。何度も申し上げてきた事ではありますが。したがって、厚生年金に加入してないで働いているならば、どれだけ収入が増えようが働いてるという事をもって年金が停止されることはありません。

というわけで、今回はこの老齢の年金を貰いながら在職すると年金が停止される場合があるという事の基礎をあらためて見ていきましょう。

では事例。

1.昭和32年7月15日生まれの男性(今は61歳)

何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)

この男性の生年月日で、年金保険料納付済期間+免除期間+カラ期間≧10年を満たしていて、なおかつ厚生年金期間(共済組合期間含む)が1年以上あれば、老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始は63歳から。

厚生年金支給開始年齢(日本年金機構)

その63歳からの老齢厚生年金支給は年額120万円(月額10万円)とします。65歳からはそれと合わせて、国民年金から老齢基礎年金68万円(20歳から60歳までの480ヶ月の間に420ヶ月分で基礎年金を出してます)も支給されるものとします。

さて、この男性は60歳定年後も継続雇用で65歳まで働くつもり。60歳以降は40万円の給与から、30万円に下がった。また、年金が支給開始される63歳までは賞与が6月と12月にそれぞれ、50万円とします。63歳以降は賞与は出ないものとします。

では、63歳の誕生日到達月の翌月から老齢厚生年金の受給権が発生するわけですが、この男性は65歳まで継続して働きます。という事は厚生年金に加入しながら働いて老齢厚生年金を受給するので、年金が停止される場合が出てくる。なお、働きながら受給する年金を在職老齢年金といいます。

さて、63歳になって年金を受給するようになった時の在職老齢年金の停止額を算出してみましょう。

年金停止額を算出する場合は、年金月額(基本月額)10万円、給与(標準報酬月額)30万円、直近1年間に貰った賞与の総額(50万円+50万円=100万円)を12で割って月額に直した額(100万円÷12ヶ月=83,333円)を用います

ちなみに給与(標準報酬月額)と、直近1年間に貰った賞与の総額を12で割った額の合計額を「総報酬月額相当額」といいます。総報酬月額相当額はこの男性だと、30万円+83,333円=383,333円という事ですね。総報酬月額相当額というのはめちゃくちゃ大事な用語ですので絶対覚えていてください^^。

で、年金が発生するのは63歳誕生月である7月の翌月である8月分(平成32年8月→新元号2年8月)からですので、その月の年金分から停止がかかります

・63歳の8月からの年金停止額→{(総報酬月額相当額383,333円+年金月額(基本月額)10万円)-支給停止調整開始額28万円}÷2=101,667円

停止額101,667円に対して、年金月額10万円ですので…つまり、支給される年金は無いという事です^^;。

ここでちょっと疑問に思われた人もいるかもしれませんが、直近1年間に貰った賞与は実際に年金の受給権が発生する、63歳の誕生月よりも前に貰ってますよね? 「年金貰う前に貰った賞与なのに、それも含めて年金停止するとかふざけてんの?」と思われるかもしれませんが、含みます^^;。それが納得いかない人も割といらっしゃいます。

-------------
※ 参考

支給停止調整額28万円というのは平成16年改正で定められた額。その28万円に毎年度、物価や賃金の変動率を反映させる事により額が変動する事がある。平成30年度は28万円。まあ、年金月額と給与や賞与(月額に直したもの)の合計が28万円以内に収まれば年金は停止されないという事ですね。
-------------

独学はおススメしない。まずはプロから基本を徹底的に学べ!

5月にエベレスト登頂に挑みながら無念の死を遂げた登山家・栗城史多さん。その無謀とも言える挑戦には、以前から批判の声も多かったようですが、彼に欠けていた最も大事なものとはなんだったのでしょうか。無料メルマガ『音多秀茂の【富と成功の5つのタネ】』の著者・音多さんは、栗城さんの件を例に、ビジネスや日常におけるリスクマネジメント力を身につける上で最も重要なことは何かについて解説しています。

【ビジネス】守破離力 ~独学は後回しで~

今日はビジネスのタネからお届けします♪

今回のテーマは「守破離力」。このテーマはかなり前にお伝えしましたが、早2年が経過してしまいました。(第784号「守破離力~素人と三流こそプロをマネろ!~ 」)。

久々にこのシリーズを書こうと思ったきっかけは、5月にエベレスト登頂に挑みながらも無念の死を遂げた登山家・栗城史多さんがきっかけです。私は彼のファンというわけではありませんが、過去に著書の『一歩を越える勇気』から何度もやる気をもらっていましたので、このニュースを聞いた時にはさすがに衝撃を受けました。

ただ一方で、彼が多くの賞賛と批判を同時に浴びるように、その行為はいつもハイリスクであった為、こうなる事はある程度予想されていました。リスクの少ない地上ならまだしも、命を奪われかねない数千メートルの山頂における破天荒さは、一線を越えた自殺行為ですから…。

そこが彼が多くの人を惹き付けた魅力でもあったわけですが、やはり命を代償にしてしまったのは間違いだと思います。個人的には彼には「守破離力」の中で一番大事な「守」が欠けていたように思います。

彼と同じようにエベレスト登頂を目指す登山家において、その生死を分けるのがリスクマネジメント力です。例えばテレビの企画で、彼のように一般的な体力しかもたない芸能人がエベレストに挑戦する企画をよく見かけます。しかし彼らの周りにはプロのスペシャリストが何人もいてリスクマネジメントをしています。番組製作上、ぎりぎりの所までは無理をするけど、最後は大きな痛手を負わない判断をします。

登山はリスクの塊りですが、リスクを過剰に想定し過ぎると一番良いのは「山に登らない事」となってしまいますから登山が成り立ちません。ですから考え方としてはまずあらゆるリスクを想定した上で、チャレンジは残しつつ、隙間を縫うように登頂の可能性を探れるのがプロです。それがリスクマネジメント力であり、それを形成するのが守破離の三段階における「守」のプロセスです。

守破離における守の重要度は8割程を占めています。これは登山に限らず、我々のビジネスや投資、習い事全般においても同じ事。とにかく何かを極めたいと思ったら、まずは基礎の型となる「守」を徹底的に繰り返し、基本を身につける。それはリスクを最小限に減らし、勝負に負ける確率を減らす作業です。

ですから自分が携わる事全てにおいて(仕事も趣味も)私的には独学はおススメしません。何故なら必ず「守」を固めるのが疎かになるからです。まずはお金がかかっても、この「守」を徹底的に教えてくれるクラブやコーチを探し基本を徹底的に教えてもらう事がプロのスキルを得る最短ルートかと思います。

とこう書いていて私も子供の教育で一考しました。夏休みに市営プールで素人の私が泳ぎを教えようと思ったんですが、それじゃ駄目ですね(笑)。ちゃんとプール教室に行かせて基本をみっちり教えてもらう事に決めました。

独学って結構危険な誘惑で自己陶酔しやすいんです。私もこれが結構好きで困っています。

ですから独学好きの人はこう考えてみましょう。何かを身に付けるにはまず徹底的にプロの下で基本を学ぶ事です。そして独学はその次のステップに楽しみとしてセットしておけばいいんですね。

image by: shutterstock.com

なぜ、京セラ稲盛和夫氏は「不利な買収条件」でも応じたのか?

京セラの稲盛和夫氏が、ビジネスにおいて大切にしている「利他の心」。利他とは「他人に利益を与えること、自分のことよりも他人の幸福を願うこと」ですが、それで本当にビジネスがうまくいくのでしょうか。今回の無料メルマガ『戦略経営の「よもやま話」』では、京セラによるアメリカ企業の吸収合併の際のエピソードを紹介し、「利他」がビジネスにどのような影響を及ぼすかについて解説しています。

成果を得ることが目的

京セラの稲盛和夫さんは利他の心について「ビジネスの世界においても一番大切であると思っています」と言い、そしてそのようにすることによって「短期的には多少の犠牲を払っても長期的には必ず報われる」としています。その意味するところは「ほとんどの人の“心の深層”」が「利他」に同調して、「納得感」と「共感」を呼び起こすからなのでしょうか。

稲盛さんは、その事例としてアメリカのAVX社のM&A(吸収合併)が「好感」をもって受け入れられて、それがために「京セラフィロソフィーが抵抗少なく浸透されて興隆が成されたことをあげています。

少し長くなるですが紹介します。AVX社との関係は、積層コンデンサの将来性を確信して同社の前身であるエアロボックス社とライセンス契約を交わしたことに始まります。同社は分裂してAVX社に事業が受け継がれたのですが、その同社から「日本での独占販売権について契約破棄の申し出でがなされました。その時に稲盛さんは、公正さから判断し日本での独占販売権を放棄しました

後に、業績が悪くなったAVX社から買収の申し出がありました。買収方法を株式交換とし、その時のAVX社の株価は当初20ドルだったのですが5割増しで評価してほしいとのことで30ドルとしました。すると、それでも安すぎるから1割増しの32ドルにしてほしいとの要望があり、それも受け入れて一応両社の了解が成立することとなりました。

もうどうにでもなれ。そう思う人ほど「どん底」に落ちやすい理由

人は窮地に陥っている時、どうしても「もうどうにでもなれ」と思ってしまいがちです。しかし、その場面で最善手を出せる人こそ大きく飛躍できるとするのは、無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』著者の佐藤しょ~おんさん。佐藤さんは「窮地でこその最善手」とはどのようなものなのか、日大アメフト部の騒動を例に挙げて解説しています。

最悪の時こそ、投げやりにならない

最悪の状況では、どんな手を指しても形勢が一気に良くなるということはありません。以前に比べればちょっとだけマシになるかどうか、それすらも期待出来ないかも知れません。だからこういう状況では、

 ■ どうせダメなんだから

とテキトーな投げやりな手を指してしまいがちなんですが、こういう時にこそ最善手を指さなきゃならないんです。指したからといって良くなるわけじゃないのに、この局面で最も良い手を模索する必要があるんです。

そしてその時に、

 ● この場面でこれ以上に良い手は無いのだ

と思える自信があるかどうかが未来を作るのです。

ちょっと前に、日大のアメフト部で、故意に相手選手に反則タックルを仕掛けて退場になった選手がいましたよね。彼はあのビデオが報道されて、人生の窮地に陥ったわけです。あの局面では、何をしようが、彼が救われる一発逆転の手なんて無かったんですよ。そして彼にはあのシチュエーションから逃げるという手も指せたんです。学生なんだし、命令されてやったようなものだったんですから(みなさん覚えています?)。

その状況で彼が指した手が見事でした。あの時の彼が取り得る最善手を勇気を出して指しきったと思います。

金持ち一家ほど相続税を払わない。富裕層のバレない「逃税」の闇

親族が亡くなって遺産を相続したとき、必ず支払わなければならない税金「相続税」。しかし、この相続税は抜け穴が多く、莫大な遺産を手にしている資産家に限って税金をきちんと納めていない、と指摘するのは元国税調査官の大村大次郎さん。大村さんは、自身のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』で、相続税が課税水準が引き下げられたにも関わらず税収が増えなかった理由について、ありとあらゆる「逃税」方法が野放しにされている現状を暴露しています。

※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2018年7月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール大村大次郎おおむらおおじろう
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。

実は「抜け穴」だらけの相続税

平成27年2015)に、相続税の課税水準引き下げられました。

平成26年(2014)以前は、最低でも5800万円以上の遺産がないと、相続税はかかってきませんでしたが、平成27年以降は、最低3600万円以上の遺産があれば、相続税がかかってくる可能性が出てきました。

この課税水準の引き下げは、マスコミなどでも大きく取り上げられたので、ご存知の方も多いでしょう。課税水準の引き下げは、当然のことながら、税収を上げるためでした。

昨今の日本では、貧富の格差が深刻化し、それを埋めるためには、相続税を引き上げるべしということでした。そのために、課税水準の引き下げを行ったのです。この課税水準の引き下げにより、相続税の納税者は倍増しました。

しかし、しかし、です。

肝心の税収の方はほとんど増えていないのです。課税水準引き下げの前は、相続税の税収は1兆9千億円程度でした。しかし、引き下げ後の平成27年の税収は2兆円に達しなかったのです。

昨今の株価の上昇により、現在は2兆円をすこし超える程度の税収があります。が、これも、株価や地価の上昇が主な要因と見られ、課税水準の引き下げの影響はほとんどないのです。

これはよくよく検討すれば、当然のことでした。

アメリカが、中国経済を潰すまで「貿易戦争」を止めない理由

現在、アメリカ経済は絶好調で日米ともに株高となっていますが、この景気はいつまで続くのでしょうか。そして、米国が中国から輸入する多くの品目に関税をかけて「米中貿易戦争」が始まっていますが、この戦いは日本にどのような影響を及ぼすのでしょうか。メルマガ『国際戦略コラム有料版』の著者・津田慶治さんは自身のメルマガで、日々変わる世界経済の動きと、日本人のとるべき行動について、その根拠を並べながら解説しています。

円独歩安で円変調か?

円独歩安(えんどっぽやす)で、日米ともに株高になり、バブルが大きく成長している。米国消費者物価は2%になり、米経済は過熱で今以上の物価上昇も視野。FRB(連邦準備理事会)は年内に4回の利上げを行うという。今後を検討しよう。

0. 米経済過熱

米国経済が順調である。米国消費者物価が2%以上も上昇して、FRBは年4回の利上げを行うとしている。この金利上昇でドルの還流が起きてドル高になり、企業決算も利益幅が上昇し、実質的な失業率も下がり、経済は絶好調である。還流したドルで10年国債を買っているために、10年米国債の金利も低下してきた。

このため、10年国債と2年国債の金利差が縮小し、イールドカーブの平坦化が起きている。しかし、この現状は心配ないという意見が出てきた。

ホワイトハウスの経済顧問だったジャレッド・バーンスタインなどが、景気後退の前触れとされるイールドカーブの平坦化ないし逆イールドカーブは、今回は心配するに及ばないという。今回は今までとは違い景気が良いからであるという。現時点の米国景気は絶好調であることは間違いないが、現時点が最高点を示しているともいえるわけである。そして、野村證券の見解も同じ様だ。

またもや、「今回も心配ない」が出てきた。今までのすべてで逆イールド」になって1、2年程度で、景気後退して株価が下落していた。強い相関がある。でも毎回、「今回は心配がない」という株アナリストや学者が出てくる。

1. 円変調

しかし、今回は何かが違う。「イールドカーブの平坦化」や「米中貿易戦争へのリスク回避」で円買いになるはずが、逆イールドは心配なく、米中貿易戦争は中国の負けだから中国が妥協するはずで貿易戦争は心配がないと、リスクオンではなくリスクオフになり、米株価のナスダックは最高値を更新し、ダウも2万5000ドルを回復している。リスクオフなので円安になって、日経平均は400円も上昇している。このように、日米でヘッジファンドがバブルを作り始めた

このため、貿易戦争で世界経済に変調をきたすというファンダメンタルではなく、当面の企業収益を期待したテクニカル的な取引が中心になっているようである。このため、円が急落したことで、コンピューター取引で売りが売りを呼んでいる。ヘッジファンドも円持ちを解消したという。

今まで成り立っていたいろいろな相関関係はトランプツイードで破壊されているが、とうとうリスクオンの考え方も変化して、円は多くの通貨に対して安くなり、円独歩安ということになっている。ドル円だけで円安というわけではない。これには理由がある。

世界の投資家たち円の見え方が変化したように感じる。日本の将来は、人口減少経済規模が縮小して、2019年にも衰退が始まり将来が暗いと見られ始めている。「アベノミクスで経済発展する」と安倍首相は数年前に宣言したが、そうなっていないことに気がついて、日本投資を引き揚げている。海外投資家の日本売りが始まっているからだ。5月のGDPはマイナスで、やはりという感じになっている。

ドイツに大声で激怒するトランプが「最大最強の味方」を失う日

7月11日、NATO加盟国の首脳会議で米トランプ大統領はドイツを名指しで非難しました。これは、アメリカがNATO全加盟国の国防支出の7割近くを占めるのに対して、ドイツなど他の加盟国の負担が少なすぎることに腹を立てたのです。こうしたドイツと米国の関係悪化について、国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは、自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、非難の理由はわかるとしながらも「対中露のために、米欧は協調路線を目指すべきだ」と論じています。

米欧関係を破壊するトランプ

ブリュッセルで7月11日、NATO首脳会議がはじまりました。ベルギーを訪れたトランプさん。早速、NATO加盟国、特にドイツを大声で非難しました。

トランプ大統領はイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)NATO事務総長との朝食会の冒頭、儀礼的なものにするという慣行を破り、ドイツをはじめとする加盟国が費用を負担していないと激しく非難。
(AFP=時事 7月11日)

なぜ、トランプさんは、NATO加盟国、特にドイツに腹を立てているのでしょうか? 問題は二つです。

一つ目、トランプは、他のNATO加盟国の負担が少なすぎると主張している。毎日新聞7月11日。

NATOは2014年、対ロシア関係の緊張高まりを受け、24年までにすべての加盟国が国防費をGDP比で2%以上に引き上げる目標を設定した。しかし18年中に達成が見込まれるのは、加盟29カ国のうち米英やロシアに近い東欧中心の計8カ国のみだ。これに対し、米国はNATO全加盟国の国防支出の7割近くを占める。

アメリカはNATO全加盟国の国防支出の7割近くを占める。これは、ムカつく要因ですね。トランプさんが、「他の加盟国は、安保タダ乗りだ!」と考えるのも仕方ありません。それで、トランプさんは、この件でたくさんツイートしています。

こうした点に不満を持つトランプ氏は首脳会議前日の10日、「NATO加盟国はもっと多く、米国はより少なく払うべきだ。とても不公平だ」と主張するなど、通商問題も絡めながら欧州の加盟国を批判するツイートを繰り返した。(同上)

アメリカは、欧州を守っているのに、彼らは実質何もしないし、金も出さない。不公平だと思わないか?」

こういうロジックは、わかりやすく庶民受けするのでしょう。トランプさん、選挙戦中ずいぶん日本をたたいていました。その時は、「日本が攻められたら、アメリカは、日本を助けなければならない。しかし、アメリカが攻められたら、日本は何もしなくていいんだ。これは、不公平だと思わないか?」というと、支持者の皆さんが「いえ~~~す!!!!」と大声で叫んでいました。

そして、トランプさんの主要なターゲットは、欧州最大の経済大国ドイツです。なぜ?

とりわけトランプ氏が標的とするのは欧州最大の経済大国ドイツだ。ドイツの国防費はGDP比約1.2%で、24年までの引き上げ目標も1.5%にとどまる。(同上)

なるほど~。ドイツは、GDP世界4位、欧州1の経済大国。エマニュエル・トッドさんは、「EUは実質ドイツ帝国だ!」と断言している。それほどパワーのある国なのに、国防費は、GDPの1.2%しかない(ちなみにアメリカの軍事費は、GDP比で3.1%。日本は、約1%)。

「もっと時間があれば」「良い上司になれば」では何も解決しない

人間は失礼な他人の振る舞いや偶然の出来事に対し、腹を立てることもできれば冷静に対処することもできます。つまり外的要因に振り回されることなく、自分自身の行動を選択することができるのです。 今回の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』では、著者で現役弁護士の谷原さんが、自己正当化の罠から抜け出しセルフコントロールを促す処方箋を紹介しています。

自己正当化の罠から抜け出す

こんにちは。

弁護士の谷原誠です。

今の自分に満足しない人は、多いのではないでしょうか。そして、私たちは、その原因を外的条件に求めようとします。

  • 資金に余裕があれば…
  • もっと時間があれば…
  • 良い上司に代わってくれれば…
  • もっと痩せさえすれば…

こう思えば、自分を正当化し、自尊心が傷つくのを避けることができるからです

しかし、こう思っている限り、残念ながら、進歩から遠のいてしまいます。自己正当化をした以上、それ以上辛い努力をする必要がなくなってしまうためです。

イソップ寓話の「酸っぱいブドウ」のキツネと同じです。「どうせ、あのブドウは酸っぱいに決まっているよ」。そうやって自己正当化をした以上、ブドウを取ろうという努力をやめてしまいます。

しかし、私は、常に進歩していきたいと思っています。先ほどのような自己正当化をなるべくしたくないと思っています。では、どうすれば、自己正当化の罠から抜け出すことができるのでしょうか。

私は、そんなとき、自分に質問をするようにしています。できる前提で、質問をします。

  • 資金がなくてもできる方法はどんな方法だろうか?
  • 時間がなくてもやり切るには、どうしたら、良いだろうか?
  • この上司の下で、このプロジェクトを成功させるためには?
  • 今現在の体型で、うまくいくには?

これらの質問は、今現在の条件でうまくいく方法を探す質問です。もちろん、外的条件を整えようとする質問もありますね。

  • では、資金を得るには、どんな方法があるだろうか?

というような質問です。全く違うことを考え出しますね。

いずれにしても、私たちは、自分のことを放っておくと、自動的に自己正当化をしようとし、自己正当化をした結果、行動を起こさなくなってしまいがちです

考えるということは、「自分に質問をする」ということなので、上手に自分に質問することによって、自分の思考をうまくコントロールしたいものです。そうすれば、常に前向きに生きられるのだと思います。物事のどの面を見るかが重要なのだと思います。

「顔をいつも太陽のほうにむけていて。影なんて見ていることはないわ」(ヘレン・ケラー)

今日は、ここまでです。

image by: shutterstock.com